緋弾のアリアー緋弾を守るもの   作:草薙

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第46弾信じてるぜ

倉庫の壁際にいた白雪は立ったまま壁際に縛られていた。

口を布で縛られうーうーと唸っている。

布をキンジが外すと

 

「キンちゃん大丈夫!? ケガとかしなかった?」

 

やれやれ、いきなりキンジの心配かよ。 デュランダルの話し方なら俺殺されたことになってたんだがな・・・

 

「俺は大丈夫だ。 お前こそ・・・」

 

白雪の胸の下には鎖が巻かれていた3箇所ロックされている。

分厚さから考えてデザートイーグルでも破壊は難しい。

最も、ここでデザートイーグルを使おうものなら大爆発を覚悟しなければならないが・・・

俺とアリアとキンジは武偵手帳から解除キーを取り出して解除にかかるが複雑にできているのかあかない。

こういった細かいことは苦手なんだよ俺は

 

「キンちゃんごめんなさい・・・私ここに・・・この服で誰にも内緒でこないと学園島を爆破してキンちゃんを殺すって・・・」

 

「いつからいわれてたんだ?」

 

「昨日キンちゃんが線香花火を買いに行ってくれている間に脅迫メールが来て・・・私キンちゃんが傷つけられるのが怖くて・・・従うしかなくて・・・ふぇ・・・ぇ」

 

 

なんてこった。

レキと遊んでたときにそんなことになってたなんて・・・

レキは護衛を気にしてたからそうするべきだった・・・

でも、白雪の言葉を聞く限りあの場で白雪に付いていても結果は変わらなかっただろう。

 

「アリアもごめんね・・・私アリアにあんなひどいことばかりしてたのに・・・助けに来てくれたんだね」

 

白雪に言われたアリアは「えっ」と少し赤くなる

 

「あ、あたしは依頼を受けたからあんたを守ってただけ。 あたしの目的はデュランダルを捕まえることなの。 だから感謝なんてしなくていい」

 

ハハハ、顔が赤いぞアリア

 

「優君もごめんね・・・私のせいでその怪我・・・」

 

「ああ、まあ気にしなくていいよ。 右手はなんとか動くし左手も治療さえすれば治るしな」

 

包帯を巻いてある右手はピアノ線で切った部分だ。

まあ、時間があれば治るだろうし深刻なほど切ったわけではない。

 

「椎名先輩。 先輩のデザートイーグルなら・・・」

 

「いや、駄目だ。 誘爆して大爆発を起こす危険がある」

 

マリの言葉を即座に否定して考える。

くそ、どうすりゃいいんだ。

アリアが白雪に聞く

 

「デュランダルの姿は見た?」

 

「ううん。 仮面とマントを付けてからそこの扉から逃げたときも仮面とマントは外さなかった」

 

「しかたないわ。 デュランダルは決して素顔をさらさない」

 

どうやら、アリアは俺が集めた情報よりもかなりの知識を持っているようだった。

 

「アリア、さっきの水」

 

「私より直接戦った優の方が詳しでしょ」

 

「ああ、あれは超能力だな。 しんじたくねえが・・・」

 

「国際的にいえばクラスⅢのステルス。 たぶん魔女だと思う」

 

「ありえねえ・・・」

 

アリアの補足にキンジが頭を抱える。

 

「ありえなくないの最近じゃもう、一流の武偵は驚かないものよ。 うちだってSSRがあるでしょ?」

 

「ああ・・・」

 

「恐ることはないわキンジ。 能力者は経験上大道芸人や手品師みたいなものだったわ。 鉛玉の敵じゃない」

 

「いや、アリア俺もデュランダル以外の超偵の戦いの経験があるが油断できない化け物もいる」

 

「? どういうこと優?」

 

アリアの言葉を遮るように

 

ズズンとくぐもった音が地下倉庫に響きわたった。

俺たちが周囲を見渡すと

床にあった排水溝から水があふれ出てきている。

 

「海水だわ」

 

「どこかの排水系を壊しやがったか・・・」

 

補足しておけばここは地下7階、地下2階からは水面下なのだから周りは海だ。

 

「キンジ、先に行っておくがアリアは泳げないんだ」

 

「!?」

 

キンジが目を見開く

 

「アリアは上に上げる。 キンジお前が決めろ。 俺はどうすればいい? ここに残り解除の手伝いをするかアリアとデュランダルをぶちのめすか?」

 

「アリアと行ってくれ」

 

キンジは即答した。

 

「OKリーダー」

 

「ちょっ、優!」

 

「先輩!」

 

俺はアリアとマリを抱えると走りアリアを押し出すように上へと上がった。

いや、上がる前に

 

「キンジ! 絶対に白雪を助けて上がってこい! デュランダルは俺とアリアがぶちのめす」

 

「ああ」

 

キンジの声を聞くと俺は上のはしごを登るのだった。

 

 

 

 

 

 

「優! キンジ達を見捨てる気!」

 

顔を真っ赤にしたアリアが上に登ると待っていた。

 

「武偵憲章第10条」

 

「!?」

 

「諦めるな武偵は決して諦めるな。 大丈夫だよキンジは信じろよ」

 

そう、あいつはヒステリアモードになれば、頼れる存在だ。

俺やアリアが背をあずけても全く心配しないレベルのな。

 

「わ、分かったわ。 1秒でも早くデュランダルを沈めてもどるわよ優」

 

「1度は沈めた相手だ。 やるさ」

 

さあ、第3ラウンドだ。次は沈めるぞデュランダル。

 


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