緋弾のアリアー緋弾を守るもの   作:草薙

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第42弾ケースD7発生

連休が終わりアドシアートが始まった。

女子寮ライフもなんとか慣れてきて寝不足も解消してきている。

俺たちのアルカタは閉会式なのでやることと言えば白雪の護衛関連なのだが白雪の姿を俺は見失っていた。

理由は簡単報道の控え室に続く控え室のシフトなのだ。

具体的にいえば12~14時の2時間。

 

「暇だな・・・」

 

「アハハ、まあそういわないでがんばろうよ椎名君」

 

俺とこのゲートの担当なのは先に来ていた不知火だ。

13時までのシフトである。

時折、通るカメラマン等の報道を横目に

 

「ところで椎名君は誰が本命なんだい?」

 

「はい?」

 

横を見ると不知火が微笑を浮かべながら

 

「最近椎名君、レキさんとも仲がいいよね。 もう1人後輩に手を出したハーレム野郎って村上君が言ってたよ」

 

あ、あのやろおおおお!

今度会ったら血祭りにあげてやる!

そんな会話をしながら不知火の時間が終わり武藤が交代にやってきた。

それじゃあねと笑顔で去っていった不知火を見て

今度は武藤と雑談を始める。

 

「なあ、優」

 

「ん?」

 

俺はペットボトルのジュースを飲みながら

 

「恋ってなんだと思う?」

 

「ごほ・・・こ、恋? ああ、白雪か?」

 

「ち、違うよばかやろう」

 

「隠すな隠すな」

 

にやりと笑って言ってやる。

 

「優だって女の子とっかえひっかえしてるじゃないか! だから、経験豊富な優にアドバスを・・・」

 

「って待てぃ! 誰がとっかえひっかえだ! 俺は武偵高に来てから1度も恋はしてねえ!」

 

「ってことは昔は付き合っていた子とかいたんだな? 俺はそれすら居ないんだ・・・教えてくれよ」

 

「あ・・・」

 

そう、昔、好きな人は確かにいた。

まあ、今にして思えば叶うはずもない恋ともいえないものだったんだろうがな・・・

その人は俺のあこがれで目標だった。

でも・・・

あいつが・・・

あの魔女が全てを・・・

 

「・・・う・・・優!」

 

はっとすると武藤がこちらを見ていた。

 

「どうかしたのか?」

 

「い、いやなんでもねえよ。 この話は終わりだ終わり」

 

「まじかよ!」

 

強制的に話を打ち切って俺たちはバイクの免許の話やヘリの免許をとったんだと自慢する武藤の話を聞いて

 

「優、交代だ」

 

キンジがやってくる時間になった。

 

「白雪は?」

 

「今日はまだあってない」

 

「そうか」

 

それだけ言うと俺は外に出ていく。

まず、白雪に電話をかけたがつながらない。

続けてアリアにもかけるが同じく通じなかった。

おいおい、何かやばいことになってなけりゃいいが・・・

白雪を探し回りそろそろ、1時間と少しが経過する時ピピピと携帯にメールが届いた。

 

「周知メールか・・・っておい!」

 

その内容はケースD7発生。星伽 白雪が失踪した。

D7とは事件かもしれないがわからないので連絡は一部のものに行く。 保護対象者のためむやみに騒いではならない。 武偵高もアドシアートを予定通り遂行する。極秘裏に事件を解決せよだ。

 

「くそ!」

 

キンジに電話をかけるがつながらない。

 

「何やってんだバカやろう!」

 

電源を切ってアリアにかける。

 

「優、白雪が消えたわ」

 

「ああ、メールは読んだ。 どうする?」

 

「アドシアートの期間中に人の目をごまかして外に連れ出すのは困難よ。 学園島のどこかに白雪はいる」

 

「捜査範囲が広すぎる!」

 

「わかってるわよ! だから可能性が高い場所から潰していく。 優はジャンクションに向かって」

 

「よりによってあそこかよ・・・」

 

ジャンクションは簡単にいえば武器庫なんだがその場所には凄まじい量の火薬が満載されている。

1歩間違えば学園島が大爆発する大惨事になりかねない。

 

「ああ、もう!」

 

また、貧乏クジ引かされた気分だ。

デュランダルがいるなら怒りをぶつけてやるからな。

俺はケータイの電源を切ってからジャンクションに急ぐ。

武偵高の地下は船の多層構造のようになっており地下2階より下は水面下になっている。

そこまで降りてエレベーターを動かそうと試みるが沈黙して動かない。

 

「ちっ」

 

近くのマンホールをあけワイヤーを固定してたんたんと降りていく。

このマンホールは浸水時の防水の役割を兼ねてるからあけるのに時間がいる。

地下4階 5階と降りてきてマンホールに向かおうとしたとき、俺はワイヤーを後ろに放った。

 

「・・・」

 

ヒュンと風を切る音がしワイヤーが剣に絡まった。

後ろに後退しながら

 

「後ろから不意打ちとは卑怯なマネするな。 やっぱり、てめえがデュランダルか?」

 

「・・・」

 

黒衣の襲撃者は何も答えない。

ただ、ぶんと剣を振るとワイヤーが外れる。

前と剣が違うな・・・

黒衣の襲撃者が持つ剣は以前の大剣ではなく日本刀だった。

あのデザインどこかで・・・

黒衣の襲撃者が動く。

ちっ、やるしかねえか

 


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