緋弾のアリアー緋弾を守るもの   作:草薙

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第04弾一方通行

することに一体どういうことだこれは!

俺は絶望的な状況に目を白黒させた。

 

3人でテーブルに座りアリアとキンジが並び俺がキンジの正面という配置だ。

キンジはハンバーグ弁当でアリアはももまんという謎のまんじゅうを食べている。

そして、俺の前にあるのは松茸弁当だった。

おいおい今、4月だぞ!

そして、俺はキノコ関連が大嫌いだ。

 

「おい、キンジ! キノコ関連やめてくれって言っただろ」

 

「それしかなかったんだ」

 

「なら、そのハンバーグ弁当よこせ!」

 

「これは俺のだ。 ついてこなかった優が悪い」

 

くそったれ! なんてことだ。

なら、この際謎の食べ物で妥協しよう。

 

「アリア、ももまんとこれを・・・」

 

「嫌」

 

一言で断られた。

くそ・・・レキじゃないがカバンに入れてあるカロリーメイトで今日は我慢するか

俺はカバンからチーズ味のカロリーメイトを取り出してぼそぼそと食べ始める。

松茸は冷蔵庫に入れておいた。

明日、キンジに食べてもらうか腐るかの運命だお前は俺は絶対食わんからな

 

「・・・ていうかな奴隷ってなんなんだよ」

 

お、さっそく本題か?5つ目のももまんを食べていたアリアがキンジの方を向いたぞ

 

「アサルトであたしのパーティーに入りなさい。 そこで一緒に武偵活動するの」

 

「何言ってんだ俺は、アサルトが嫌で武偵高で一番まともなイケスタに転科したんだんだぞ。 それにこの学校からも、一般高校に転校しようと思ってる。 武偵事態やめるつもりなんだよ。 それによりによってあんなとち狂った所に戻るなんて無理だ」

 

おい、キンジよ俺もアサルトだぞ。

まあ、とち狂ってると言う点は否定できんが

 

「あたしには嫌いな言葉が3つあるわ」

 

「聞けよ人の話を」

 

「『無理』『疲れた』『めんどくさい』この3つは人間の持つ無限の可能性を押しとどめるよくない言葉。 あたしの前では2度と使わないこと」

 

アリアは指についた餡を舐めながら

 

「2人はそうね・・・あたしと同じフロントがいいわ」

 

おいおい、フロントっていや武偵のパーティーで最前衛の位置じゃねえか。

しかも、怪我の確立はかなり高い。

 

「よくない! そもそもなんで俺と優なんだ?優だけじゃダメなのか? こいつはアサルトだし丁度いいじゃないか」

 

こらキンジ!友達を売るな! 昼休みに見捨てた仕返しかよ!

 

 

「太陽はなぜ昇る? 月はなぜ輝く?」

 

おいおい、この子人の話聞く気ないのか? 話がいきなりとんだぞ

 

「キンジは質問ばっかの子供みたい。 仮にも武偵なら情報を集めて推理しなさいよね」

 

「ようは何か事情があるんだろ?」

 

俺は電話の相手を思い出しながら言った。

あの電話の内容から推測してこの子が戦っている。あるいは戦おうとしている相手は強大な敵なのだ。

 

「その事情を推理してみなさい」

 

うーん、そうきたかどうしようかな?

 

「それは分からんが1つ言っとくと俺はAランクの武偵だぞ? もっと強い奴がいるだろう」

 

「そうくるの優? あたし知ってるのよあなたの秘密」

 

げっ! まさか、あれを知ってるのか! だとしたら厄介だぞ

 

「ど、どこでそれを知ったんだ?」

 

「質問するより推理してみなさい」

 

駄目だ分からん。 謎と言えば・・・あ!

 

「これか?」

 

俺はそう言って右手の制服をまくる。 そこには金属の筒のようなものが取り付けられている。 特殊仕様のワイヤーだ。

 

「正解、優アサルトでそれ使ってるの見たことない。 本気で戦ってない証拠よ」

 

そうか、朝のあれでとっさに使ったのを見られたわけね。

そうかそっちなら問題ない。

 

「ただ、戦闘で使いにくいだけさ」

 

「どうかしらね?」

 

駄目だこの子完全に気付いていやがる。

ワイヤーの戦闘はもう、完全に解禁した方がいいかもしれん。

プライベートと鍛錬の時しか使っていなかったんだがまあいいか。

だが、まだアリアと組むと決めたわけじゃないぞ。

 

「とにかくだ!」

 

お! キンジが強気にでたぞ

 

「帰ってくれ! 優は仕方ないがお前は帰れ!」

 

「まあ、そのうちね」

 

「そのうちっていつだよ」

 

「何が何でも入ってもらうわ! 私には時間がないの、うんといわないなら」

 

「言わねーよ。 どうするつもりだやってみろ」

 

「言わないなら泊っていくから」

 

ハハハ、キンジお前頬がひきつってるぞ。

しかし、この子面白いな。

純粋に護衛対象じゃなくてもいてもいい気がしてきたな

それに、護衛するなら近くにいた方がいいしな。

そして、依頼主様の条件はこうある。

アリアに君が護衛していることを気付かれてはならない。

護衛対象に護衛の意志を伝えないのは難しいんだが相手はさらにこう付け加えた。

四六時中一緒にいる必要はない。

君の目の届く範囲、そして彼女が助けを求めて来た時助けてあげてほしい。

 

「ちょっちょっと待て! 何言ってんだ! 帰れうぇ」

 

きたねえ! キンジてんぱりすぎだ! ハンバーグ吐き出すなよ!

 

「うるさい! 泊ってくったら泊ってくから! 長期戦になることも想定済みよ」

 

アリアが指してるのはトランクだ、ああ、お泊りセットだったんだな

 

「なあ、アリア俺は別に・・・」

 

パーティーに入ってもいいぜと言おうとしたのだが

 

「―でてけ!」

 

これは、キンジじゃないアリアだ。

ここキンジの部屋だぞ

 

「な、なんで俺が出てかなきゃいけないんだよ! ここはお前の部屋か!」

 

「分からず屋にはお仕置きよ! 外で頭を冷やしてきなさい! しばらく戻ってくるな!」

 

猫のようにフカーと威嚇しながら言うアリアは目が細くなれば猫そのものだぞ。

 

「何してんのよ優?」

 

「へ?」

 

キンジが蹴りだされ、アリアが俺を睨みつけてるぞ。

 

「さっさと出て行きなさい! 風穴あけるわよ!」

 

俺もかよ!

 

こうして、キンジと俺は夜の外へと追い出されるだった。

とほほだな

 


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