第9十刃に転生したが最強だった   作:飛翔するシカバネ

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不可視、そして譲渡

 

ルドとエルの戦いが終った。

 

「どっちも原作以上の強さだな」

しかも、原作の能力も持っている状態で。

 

2人には今回、俺の能力を解析したものを2人の能力に組み込んだ。

 

どちらも能力の希少性では十刃級の能力だ。

そこに他の十刃の能力を加えたらどうなるのか。

結果的には失敗だったが。

二つの能力で全く新しい能力に昇華されれば実験は成功なのだが今回はルドはともかくエルは付属の能力といったところだ。

 

原作の能力ももち、それ以外にも使える能力が増えた程度。

新たな能力が増えるということがそう簡単に無いため成功っちゃ成功だ。

 

ルドの方は失敗はない。

何故ならルドには土台があるからだ。

これはルドの性別が変わったことにも関係している。

俺はルドが破面になる前にある虫を食わせている。

 

灰化幼虫(グリースオルーガ)

 

その見た目は灰色の芋虫だ。

一定の感覚で黒い丸が描いてある。

虚が食べると体力を回復し、十刃に忠誠を誓うように体を作り変える虫だ。

 

これの試作品をルドに食べさせた。

この時はエルの回復薬的なのに成ればいいなと思った程度だったが、何がどう作用したのかは不明だが性別が逆転して、俺の好きだった作品のキャラに姿が似てしまった。

あの頃の俺は漫画のキャラクターの再現を自分の顔で試したりしていたからな。

当然女性キャラも。

 

まあ、ちょっとした黒歴史みたいなものだ。

 

そんな灰化幼虫がルドの魂を作り変え、融合したことにより、俺の能力を受け入れ安くなったのだ。

 

俺に擬似的に食われても失敗が無くなり、新たな能力を与えても結合しやすくなった。

 

2人に与えた能力は『喰虚(グロトネリア)』と『認識同期』だ。

 

エルはあんな感じになったが同調が悪いのか使い勝手が悪い能力になってしまった。

充分強いが。

 

ルドは見事に同調したと思う。

あの兵士が死んだ場合の本体への情報伝達は俺の認識同期だし、食った兵士が能力を再現するのもまんま俺の喰虚だ。

 

与えた能力は二つだが俺が無意識に与えてしまった能力もある。

こうなったらいいな~とか、この能力あればもっと強くなるんじゃないかな~とか思った結果がこれだ。

 

エルの窓には防御性が増したし、ルドの学習能力の再現速度も増した。

 

いろいろやっちゃった感満載だけど…

 

 

 

強くなったからいいよね!

 

 

さて、2人に話しかけるか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お疲れ様、二人とも」

 

 

 

霊力遮断を解き2人に話し掛ける。

いきなりの登場に2人が驚く。

 

「お疲れ、ということは見ていたのか」

 

「そうだよ。といっても見ていたのは帰刃した当たりからだけどね」

 

「1番大事なところからじゃないか……」

 

エルは普通に話し掛け、ルドは

 

「アーロニーロ様がいるとは知らず申し訳ありません」

 

その場に跪いた。

 

「頭を上げて、ルド。お疲れ様、頑張ったね」

 

「もったいなきお言葉!」

 

ルドは顔を上げて嬉しそうに笑う。

 

「そうだ。アーロニーロ、はいこれ」

 

エルは二つの死体を渡す。

 

「掘り起こすのが大変だったよ」

 

ヤレヤレと手を動かす。

 

「掘り起こしたのは私の兵士達だ。アーロニーロ様私からもこれを」

 

金色の林檎を二つ渡された。

 

「二人ともありがとう」

 

エルの死体二つは当然ロン毛と坊主の死体だが、ルドの林檎二つは情報の塊だ。

オカッパとアフロはルドの兵士達に食われてしまった。

その兵士を食えばいいと思うだろうが、所詮あの兵士は俺の能力の粗悪品とも呼べるものだ。

あの兵士は違う能力を一つの体に置けない、とる情報が食ったとしても俺の霊力を食った分位の情報量と使えない。

他にも死んだ場合に本体に情報が戻るがその情報をルドは把握出来ない等の欠点がある。

ルドは俺と違って脳の許容範囲が狭い。

数種の戦闘データが脳に来ても理解出来ないのだ。

 

そのための能力で金色の林檎を出す事ができる。

それを食べれば腹の中でゆっくりと消化され脳に情報が来る。

こうすればルド以外に俺や他の破面も敵の情報が分かるということだ。

これも認識同期の力だが。

 

俺は死体二つと林檎二つを食べる。

 

これで新たな能力に繋がればいいが。

微妙な能力だが一つ使える能力もあるし、使えないから従属官にしなかった事を思い出しそこは納得した。

 

「さあ、帰ろっか。ロカに飯を作って置くように言っておいたからもう出来てるんじゃない」

 

「僕は栄養素だけあればいいんだけどね」

 

「研究が一段落したんだし、ここは一緒に食べようぜ」

 

「ザエルアポロ!アーロニーロ様もこう言っておられるのだ。大人しく食事に来い!」

 

「食べないとは一言もいってないけどね」

 

「なんだと!~」

 

「二人とも、喧嘩しない。帰るよ!」

 

 

 

 


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