緋弾のアリアー緋弾を守るもの   作:草薙

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第41弾レキデート後編

「レキ!」

 

すたすたと歩くレキにようやく追いつくと俺はレキの手をとった。

レキが振り向く

 

「どこ行くんだよ」

 

「キンジさんです」

 

「キンジ?」

振り返ったレキが指さした方を見ると、浴衣姿の白雪とキンジが歩いているのが見えた。

レキは護衛の観点から2人に接近したのだろう。

でもなぁ・・・

俺はレキの手を引っ張る。

 

「?」

 

レキが首をかしげる。

 

「お邪魔は野暮だろ? 祭りも終盤なんだからデュランダルの襲撃もないだろうしな?」

 

周りの情報に敏感なやつだ。

こんな人ごみのなかでは襲ってはこまい。

 

「それではそうするのですか?」

 

レキが聞いてくる。

 

「決まってるだろ?」

 

「?」

 

「最後まで祭りを楽しむのさ!」

 

レキの手を引いて祭りの人ごみの中に飛び込み屋台を回る。

レキは抵抗せずに付いてきてくれた。

そうして、時はすぎ

祭りの最後の花火が上がったとき俺たちは帰るために公園をでる道を急ぐ。

すっかり遅くなっちまった。

射的のオヤジが泣いて神様とレキを拝むのでふりほどくのにデザートイーグルまで使う羽目になった。

キンジたちも帰っただろうな・・・

 

暗い公園を歩きながら俺は無言で歩くレキを見る。

表情は無表情。

結局、俺はレキを笑顔にすることは叶わなかった。

だが、一つ聞いて見たいことがある。

 

「レキ」

 

「はい?」

 

「俺と遊んで楽しかったか?」

 

「・・・」

 

無表情・・・だが、レキはこくりと前に首を倒してくれたんだ。

それだけで報われる気がする。

 

「そっか」

 

その言葉だけで来たかいがあるよレキ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

学園島に戻り部屋に先にもどるというレキと別れコンビニで雑誌を読んでから

外に出る。

さて、女子寮に帰るかと道を歩いていた時

 

「椎名ぁ!」

 

「あ?」

 

突然の夜の闇の中の怒鳴り声に振り向くと数人の人影があった。

 

「誰だよお前ら」

 

1歩メガネをかけた男が進み出る。

 

「我々はレキ様ファンクラブRRRだ!」

 

「・・・」

 

空いた口が塞がらないんだが・・・

 

「れ、レキ様ファンクラブ?」

 

「そう! レキ様のためのレキ様だけのレキレキファンクラブだ! 貴様椎名 優希! レキ様と同棲するだけでは飽きたらず祭りで、で、デートだと!許すまじ!」

 

ああ、そういえば学校にはレキを神様と崇める熱狂的なファンクラブがあったな・・・

こいつらがそうなのか?

 

「で? そのレキ様ファンクラブがなんのようだ?」

 

「決まっている!」

 

メガネの男の後ろからデブの男が進み出る。

 

「すぐにレキ様から手を引け! このハーレム野郎! 貴様はロリと後輩で満足しておけ!」

 

「はっ? デートだとか後輩とかロリとか意味わかんねよ。 俺とレキは友達だ。 手を引くとかはねえよ」

 

「そうか・・・なら、貴様は抹殺するとまではいかなくても半殺しにあってもらおう」

 

まあ、殺したら武偵3倍の刑で最悪死刑だからな・・・

 

「てか、お前思い出したぞ! アサルトの村上だろう!」

 

「そのとおり! レキ様ファンクラブ会長村上 正だ!」

 

確か、アサルトでは中くらいの位置にいる奴だったなランクは確かCだった気がする。

 

「椎名 優希貴様の力は知っている! だがAランクといえこの人数に勝てるかな?」

 

ぞろぞろと路地裏から武偵高の生徒が出てくる。

まじか! レキ様ファンクラブって何人いるんだよ!」

 

「フフフ、我ら行動派以外もファンクラブがあるぞ」

 

ざっと数えて20人か

戦闘狂モードでやるか?

さすがに、20人、ランクを識別できない状態で戦うのはきつい。

だが、30秒目をつむらないと・・・

 

「ものどもかかれぇ!」

 

しかし、そんな時間が与えてもらえなかった。

20人が臨戦態勢に入る。

その瞬間、数人の銃や剣が弾き飛ばされた。

 

「なっ!これは狙撃!」

 

「レキか!」

 

「ば、馬鹿な! レキ様はここまでこの変態を・・・」

 

おい!変態ってなんだよ!

 

「かくなる上は傷ぐらいは!」

 

構えたのはドイツのMP5 短機関銃2丁だ。

 

ガアアン

 

しかし、それも狙撃によりはじかれる。

 

「くそ! 撤収だ!」

 

村上達が逃げていく。

なんだったんだ?

その後、レキの部屋に戻ってレキにお礼を言ったのだがレキはこくりとなずいただけだった。

うーん、アリアといるのも面白いけど結構この子といるのも面白いかもな

 

 

 

 

 

 

 

 


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