緋弾のアリアー緋弾を守るもの   作:草薙

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第79弾 ヤンデレ強襲再び

東京に戻った翌日、一応、レキもそれとなく泥棒作戦に誘ってみたが療養ののために断られてしまった。

なので理子やマリと別れ、アリア、俺、キンジで部屋に戻ってきた。

 

「それはあたしのよ」

 

「これはおれのだ」

 

「なぜなんだ・・・」

 

再び、アリアももまん、キンジハンバーグ弁当、俺きのこご飯という構図・・・

きのこ嫌いなのに・・・

ってまたかよ!

 

 

「キンジ! 交換しろよ!」

 

いつかと同じようにキンジに詰め寄る。

 

「早い者がちだからな」

 

「お前が買ってきたんだろ!」

 

そうこういううちにキンジは食べ始め、アリアもももまんを食べ始める。

く、くそお・・・

やけくそぎみに弁当を口入れる。

うええまずい。

まさしく、そのタイミング

 

「キンちゃん! 帰ってるのキンちゃん」

 

ばんばんと扉が叩かれる音

げっまさか!

冷や汗をかきながらキンジを見る。

見るとキンジの手が止まっている。

 

「白雪?」

 

アリアは立ち上がろうとしたとき扉が轟音をたてて切り裂かれた。

や、ヤンデレ白雪・・・別名黒雪・・・

こおおとヤンデレ目の白雪はひたりと1歩部屋に踏み入れる。

気のせいか周囲の闇が濃くなり髪がざわざわ動いているような・・・

こ、こええええ

 

「キンちゃん」

 

「ど、どうかしたのか白雪?」

 

キンジが言う。

 

「アリアと旅行したって本当?」

 

「そ、その・・・」

 

なぜか詰まったキンジがアリアを見る。

 

「クエストで神戸に行ってきたんだよ。 それだけだ」

 

「本当? 優君?」

 

ひいいい! 殺気をこっちに向けるな!

ヤンデレとだけは戦いたくない!

それは、この先アリアを狙う相手に現れても絶対に戦わんぞ!

 

「ほ、本当だ!」

 

「・・・」

 

こおおおというヤンデレ目をやめてホッとした様子の白雪は両手をあわせてにこりと微笑んだ。

 

「じゃあ今回もキンちゃんとアリアには何もなかったんだね」

 

「というと?」

 

俺が聞き返す。

 

「抱きついたりとか・・・そういったこと」

 

赤くなって言った時、アリアがぼんと赤くなった。

あ、ああ・・・あったよね・・・・バイクとかバイクとか・・・

正確にはキンジの背中にアリアが捕まっていたというのが正しいんだが・・・

 

「そ、そういうことはしたけど・・・」

 

「ばっ!」

 

慌てて中間に割り込もうとするが既に手遅れだった。

がしゃん

 

鉄の鎖についていたモーニングスターのような武器が床に落ちる。

もうだめだ! おしまいだ!

 

「フフ、フフフフ」

 

「き。キンジなんとかしろ!」

 

恐ろしい笑を浮かべる白雪に恐怖した

俺は慌ててキンジの背中に隠れた。

こ、こえええ! シンやミンとの戦いなんて比較にならん!

別に俺が狙われてるんじゃないのは分かっているのだがそうせずに居られない。

 

「ま、待て白雪!」

 

キンジが慌てて白雪を遅止めようとしたたが

 

「泥棒猫は死んで!」

 

と、白雪が跳躍するのとアリアが

 

「こ、こらやめなさい!奴隷3号!」

 

と交戦を始めた瞬間、俺たちは全速力で逃げた。

とりあえず、キンジの背中を踏んで窓から飛び出した瞬間

戦場のような轟音が背後から聞こえ、キンジが海に落ちていくところだった。

ワイヤーで屋上に逃げるとばりばりと聞こえてくる音を聞きながら電話をかける。

 

3コール後

 

「やあ、久しぶりだね椎名 優希」

 

アリア護衛の依頼主様だ。

 

「今回の敵もハードだったよ」

 

「シンやミン達だね。 彼らもイ・ウーに所属していることは私もつかんでいる」

 

「やっぱりそっち絡みか・・・」

 

沖田が動いていた時点で、分かっていたことだ。

イ・ウーは法律では裁けない。

だからこそ、公安0が動いたのだろう。

だが、今回シン達とは決着を付けることができなかった。

奴らが所属するランパン・・・ああ、やばい・・・実家にばれたらいろいろ言われそうだな・・・

もう、バレてると思うけど・・・

なんかアリアと友達になってから敵がどんどん増えているのは気のせいか?

 

「ローズマリーも神戸にいたそうだね」

 

「ああ、どういうつもりかは知らんが今回はあいつに助けられちまった」

 

「感謝していると?」

 

「冗談やめてくれよ。 俺はあいつを絶対に許さない」

 

怒気を込めて言うと依頼主はふむと頷くような気配を見せ

 

「では、次は君が依頼を果たす番だね」

 

知ってるのか理子が依頼してきたことを・・・

 

「参考までに聞きたい。 ブラドは俺より強いか?」

 

それは戦ってみればわかるよと言う言葉が帰ってくる気がしたが

 

「力量が上でも勝つ方法は必ずある。 椎名 優希君には仲間もいる。武偵憲章仲間を信じ仲間を助けよだ。 いいかい? 今回はこの言葉を忘れてはいけない」

 

「どういう・・・」

 

ツーツー

 

電話が断線した音

むぅ依頼主め・・・相変わらず訳の分からないコトばかりいいやがって・・・

今回の相手もしんどそうだな・・・

 

助けて・・・

あの言葉が聞き違いじゃないなら・・・

切り札のもう一つ解禁する必要があるかもな・・・

 


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