緋弾のアリアー緋弾を守るもの   作:草薙

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第25弾 優希絶対絶命!対ヤンデレの危機

ん?静かになったな。

戦争映画のような音が止んだので部屋に入ると壁のいたるところに弾痕や刀傷ができている。

っておおい!俺のPSPが真っ二つになってるぞ!

で、原因の2人は髪の毛はばさばさ服は乱れに乱れ汗やほこりにまみれて東西の美少女が台無しと言う格好で力尽きていた。

予想通りベランダからキンジが出てきたので

 

「ただいまキンジ」

 

「おう」

 

2人で挨拶してから

 

「はぁはぁ・・・なんて・・・しぶとい泥棒猫」

 

白雪は日本刀を杖のようにしてなんとか立っている。

ああ、床が刀の傷が・・・まあ、俺の部屋じゃないがな。

悲しかな。

武偵高の寮ではこんな傷珍しくない。

まあ、アサルトほどじゃないんだが・・・

 

「あ、あんたこそ・・・とっととくたばりなさいよ・・・はっ・・ふうう」

 

アリアは尻を床につけ両手を床につけて体を支えている。

つまり、引き分けだな。

 

「―キンちゃん様!」

 

キンジがでてきたことに今気付いたらしい白雪が刀を横においてよろよろとその場に正座しなおした。

俺のことは気付いていないのか無視してるのか背を向けている。

悲しい。

両手で顔を覆いながら

 

「し、死んでお詫びします! き、キンちゃん様が私を捨てるならアリアを殺して、わ、私もここで切腹してお詫びします」

 

いやいや、待て白雪!アリア殺すなら俺が戦わないといけないだろ!嫌だぞ俺は!ヤンデレと戦うのは! 負けたらキンジはヨットで首だけか?

 

「あ、あのなー捨てるとか何言ってんだ?」

 

そこで白雪の気持ちに気付かないお前はどうなんだ!

 

「だ、だってハムスターもオスとメスを同じかごに入れておくと自然に増えちゃうんだよぉ!」

 

「意味がわからん上に飛躍しすぎだ!」

 

白雪が泣き顔を上げる。

 

「アリアはキンちゃんのこと遊びのつもりだよ! 絶対にそうだよぉ!」

 

「ぐえ!ぐえぅ!首を掴むな!」

 

しかたねえ助け船をだしてやるか

 

「なあ、白雪」

 

「え? 優君?」

 

その声で初めて俺に気付いたらしい白雪が俺を見てくる。

うう、なんか悲しくなる

 

「アリアとキンジが同棲してるって思ってるんだろ? 大丈夫だ俺もここに住んでるがそんなことはないから!」

 

「本当? 優君?」

 

嘘だったら殺すからねという目はやめてください・・・お願いだから

 

「あ、ああ本当だ! なあキンジ!」

 

「なんなのよあんた」

 

「キ、キンちゃんと恋仲になったからっていい気になるなこの毒婦!」

 

ああああああ!アリアの馬鹿野郎! せっかく白雪が落ち着きかけたのに逆戻りじゃねえか!

 

白雪はキンジを床に放り投げると袖に仕込んでいた鎖鎌をアリアに投げつけた。

おお! 俺のワイヤーに似てる隠し武器だな。

 

「こ、恋仲!」

 

アリアは漆黒のガバメントでそれを受けながら

鎖の引き合いになる。

 

「ば、馬鹿いうんじゃないわよ! あ、あたしは恋愛なんかどうでもいい!」

 

ラブ関連が大の苦手のアリアがぶあああと顔を真っ赤にしながら

 

「れ、恋愛なんか・・・あ、あんなの時間の無駄! したこともないしするつもりもない! あ、あこがれたこともないんだから! 憧れたこともない! 憧れたりしない!」

 

「じゃあ、アリアはキンちゃんのなんなの! 恋人じゃないの!」

 

「そういう関係じゃないィ!」

 

声を裏返させるアリア

 

「キンジと優はあたしの奴隷! 奴隷にすぎないわ!」

 

なんで俺も含まれるんだ!

てかアリア!お前俺たちのことを奴隷なんて言わないと言っただろ!あれはどうなった!

 

「ドっ、ドっ、奴隷!?」

 

白雪はあんぐり口を開けたと思うと顔を真っ赤にする。

 

「そ、そんな行けないあそびまでキンちゃんにさせるなんて」

 

もはや俺のことは無視だな・・・泣いていい?

 

「な、何馬鹿なこと言ってるのよ!違うわよ! 優も何か言いなさいよ!」

 

俺か!

 

「し、しら・・・」

 

 

「違わない! 私だってその逆なら考えことあるもん!」

 

俺の存在無視ですか・・・

 

「違う違うちがーう! キンジ!」

 

俺が床に突っ伏して無視しないでと泣いているとアリアはキンジを睨みつけている。

 

「このおかしな女がわいたのは100%あんたの責任よ! 何とかしなさい! そうしないと後悔させてやるんだから!」

 

「えーとだな・・・おい!白雪」

 

「はいっ!」

 

呼ばれた白雪はばっと鎖鎌をはずしてキンジに正座し直す

 

反動でアリアがひっくり返ったがまあいい

 

「よく聞け。アリアと俺は武偵同士一時的にパーティーを組んでいるにすぎないんだ。優も含めて3人でな」

 

「・・・そうなの?」

 

「・・・そうだぞ白雪。 お前、俺のあだ名知ってるだろ? 言ってみろ」

 

「・・・女嫌い」

 

「だろ?」

 

「あと、昼行灯」

 

「それは今、関係ない」

 

「は、はい」

 

「というわけでお前のよくわからない怒りは誤解であり無意味なんだ。 大体俺がこんな小学生みたいなチビと」「風穴」「そんな仲になったりするわけないだろ?」

 

ハハ、キンジアリアを無視しやがった。

 

「で、でもキンちゃん」

 

「ん?」

 

あれ? 白雪がキンジに口応えなんて珍しい

 

「なんだ?」

 

「それ」

 

白雪の手がキンジの携帯のストラップのレオポンを指してからアリアのポケットからやあと突き出しているレオポンを指さして

 

「ペアルックしてるぅううう!」

 

涙を流す白雪

ペアルック?

ああ、あれか! カップルが同じものを持つ・・・

 

「ペ、ペアルックは好きな人同士ですることだもん! 私、私何度も夢見てたのにぃ!」

 

「待て!白雪さん! 俺もだ!ほらほら!」

 

慌てて誤解を解こうと俺もレオポンを見せるのだが

 

「だーからぁ! あたしとキンジは1ピコグラムもそんな関係じゃないのよ!」

 

ええい! アリアまでか!無視するな!俺泣くぞ!

 

 

「こら白雪!」

 

おお、キンジが白雪の肩を掴んだぞ。

さっさと収束させろ幸せ者!

 

「お前、俺のいくことが信用できないのか!」

 

「そ、そんなんじゃないよ! 信じてます。 信じてますっ」

 

ふう、ようやく終わりだな。

しかし、白雪はキンジとアリアを見回して

 

「じ、じゃぁ、キンちゃんとアリアはそういうことはしてないのね?」

 

「そ、そういうことってなんだよ?」

 

「き、キスとか?」

 

「・・・」

 

「・・・」

 

黙り込んでしまう2人

 

「おい!お前らまさか!」

 

「・・・し・・・た・・・の・・・ね?」

 

俺が問い詰めるより早く絶対零度を感じたので俺は後ずさった。

ふふふと虚ろな笑い声まで聞こえてくる。

駄目だ・・・勝てるわけがない。

こいつとは戦いたくない。

 

「そ、そういうことはしたけど」

 

馬鹿野郎アリア! その言葉は炎の仲に火薬を投げ入れるみたいなもんだ!

 

「で、でででも大丈夫だったのよ!」

 

 

「昨日分かったんだけど、こ、ここ」

 

「子供はできてなかったからああああ」

 

チ―ン

な、なんだ今の音?

 

白雪がどてっと後ろに倒れ魂が抜けてしまう

 

「おい、アリア!キスで子供ができるかよ!」

 

さすがに見かねたおれがいうと

 

「こ、この馬鹿キンジ! あたしあれから人知れず結構悩んだのよ!」

 

「な、何に悩むんだよ」

 

「だ、だってキスしたら子供ができるって子供の頃、お父様が・・・」

 

おい!ホームズ家!ちゃんと教育ぐらいしろよ!いまどき小学生でも知ってるぞ!

 

「あんなことで子供ができるわけないだろ! 小学生でも知ってるぞ! そんなこと」

 

「何よ何よ! じゃあどうやったらできるか教えなさいよ!」

 

「教えるかこの馬鹿!」

 

教えられるわけないだろ!

そんなことしたか風穴じゃすまないしな

 

ぐぬぬとにらみ合う2人を見ながら俺が白雪を見るとその姿は煙のように消えていた。

おいおい、どうなるんだよこれ・・・

まあ、刺されて死ぬなよキンジ

俺は知らないからな!お前の護衛は請け負ってないし・・・ってアリアが狙われたら俺が白雪と戦うのか!勘弁してくれ!

 


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