第9十刃に転生したが最強だった   作:飛翔するシカバネ

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一撃、そして合成

俺の前にはルド、エル、ノイの3人がいる。

 

ルドは実験体用の量産破面を作ってもらっている。

エルは俺の周りに機械をおいて実験の計測をしている。

ノイはもしも実験体が暴走した時の為に戦闘態勢で待っている。

 

ノイ…そんな楽しみに待ってるけど出来たばかりは多分弱いからね。

そんなギラギラした目してもガッカリするだけだよ。

 

 

 

今から行うのは破面の合成による新たなる個体を作り出すこと。

俺の両手の喰虚それぞれ違う量産破面を食い、俺の灰化幼虫を接着剤にして俺の記憶にある破面や虚の記憶を核として今までに無い新しい破面を作り出そうとしている。

 

俺は何だかんだで従属官はルドとロカしかいないからな。

ここらで増やしたいなと考えたのがことの発端だ。

 

実験ばっかしている描写しかないが戦闘訓練や修行をしている。

原作のBLEACHの様に修行が面白いのは珍しい。

やって分かった。

修行と実験以外は藍染の命令で虚狩ってくるくらいだし、つまらないんだよ。

 

 

と、無駄なことは置いといてだ。

実験の話に戻ろう。

 

実験体用の量産破面だが今回用意したのは全員違う個体だ。

俺と一緒に命令をこなしたのもいれば薬を投与され体が変質したのもいる。

 

混ぜるのも違う個体でなければ意味が無いしな。

同じ個体を混ぜた時もあったがその時は単純な足し算だった。

1+1は2という単純な計算だった。

面白みもない。

その個体には自我がなく従属官としては不合格もいいところだった。

 

今回は成功するといいな。

健康状態、持っている能力、戦闘が上手いものを素材にしている。

健康状態は量産破面の中に入っている霊力の残量だ。

量産破面は霊力が0になると電池が切れたロボットの様に倒れてしまう。

霊力が切れた量産破面は死んだものとしてルドに戻るのだ。

これは量産破面が自分で霊力を作り出すことが出来ないからだ。

外部の敵を食う、ルドから充電する、のどちらかしか今は無い。

何故出来ないのはそういう能力だとしか表現出来ない。

ぶっちゃけ判明していないからな。

 

持っている能力は別に外部から取り入れた能力では無い。

稀に量産破面の中から能力に目覚めた個体がでる。

それは能力と呼ぶには拙いものだが、発現した事に何か特別な条件があるのではないかと考えている。

 

戦闘が上手いものも同じだ。

こちらも個体の中から突然変異のように戦闘が他の個体より上手いものが出てくる。

戦闘経験はどれも同じはずなのに1人だけ動きが違う事がある。

今回はノイの初撃を躱した個体を選んでいる。

まあ、5体だが。

 

今回の実験回数は5回。

少しくらい成功してくれると嬉しい。

 

俺は両手の喰虚でそれぞれの量産破面を食らう。

俺の体内で混ざり合う。

それが俺の両手の喰虚から欠片で排出され俺の目の前で形成されていく。

何度見てもポケモンの進化のシーンにそっくりだ。

 

 

一回目。

初っ端から失敗例の一つが出来たな。

未だによく分かってはいないが混ぜるのにも相性がある。

 

相性がある事は分かっているが見分け方が分からない為今は試すしか出来ない。

そういう所もエルが機械で測定している。

 

相性が悪いと上手く形成しない。

1度は人形になるがヘドロのように崩れるタイプや体の部位がバラバラだったり比率がおかしいタイプがあった。

 

今回のはヘドロタイプだ。

 

次もヘドロタイプその次が体がバラバラだった。

生首に腕が4つついてる。

 

次は体が人間を形成した。

 

が、形成した瞬間合成破面が俺に飛びかかって来た。

 

「また、反逆かよ」

 

しかしノイによって切り伏せられた。

このように他の記憶が入っている分,俺に反逆意思をもっていることがある。

当然虚の記憶だ。

犯罪者が多いのは当たり前。

 

記憶で性格を形成するとはいえ、生前の記憶は無い。

作られた記憶で俺ならこうするだろうという動きをする。

目の前に怪しい子どもが立っているんだ。

弱そうなやつを狙うのは必然だろう。

 

 

最後の五回目

 

 

「失敗か…」

 

エルが落胆した顔をして合成破面をみる。

体は形成した。

こちらに飛びかかってもこない。

 

しかし中身がない。

 

これが最後の失敗例。

記憶もなく魂もない。

人の形をしたただの入れ物だ。

死神のようにいうなら義骸みたいなものだ。

 

これで今回の合成実験は終了だ。

そう簡単には成功しない。

分かってはいるが気分が沈む。

 

「また、失敗か…なかなか成功しないもんだね」

 

「そう、落ち込まないで下さい。次は成功しますよ」

 

「慰めるより君は新しい量産破面を作るべきじゃないのかな?」

 

「貴様には言っていない。ザエルアポロ」

 

「弱ええな。俺は帰るぞ」

 

ルドとエルがいがみ合ってる。

興味がなくなったノイは第9宮から出ていった。

 

「ごめんね。今日は仲間が増やせられると思っていたのに」

 

俺は俺の後ろに立っている者達に向けて話しかけた。

 

「気にすることはないであります。アーロニーロ様が落ち込む必要はないであります。むしろこちらの方が申し訳ないであります」

 

「アーロニーロ様は自分に忠実な兵士を作ろうとしてるんだよ。それが失敗したら落ち込むに決まってんじゃん。ア、ごめーん。馬鹿には分からないよね」

 

「お二方、アーロニーロ様の御前ですよ。もう少し静粛になさられた方がよろしいのでは」

 

「………ワロス」

 

「それで、てめえは何笑ってやがんだ。アーロニーロ様に何か言うことないのかよ」

 

 

それぞれ反応を示してくれる。

 

「今日で一万回目だからね。成功例が7回っていうのも…ね。今回は成功するかなって思ったんだよ」

 

「そういえばあの二人はどちらに行かれたのでありますか?」

 

「女の方は愛染様の所で男の方はノイトラさんの宮の留守番っつてだろ。お前さ、話聞いてたよな。馬鹿なのか?」

 

 

話していると部屋の中にロカが入ってくる。

クッキーや紅茶を乗っけた台車を押しながら。

後ろにはちゃんと家事量産破面が同じように台車を押している。

 

「実験が終了したとの事ですので紅茶とお菓子を持ってきました」

 

「ロカ様がやらずとも私どもがやります。ロカ様はご休憩なさってください」

 

「そんなことしたらロカの仕事とっちゃうよ。ア、ごめーん。君はロカの立場をとろうとしてたんだね。邪魔しちゃった」

 

 

みんな互いに挑発しあっている(1人意味がわかってない子いるけど)。

いつも通りだ。

 

「………乙」

 

紅茶とお菓子を渡してくれる。

 

「ありがとう。ドミは今回の実験はどうだった?」

 

「………gnsk」

 

「やっぱり遅くなるかな。まあ、レス達がいるからいいかな。でも人が増えた方がいいよね?」

 

「………夢がひろがりんぐwwww」

 

「そっか…頑張るか…」

 

 

 

俺は紅茶をすする。

ロカもお茶をいるのが上手くなったな。

最初の頃は怯えてばっかりだったのに今ではルドの次にみんなをまとめる重要な役割を果たしている。

実力も2番目だしね。

 

ドミは既に俺から離れ新しいお菓子を食べにいってる。

 

俺は戦力増強の為に実験を行っている。

けど、本当の理由は別にある。

原作終了まで明かさなければ問題ないんだけどな。

そうならないためにも実験はこれからもしていかなくちゃ。

 

 

 

 

変わらないために。

 


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