目が腐ったボーダー隊員 ー改稿版ー   作:職業病

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あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。

今回初登場の人物。

宇佐美栞
メガネっ子。元風間隊オペレーターで、現在は玉狛のオペレーター。後に玉狛第二のオペレーターもこなす。メガネが大好きでメガネ信者を増やそうと日々精進している。ちなみに琲世のメガネも宇佐美が選んだものらしい。常に明るく元気で見てて安心する。アニメオリジナルでは黒ビキニを披露してくれて全国の宇佐美ファンを歓喜させた。リリス?そんなもん知らん!宇佐美を見せろ!と作者は内心思っていた。皆さんのお察しの通り、作者は宇佐美ファンです。八幡ヒロインではない。

三浦優美子
噛ませ。俺ガイルの中で最も噛ませとしての役割をやらせやすいというなんとも不運な縦ロール。俺ガイル後半の方だとオカン体質になっているが、とても序盤ではそんな風には見えない。やたら偉そうだが葉山には従順というなんともわかりやすい恋する乙女(笑)。というか八幡はこいつらのグループに苦労かけられすぎな気がする。

葉山隼人
劣化版嵐山さん。顔の広さ、爽やかさ、性格の良さ、「ザ・ゾーン」の熟練度全てにおいて嵐山さんのデッドコピー。だが学校だとサッカー部の部長をこなし、成績も優秀であり、人望も厚い。原作だと国語の成績は2位だったが、この作品だと奈良坂の加入により4位まで転落させられた。そのうち遊真に「お前、つまんない嘘つくね」と言われる未来が確定していると作者のサイドエフェクトがそう言っている。


9話 やはり、リア充と関わるとロクなことがない。

「ねー戸塚ー、あーしらもテニスで遊んでいい?」

 

なんだあの金髪。超偉そうかつ超縦ロールしてんな。

 

「み、三浦さん。僕は遊んでるんじゃなくて練習を…」

「え?なに聞こえない」

 

聞こえてんだろ。耳節穴かよ。となりの金髪リア充その女王(笑)とめろよ。

 

「だから、練習を…」

「ふーん。でも部外者いんだしいいっしょ?」

「その部外者というのがおれらのことなら見当違いだ。こっちはちゃんとした申請だしてやってんだ。部外者ではない」

「あ?いまあーし戸塚と話してんだから入ってくんなし。てか何言ってんの意味わかんないキモいんですけど」

「今のわかんないとなると小学校からやり直した方がいいな。社会にでて困るぞ。相当知能が低いと見える」

 

おお、怖いなこいつの視線。本気で睨んできてやがる。

 

「まぁまぁ、ケンカ腰にならないで。じゃあこうしないか?テニスで勝負して勝った方がコートを使える。もちろん戸塚の練習にも付き合う。そうすればみんなも楽しめるし、練習もできる」

 

爽やか系イケメンがなんか提案してくるけど、それって結局妥協点をこっちに求めてるだけだよな。

 

「おいおいそれ本気で言ってんのか?お前らとやってもおれは楽しくないぞ。お前らだっておれとテニスして楽しいか?楽しくないだろ。それにそっちの縦ロールは練習絶対付き合わないぞ。なぜならたった今遊んでいいかって聞いたんだからな、練習なんてする気ないんだろ」

 

「ちょっと、縦ロールってあーしのこと?キモいんですけど」

 

「お前の名前知らないしどうでもいいから縦ロールでいいだろ。それにこっちはちゃんと校則にそった申請だしてんだ。校則盾にお前ら叩き出すこともできんだぞ」

 

そういうと軽く睨みつけてくる縦ロール。うん、二宮さんの方が100倍怖い。

 

「だがこの場における主導権はあくまでテニス部にある。だから戸塚、お前が決めろ」

 

不安気な表情でおれを見てくる。クソ、心が痛むぜ。

だがここでおれがこいつらを叩き出すことは戸塚のためにならない。またいつこういうことがあるかもわからない。そしてその時はおれらは間違いなくいない。そうなったらその事態対処は戸塚本人がするしかない。その練習と経験のためにここは心を鬼にする必要があるのだ。

 

「お前がいうならあいつらの勝負も受ける。逆に叩き出せと言うならぶん殴って気絶させてでも叩き出す。お前が決めろ」

 

完全に群れからはぐれた子鹿みたいになってんな。はぐれメタルみたいだな。…うん、違うね。

 

結局、戸塚が首を縦に降るのには五分かからなかった。

 

 

勝負を受けることになり、向こうは縦ロールと金髪リア充のペア。2セット先取だ。こちらも2人だすべきなのだろうが

 

戸塚←怪我人

由比ヶ浜←ど素人

 

詰んでね?やむを得ないか。

 

「由比ヶ浜、雪ノ下に電話してくれ」

「え、あ、うん」

 

携帯を取り出しボタンを押し、電話をかける。繋がるとすぐにおれに変わる。

 

「すまん雪ノ下、今から状況を説明する」

『何が起こっているのかしら?場合によってはあなたを社会的に抹殺するわよ』

「怖えよ…。実は

 

ーー

 

ってことがあった。だから救急箱とるついでに運動できる格好に着替えてこい」

『そんなに私のテニスウェア姿が見たいのかしら。視姦で訴えるわよ』

「お前がどんな格好するかなんて心底どうでもいい。何でもいいから早くしてくれ。じゃあな」

 

電話を切り、由比ヶ浜に返す。

 

「由比ヶ浜、お前は出さないからな」

 

その瞬間、由比ヶ浜の顔が歪む。もともとはこいつのグループのメンバーが今回の事を引き起こしたのだ。責任を感じているのだろう。こいつは本来なにもしてないからなにも悪くないんだけどな。

 

「あたしもやる!」

「は⁈何言ってんの?バカなのってバカだったな…」

「納得すんなし!」

 

いやしかしこいつ出すと足手まといだし、しかもこいつのためにならんのだが…。でも聞きそうにないなーこれ。

あーめんどくさ…。

 

「わかった、でも余計なことすんなよ。最悪立ってるだけでいい」

「うん!」

 

あーあ、嫌な予感しかしねぇ。

 

 

1セットが終わった。ちなみに取られました☆

いやだって由比ヶ浜がいらんとこで手出すから…。しかも横で鬱オーラ全開だし…。めんどくさ…。

ギャラリーうっせーな。「隼人くんマジっべーわ!あれじゃね?隼人くんマジ隼人くんだわー!」とか言ってやがるし。後半何が言いたいのかわからん。

 

「ごめんヒッキー…」

「気にすんな、次とりゃなんとかなる」

「あら、取られてるなんて随分無様ね、比企谷くん」

 

そこにはテニスウェア姿の雪ノ下が腕を組んで立っていた。やっときたかこいつ。というかおくれて来たのになんでこいつこんな偉そうなの?

 

「へーへー悪うござんした…」

「いいわ、ここから逆転して彼らの安いプライドを粉々にすればいいのだから」

 

怖いことさらりというなーこいつ。

まぁとりあえずこれでいい。雪ノ下は技術は自信あるとか言ってるし多分大丈夫だろう。…これで負けたらどうしよう。

と、そこで声が聞こえる!

 

「コラハッチなにやられてんだー!」

「比企谷くんもうちょいがんばってー!」

「比企谷くんまだいけるよー!」

 

待て、なぜいるお前ら。

上から横山、宇佐美、三上の順だ。

 

「え、ちょ、なんでいるの?」

 

いや本当なんでいるの?やられてるおれを見て後ろ指差しに来たの?泣くよ、おれ。

 

「あたしのガリバがチャリの籠に入れっぱでね、それ取りに行くのに栞と歌歩に付き合ってもらって駐輪場に来たらなんかハッチがやってたから見に来た」

「比企谷くんテニスできたんだね」

 

三上、そんな意外そうに言うなよ。おれだってやったことあるよ?遊びだけど。

 

「いや、遊び程度だけど…」

「というかなんでこんなことになったの?」

「その辺りは後でな」

「そっか。んじゃがんばってねハッチ」

「へーへー」

 

いらんギャラリーが増えたなー。これで負けたらマジ黒歴史。ボーダーに瞬く間に広まっちゃうな…。

とりあえず今は試合だ。

 

「メンバー交代だ。雪ノ下が入る」

「ああ、構わないよ」

 

くそ、爽やかオーラ全開にしやがってリア充が。というか何が構わないだ、お前が止めてりゃこんなことになんなかったんだよ。

 

「えー変わんの?まぁ、あーしらに勝てると思うなし?えっと、雪ノ下さん、だっけ?悪いけどあーし手加減とかできないから怪我したくなかったらやめといたほうがいいよ?」

「私は手加減してあげるから安心していいわ。安いプライドを粉々にしてあげる。私の友…うちの部員をいたぶってくれたようね。こう見えて私、結構根に持つタイプよ。覚悟なさい」

 

…なんか火花が散ってるんですけど…。

というか見たまんまそういうタイプだお前は。

試合はこちらのサーブからだ。しかしギャラリーがうるさい。隼人コールしてんじゃねぇよ。というか隼人って誰だ?

雪ノ下の放った鋭いサーブが相手コートに突き刺さる。縦ロールもここまでできるとは思っていなかったのか反応が遅れる。甘く返ってきた ボールを思いっきり打ち返し、こちらの得点になる。

 

「15ー0!」

「おお、すげーなお前」

「このくらい準備運動よ」

 

準備運動だけで体力切らすなよ。

再び雪ノ下のサーブが放たれる。先ほどのやりとりで雪ノ下ができることを悟った縦ロールは警戒していたのか、しっかりと打ち返す。だが体の向きとボールが返った向きは逆だった。

フェイントか。

おれの方にきたボールを返そうと身構えるが

 

「どきなさい、比企谷くん」

 

雪ノ下に邪魔者扱いされた。解せぬ

そのまま決まる。

 

「お前よく反応できたな」

 

おれはサイドエフェクトでわかってたけど。

 

「だって彼女、私に嫌がらせする時の同級生と同じ顔をしてたもの。あの手の下衆な人間の考えなんてお見通しよ。あれ以上に下衆いのがたった今横にいるのだからね」

 

「おい、それはおれのことか」

「ほかにいないでしょう?」

 

そうして微笑をおれに向ける。いや、否定できないけどさ…。ランク戦とかでも下衆いやりかた結構してるし。

それからの展開は早かった。雪ノ下のサーブが突き刺さり、向こうもそれに食らいつき返してくるが、最終的にはこっちがとる。向こうの縦ロールは昔テニスやってたのか結構うまいし、金髪リア充は運動部であろうから素人でありながらもかなりうまい。それでも雪ノ下には全く歯が立たないようだが。

そしてゲームポイント。雪ノ下サーブ。

雪ノ下が放ったサーブは

 

「おいおい、ジャンピングサーブってマジかよ…」

 

今までのサーブよりはるかに鋭いサーブが決まる。当然向こうはとれない。今回はこっちの勝ちだ。ちなみにラブゲーム。

 

「お前とんでもねーな。そのままサクッと決めちまえよ、と言いたいけど…」

「ええ…。それは、無理、そうね…」

 

既に雪ノ下はグロッキーだった。どんだけ体力ないんだよ。戸塚より体力ないだろこいつ。今までどんな生活してきたんだ。

仕方ない。おれもなかなか向こうにはイラついていたから最後に思いっきり仕返ししてやろう。

 

「まぁ、あとはおれがやる。あとは突っ立ってるだけでいい」

「あなたに、できるの?」

「少なくとも体力がゴミほどしかなくて1ゲームでグロッキーになったどっかの誰かよりはできる」

 

睨むなよ。お前は普段からこんなことばっか言ってんだぜ?少しはお前の性格の悪さを自覚しろ。

 

「まぁいいや。いくぞ」

 

リア充共を叩き出すために。全ては戸塚のためだ。

 

ーー

 

最後はじゃんけんで勝ったこっちからのサーブだ。まずは念のため一点くらい卑怯な手でリードつけておこう。

バウンドさせてたボールを掴み、放る。あえてラケットの変なとこに当ててボールを高々とあげる。

これだけみたらただのミスだろう。おれが構えを解くと向こうもミスだと判断して構えを解く。

ミスだと思った?残念ハズレだ。

高々と上がったボールは相手コートに落ちる。どう見ても入っている。完全にアウトだと思ってたリア充共は反応できない。ボールは再度バウンドし、こちらの得点になる。

 

「15ー0!」

 

そして最高のゲス顔を相手に向ける。縦ロールは憤怒の表情でおれを見てきて、金髪リア充は苦い顔で見てくる。

 

「さすがね。汚い手を使うわ」

「お前みたいなズバ抜けた技術はないからな。保険で一本とるくらい別にいいだろ」

 

怒りの表情で全力サーブを打ってくる。とりあえずあいつの頭に血をのぼらせることはできた。だからつぎはこっちだ金髪リア充。サーブを金髪リア充の方へリターンする。あの手のタイプの人間は真っ向勝負を好んで相手の裏をかくやり方を嫌う。さっきの波風たてさせないようにする立ち振る舞いを見れば一目瞭然だ。普通に返すようにみせて

 

ボールの下を軽くこすり、威力を弱めて相手コートに落とす。

ドロップショットだ。

 

突然のことで反応できず、再びこちらの得点になる。とろうとして前にでた結果リア充ペアはコートにすっ転ぶ。無様だな。そしてそれを満面のゲス顔で見下ろす。

次のサーブは雪ノ下が打つ。普通に打ち相手コートに入れる。リターンはおれの方へ来た。サーブくらいはまだ打てるのか。

ドロップショットを放つ構えで待ち構える。するとさっきの反省からか縦ロールは前に勢いよく出てきた。内心でほくそ笑みながら全力のボールを放つ。縦ロールの顔のすぐ横をかすめ、こちらの得点になる。フッ、チョロいぜ。というかこいつら簡単に引っかかりすぎてない?ほんとにかたっぽ経験者?(嘲笑)それと横山、ヤジ飛ばすな。おれにならなに言ってもいいわけじゃないからね?宇佐美と三上も止めろよ。

縦ロールが怒りの表情で見てるけど引っかかるお前が悪いんだろ。金髪も苦い顔してるし。

ゲームポイントになったことにより、向こうはかなり危機感をもったようだ。さすがに最後は正々堂々やろう(意味深)

サーブが来てそれを打ち返す。向こうもさらにそれを打ち返し、ラリーが続く。とはいえずっと続くと遊びでやったことのある程度のおれらは分が悪くなるだろう。だからボールの威力は低くても的確に相手の嫌がるとこに返す。例えば足元とか。

 

そしておれにそんな技術あるのか?と疑問に思うやつもいるだろう。現に雪ノ下が怪訝な表情でみてるし。

だがおれには超直感のサイドエフェクトがある。大体のことは反射と勘でどうとでもなる。現に今おれはほとんど勘で動いてるし。

 

しばらくラリーを続けるとおれの放ったボールが縦ロールの足元につき、縦ロールはうまく返せずボールは弱く、そして高く上がる。まさにチャンスボール。スマッシュ決めておわりにできる。

 

まぁ、そんな普通の展開にするはずないが。

 

返ってきたボールは、おれの軽く差し出したラケットに当たりポトリと向こうコートに落ちる。ドロップショットですらない完全なる舐めプレイ。なんたる外道。これがおれのやり方だ。正々堂々相手の嫌がるやり方をやる。

そして最高で最悪のやり方で試合は終わった。

 

 

全員唖然としてる。(横山、宇佐美、三上は除く)そりゃそうだ。どこの馬の骨とも知らん目が腐った最下位カーストのやつにあの最上位カーストのリア充共が完膚なきまでやられたんだからな。…てかおい、誰の目が腐ってるって?

 

「ふぅ、試合終了。こっちが勝ったんだしとっとと出て行け」

 

縦ロールの怒りの表情。いや、そういう約束だったでしょ?

 

「おい、なんだその顔。元はといえばお前が提示してきた条件だろ。まさか此の期に及んでまだ駄々こねるわけじゃねぇだろうな、元県選抜さん?」

 

少しやりすぎたかな、と思ったがそんなもん知らん。とりあえずそろそろ昼休みも終わるしコート整備しなければな、とコートから出ようとしたとこで

 

「優美子!」

「比企谷くん!」

 

悲痛な声が聞こえた。

とっさに振り向くと縦ロールがラケットを振りかぶっていた。

反射的に体をそらすが、額に僅かに衝撃が走る。どうやら掠ったらしい。とりあえず大事には至らなかったか……。

本来ならサイドエフェクトであの程度察知できるが、リア充共の視線に当てられて精神的ヒットポイントがやばかったし、なにより試合中使いすぎたせいで反応が鈍くなってるのだろう。今倦怠感やべぇし。

縦ロールは「あ、やっちまった」みたいは表情してる。

あのクソ縦ロールをどっかにやろう。でないとマジで血祭りが起こる。主におれのせいで(笑)

 

「おい、お前なにやってんだ。思い通りにならなかったら暴力か。ふざけんのも大概にしろ。さすがに今のは結構頭にきてるぞ」

「ま、まぁまぁ、落ち着いて。ほら、優美子も悪気があってやったわけじゃないからさ、許してくれないか?」

「悪気はなかった?悪気しかねぇだろなに言ってんだお前。それにお前もお前でなぜこのバカを止めない。お前は波風立てんのを嫌うみたいだな。それは構わないが、そのためにおれらをそのバカのためのご機嫌取りに使うな。頭下げりゃ丸く収まるとでも思ったか」

 

金髪は顔を歪め、逸らす。そりゃそうだ。悪いとわかってて自分のグループの事しか考えずやった行動だ。咎められて当たり前だ。

 

「とりあえずとっとと消えろ。貴重な練習時間を割いてやっただけありがたいと思いやがれ。それとこれ以上事を大きくしたくないから最後のコレはチクったりしないが、代わりに二度と私的な理由で他人を振り回すな。一発ぶん殴ってやりたいとこだが、お前らなんか殴る価値もないな」

 

その言葉に縦ロールはさらに表情をきつくし、それを金髪が宥める。

そうしてリア充共はギャラリーを引き連れ帰っていった。最後の最後のまで謝罪は一言もなかった。

額に液体の感触。血が少し出てきた。三上と宇佐美に治療して貰った。とりあえず横山、傷口触んな痛いから。

 

 

「ヒッキー平気?」

「ああ、もう血も止まった」

「その、ごめんね優美子が……」

「お前は何もしてないだろ。気にすんな」

 

別に気を使ったとかではない。現にこいつはなにもしてないし悪くない。

 

「でも……」

「いいつってんだろ」

 

これ以上言うのはやめてほしい。正直ウザいから。

 

「うん…。というかヒッキークラスではぼっちなのに他のクラスの人とは関わりあったんだね」

「まぁ、ちょっとな」

「……彼女、とかだったりするの?あの子達の誰か」

「んなわけねーだろ」

 

いや本当にありえない。ならまだ綾辻とか那須とか三上とか宇佐美ならまだいいかもだが横山はマジでない。チームメイトとしてならウェルカムだけど彼女はない。顔に正拳突きする彼女とか嫌だ。

 

「そ、そっか……」

「?」

「いいいやなんでもない!あ、もう昼休み終わるね!あたし着替えてくる!またねヒッキー!」

「お、おう」

 

なんだったんだ?

 

 

学校が終わり、平塚先生に見つかる前にステルス全開でさっさと教室をでる。昇降口に差し掛かったとこで声をかけられる。

 

「八幡くん」

 

呼ばれて振り返ると綾辻がいた。昨日ぶりだな。

 

「おお、綾辻か。どした?」

「戸塚くんの練習、どんな感じになってるかなって」

「まぁ今日が初日なんだけどな。どんなか、か」

 

うーん侵略者が現れたことは言うべきだろうか。これで生徒会にチクってさらに事が大きくなるのはおれにとっても戸塚にとってもいいことではない。口止めしとけばいいだろうか。いやでもやはり…。

おれがうんうん唸っていると綾辻が顔を覗き込んでくる。近いって…。

 

「どうしたの?」

「あー、いや、そのちょっとな…」

「なにかあったの?」

「あー実は…

 

ーー

 

って感じだ…」

 

結局全部話てしまった。いやだって申請やってくれたし色々恩があるからね…。あ、でも最後のアレは言ってない。知られると面倒だし。三上とか宇佐美とか横山伝いに伝わるかもだけど。

 

「なにそれ。悪いの全部向こうじゃん」

「いやそうだし説明もしたのに聞かなかったんだよ…」

「次そういうのあったら生徒会に連絡して。公的な手段をもって制裁にいくから」

 

さすが副会長。なかなかの権力をお持ちで…。まぁでもそれが本来正しいやり方なのだろう。ぶっちゃけ横山呼んだ方が早い気もするけどな。正拳突きの犠牲者が増えるけど。

 

「そうする…」

「そうしてね。あ、そういえば八幡くんこれから本部?」

「いや、防衛任務深夜だから一旦帰って寝る」

「そっか、じゃあ途中まで一緒に帰ろうか」

「ああ」

 

 

 

 

 

やはり、リア充に関わるとロクなことがない。

 

 

 




比企谷隊作戦室
多分太刀川隊作戦室の次に住んでる感がある作戦室。でも常に片付いてる。
あるのは大体棚と本棚。棚にはお菓子ぎっしり。5:4:1の割合で夏希、八幡、琲世が持ち込んだもの。
本棚には文庫本やハードカバーの小説、八幡の持ち込んだラノベや漫画、琲世が持ち込んだ教材等々いろいろある。どの部屋にも必ず一つはお菓子棚と本棚がある。本の多さ故この作戦室の別名は「図書館」。
一番広い部屋の壁は棚と本棚でほとんど見えない。デスクは片付いてる。一番奥の部屋はくつろぐことも勉強することもできるなんでも部屋的な感じ。時々米屋とかに勉強を教えるために使うホワイトボード完備。給湯室には琲世が持ち込んだ冷蔵庫、調理器具まであるためガチ料理もできる。換気扇及び電気コンロは八幡が鬼怒田さんに土下座してつくって貰った。小部屋は書斎みたいな感じ。ベイルアウト用の部屋には琲世が泊まる時にベイルアウト用のベッドで寝る為に置いてある掛け布団とまくらがある。

次回はワートリかな。

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