緋弾のアリアー緋弾を守るもの   作:草薙

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第37弾最強の戦闘狂

俺が前にアリアに見つかったのは戦闘狂モードじゃなかったからだ。

あっさりとアリアを見つけた俺は電車を乗り継いでとある駅に降りる。

ここは・・・

上野駅だ。

アリアは武偵高の制服のまま携帯電話を見ながら歩いていく。

GPS機能を使ってるみたいだな。

ああ、ここは・・・

予想通りアリアはとある薬局に入っていった。

にやにやしながらアリアが出てくるのを待ち

 

「よう、アリア」

 

「ピッ! ゆ、優! なんでここにいるのよ!」

 

アリアはびくりとして飛びあがって言う。

 

「クエストの帰りだ」

 

無論、嘘だがアリアには余裕がないらしい。

 

「そ、そうなの」

 

「ああ。それキンジのだろ?」

 

アリアは慌てて紙袋を後ろに隠す。

 

「ち、違うわよ! これは別に・・・」

 

ばればれだってアリア

 

「キンジを東京湾に叩き落としたの後悔してるんだろ? 早く持って言ってやろうぜ」

 

「う・・・ううう」

 

アリアは顔を真っ赤にしながら何かを言いたそうにしているが結局、認めるしかないのかついてくる。

なんだかんだ言ってもこの子は優しいんだ。

付き合いは短いがそれは俺にも分かる。

まあ、日常の風穴を無くしてくれればいいんだが・・・

駅に向かいながら

 

「ゆ、優、黒衣の犯人のことだけど・・・」

 

ああ、あれか

 

「何か分かったのか?」

 

「分からないの。 レザドも何も掴めてないみたい。 あれがデュランダルだとしたら納得できない点もあるけど・・・」

 

確かに今に至るまで確信的な情報を掴ませなかったデュランダルが情報を掴ませるのは妙な話だ。

となるとあれは・・・

 

「あれ? そこにいるのは椎名君かな?」

 

声に振り返るとそこにはスーツ姿のイケ面の男が立っていた。

ネクタイをつけずに胸元を開けているいわゆるホステスのような優男

 

「げっ!」

 

本心からそういうと優男は

 

「御挨拶だね椎名君。 その子は彼女かい?」

 

「か、かの・・・」

 

アリアがぼぼぼと赤く赤面してしまうのを片目に

 

「違う!久しぶりだな 沖田 刹那」

 

沖田はアハハと笑いながら

 

「確かに久しぶりだね。 模擬戦で叩き潰した以来かな?」

 

「今やれば俺が勝つ」

 

「へぇ」

 

沖田の目が細まる。

 

「ゆ、優この人は?」

 

アリアが訪ねてくるのでしかたなく

 

「沖田 刹那巡査部長。 公安0課の糞野郎さ」

 

「アハハ、椎名君。 あまり調子に乗ってると殺すよ?」

 

それは冗談ではない。

公安0課は殺しのライセンスを与えられた集団だ。

キンジの父もそこに所属していたらしいがこの集団は戦闘のプロだ。

この沖田に俺は数年前半殺しに会っているのだ。

 

「今やろうか?」

 

本気で言うと沖田は笑いながら

 

「君を半殺しにするのもいいけど僕はこの後デートなんだ。 そのつもりはないよ」

 

「またかよ・・・何人目だ?」

 

「ハハハ」

 

沖田は笑って答えない。

こいつは、付き合っている女の数は計り知れない。

美形というのあるがこいつは一言で言うなら危ない感じを纏っているのである。

危険な香りがする男に引かれる女性は少なくないということ

公務員だから給料も安定してるし。

 

「ここで、会ったのも縁だね。 コ―ヒーぐらいならおごってあげるよ」

 

「いらねえよ!」

 

本気でおれは言う。

正直言えばこいつは嫌いだ。

1度半殺しにされた過去もあるが性格が嫌いなのだ。

 

「そう言わないでおごられなよ。 それに神崎 かなえの娘とも話してみたいしね」

 

 

「っ!」

 

アリアの目が見開かれる。

 

「ママのこと知ってるの?」

 

沖田は微笑みながら

 

「冤罪をかぶせられてる 人なら知ってるよ」

 

「・・・」

 

公安0課は公務員であり警察官である。 それが冤罪と言うのは問題がある。

だが、沖田はそれを問題とは捉えていないようだった。

 

「上から圧力がかかってるから冤罪きせられてるけど無罪でしょあの人?」

 

「・・・」

 

アリアは何も言わない。

 

「まあ、僕ら公安には関係ない話だけどね。 後ろにいる組織が相手なら僕が皆殺しにしてあげるけど」

 

「後ろの組織だと?」

 

 

「あれ? 知らないの?」

 

アリアがぐっと唇をかむのが見えた。

 

あれか・・・イ・ウ―・・・存在を知るだけで消される可能性がある組織。

俺が戦うべき組織だ。

 

「まあ、それはおいとこうか。 僕、現金がないんだちょっと銀行についてきてよ」

 

どうするとアリアに視線を向けるがアリアは情報がもっと欲しいらしい。行くわよと指で俺に知らせる。

こいつとはあまりかかわりたくないんだが・・・

こうして、俺達は沖田と銀行に入ったのだが・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「てめえら動くな!」

 

なんでこんなことに・・・

沖田が受付に呼ばれて進んだ瞬間銀行強盗が押し寄せたのだ。

覆面をかぶった5人組の男が拳銃を構えて金を出せと受けつけに言っている。

 

(アリア)

 

俺はまばたき信号でアリアにどうするか聞くがアリアは現状維持を俺に通達してくる。

人質がいる以上妥当な判断だ。

だが、次の瞬間、俺は目を見開く。

 

「お姉さん。 20万おろしたんだどいけるかな?」

 

まるで強盗なんていないように沖田は受付に肩肘をついて笑顔で話しをしている。

 

「え、あの・・・」

 

受付のお姉さんが困ったような顔を浮かべた瞬間

 

「てめえ! なめてんのか!」

 

安全装置すらついていない悪質な銃、黒星を沖田に向けるリーダーらしい覆面の男

 

「うるさいね君」

 

ドオオン

 

次の瞬間、リーダーの男が悲鳴を上げた。

 

「ぎ、ぐわあああ!」

 

見ると男の人差し指が吹き飛んでおり黒星が血痕とともに床に落ちている。

 

「て、てめえ!」

 

仲間の強盗が銃を撃とうとした瞬間、沖田が動いた。

 

ドドドド

 

4発の銃声

男たちが悲鳴を上げて倒れる。

殺してこそいないがあれはもう戦闘不能だ。

 

 

「邪魔しないでもらいたいなぁ」

 

沖田はデザートイーグル2丁をしまいながらリーダーの男の肩を踏む

 

「ぎ、ぎああ!」

 

血がにじむ場所をぐりぐりと踏みながらデザートイーグルを男の額に向ける。

沖田は口元を歪め悲鳴を楽しむようにぐっぐっと力をこめる

 

「君みたいなクズは死んでもいいよね?」

 

「え? あ・・・助け・・・」

 

涙を流しながら強盗が言う。

圧倒的な戦闘力。

大型自動拳銃デザートイーグルを2丁同時に使いこなしているこいつは悔しいが強い。

沖田は笑いながら

 

「駄目だよ」

 

引き金に力が籠った瞬間

 

「やりすぎよ!」

 

アニメ声と共に沖田が後退する。

 

「公務執行妨害だよアリアちゃん」

 

沖田は笑いながらデザートイーグル2丁をアリアに向ける。

対するアリアはガバメント2丁を向けながら

 

「あいつらは戦意を失ってるわ! これ以上は必要ない!」

 

「ふーん」

 

沖田はアリアに銃をむけるが

 

「やめろよてめえ」

 

おれが立ちふさがると沖田はふっと笑みを浮かべて銃をしまう。

 

「犯罪者をかばうのは罪だけど。まあ、いいよ」

 

その瞬間、警官が飛び込んできた。

沖田は警察手帳を見せながら人の波に消えていった。

 

「優・・・あたしあいつ嫌い」

 

「ああ、俺もだよ」

 

キンジの父が所属していたと言う公安0課。 殺しのライセンスを持つ集団・・・

全てが沖田のような正確ではないのは分かっているがなんともやりきれない気分だった。

 


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