緋弾のアリアー緋弾を守るもの   作:草薙

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第93弾 レオポン姉弟現れる

「何……してんだ?」

 

遊戯室に入るなり俺は言った。

なぜなら、アリアとキンジが抱き合うように倒れていたからだ。

 

 

「こ、ここここれはちが……ちがうんだか……」

 

ガガアアアン

 

うお、雷近いな。

 

「くぅ~」

 

小動物のように震えながらキンジに抱きつくアリアを見て納得した。

ああ、アリア雷怖いもんな。

 

スカートの裾をぎゅぅーと掴んで恐怖に震えるアリアは、それでも貴族のプライドは捨てていない。

頼ってるんじゃないって感じに涙目を下向きに逸らしているのだ。

キンジがごまかすように横を向いた。

ああ、確かに今のアリアはやばいよな……ぶるぶる震える小動物のようなアリアは殺人的にが虐殺的なぐらいかわいいのだ。

「ほ、ほら、怖くないって。大丈夫だ。俺が、この部屋にいてやるから」

 

キンジが言いながらアリアを離すがアリアは相変わらず怯えきったままでびくびくしてる。

仕方ねえ助け船を出すか

 

「キンジ、こ……っと」

 

不味い不味いローズマリーのせいで女性モードが切れていたな。

よし、集中してと

 

「キンジさん。これを」

 

言いながら携帯のレオポンをキンジに見せる。

キンジは納得したらしく

 

「アリア、雷なんか怖くない取って置きの助っ人を呼ぶわ」

柔らかに微笑んでアリアを安心させるように言う。

 

「す、助っ人?」

 

「そうだ。いまこの館にいる」

 

「こ、ここにはあたし達しかいないじゃないっ。先生は地下室に籠ってるし」

 

まあ、ローズマリーもいたんだがこの際あいつは無視しよう。

俺たちははビリヤード台を挟んで反対側に回ると屈んで台に身を隠すと俺たちはは携帯のレオポンをビリヤード台伸ばして上に押し出す

 

「おっすアリア奥入瀬レオポン君」

 

「私はレオポンちゃん」

 

互いにレオポンの前足を挨拶するように掲げて見せる。

 

「地上最強の猛獣だぞ。おぉーアリア、お前、何か、怯えた顔してんなぁ」

 

「どうかしたのアリアちゃん?」

 

俺のレオポンは女性みたいに心配そうに前足をを合わせて見せる。

こっそりアリアを見るとアリアはレオポン達にこくこくと頷いていた。

 

「何か怖いのか話そうアリアちゃん。私達姉弟が話を聞くわ」

 

言ってみてから姉弟なの!と自分で突っ込む。

 

「……か、カミナリ」

 

アリアよ……やっていてなんだがいいのか……

 

「はっ、心配すんな!そんなモン、おいら達レオポンスキル双頭の吠え声術で追っ払ってやるぜうおー!」

 

 

「がおー!レオポンちゃんだぁ!」

 

俺たちは前足を持ち上げ熊が威嚇する時と同じようなポーズをとらせる。

 

 

「お、追い払ってくれてるの?」

 

「ああ、おいら達の吠え声は邪悪なカミナリ雲を遠ざけるんだ!うぉー」

 

「ガオーアリアちゃんから離れろカミナリ雲ぉ!」

 

やばい、やってて少しだけ恥ずかしくなってきた……

まあ、これはでたらめでもない。

いや、レオポンにそんな力はないが雷は近づいたら必ず遠ざかっていくのだ。

現に再び雷が鳴るが距離はかなり遠い

 

「……た、確かに遠ざかってるわ!すごい!」

 

アリアはレオポン姉弟の力を信じたらしくビリヤード台を回ってきた。

俺とキンジもレオポンを走るように動かしてアリアを迎え、レオポンはアリアにむしりとられ、ぎゅうううう。

 

「ありがとう!ありがとうレオポン姉弟」

 

つり気味の目を細めて思いっきりレオポン君を両手で抱いて頬擦りした。

ついでに俺たちをふんわりスカートのオシリで押し退けて、レオポン3人の世界に没収する。

ま、雷が怖いのをレオポンに依存して恐怖をまぎらわそうとしてんだな。

隣でキンジが不満そうにしてるのでフフフと笑いながら

 

「キンジさん。私たちはレオポン姉弟以下の存在なのね」

 

「そうだな……」

 

ま、かわいいアリアが見れたからいいとしときますか……

さてと、次は理子との定時連絡だがまだ、時間あるな。

そう思いながら窓の外を見る。

当然、ローズマリーの姿はなく闇が世界を覆っている。

 

「……」

 

嫌な夜だなと俺は思いながら窓から離れた。


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