翌朝7時、5時起きで通常の鍛錬を終えて待ち合わせの場所で寝てたら
「おい、優起きろよ」
「んあ?」
目を開けるとキンジが来ていた。
「今何時?」
ふぁとあくびする。
「7時だ。 アリアは来てないのか?」
「みたいだ・・・」
俺が言おうとした瞬間、背後から迫ったアリアがキンジの目を塞いでしまった。
「だーれだ」
キンジも振り返るが俺もびっくりした。
か、かわいい
「んもう、こんなに背後取らせるなんて甘いわね。 次は優もやるからね」
背伸びをすとんと解除して腰に手を当てたアリアはチアガールの格好をしていたのだ。
武偵高のチアガールが黒を基調とした珍しいコスチュームを着用する。
ノースリーブのトップには胸の上部に穴が開いていて穴からはアリアの真っ白な肌が覗いている。ふつうはハート形とかなんだろうが銃弾型はいかにも武偵高らしいよな。
スカートはデフォルトでガンチラ(スカート内に隠した拳銃がちら見すること(命名武藤))するほど短い。
「か、かわいい」
思わず口にだしてしまったらしい。
アリアがぼぼぼと顔を赤くしてしまう。
「きゃ、きゃ・・きゃわいい?」
なんで舌をかむんだよ。
ああ、もういいか
「かわいいよな? キンジ」
「あ、ああ」
「か、風穴ぁ!」
「「なんでだああああ!」」
ドドドドドン
ご丁寧に2発ずつ防弾制服に直撃した45ACP弾に痛みに俺達は地面をのたうちまわるのだった。
「で?なんなんだその格好は?」
ようやく落ち着きを取り戻したアリアが答える。
「見てわからないの?チアよ。 あんたそんなことも分からないの?」
「お前にだけは言われたくないぞ。 ていうか今のはなんでその格好なんだって意味だ」
「そうならそうといいなさいよこのドベ! これはあんたちを調教する間にあたしがチアの練習をする準備なの。 同時にやれば時間を無駄にしないですむでしょう?」
と、アリアは誰もいない周囲を見回す。
ここは、武偵高が乗る浮島の外れにある通称『看板裏』。レインボーブリッジに向けて立てかけてある巨大な看板の裏であり体育館との間に挟まれた細長い空き地だ。
転入生のくせにアリアはここを目ざとく発見し練習の場所にしようという腹らしい。
俺はあんまり使ってないけどな。
「それで何を・・・」
「椎名先ぁーーーーーーい!」
するんだという言葉は乱入者により止められてしまう。
げっ!あいつは!
「おはようございまーす♪」
「紅 真里菜!」
「嫌ですよぉ先輩。 マリって言ってください私達アミカなんですから」
そうなのだ。 実はあの後、アミカなんていらない俺は、エンブレムを仕掛けようとしたのだが逃げ回る時間もめんどくさいので偶然武藤が持っていたトランプで一番上のカードを引いて俺のカードが強ければアミカは諦める。マリが強ければアミカになるという勝負をしたのである。
結果、俺は負けた。
設定では一番強いジョーカーを真里菜は引いたのである。
「な、なんでここが?」
「私、椎名先輩のことならなんでも知ってますよ」
「そ、そうなのか?」
う、その笑顔が怖い・・・
紅 真里菜この子はSランク武偵でありながらアサルトとしての技能も欲しいらしくアミカになってくれる先輩を探してたんだそうだ。
実は、アリアも目をつけていたらしいが申し込む前にアリアのアミカが決まったため断念したらしい。
ちなみにアサルトとしてのランクでいうならはE
「だから、しっかり鍛えてくださいね♪」
だあああ抱きついてくるな!
あれ? この匂い・・・どこかで・・・
「な、ななな何してるのよあんた!」
すさまじい殺気が俺の後ろで膨れ上がる。
見るとアリアが真っ赤になってこちらを見ている。
「先輩と後輩のスキンシップでーす♪」
「ゆ、優はあたしの奴隷よ!」
まずいと思った俺はマリを抱きかかえるとワイヤーを発射し看板の上に
「優ぅ!」
振り返ると上にガバメントを向けたアリアが見えたので俺は慌てて看板から飛び降りて逃走を図るのだった。