「くっそ!!殺られた!」
「アーロニーロ様が第8十刃如きに殺られるわけ無いだろう」
「まあ、見えてた戦いだよね」
「二人ともそこまでにして。俺はいい線いってたと思うけどな」
今回のは模擬戦だったがちょっとした遊戯でもあった。
量産破面にそれぞれ霊圧を込めて、量産破面を霊圧を込めた人物が遠隔操作出来るというエルの試作品だ。
俺がナルトの鮫と鼬がやっていた様な事を伝えたらまさか本当にやってのけるとは思わなかった。
込められた霊圧以上の戦いが出来ない事、込める事の出来る霊圧の上限がある事等まだ試作品のいきを出ないがこれはなかなかに使えるものだ。
「ルド、試作品の回収頼んだよ」
「アーロニーロ様の仰せのままに」
ルドが量産破面を指揮し試作品の死体を回収しに行く。
ルドの忠誠心はMAXだと思ってたのにこのごろ限界突破してる気がする。
因みにノイが量産破面に込めた霊圧が5割、俺が量産破面に込めた霊圧は2割だ。
これはハンデじゃ無くて2割より多く入れると目の前で量産破面が破裂したからだ。
量産破面に水分は無いが白い砂見たいのが周りに撒き散らした。
部屋が白い砂まみれになって少し凹んだ。
ルドの量産破面が戻ってきた。
やはりあのオカッパの能力は使えるな。
運搬という役割なら。
あの時量産破面達が食べた能力の個体は残してある。
その実験も後でやるが今はどうでもいいだろう。
死んだ量産破面の中から林檎を取り出す。
ノイと俺は自分の霊圧を込めた個体の林檎を食べる。
戦闘で使った分の霊圧は戻らないが使わなかった霊圧は当然戻ってくる。
あとひとつ手に入る物がある。
戦闘経験だ。
この霊圧を込めた個体を遠隔操作しているとはいえ、少しのズレや頭で感じた感覚と体で感じる感覚に齟齬が産まれる。
林檎を食べればその個体の経験が手に入るのは量産破面共有だ。
頭と体のズレを元に戻す事ができるという事だ。
エルがキーボードを使いデータをまとめている。
これも俺がアイデアを出してエルが作った機械だ。
現世の記録にこんなのがあった気がするというあやふやな回答をしたのに作り出すことの出来るエルに感動を覚える。
量産破面は何も無い状態の虚を破面化した存在だ。
つまり、破面の状態でも完成しているとは言えないのだ。
今回はノイと俺の霊圧を込めたが俺の記憶の奥底にある破面や虚の記憶や能力、性格を込めたらそれは他の量産破面とは違う存在になるのではないか。
これをやれば優秀な手駒が増えると思うとエルも言っていたがそれをやる事はまだ出来ない。
量産破面が戦い戦闘経験を継ぎ、何も無い状態の量産破面の基礎能力をあげなければならない。
今のままやろうとすると絶対爆発する。
3割込めた以上になり破裂する。
俺の部屋がまた砂だらけになる。
他にも試したい事が沢山あるがその前に聞いておくか。
「なあ、ノイ。他の破面の噂ってなんだ?」
この霊圧を込める量産破面の弱点のひとつ。
それはルドに考えてる事が行くこと。
ルドに信頼を持てばなんてことないがそれを出来る人物など限られている。
今ここにいるメンバーは全員一応信用しているという事だ。
「あ?……ああ、あれの事か」
戦いの事ばかり考えていて思い出すのに時間がかかっていた。
そしてノイは話し出す。
「それはお前にギリアン時代が無いんじゃないかって噂だよ」