緋弾のアリアー緋弾を守るもの   作:草薙

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第84弾 追撃戦2

「「優!」」

 

事態を重く見たらしいキンジ達がロッカーから飛び出してくる。

 

「お前ら早く逃げろ!」

 

武藤が天井に威嚇射撃を1発放つ。

轟音が室内に響くがこの狼全くひるんでいない。

そして、柔肌を晒している女子に向かい跳躍する。

 

「武藤! 銃を使うな!女子が防弾制服を来ていない!」

 

キンジの言葉を聞きながら狼の前に向かい俺は2発ワイヤーを発射した。

丁度くもの糸のように狼の前に展開されたワイヤーに狼は激突して跳ね返る。

峰打ちで意識を飛ばす

俺は左腰の日本刀を抜くと上段から狼にたたき落とす。

 

「ぐるおん!」

 

狼は鳴き声をあげるとそれを交わす。

ちっ!

さらに追撃をかけようとするが室内では銃同様剣も使いにくいし攻撃方法も限られてしまうのだ。

殺すことを選択肢にいれるならやりようがあるが・・・

再び狼が跳躍する。

ロッカーが冗談のように吹き飛ぶ

 

「うわあああ!」

 

武藤がその吹っ飛んだロッカーの下敷きになる。

 

「武藤!」

 

俺が言った瞬間、今度は狼は小夜鳴先生に襲いかかった。

 

「あ!」

 

小夜鳴先生は吹っ飛ばされ床に叩きつけられる。

同時に、狼は窓ガラスを破りながら逃走を図った。

 

「この!」

 

逃がすかと窓から飛び出そうとしたところ

 

「優! 使え! そこの向こうの茂みにバイクがある」

 

それを受取りながら

 

「キンジ! こっちの方頼むぞ!」

 

「ああ!」

 

返答を待って、バイクを見つける。

武藤・・・改造隼を所持する俺が言うことじゃないがどこまで逃げる気だったんだ?

BMW―1200R、世界最強のエンジンを搭載するネイキッド・バイクだ。

かいぞうされてるらしいエンジンをかける。

やっぱり、バイクはいいよな。

虎児に預けてる隼返してもらおうかな

そう思っていた時、俺の肩に誰かが手を置いた。

降り返るとドラグノフ狙撃銃を肩につけて下着姿のレキが・・・

 

「ちょっ! レキ、お前何やってんだよ!服着ろよ!」

 

「優さんではあの狼を探せない」

 

いや、まあたしかにそうなんだが・・・

このスタンス、神戸での追撃戦の時と同じだな。

 

「じゃあ、今回も頼むぜレキ!」

 

「はい」

 

レキの返答を待ってからバイクを発進させる。

相棒の隼ほどではないがこのバイクもなかなか使い勝手がいいな。

 

「なあ、レキ・・・」

 

「はい?」

 

とりあえず言っておこう。

 

「わざとじゃないからな」

 

「?」

 

レキが首をかしげる気配

 

「その・・・別に覗きとかしてたんじゃなくてだな・・・怒らないでくれよ」

 

「何を怒るのですか?」

 

本当にわからないというような返答だな・・・

 

「いやいい・・・」

 

だって、下手に言ってレキが怒るようなことしたくないしな・・・

というか・・・

こ、困るよこの状況・・・

神戸の時と違い、さらに、薄い下着姿でレキは俺の背中につかまってるんだ・・・

その・・・やはり、女の子の体って柔らかいんだな・・・

 

「人工島の南端工事現場です」

 

はっとしてレキの言葉に俺は頷いた。

 

「さすが視力いいなレキ!」

 

ごまかすようにおれはいうのだった。

 


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