緋弾のアリアー緋弾を守るもの   作:草薙

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数ヶ月ぶりですが草薙は生きてます!すみません!


第247弾 波乱の始まり

文化祭が始まった。

あの信冬との夜から2日。

次の日は特に何もなくいつも通り朝食を用意してくれ一緒に登校して学校生活を送り1日を終える。

不気味なぐらい普通の日だった。

もちろん、俺も何もしなかったわけではない。

武田家との戦いに備えての準備しつつもあることを考えていた。

今回、武田とまともに激突すれば下手したら死人が出る。

アリア達を護衛に巻き込んだのは迂闊としかいいようがなかった。

踏み込めば裏武家、つまり俺達の家の問題だ。

アリア達はこれ以上巻き込まない。

そう、動く決意を俺は固めていた。

まあ、なんにせよ今日は文化祭だ。

 

寮を出ると歩行者天国になった学園島には郊外からの人々が往来している。

あちこちに出店もたってまさに、お祭りって感じだな。

さてと・・・地獄に行くぜ・・・

 

 

 

 

 

 

 

              †

 

「お姉ちゃん。俺、コーヒーとこのクロワッサンお願い」

 

「はーい、只今!」

 

男性客からのオーダーを受けて注文品をテーブルに運ぶ。

く、屈辱だ・・・

いつもは学生が食い散らかしている食堂も今日は、リストランテマスケとしての場になっている。

つまりは、変装した武偵校の2年生がいるわけだが俺は女装・・・

武偵校女子の制服にエプロンをつけて声は機械で変えて髪はウイッグに顔は化粧を施している。

クラスの連中は大笑いするかと思ったが逆に驚いていた。

もうやだ女顔・・・

ちなみに、このリストランテマスケはいかになりきるかが重要で成功すればマスターズが生徒全員の内申にも影響が出るので手は抜けない。

いつもぎりぎりの成績だからな俺。

ちなみに俺は午前2番目のシフト。

時間も決して長くないし、終われば自由に行動できるので後少しの辛抱だ。

 

「お待たせしました」

 

ん?声のした方を見ると秋葉とちょっと離れたところで接客中の信冬が見えた。

秋葉は黒い水着のような服に白いスカートに白いマントに金髪ツインテールのウイッグ。

信冬は茶髪の短めのツインテールのウィッグに白い厚めの服だ。

にこりとして接客し、客も信冬の後姿を見ている。

ウェイトレスとしては完璧なんだろうがこの催しではどうなんだ?

俺はあのコスプレのキャラは浅くはあるが知ってる

一方秋葉はと言うと、初期の設定になりきっているらしく表情をあまり出さずにちょっと悲しげな影のあるという印象を受ける接客をしているな・・・

嫌がってはいたが役になりきるのは案外難しいものだ。

うーん・・・秋葉は心配ないが信冬はちょっと、アドバイスしないとだな。

 

「信冬ちょっと」

 

「あ、はい優希」

 

信冬の手を掴んでカーテンの向こうに入ってから思っていることを言ってやる

 

「今のままじゃまずいぞ」

 

「? 何か私ミスをしましたか?」

 

きょとんとしてるが確かにこの催しじゃなきゃ完璧なんだ・・・だけど

 

「リトランテマスケは変装した状態になりきらないといけないんだ。お前のそれはもうちょっとだな・・・」

 

こう言う事態も想定して秋葉にDVD借りてみといて正解だった。

と言っても秋葉いわく4期まであるので1期しか見てないが・・・

とにかく、そこで見た信冬のキャラはもっと元気で明るい女の子なのだ。

 

「秋葉に借りたDVD見ただろ?あれを見て真似るんだ」

 

「DVDですか・・・すみませんつけてはいたのですが呪符を作るために断片的にしか・・・」

 

「そうか、そりゃまずいな」

 

まいったな。断片的にしか見てないなら多分、演技は難しい・・・

どうしたものか・・・

 

「優君。どうかしましたか?」

 

お、秋葉。

だが、お前に今回は頼りすぎれない。

信冬はなぜか秋葉には冷たいし

 

「いや、なんでもない。ホールに戻っといてくれ」

 

「はい」

 

秋葉は何か言いたそうにしたが結局何も言わずに戻っていった。

さて

 

「とりあえずだな。その仮装のキャラは・・・」

 

覚えていた限りのことを信冬に伝えたが所詮は付け焼刃。

俺達が受け持つ時間帯では信冬はリリカル風のキャラを演じることは叶わなかった。

と言っても全てが駄目だったわけじゃない。

 

「あの、笑顔まさしくリリカルだよ」

 

「よく分からないけどすごい可愛いウェイトレスさんだった」

 

と以外に好評だったようでなんとか、マスターズの折檻は避けられそうだ。

俺の評価?んなもん聞くな!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

お祭りってのは総じて楽しいもんだ。

リトラスマスケの担当時間も終わりようやく解放された俺達は信冬の希望で祭りを見て回っている。

秋葉も連れて来たかったが友達と回ると言ってどっかに言ってしまった。

気を使ってくれたんだと思う・・・

秋葉の友達っていや理子かな?

ああ、そう言えば夾竹桃?とか言う奴とも最近は親しくしているらしい。

元・イ・ウーで年齢は俺達より年上だが・・・

あ、そう言えばジャンヌもそうか。

おいおい、考えてみりゃ秋葉の友達全員元イ・ウーじゃねえか大丈夫か?

まあ、他にもいるんだろうが・・・

 

「優希。どこに行きますか?私はこう言った場所に来たことがあまりないのでよく分からないんです」

 

東京武偵校の制服に着替えた信冬と男服に戻った俺。

外来客でにぎわう廊下を歩きながら

 

「そうだな・・・」

 

時計を見ると10時半

 

「じゃあ、出店見て回るか?」

 

「はい、お任せします」

 

にこりと微笑みながら信冬は言うのだった。

そして、出店の並ぶエリアに入る。

たこ焼きとかお好み焼きとかあるがけん銃焼きってなんだ?

爆弾おむすびと本当に爆発するんじゃないだろうな・・・

なにやら変なものもあるがとりあえず何か食べよう。

出店で食べるの前提で朝飯も控えめにしてもらったし。

よし

 

「たこ焼き2つ頂戴」

 

「2つだな。ん?貴様椎名」

 

「あれ?村上?」

 

適当に並んだだけなのだが知り合いだった。

2年は全員リトラスマスケをしているというわけではない。

いや、受け持ちの時間は行かないといけないがそれ以外の時間は出店をやってるグループもあるのだ。

 

「ほう、レキ様を置いてデートか?」

 

ちらりと信冬を見て村上が言う。

 

「デートじゃねえよ。文化祭を一緒に回ってるだけだ」

 

「ふん、まあいいがな」

 

以外に手なれた手つきでたこ焼きを焼いている村上。

手先は器用なんだな。

 

「優希の友達ですか?」

 

「いえ、この男は私の宿敵ですよ。武田さん」

 

「宿敵ですか?」

 

「ええ、そうです」

 

まあ、レキを間に置いての関係はそうだよな・・・

俺的には友達よりだと思ってたんだが・・・

 

「優希」

 

「村上正。アサルトだよ」

 

名前を言い忘れてたので伝えておく。

 

「村上さんとはなぜ宿敵なんですか?」

 

そ、それを聞くか?

レキのことを言えば不機嫌になるかもしれんしうーむ・・・

 

「ほらとっとと金払ってあっちに行け」

 

ふんと村上がたこ焼きの入った袋を押し付けてくる。

ナイスタイミングだ村上。

 

「ああ悪い。今払う。じゃあな」

 

「ふん」

 

 

 

 

 

 

 

どこか適当にベンチでも・・・

人通りは多いがベンチが空いていたのでそこに座ってたこ焼きの包みを開ける。

うまそうだ!

早速口に放り込むと熱々のたこ焼きの味が口の中に広がる。

熱いが中々うまい!

ん?

 

「信冬どうした?食べないのか?」

 

包みをあけたままたこ焼きをじっと見ている信冬に言うと信冬は俺を見て

 

「これはどうやって食べるのですか?」

 

「なんだ?そんなことも分からないのか?」

 

「こういった外の食事はしたことがないので・・・お箸はつけ忘れたんでしょうか?」

 

貰って来ますと立ち上がりかけた信冬を慌てて止める。

 

「箸はいらない。これは、つまようじで食べるんだよ。こうやってな」

 

実戦してたこ焼きを口に放り込む。

信冬は驚いた顔をしてからいただきますと礼儀正しく手を合わせ、つまようじをたこ焼きに突き刺すとはむと少し口に含んで食べた。

 

「おいしい」

 

「だろ?こういった場所で食うたこ焼きは格別なんだ。ほら、もっと食えよ」

 

「はい」

 

上品にたこ焼きを食べて行く信冬を見ながらやっぱりお嬢様なんだなと改めて思う。

多分、祭りとか信冬は行ったことがないんだろう。

食事などは周りの連中が世話を焼いていたんだろうし・・・

おお、そうなると今日の予定が自然と組み上がるぞ

パンフレットを見てから

 

「よし!今日は文化祭を遊びつくそう。まだまだ、上手いものもいっぱいあるんだ!なんか、演劇とかもやるらしいぞ。これも後で行こうぜ」

 

「優希に任せます。あなたの行きたいとこなら私はどこにでも行きますよ」

 

「食べたい物とかないのか?あ、でも分からないだよな。じゃあ、次はフランクフルトでも食おう!」

 

なんか楽しくなってきたぞ。文化祭を全く知らない子に祭りの楽しさを教えるのってすごい楽しい。

その後フランクフルトや綿あめ、りんご飴と食べて行くが信冬の反応はすごく新鮮だ。

食べた事ないものを食べてすごくうれしそうに見える。

途中、知り合いにはデートデートと冷やかされたがそんなんじゃねえって!

飯ばかり食ってたわけでもなく校舎の催し物にも行ったぞ。

お化け屋敷とかもあったが化け物退治の専門家信冬にはお化けは全く歯が立たなかった。

1年が入ってる死体袋とか見ても怯えた様子もなかったもんな。

 

「夢がかないました」

 

「夢?」

 

お化け屋敷を出て信冬が突然そんなことをつぶやいた。

 

「なんでもありませんフフフ」

 

聞いても答えてくれず信冬は笑顔で俺を見ていうのだった。

そうこうしているうちに時刻は午後4時。

そろそろ演劇の最後の部の時間だがさて・・・

 

「優希。次はどこに行くんですか?」

 

パンフレットを見ながら嬉しそうな笑顔で信冬は言う。

こうしてみるとお祭りを楽しむ年相応の女の子だよな。

普段は大人びてるからついついそんな目で見れてないけど

 

「次は演劇部の演劇だ。演目はオリジナルの物語みたいだな。一応今日の文化祭はこれで終わり。続きは明日だな」

 

「楽しみです。早く行きましょう優希」

 

ぐいっと俺の手を掴んで体育館に向かう信冬。

俺は苦笑しつつその後に続いて体育館に入った。

薄暗い中椅子が並んでおり俺はそこに座って開園時間を待つのだがその前にトイレ行ってこよう。

 

「ちょっとトイレ行ってくる。待っててくれ」

 

「はい。早くも戻ってきてくださいね」

 

「了解」

 

信冬に断ってトイレに入る。

さて、用を足したし信冬の所に戻るか。

トイレから1歩外に出た時

 

「椎名優希」

 

「ん?」

 

聞いたことある声に振る帰るとそこにいたのは・・・

 

「お前・・・」

 

「久しぶりだな」

 

「・・・」

 

真田幸村

信冬の部下のこいつがここにいる理由は考えるまでもない

 

「信冬のことか?」

 

「分かっているなら話は早い。場所を変えてもいいか?」

 

「ここじゃできない話か?」

 

「そうだ」

 

「・・・」

 

幸村がここに来た理由は武田と無関係ではないだろう・・・

 

「武田とは休戦の約束をしているはずだ。まだ、期限じゃないのに手を出す気か?」

 

「こい、椎名優希」

 

黙ってついてこいとばかりに背を向けて歩き出す。

ついていくか一瞬迷うが、信冬のことを大切に思っている家臣のはずだ。

なら、話は聞くべきあろう。

信冬にメールを送るか悩むがそれはやめておいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

やってきたのは学園島から少し離れた空き地島だ。

船に乗るからそんな予感はしていたが確かにここなら誰もいない。

 

塩風混じる少し強めの風を感じながら幸村に続いて歩いていくと振り返る。

 

「ここならできる話か?」

 

「ああ、お屋方様が置かれている現状を把握しているな?」

 

「暁竜馬との結婚の話だろ?知ってる」

 

「これは、お前と武田の山との間で通った休戦が終わった後の話だが武田信春様が直々に信冬様を連れ戻しに来られる」

 

「っ!?そうか」

 

いつか来るかもと思ってたがそうか、休戦終わった瞬間に来るのか武田信春

 

「信春様は従わないなら力づくで連れもどすつもりだ。そこでどうする?戦うのか?」

 

「話して分からないならな」

 

「そうか。では椎名優希。お前にはここで死んでもらう」

 

「!?」

 

膨れ上がる殺気に後方に思いっきり飛んで紫電を抜く。

やはり戦いに来たのかこいつ

 

「休戦は破るのか?武田の名前に傷がつくぞ」

 

「その件については問題ない。俺はもう武田を抜けた、ただの一般人だ」

 

武田を抜けてきた!?そんなのありかよ!

 

「おい!待てよ!お前信冬のこと大切に思ってるんだろ!なんで信冬を守ろうとしている俺を攻撃する?」

 

「貴様が現実がまるで見えていない馬鹿だからだ。御隠居様・・・武田信春様にはお前は絶対に勝てない。今回信冬様は信春様に逆らった。その代償は連れ戻された後。暁家でどのようなことになろうとも武田は一切口を出さないという状態になる」

 

つまり、信冬様の生死は暁家が握るということだ。奴隷のような待遇でも武田側は何も言わない」

 

「今のまま行けば信冬様の未来は地獄。だが、信春様はお前を殺して信冬様を連れ戻せばその条件を緩和してくれると約束して下さった。そのためにもお前には死んでもらう」

 

そうか・・・お前信冬のことを思って・・・

でもお前、馬鹿は俺じゃなくてお前だよ

 

「なんでそうなる!みんなで協力して武田信春を倒すって選択もあるだろ!なんで、暁家に信冬を売るような手助けをする!」

 

「それが・・・信冬様が選べる1番苦しみが少ない未来だからだ」

 

一切の迷いのない顔。

これは戦いは避けられねえか

抜けたとはいえ武田の林。

勝てない相手じゃねえ

それにこいつは大馬鹿野郎だ!ブッ飛ばして目を覚まさせてやる。

怒りの感情をトリガーにできる戦闘狂モード。

それは既に発動したのを感じる。

 

「よく分かった。てめえは大馬鹿だよ!殴ってやるから歯くいしばりやがれ!」

 

地を蹴りながら俺は戦いを挑む。

 

幸村の戦闘スタイルは察しはついている。

風林火山の林は徹底した回避能力すなわち

 

「ふっ!」

 

上段から紫電を振り下ろすのを幸村は少し体を動かしただけで回避し同時に横振りの斬撃を繰り出してくる。

それを俺は左に飛んで少し距離を取りながら紫電を左に右手でガバメントを取り距離を取りながら3点バーストで幸村に発砲する。

 

「無駄だ」

 

幸村は弾道を知っているように再び最小限の動きでそれを回避する。

今の軽い接触で予想が確定に変わる。

やはり、幸村の戦闘スタイルは回避した上のカウンターだ。

通常より桁違いの集中力からくる回避からのカウンター剣術か。

少しばかり厄介だが勝てない相手じゃない。

だが倒す前に何個か聞いておきたいこともある。

 

「今の交わすかよ」

 

「無駄だと言ったぞ椎名優希。俺の林は完全回避能力。いかなる攻撃も俺には当たらない。回避という点のみならシャーロックの条理予知と同格かそれ以上だ」

 

絶対の自信を持っているからこその能力の説明か。

だが、それが甘いという証拠。

 

「そりゃすげえな。それを破る前にお前に聞いときたいことがある」

 

「なんだ?」

 

「どうして武田信春をぶっ飛ばして信冬の婚約を取る下げる選択を取らねえ?」

 

そう、こいつは信冬のことを本当に大切に思っていたはずだ。なのに・・・

 

「っ」

 

幸村は一瞬、顔を歪ませてから

 

「お前は・・・ジャンを知ってるな」

 

「ああ」

 

合宿やイ・ウーの上で会ったやたらうるさいあいつか

 

「ジャンは信春様に信冬様の婚約を取り消してもらうよう頼み戦いを挑んだが敗れ今は病院で意識不明の重体だ」

 

あいつは・・・ジャンも直接戦ったことはないが相当な使い手だったはずだ。

それが、手も足も出ずに負けた?

 

「強すぎるんだ。信春様は。あの方とまともに戦えるのは世界でもほんの一握りだけだ」

 

なるほどな。恐ろしく強い相手だ。

戦うなってみんなに求められている。

だが

 

「だからって諦めてんじゃねえよ。信冬を暁に渡せばあいつは地獄だぞ。それでもお前は信冬を売り渡す気かよ」

 

「ち、違う!俺は信冬様の苦しみを少しでも・・・」

 

「違わねえ!お前のやろうとしてることはあいつを・・・信冬を地獄に送ろうとしてるだけだ!」

 

「違う!違う!違う!お前に何が分かる!俺は信冬様に昔、救ってもらった!その恩義を返すために俺はあの方の苦しみを少しでも減らす!」

 

「へっ!そうかよ!だったら、俺をぶっ飛ばしてそれをやってみろよ!」

 

「言われなくても!」

 

紫電と同時に閃電も抜いて2刀で間合いを詰める。

 

「飛龍2式双風!」

 

風切りの2刀バージョン。

上段からの音速を超えた1撃はかまいたちを発生させる2段技だ。

 

「・・・」

 

しかし、幸村も間合いを詰めながら俺の1撃を見えているように交わす。

同時にカウンターで下段からの1刀だ。

俺はそれをあらかじめ張っておいた後部ワイヤーの引きもどしで後退し、更に地を蹴る。

カウンターのカウンターだ!

 

「飛龍2式双牙!」

 

両刀のよる突きの攻撃。

連続技で幸村の体制を崩したいがその刀は空を切った。

ちっ!攻撃があたらねえ!

 

「無駄だと言った!」

 

上部から刀を落としてくるのを紫電で受け止めながら刀と刀のぶつかり合いになる。

互いの攻撃をかわし、隙を窺う。

火花が飛び散り油断すれば一気に流れが変わってしまう斬撃戦。

幸村はこれまで戦って来た連中から見れば決して化け物レベルではない。

高速斬撃やトリッキーな動きならリゼが上だし、パワーも水が上だろう。

あいつらのように圧倒的なものがないのにここまで苦戦を強いられるのはやはり、完全回避能力林の存在だ。

 

「っ!」

 

斬撃戦と言ったがさっきから、幸村の刀が徐々にではあるが俺に傷を作っていっている。

深い傷ではないが幸村のカウンターは的確で完全に回避することは不可能に近い。

どの椎名の剣術を取っても幸村の林は破れないのか・・・

こういうカウンターの相手の対処法は分かってる。

何度刀を激突させたか覚えていない中、カウンターが俺の防弾制服を切り裂いて左腕の肉を抉った。

刀が使えない状態じゃないが幸村のカウンターは更に正確性を増してきている。

 

「くっ!」

 

背後に飛び幸村と距離を取り対峙しながら舌打ちする。

 

「林は完全回避と同時に相手の動きを正確に読んでいく。カウンターの精度を高めて言ってな。自殺するなら止めないぞ椎名」

 

「はっ、自殺?するわけねえだろ。調子乗るのもいい加減にしろよ」

 

「状況を見て言え。俺は無傷だがお前は傷だらけだ。そろそろお前の動きも完全に見切る。急所にカウンターを入れて俺の勝ちだ」

 

「・・・」

 

ハハハ、ピンチだよなこれ。殺しにかかってきているやつを前に笑みが浮かんじまうのは戦闘狂の影響・・・

それと、自分に少し怒りがわいて笑っちまうよ

 

「悪かったな幸村、俺は今まで勘違いしてた。ここまでやるとは思ってなかったぜ」

 

「そうか。なら、諦めて自殺しろ」

 

「ああ、してやるよ」

 

目を閉じて俺が思い浮かべたのはあの子のこと。信冬・・・

俺は絶対にあいつを守り抜く

そして、あの感覚が全身を駆け巡る。

 

「緋刀化」

 

開いた瞳はカメリア。髪は緋色。

緋刀の力が全身をめぐる。

傷も治っていく

 

「それが・・・」

 

幸村が警戒したように下がるがそれは正しい。

これが俺の本気の状態。

守るための力だ。

 

「勝負はこれからだぜ幸村!」

 

緋色に輝く紫電を手に爆発的な加速で俺は地を蹴った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




というわけで文化祭→幸村襲撃事件勃発!

この下はちょっと最新刊のネタバレなのでまだの人は読まないでくださいねw











緋弾のアリア最新刊でついに公安0が出てきたぁ!
最大桜花簡単に止めるとかあんた姐さんですか!ってやばい人出てきてますね(笑)
そして、今回から出てきた伊藤マキリ。
何者なんだ?
少なからずキンジと因縁あるようですが金坐さん生きてる?
だとしたらいろいろ守るものでも考えないといけないですね。

ふーむ、というか今回1番笑ったのはキンジの公安0の撃退方法。
思わずおい!と笑いましたw
これで優も留年の危機だぞw
どうなるやらです(^^)

結局は緋弾のアリアドーピング更新でしたが次は早めに更新したい!
それでは!

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