緋弾のアリアー緋弾を守るもの   作:草薙

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今年初投稿?ぼちぼち書いてます


第258話

「なんだこれは・・・」

 

俺が自分の部屋に戻ってきた時に呆然と発生した第一声だ。

何も・・・ないのだ

個人スペース用のドアを開けてみるとそこにあるはずの俺の私物が1つもない

部屋を間違えた?と一瞬焦るがそんなわけがないと思い改めて全体スペースを見てみるとアリアがソファーに置いていたハート形クッションも白雪のタンスも理子の天井近くに達していた積みゲータワーも消えていた。

あるのは見おぼえあるキンジの私物だけ・・・

あれ?俺とキンジって同室だったよね?

泥棒?でも、キンジのものは残ってるし・・・

 

「・・・」

もう一度部屋を見てみるが俺のものもない。

教科書もないし私物も・・・

 

「おい、かなめ。お前俺の部屋に不法侵入したようなことを言っていたが」

 

「ここは遠山家だもん。遠山かなめがはいるのは普通侵入です。家族は住んでもいいの」

 

ん?キンジと・・・げ!

紫電を手に窓際に後退する。

逃げられるように烈風の起動キーを意識しながら

 

「フォース!おいキンジなんでそいつがお前といるんだ!」

 

「椎名優希。まだいたの?それと私の名前は遠山かなめだから」

 

かなめ?それが本名なの?いや、それはどうでもいい

 

「妹がお兄ちゃんと自分の家に戻ってくるのは当たり前のことだよ」

 

まあ、それは否定しないがお前は妹じゃないんだろ?

 

「優、ちょっと待て。かなめ、何か色々物がなくなっているんだが」

 

「あいつらのにおいがするものは全部捨てました」

 

ちょっと待てい!

 

「おい!俺の私物はどうした!まさか」

 

「ああ、捨てといたよ。あいつらのと違ってひとまとめだったからトラックで回収してもらったから」

 

「おい!」

 

「今頃燃えてるか埋められてるんじゃないかな?」

 

意地悪く笑っているじーふぉ・・・いや、かなめか?

こいつに構ってる場合じゃねえ!

スマホを取り出すとGPS受信画面に変えて反応を見ると・・・

あった!ああああ!やばい!

GPS内蔵の私物が中にあったから場所は分かったがゴミ収集施設だ。

 

「覚えてろ!」

 

悪役のようなセリフを言って窓から飛び降りPAD烈風を呼び出すと京菱の倉庫から飛び出してきた烈風を装着すると猛然と空中からごみ収集施設を強襲したのだった。

なんでこんな目に・・・

 

 

 

 

              ±

 

結論から言えば私物は何とか取り返した。

燃やす寸前だったのを烈風で強襲して停止させて物を取り返した。

俺のものなのだが違約金がどうとかで金をとられた・・・

俺が捨てたんじゃないのに・・・

とても持ちきれないので土方さんに相談して一時的に荷物を保管してもらうようにして業者の手続きを終える。

学校とかに必要な分は烈風の倉庫に置かせてもらった。

寮に送ったらまた、捨てられかねん。

 

そう、あのかなめとかいう奴、俺やアリア達の私物をたたき出してキンジと一緒に住むらしい。

つまり、寮を追い出されてしまったのだ。

ど、どうしよう・・・

泊る所はまあ、倉庫で寝袋で寝たらいいけど基本あそこは人が住めるようにはできていない。

秋葉も信冬も実家に戻っている。

友達に泊めてもらおうにもいつまでもというわけにもいかんし・・・

 

「・・・」

 

思わずスマホの武田信春の文字を見てしまう。

武田の権力使えば家の1つや2つポンと用意してくれそうだが・・・

いやいや、流石にこれは使えない。

実家にも頼りたくないしなぁ・・・

業者に依頼したりしたから財布は厳しいから自腹ホテルはきつい・・・

うーん・・・土方さんに頭を下げれば泊めてくれるだろうけど・・・

鬼のように怒る顔しか浮かばん・・・

寮を強襲し力づくでかなめを倒す手もあるがジサードの件もあるし激突は避けたい

うああああ!どうしよう!

頭を抱えて本気で悩んでいると

 

「助けてほしい?」

 

ん?この声は。

振り向くと予想通りだった。

 

「山洞紅葉」

 

「紅葉でいいっていったじゃない」

 

紅葉は少しむくれたような顔をして言った。

 

「助けるって言ったな。俺の状況分かってるのか」

 

「うん、ふぉー・・・いや、かなめだったね。優を追い出したってメールで知ったの」

 

さっき、戦ったばかりなのにメールする仲なのか・・・

 

「あの女と仲いいのかもしかして?」

 

「完全な仲間じゃないわ。一時一緒にいた時もあるし恩もある。かなめとも・・・まあ、友人?少しだけ仲間?」

 

「サードとは?」

 

「敵対はしてないわ。でも、優の敵になるなら敵よ」

 

「・・・」

 

それを信じていいのかは分からない。

姉さんはああいったがこの子はまだ、何かを隠してる気がする・・・

うかつに信用しすぎるのは危険だ。

いくら、秋葉の妹とはいえ・・・

だが今は

 

「分かった。で?どう助けてくれるんだ?」

 

「私の部屋来る?」

 

「却下」

 

そんなもの即答だ!レキの時は狙撃拘禁されていたから仕方なしだったが好き好んで女の子の部屋なんて行くか!

 

「別にいいのに」

 

「言いわけあるか!」

 

「レキって子の部屋には泊ったのに?」

 

「誰に聞いたんだよ」

 

「希さん」

 

あの姉・・・いつか倒してやる

100%返り討ちにあうだろうが

 

「・・・」

 

「どこ行くの?」

 

背後からの声にため息をつきながら俺は覚悟を決めた。

 

「闇の公務員のところだよ」

 

            ±

 

そして・・・

 

「で?もう一度言ってみろ優希」

 

「部屋を追い出されたから泊めてくださいお願いします」

 

情けないなんてもんじゃないが俺は土下座して頼んでいた。

公安0課で俺のせいでいろいろやらかして謹慎中の土方さんに

 

「ほう、てめえはまだ、厄介ごとを持ち込む気だな?」

 

灰皿にたばこを押し付けながら土方さんは言った。

や、やばい怒ってるよなやっぱり

というか俺にというよりは後ろの・・・

 

「初めまして土方様。希さんから話はいろいろ聞いてます」

 

と、正座してすっと上品に頭を下げたのは言わずもかな山洞紅葉さんだ。

ついてくるなと言ったのだが聞かなかった。

 

「山洞だと?」

 

ぴくっと土方さんの頬がひきつった気がした。

そして、俺をぎろりと睨む

ひいいい

 

「あ、秋葉の妹なんだ」

 

「あの女の妹なのは書類上のみよ」

 

余計なことを言うな紅葉ぁ!

 

「で?あの馬鹿とはどういう関係だ?」

 

「希さんは私の師匠です。優とは兄弟弟子・・・妹弟子にあたります」

 

「ややこしい問題を持ち込みやがって・・・てめえは今のジ・サードとどうからんでやがる?」

 

「ジ・サードとは全く絡みがないわけじゃありませんが仲間ではありません。希さんに確認してくれれば分かります」

 

「で?お前はこれからどうする?何を目的に日本に来た?」

 

「私は優の近衛になりたい」

 

その言葉だけは嘘偽りないと思えた。

紅葉のまっすぐな目が土方さんを見ていたからだ。

 

「優希の近衛は今は傍を離れているが山洞秋葉だ」

 

「承知しています。ですが、あれは優にはふさわしくないため私が優の近衛になります。私はそのために日本に来たのです」

 

そんな重要な話を・・・

 

「おい待てよ。だからその話は・・・」

 

「なるほどな」

 

ため息をついた土方さんだが、なんでため息!

 

「優希は少し泊めてやる。お前はどうする?」

 

「可能なら私もこちらで生活を希望したいと思ってます」

 

「いいだろう」

 

ちょっ!おい!なんか俺の意志関係なく話が進んで言ってるぞ!

 

「ひ、土方さん!俺の意志は!」

 

「嫌なら帰れ」

 

そ、そんなぁ

俺に選択の余地はないようだった。

 

「それとな優希。今回のジ・サードとの件俺の力は当てにするな」

 

「公安0は中立ってことですか?」

 

「違う。公安0はもうねえ」

 

「え?」

 

「前の選挙であの党が大敗して政権交代したの知ってるだろう?」

 

「ああそういえば・・・」

 

ニュースでやってたな・・・

 

「今回交代した党は公安0を嫌っててな。組織として解散という流れになった」

 

公安0は政府の命令で裏で言えないようなことをやっていたりしていたからな・・・

それがお気に召さなかったのか?

 

「はっきりえば日本の敵になる奴をつぶして回っていた俺たちが気に入らねえんだろ。あの党の奴らとも殺りあったこともあるからな」

 

ああ・・・それで余計そうなんだろうな・・・

 

「というわけで公安0ナンバー2の俺は永久謹慎。公安0の何人かは消されたり海外に逃亡したりと散々だ」

 

け、消されるって!

 

「公安0には問題児も多い。暴発を恐れたやつの判断だろう」

 

「じゃ、じゃ土方さんの危険なんじゃ・・・」

 

「俺は問題ねえ」

 

確かに土方さんは強いけど・・・

 

「俺を消したら希がどう動くか考えが回ればやらねえよ」

 

「理解しました」

 

そりゃそうだ。

土方さんは姉さんの仲間。

そして、土方さんが殺されただのという連絡が入ればまず間違いなく姉さんはブチ切れる。

あの党が自衛隊を差し向けても自衛隊を壊滅させてあの党の奴らは誰一人生かしておかないだろう。

まあ、それ以前に鈴さんや雪羽さん達でも倒すのにどれほど莫大な戦力を投入しなければならないのか想像するだけでも恐ろしい・・・

というか、鈴さんのステルスなら逃げられてしまうだけだろうが・・・

 

「まあ、だから無期謹慎ってことだ。生かさず殺さず」

 

「土方さんはどうするんですか?ずっと謹慎のままですか?」

 

「それはガキが心配する話じゃねえよ」

 

自分のことは自分でなんとかするといっているのだ。

まあ、俺がこの人の心配をするなんて100年早いか・・・

 

「分かりました」

 

そういえば紅葉に聞かれてよかったのか?

 

「この話は裏の世界ではもう、広がってる。ジ・サードも知ってるだろう?」

 

俺の心を読んだように土方さんが言った。

それにしても・・・

これからは公安0の支援は一切なくなると考えていいわけか・・・

前回も支援をかなり絶たれたが公安0の支援はもうないと考えるべきなんだろうな・・・

 

「相談ぐらいは乗ってやる。雪羽と鈴は公安0とは無関係だ」

 

ふーと煙を吐きながら土方さんが言ってくれる。

 

 

やっぱり俺は一生この人には頭が上がらないよ

 




お久しぶりな草薙です!

久々の投稿になりましたが今回は公安0が潰された話。
アリアの原作で公安0が解体された経緯があるのでいつかはやらなければならないので今回それをしました。
時期的にこれぐらいだと思うのですが・・・原作のキンジはこの頃、公安0とはほぼかかわってないので動きはわかりません。

もっとも、原作を読む限り殺されたり海外に逃亡したりした人もいるようですが獅童みたいに使われる人もいることからこんな感じに。
公安0を皆殺しみたいな感じなら土方さんを海外逃亡させなければなりませんでしたw
まあ、№2なら本来殺される可能性は高いですが作中通り世界最強の彼女が敵になるのもあの売国奴達も許容できないでしょうw
名前はあげませんがあの党とは言わずもかなあの党ですw

優の頼もしいバックの公安0は解体。
まあ、原作で旧公安0課となるわけですがその辛みはいずれ

なんだかんだで優はその気になれば武田の権力をフルに使えますし椎名の家も多少は力になってくれますから大丈夫なんですけどね。
武田の権力は信冬との結婚が確定するため最後の最後の切り札でしょうけどw

今年はもう少し更新速度を上げていきたいと思いますがのんびり読んでいてくれる人がいればお付き合いしてたまに感想をいただけると励みになります。

ではでは!

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