緋弾のアリアー緋弾を守るもの   作:草薙

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そして、物語はサード編へ


第254弾 連続襲来

さて、平和な日常が戻ってきた!

武田家との厄介な状況も乗り切りいつもの日々が始まる!

 

「と思ってたんだよな・・・」

 

っと汗が噴き出てくる。

紫電を構え東京のど真ん中でバイザーをつけた女と対峙している。

強いぞこいつは!少なくてもその辺のチンピラが瞬殺されるレベルの実力だ。

俺の平和な日常は再び破壊されることになるんだなぁ・・・

 

「お兄ちゃんの男友達でも特別扱いしてやるよ」

 

うーむ、俺誰かのお兄ちゃんに何かしたのかな?

武偵である以上心当たりがありすぎる。

 

それはそうとなぜ、こんなことになってるのかちょっと思い出してみよう

 

              ±

文化祭も終わり今日は休みだったので久しぶりにトレーニングも休んで寝ていたんだがお昼には起きないとと思い起きると珍しく誰も部屋にいなかった。

信冬は東京武偵高にいるままだが女子寮に移っていったしアリア達も今日は来てないみたいだった。

キンジはと・・・あいつもいないのか

 

「ねむ」

 

ソファーに横になり再び眠ろうとそのまま落ちようとした時さっと開けてある窓の外から風が入る。

些細な問題なので無視していると

 

「やっほー優希君!遊びに来たよ」

 

「!?」

 

声に覚えがあったので慌てて起き上がるとテラスにはウェーブのかかった西洋人形のような金髪の少女がいた。

 

「おま!」

 

アズマリアじゃねか!

 

「フフ、驚いた?驚いたよね」

 

いたずらが成功した子供みたいにアズマリアは笑いながらトンとテラスに降りて部屋の中に入ってくる。

どういうつもりだ?

殺気は感じないのでそのままにしていると

アズマリアが正面のソファーに座る。

 

「今日は優希君に文句を言いに来ました」

 

「文句?」

 

ぴっと指を立てて少し腰をかがめるその姿は絵になるな

 

「そうだよ!なんで武田家の件で協力を頼んでくれなかったのかな?私ずっと待ってたんだよ」

 

言われてみればそんなこと言ってたような・・・

土方さんや姉さんが協力してくれたから忘れてたのが正直な所だ

しかし、忘れてたとはいえんぞ。

仮にも最悪の魔女なんて呼ばれてる奴だ

何か理由・・・そうだ!

 

「いや、お前俺に自分の連絡先教えてないだろ?」

 

「!?」

 

アズマリアが驚愕した顔になった

 

「うわあああしまった!忘れてた!」

 

忘れてたのかよ!苦し紛れに言ったのに効果は抜群だった

 

「ご、ごめんね優希君。私の助けほしかったんでしょ?」

 

「その・・・」

 

どう答えたらいいのか・・・

 

「まあ、姉さんが協力してくれたし」

 

「希ちゃんかぁ。それは私いなくても大丈夫だよね」

 

まあ、連絡が可能であったとして覚えていたら・・・姉さんたちがどうしようもない時で助けを求めようとしても無理だったわけだアズマリアの援軍は

 

「というわけではい」

 

すっとスマホを取り出すアズマリア

 

「連絡先交換しよ♪」

 

というかいいのか?悪の親玉じゃないのお前?世界を滅ぼそうとしたんだろ?

ま、まあ母親って話なんだが・・・

どうしよう・・・

 

「スマホ持ってないの?まだガラケー?」

 

「いや、持ってるが」

 

部屋からスマホを持ってくるとさっと連絡先が交換されててしまった。

 

「はい、終了!これでいつでも連絡できるね」

 

にっこりとして微笑む彼女は太陽のような子だなと思った。

 

「そんなに連絡はしないだろ」

 

「え?そうなの?」

 

ショックなのか?というかあんまりこいつと仲良くしているとまずいんじゃ・・・

 

「んー困ったな。信春ちゃんを退けた優希君に私興味津々なんだけどなぁ」

 

「勝ったのはぎりぎりだった。それに信春ばあさんは70%だった」

 

「へー」

 

少し歯を見せて薄くアズマリアが笑った。

ぞくっと背筋に悪寒が走る。

 

「緋緋因光斬」

 

俺が繰り出した技の名前を口に出す

 

「あれすごいよね。あれなら信春ちゃん100%でも通用してたよ。というより理論上私でも防げるか分からない」

 

「お前何を知ってる?」

 

あの技のことを知ってるのか?震電は姉さんが回収していったからしばらくは使う場面のないんだろうが

 

「私と連絡取りあいたくなった?」

 

くそ・・・飴と鞭の飴だ・・・

こいつのペースだが仕方ねえ

 

「そうだな。ちょっとお前に興味が出てきたぜ」

 

「え?それって私もお嫁さんにしたいの?」

 

まじめな話から一転したぞ!

 

「なんでそうなるんだよ!」

 

「いやぁ、女の子キラーな優希君のことだから私も狙ってるんでしょ?」

 

「狙ってねえよ!というかお前卷族よりだろ!」

 

「ん?私達は中立なんだけど?どっちの味方でもありませんよ~。優希君の味方ではあるけど」

 

「・・・」

 

どこまで信用していいんだ?先代のアズマリアはまさしく最悪の存在だった・・・らしい

 

「私はママとは違うよ。別に世界に絶望なんてしてないし」

 

「その言葉信じていいのか?」

 

「全部は話せないよ。でも、君に興味を持ってるのは本当。今日遊びに来たのも本当だよ」

 

信用するには俺はアズマリアと言う子のことを知らなさすぎる・・・

 

「ってなこと考えてない?」

 

「!?」

 

口に出してたか!いや、心を読んだのか?

 

「アハハ、驚いた?それくらい予想の範囲でどうにかなるよ」

 

「食えないやつだな」

 

分かってるのはこいつは俺より実力が上。

本気で俺が挑んでもおそらくは勝機は0に近いだろう。

 

「そうです!食えないんだよ私」

 

ソファーに座りゴスロリ服をひらひらさせながら足を交互に振りながら楽しそうにアズマリアが言った。

 

「というわけで遊びにいこう!」

 

 

 

 

 

           ±

 

なんでここにいるんだか・・・

アズマリアに連れ出されるままに都内に繰り出してくる羽目になった。

 

「あーきはーばーら!」

 

歩行者天国のど真ん中で両手を空に挙げながらはしゃいでいるゴスロリ少女

この町なら何の違和感もねえな・・・

道行く人も変な人を見る目では見ていない。

ここはそういう場所だからな

 

「なんでここ?」

 

そうアズマリアに聞くと

 

「1度来てみたかったんだけどほら、1人じゃなんか来る気になれなくて」

 

「この町が好きってことはアニメとかゲームが好きなのかお前?」

 

相手をよく知るというのも重要だ。

特に俺はこの子のこと全然知らないもんな

 

「んーどっちでもないかな?でも嫌いでもないよ」

 

「そうなのか?この町に来たいなんて奴は大概そんなやつなんだろうと思ってたが」

 

ってあれ?アズマリアがいないぞ

 

「おい!アズ・・・」

 

「ねーね!優希君!ちょっと来て?この本何?」

 

ちょっ!それ同人誌!しかも18歳未満お断りの奴じゃねえか!

 

「前にテレビで見たなんかのアニメかな?その絵だから・・・」

 

「や、やめろ!」

 

「あ!」

 

アズマリアから本を取り上げ棚に戻すと慌てて外に連れ出す

 

「アハハ大胆だね」

 

「何がって!?」

 

気づけばアズマリアと手をつないでいたので慌てて手を放そうとするがアズマリアがぎゅっと手を掴んで離さない

 

「は、放せ!」

 

「じゃあさっきの本見に戻る」

 

「っ・・・」

 

わざとやってるんじゃねえだろうな・・・

だが、流石に勝手にしろと言えないのでため息をついた。

 

「やった♪」

 

何がやってなんだか・・・というかこんな所誰かに見られたら・・・

 

「し、椎名!お前また!」

 

げっ!

 

「む、村上!」

 

レキ様ファンクラブRRRの会長村上が紙袋を片手に俺を指さしていた。

 

「前回のシスターに続き今度はゴスロリ金髪美少女だと!」

 

ああああ!ややこしい奴に会った!

 

「おい!村上お前はなんか誤解しているぞ!これは」

 

「これが動かぬ証拠だ!」

 

パシャリとスマホでアズマリアと俺が手をつないでいるところを取られてしまう。

 

「フフフ!椎名これでお前も終わりだ!RRR総力を挙げて拡散炎上させてやる!さらばだ!」

 

や、やめろおおお

 

「よくわからないけど止めたほうがいいの?」

 

「止めろ!止めてくれ!」

 

「了解」

 

「え?」

 

村上が呆然とした顔で手を見ている。

手には何かに貫かれた自らのスマホがあった。

 

「ぎゃあああ!私のスマホがぁ!」

 

「風の太刀ね」

 

アズマリアの左手に現れた剣が消滅する。

この能力・・・ステルスか?

 

「くそ!覚えていろ椎名!帰ったらRRR総力を挙げてレキ様の耳に入るようにしてやるからな!」

 

捨てセリフを吐いて逃走していく村上

えーと・・・自業自得だよな・・・

スマホで拡散して俺を陥れようとしたわけだし

 

「これでよかった?」

 

にこりとしてアズマリアが言うが・・・

 

「今の剣ステルスか?」

 

「そうだよ。私のステルスは魔剣。歳さんと同じだよ」

 

「土方さんと?」

 

「まあ、細かい部分は違うんだけどね私はあの粒子の影響受けないし」

 

粒子?何のこと言ってるんだ?

アズマリアは俺を見るとにこりと微笑んで

 

「じゃっ!デートの続きしよ」

 

ぐいぐいひっぱるな!

 

「お、おい!デートじゃねえだろ!」

 

「アハハ!優希君照れてる照れてる!」

 

照れてねぇ!

 

 

             ±

 

そんなこんなで時刻は夕方だ。

アズマリアにはメイド喫茶やら電化製品店やマニアックな店など連れまわされたわけだが感想は疲れた・・・

 

「あー、遊んだ遊んだ!」

 

秋葉原の駅に向かう途中、アズマリアは手に大量の買い物した袋を持っており大満足という顔だ。

持とうかと言ったが対して重くないからいいと言われてしまった。

 

「今日は楽しかったよ。ありがとう優希君」

 

「ひたすらに疲れたよ」

 

「ごめんね」

 

まあ、今日付き合ってみて分かったのはアズマリアは決して悪い子ではないということだ。

母親は最悪の魔女だったかもしれないがそんな偏見でこの子を見るのは良いことではないだろう。

 

「いいよ別に。いい時間つぶしになったし」

 

俺がそういうとアズマリアはぱっと笑みを浮かべた。

やはり、太陽のようという印象の笑顔だ。

見る人が見れば一目ぼれてしてしまってもおかしくないくらいの可愛さがある。

 

「やっぱり、興味あるよ優希君!私、ますます君のことを知りたくなった!ローズには悪いけどね」

 

「お前・・・」

 

ローズ・・・ローズマリーのことか・・・

 

「あいつはどこにいる?」

 

「・・・」

 

太陽のような笑顔が少しだけいたずらっぽい笑顔に変わる。

 

「さあ?まあ、それを知りたくても今回の危機を乗り越えてからじゃない?」

 

「危機だと?」

 

「今日遊んでくれたしいいこと教えてあげる。優希君狙われてるよ今。相手は2人1人はRランク」

 

「!?」

 

全力であたりを警戒するがその気配は・・・

 

「ほらあそこ」

 

アズマリアが指さしたビルの屋上に誰かいる

それを認識した瞬間、その人影がビルから飛び降りてくる。

そして、ガシュンという音と共に歩道にクレーターを作った。

反射的に紫電に手をかけて後方に飛ぶ

それほど奴の姿は異質だ。

鎧のようなマッドブラックのプロテクターに目には半透明の赤いバイザーに背中には1・5メートルほどある長刀を斜めにしてかけている。

蛍光ブルーに光っているところを見るとただの刀じゃない・・・

何者かはわからんがどう考えてもコスプレ一般人には見えなかった。

というか敵意を感じるし・・・

 

「最悪の魔女のおかげで手間が省けたよ」

 

その声は女の声か・・・

 

「椎名優希で間違いないよね」

 

「さあな。人違いじゃないか?」

 

「非合理ぃ。そんな嘘通ると思ってるの?」

 

ですよね・・・

 

「思ってないさ。で、お前らは誰だよ?」

 

そう相手は一人じゃない。

女の後ろにいる男・・・あいつは・・・

 

「フォースやれ!」

 

その男、宣戦会議で見たジ・サードの言葉と共に女が動く

ちっ!場所的に銃は使えねえ!

秋葉原は通称武偵殺しの町。

遠巻きに俺たちを見ている一般人の前で飛び道具は厳禁だ。

だが!接近戦なら負けねえぞ!

特に刀はな!

 

フォースと呼ばれた女の横殴りの一撃

そこそこ早いがリゼのほうが早い!

紫電でそれを迎撃する。

激突した瞬間、火花が散ると同時にフォースの口元が歪んだ。

笑ってる?

相手の刀身が淡い青い光を放っている。

反射的に刀を引いて後方に回転しながら

 

「飛流二式風巻!」

 

後方から回転切り

同時にもう一本の刀閃電を抜いた状態からだ!

 

「非合理的だねそれ」

フォースがそれを迎撃するために横殴りに剣をふるい

ギイイン刀身が激突するが閃電がぼろりと激突した部分が欠ける。

閃電が!武田家の宝刀クラスの名刀がこんなに簡単に!?

こいつの剣ただの剣じゃねえぞ!

紫電はかけていないが油断は禁物だ。

 

あらかじめ発射しておいた背部ワイヤーを使い後ろに大きく後退する。

 

「流石は骨董品でも名高い刀だね。私の剣と激突しても壊れないなんてさ」

 

「自慢の剣なんでな」

 

そう強がるがあの得体の知れない剣相手に紫電がどれだけ持つかは未知数だ。

このまま、切り結べば紫電が破壊されてるしまう可能性は決して0ではない。

だが、銃はこの状況では使えない。

どうする・・・

いや、この状況を打開する方法は多くない

 

「緋刀」

 

小さくつぶやくが体に変化はない。

あの奥から沸いてくるような感覚がない。

姉さんが言っていた通り緋刀はしばらく使えませんってことか・・・

 

 

「来ないならこっちから行くよ」

 

フォースが地を蹴って接近してくる。

くそ!

回避しきれなかった1撃を閃電で受け止めるが激突と同時に火花を散らし冗談のように閃電が真っ二つに切断された。

フォースの剣が俺の体に吸い込まれる直前、ガバメントを地面に発射し月詠のステルスが内封された魔封弾で転移して逃れる。

 

「あれ?」

 

フォースが意外そうな顔で横を見る。

そう、転移先は離れていないすぐ横だったのだ。

 

「非合理ぃ!今日は、璃々色金粒子が強い日だよ?」

 

「っ!」

 

「これも壊れちゃえ!

 

再び振るわれたフォースの剣に紫電が激突する寸前雪羽さんに教えてもらったことを思い出す

火花と同時に紫電は・・・折れなかった

 

「あれ?丈夫ってわけじゃないよね?」

 

「へっ!」

 

ぎりぎりだが間に合った。

雪羽さん直伝、刀気

刀を気の力で包み攻撃や防御に転用できる。

とっさに、紫電に張り巡らせたがこいつなら奴の剣と切りあえる。

 

「勝負はこれからだぜ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




というわけでサード編へ突入!

原作ではキンジは結局かなめとはガチで殴り合わなかったので少し戦闘シーンの参考が少ないのがかなめ・・・
ただ、かなめで一番厄介なのはあの振動刀です。
優の日本刀もまたもや破壊されてしまいましたw
それも、宝剣クラスの名刀をあっさりとw
流石に紫電は破壊されると困るのでなんとか切りあえるようにはなりましたが・・・

さあ!次回はまた、来週!かな?
できるといいなぁ

それでは!

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