「話す前にここの部屋は大丈夫か?」
「ああ、誰にも聞かれはしない」
一瞬で俺の言葉の意味を組んでくれる。
さすが、天才だが。
「藍染様にはどうだ?」
「!!…それは確約出来ない」
「じゃあ済まないが…ルド!」
「はい!」
ルドが反応すると中に8人の量産破面が入ってくる
「これはルドの能力だと分かっているな。では『四点隠密結界』発動!」
8人の量産破面が2人組になり部屋の四方に散る。
斬魄刀を床に打ち差すと黒い壁が四方に張られ、箱の形になる。
「この中なら話を聞かれる事は無い。これで心置き無く話せるよ」
「この結界は?」
研究者が早くも反応する。
「『四点隠密結界』その名の通り身を隠したり密談するのに優れる結界だ。欠点は2つ防御力が無いこと、触ったら崩れるから触るなよ。もう一つは同じ霊圧を持つものが8人必要なこと」
結界を張ろうとしたザエルアポロを制する。
「結界の話は時間があるときゆっくり話そう。それよりも他の話をしよう」
まだ、研究者の心が揺れ動くのか調べ足りないようだ。
因みにルドと女破面は外に追い出した。
誰にも触られないように護衛を頼んだのだ。
「研究材料になりそうなものを持ってきた」
俺は1振りの斬魄刀を机の上にだす。
「これはアーロニーロ、君の斬魄刀か?」
「いやこれは、死神の斬魄刀だ」
ザエルアポロが驚愕する。
それもそうだろう。
死神の力の一旦を調べられる機会が訪れたのだから。
俺はメタスタシアの話をする。
「それは、興味深い。これが成功すると死神から斬魄刀が奪えるようになる、ということか」
これだけだったら結界は張らなかった。
「これが藍染様に秘密にしていることだ」
そういって俺はもう1振りの斬魄刀を取り出した。
「これは俺のもう一つの斬魄刀だ」
俺はあの選出の次の日藍染様に呼び出された。
再破面するとこになったのだ。
だが、再破面では大きな変わりはなく帰刃できる様になったという他の再破面では見られない成果を上げた。
愛染様にはそれだけを伝えた。
だが、俺はもう一つ変化が合った。
俺の右の喰虚に異物を感じたのだ。
俺は自室に帰ると異物を取り出した。
それは斬魄刀だった。
しかも、捩花とは別にもう1本。
捩花は所有権は俺に写りはしたが志波海燕の心の斬魄刀だ。
俺の喰虚が解析したのは志波海燕の斬魄刀という情報と誰しもが最初に持てるただの浅打だ。
そして喰虚は再破面の時に右の喰虚にもう一つの俺の心の写しの斬魄刀を構成したのだ。
原作では全ての浅打は二枚屋王悦が作り、それ以外は一護だけだとされている。
そんな中で俺は情報を解析して一護と似た事をしたという事。
これがどう作用するか俺は全く検討もつかない。
しかしこれは使えるということだ。
「俺はこの2振りの斬魄刀を預ける。そして情報をとって欲しい」
改造はするなよ。
「どれくらいかかる?」
少し思案顔になったが、ザエルアポロは不敵な笑みを浮かべた。
「3日もあれば十分だ」
「じゃあ預けるぞ」
俺は2振りの斬魄刀をザエルアポロに渡す。
「じゃあ二つ目の案件だ」
2振りの斬魄刀を持ち、研究室に行こうとしたザエルアポロを止め話し出す。
「まだ、あるのか?」
これは別に聞かれてもいいが。
「お前は俺を信用しているか?」
「何だ急に」
「会ったばかりだがこれは必要な事だ」
「有象無象の馬鹿どもよりは信用はしている。君は使えるとね」
「じゃあ、エルと呼んでいいか?」
ザエルアポロがポカンとしている。
「俺は友好を持つ奴の名前の中から二文字抜き出して呼んでいるんだ。だからエルって呼んでいいか?」
「………フッ」
あ!鼻で笑われた。
「好きに呼ぶといいさ。僕は変わらずアーロニーロとよぶがね」
おお、原作ではありえない心の開きよう。
「じゃあ、エル。少しだけさよなら」
そういって俺は右手の手袋を外す。
「それは、どういう
バクンっ!!!
「少しだけさよならだ。エル」