緋弾のアリアー緋弾を守るもの   作:草薙

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遅くなりましたが続きです。ど、ドーピング


第243弾 魔法少女リリカル信冬

サイド アズマリア

 

1週間とは長いようで短すぎる時間だ。

報告書を読んだ西洋人形のような愛らしい少女は薄く笑みを浮かべて紙を机の上に放った。

 

「優希君もまたまた大ピンチだね」

 

猫のマグカップに入ったミルクを飲みながらアズリアは抜き身の日本刀を手にする。

ヒルダ戦を見る限りでは優希君は絶対に引かないと予想できる。

武田の戦力はアズマリアでさえ舐めてかかっては足元をすくわれる連中がごろごろいる。

全てが日本国内にいるわけではないがサイコキネシスの使い手の高木・・・

まあ、一人を除いては負けることはないのだが・・・

 

「怖いのは信春ちゃんだよねぇ」

 

彼女・・・アズマリアは先祖からの記憶を代々継承する。

幾代か前のアズマリアと武田信春は戦っている。

決着をつけた戦いではなかったがそれでも、アズマリアは記憶を見る限り信春とは戦いたくない。

あの水月希でさえ信春を余裕で消し去ることは容易ではあるまい。

その信春が自分の意思を邪魔する優希を殺しにかかればおそらくは・・・

 

「うーん、どしよっかなぁ」

 

くるくると紫電を回しながらアズマリアは思考を巡らせる。

彼女は楽しいことが好きだ。

そして、イレギュラーなことはもっと大好きだ。

椎名優希にはヒルダ戦を通じて興味を持った。

信春が相手では優希のサポートも満足には機能しないだろう。

 

「うーん」

 

首を傾げながら椅子をくるくる回しながら彼女は考える。

すまわち、優希に手を貸すか否かだ。

 

「よし!決めた!」

 

アズマリアは猫のコップを置いて椅子から立ち上がる。

 

「気分次第だよね♪」

 

彼女は気まぐれ、楽しいことは大好きだが猫のように気まぐれな性格なのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

サイド優希

 

にしてもまいったなぁ・・・

高木の襲撃から1日立ちみんなにも事情を説明したしたはいいが今回の敵は厄介すぎる。

実家もそうだし、公安0も今回ばかりは助けてくれない。

なんか、キンジと仲良くなったエルに聞くとリバティーメイソンは今回の件には不介入を貫くそうだ。

エル自身はバスカービルのメディックになったそうだが・・・

師団の連中も同じ。

メーヤさんはイタリアだから仕方ないにせよ玉藻さんも中立。

それどころか師団の中で争うな!馬鹿ものと説教されてしまった。

そりゃ、俺だって争いたくないよ。

 

「それじゃあ、武田さん。前に来て引いてもらえる」

 

「はい」

 

ん?考え事してたがそう言えばホームルームの最中だった。

高天原先生が前に出してるBOXはくじ引きの・・・それを信冬が・・・

ああ、リストランテマスケの衣装決めか。

俺達は決まって準備が終わっているが文化祭1日目にあるリストランテマスケまで後5日。

偶然だが武田の再襲撃は文化祭が終わった直後ということになるな。

信冬はそのための変装決めのくじ引きをするらしい。

俺も引き直したい・・・

女装だもんな俺・・・アリアは小学生だし・・・プッ

どがっとアリアの足が俺の足に蹴りをかましてきた。

考えてることがばれたのか小声で風穴と睨んでくる。

お前エスパーかよ!

アリアが座ったまま蹴り繰り出してくるので足で防御していると

 

「引きました」

 

「では中を見てチェンジするか決めてね武田さん」

 

高天原先生の言葉に信冬が頷き紙を広げる。

なんなんだろう?

 

「キャバクラ指名№1?」

 

ざわと教室がざわめきだす。

おいおいなんだそれ!

 

「これは・・・」

 

よく分からないのか信冬が俺の方を見てきたので俺はぶんぶんと首を横に振ってチェンジしろと信冬に進言する。

信冬は頷いてから

 

「チェンジです」

 

「はい、次が最後ね」

 

再びボックスに手を突っ込む信冬。そして・・・

引いた運命のカードは・・・

 

「魔法少女リリカル風。白い方?」

 

がたん

ものすごい音がしたので後ろを見ると秋葉が椅子から少し落ちかけていた。

あ、そう言えばお前黒い方だったね・・・よく分からんけど

 

「はい、それに決まりね」

 

「はい?」

 

よく分かっていないようだがいいのか?まあ、チェンジは絶対にできないのは俺やアリアが逆らって証明されてるんだが・・・

隣の席に戻ってきて信冬は紙を見ながら

 

「優希、リストランテマスケとは何なのですか?」

 

「文化祭の1日目にやる仮装だよ。それぞれ引いた紙に書かれたものになりきってその日を過ごすんだ。なりきれなかったらマスターズの死刑が待ってる」

 

「このリリカル風白い方というのが何なのか分からないのですが・・・」

 

「それについては理子か秋葉の方が詳しいと思うぞ」

 

「ですが理子さんはクエストで今日は登校してきていません。困りましたね」

 

信冬は秋葉を見ると

 

「どういうものか教えなさい」

 

「その・・・アニメのキャラクターです。魔法少女ものの」

 

「アニメ?魔法少女?魔女の派生形ですが?」

 

「そのようなものです・・・」

 

「ふむ・・・」

 

やはり良く分からないというように信冬は考え込む。

秋葉はスマホを取り出して少しいじり

 

「これが、OPです。1期ですが・・・」

 

「見せなさい」

 

「白い茶髪の方が信冬様の仮装対象です」

 

OPが流れそれが終わる。

 

「この服を着てその文化祭は過ごさないといけないのですか優希?」

 

「ああ、そうだな。チェンジはできないからな」

 

「しかし、このような服私は持っていません」

 

信冬が差したのは魔法少女の着るバリアジャケットと呼ばれる服だ。

そりゃ、コスプレしない信冬が持ってるわけないよな。

 

「作るにせよ。困りました・・・」

 

確か1度着たりすることも考えるなら早めに用意しないといけないしな・・・

 

「それでしたらミャーさんに頼めば作ってくれると思います」

 

ああ、あの人か・・・

昨日のごたごたで記憶から飛んでた。

 

「ミャーさんとはどなたですか優希?」

 

「簡単に言えば服を作るプロだな。今日、放課後行くか?」

 

信冬がなぜか少し嬉しそうに微笑んだ。気がする・・・

 

「それは逢引・・・デートのお誘いですか?」

 

な、なんでそうなるんだ!

そうだ!秋葉!

 

「・・・」

 

目をそらすな!お前が教えてくれたんだろ!

誰かいないか!誰か!

教室をきょろきょろしてとりあえず、目についたのは武藤だが速効で他を探す。

あいつは護衛に参加してないしな。

次に目に着いたのはキンジだった。

ついでに、アリアも同時に

 

「キンジ!アリア!付き合え!」

 

「断る!」

 

「いいわよ」

 

キンジとアリアが同時に答えた。

それぞれ返答は違うが・・・

 

「キンジあんたも来るのよ」

 

「待てアリア!なんで俺なんだ?護衛は2人。優とアリアがいりゃ埋まるだろ」

 

「風穴!少し気になることもあるのよ。いいから付き合いなさい!」

 

「・・・仕方ないな」

 

嫌そうだがなんだかんだで付き合ってくれるんだなキンジ・・・

 

「で?お前はいかないのか?」

 

キンジの目の先には秋葉がいる。

秋葉は鞄に教科書や荷物を詰め込むと

 

「ごめんなさいキンジ君。私は少し、用事があるので付き合えません」

 

と、立ちあがり信冬にぺこりと頭を下げて俺をジト目で一瞬見てから教室から出て行ってしまう。

朝に聞いたんだが近衛として上司である月詠に報告や今後の方針を確認するんだそうだ。

上手くしてくれれば月詠を信冬の護衛に組み込めるかもしれんが可能性は0だな。

月詠が直接動けばもう、冗談抜きで戦争に発展する。

RランクやSランククラスの大量激突。

流石に戦場は選ぶだろうが洒落にならない事態になるはずだ・・・

考えただけでもぞっとする・・・

だからこそ、今回の件はやりにくい・・・

いつもは助けてくれる人たちがほとんど、動けないからだ。

 

「じゃあ行くか」

 

放課後なのでキンジ達が出て行き信冬と俺が続く。

 

「少し残念です・・・できれば・・・」

 

「ん?」

 

俺の方を見ずに信冬が小声で何かを言ったがそれは聞き取れなかった。

その後、何か言う事もなかったのでまあ、聞き違いだろうさ。

 

 

 

 

 

 

 

 

ところ変わって、ミャーさんの店。

秋葉は単独で来るなと言ってたが単独じゃないからいいだろう。

カランと音を立てて中に入ると相変わらずすごい数の服が並んでいる。

 

「いらっしゃいニャー。む、にゃにゃ!ユー君にゃ!」

 

「どうも」

 

なんとなく、苦手な感じなので苦笑いしながら答えると信冬が珍しそうに周りを見渡している。

 

「優希。ここは、どういうお店なのですか?」

 

「あ、ああここはな」

 

「にゃんと!新たなガールフレンド!ユー君やるにゃやるにゃぁ。理子さんと秋葉さんはどうしたにゃ?」

 

どうもしねえよ!あいつらだって友達なんだよ個人的にはだが・・・

 

「・・・」

 

キンジが嫌そうな顔している。

そりゃそうか・・・こんな、女の子女の子な店は苦手だよな。

 

「へー」

 

反面アリアは少しばかり興味を持ったようだ。

アリアの見ているコーナーはアニメの服なのだが一般でも十分通じるセンスのコーナーだ。

中には高級服店もびっくりのものもあるんだそうだ。

秋葉談だが・・・

アリアはお嬢様だからこう言った店は初めてで新鮮なのだろう。

 

「ほほう。これはこれはコスプレしがいのある面子ですにゃぁ」

 

きらりと眼鏡を輝かせてミャーさんが俺達を見ている。

じょ、女装なんて絶対にしないからな!

キンジも見てるが何の服着せるんだ?想像できん。

まあ、それはともかく。

 

「ミャーさん実はですね。信冬が今度のリストランテマスケでリリカル風の白い方をやることになりまして服を作ってもらいに来たんです」

 

「にゃんと!秋葉さんの相方!信冬とはそちらの方ですかにゃ」

 

「はい?」

 

よく分からないというように信冬は自分が呼ばれたので答えている。

 

「ふむふむ、スリーサイズは上から・・・」

 

流石にプライバシーを心得ているのか信冬の耳元でミャーさんが何かを言った。

信冬は驚いたようにミャーさんを見て

 

「なぜ分かるんですか?」

 

「ニャハハ、この商売してると分かるようにニャるにゃ。武偵高制服は分かりやすいにゃ。ちなみにそちらのピンクの方は」

 

アリアの耳元で何か言うとアリアがぼんと赤くなり

 

「な、なんで分かるのよ!」

 

「以下同文にゃ」

 

どうやら、アリアの寄せてあげる胸を見破ったようだ。アリアAカップをBにあげてるもんな。

 

「ごほ!」

 

キンジが横で肩を揺らしてる。

こらえろキンジ笑っちゃ駄目だ!

 

「でもお客さん。いいのあるにゃ」

 

きらーんと目を輝かせてミャーさんがアリアに何か言うとアリアはぱっと眼を輝かせると

 

「それ!それ出しなさい!全部買うわ」

 

「毎度ありにゃー」

 

一体何を吹き込んだ?大体予想はつくが・・・

 

「さて、ではリリカル風の白い方のバリアジャケットをご希望ににゃ?」

 

「よく分かりませんがお願いします」

 

礼儀正しく信冬が頭を下げる。

 

「任せるにゃ!2時間で仕上げるからその辺でぶらぶらするか後日にご来店くださいにゃ。あ、お代は先払いでよろしくにゃ」

 

「いくらでしょう?」

 

「ざっと、30万いただくにゃ」

 

さ、30万!ぼったくりすぎだろ!

 

「アリアさんの方は全部ですので45万いただくにゃ。郵送も手配しとくにゃ」

 

「カードでいい?」

 

「私もカードでお願いします」

 

そう言いながら財布から黒いカードを出すお嬢様2人

こ、このセレブどもめ!しかも、分割じゃなくて一括だ。

思わずキンジと目が合ったがお互いに貧乏つらいよなと意思疎通してしまった。

これが格差社会だ

 

 

 

 

 

 

 

ミャーさんの店を出て時間を潰すために街中に出たはいいがどうするか・・・

秋葉原だからアニメ系や電化系の場所なら遊ぶ場所はいっぱいありそうだが・・・

 

「優希、服ができるまで東京を案内してくれませんか?」

 

「案内ってもな」

 

信冬には悪いがここは秋葉や理子のホームだ。俺はそれほど詳しいわけじゃないんだよな・・・」

 

アリアやキンジもここは似たようなもんだろうし・・・

 

「なら、私が遊びに連れてってあげようか優希君」

 

ん?背後からの声に振り返ると俺達の顔が凍りつく。

長い金髪にウェーブのかかった西洋人形のようなそいつは・・・

 

「!?」

 

反射的に飛びのき臨戦態勢に入る。

アリアやキンジ、信冬も同様だ。

 

「・・・アズマリア」

 

宣戦会議で姉さんと互角にやりあった・・・先代・・・こいつの母親は土方さん達の敵だった。

先代は先代。

そう言った割り切りができるほど、こいつの情報は多くない。

 

「何の用です災悪の魔女アズマリア」

 

信冬が手に札を取り出していった。

おいおい、街中だぞ。

こんなところでやりあうつもりかアズマリアは

 

「何それ?」

 

くすくすとアズマリアは笑いながら俺の前まで来ると顔を少し近付けて

俺だけに聞こえるように

 

「同行許してくれたら紫電返してあげるよ」

 

「!?」

 

紫電?新幹線でなくしたあれをこいつが?

 

「心配しなくてもいいよ。全員と戦うつもりは私にはないよ。先代はともかくね。個人的に君には興味あるし」

 

「ね?」

 

腕を後ろに組んでアズマリアはにこりと微笑んだ。

 

「・・・」

 

確かに敵意はない。

しかし、待てよ・・・アズマリアの位置は微妙だ。

姉さんのように自由に動き回れる存在。

うまく説得出来れば武田との戦いで戦力になってくれるかもしれない。

幸い俺のこと気にいってるみたいだし。

どこ気に行ってもらったか分からないけど。

姉さんと互角にやりあえるならこの戦いに希望が持てる。

 

「悪いけど。信用できないわ」

 

「同感だ。優、そいつは危ないにおいがぷんぷんしてるぜ」

 

アリアとキンジは反対か・・・

 

「私もです優希。先代や歴代アズマリアがしたことはあなたも少なからず知ってるはずです」

 

知ってるさ・・・

姉さん達が止めなければ今、こうしていることはできなかったぐらいのことを先代はやろうとしていたんだ。

でも・・・

 

「あーあ、駄目?同じ年の子と遊びたかったんだけどな・・・」

 

「いいぜ。遊ぶか?」

 

「優!」

 

「おい!」

 

「優希!?」

 

3人が驚いた声で言うがアズマリアもきょとんとして俺を見ている。

そして、口に笑みを浮かべて

 

「アハハハハ!話わかるね!敵かもしれないのにおもしろいな優希君は」

 

「その代わり、遊び場所教えろよ。地理に詳しくないんだ俺は」

 

「OKOK!教えるよ!で?どうすんのそこの3人は?」

 

「馬鹿優・・・」

 

アリアがため息をついてから

 

「キンジ行くわよ」

 

「お、おいアリア」

 

「信冬も来なさい」

 

「いいえ、私は・・・」

 

「そいつが用があるのはどうやら、優だけみたいよ。いいから、来なさい」

 

「・・・」

 

信冬はアズマリアと俺を交互に見てからアリアに続いて歩き出した。

 

「あれ?そうくるんだ」

 

アリアが離れる直前、2時間後にミャーさんの店でと伝えてきたのは見逃さなかった。

アズマリアはアリア達がいると本音を話さないと思ったのかもしれない。

なんにせよ好都合。

 

「アリア達は行っちまったが遊びに行くのか?」

 

「そうだね遊ぼうか」

 

ばっとアズマリアは右手を空に掲げる。

手が青白く光ったかと思った時、瞬きした瞬間周りからは人が消えていた。

人払いの鬼道術!いや、そんなレベルじゃねえ。

空間そのものがさっきいた場所と違う?

周りは秋葉原の街中だが不気味なほど人の気配がない。

 

「優希君。過去の干渉できる緋刀持ってる君なら分かるかもしれないけど未来と過去は1つじゃない。多くの世界に分岐しているんだ」

 

「多次元宇宙論か? それで?」

 

「ここはそんな並行世界の一つ。町はあるけど人が消えた世界。そんな場所なんだよ」

 

よく分からんがキンジやアリア達がいた世界とは違う世界ってことか・・・

 

「私、アズマリアは次元に干渉できる魔女。ここでなら邪魔は入らない」

 

ひゅんとアズマリアが何かを投げる。

受け取るとそれは重く懐かしい存在だ。

 

「それ返すね」

 

「いいのか?紫電取っておいて」

 

「偶然拾ったんだよ。むしろ、感謝してほしいなぁ」

 

クスクスと笑いながらアズマリアが言った。

 

「礼は言うぞ。ありがとうアズマリア」

 

言いながらも警戒は怠らない。

ここがどこかも分からないし・・・

 

「アハハ、じゃあ本題ね。忠告してあげる。武田信春に敵対するのはやめた方がいい」

 

「余計な御世話だな。戦う必要があるなら戦うだけだ」

 

「勝てないよ優希君。あの人、本当の化け物だから」

 

「だとしても引かねえよ」

 

言いながらも・・・武田信春・・・信冬の婆さんまじでやばい化け物らしいな・・・

土方さんも鈴さんもアズマリアまでそう言う存在・・・

引くのが正しいのかもしれない・・・

だが、信冬が俺の大切な友達である以上は引く選択肢は取れない。

いや、取らない。

 

「ふーん、やっぱり面白いね優希君。私の組織に入るつもりない?給料はずむよ」

 

確か、ガイア騎士団って言ってた組織か・・・

卷族よりだったはずだが・・・

 

「優希君が入ってくれるなら師団に入るよ」

 

と、あっさり・・・

 

「ついでに、武田との戦いに私が全面介入するおまけつき!悪い条件じゃないでしょ?」

 

確かに破格の条件だが受けるのは難しい・・・

 

「俺の何を気にいったのか知らないがお前は、悪か善なら悪だろ?悪いが無理だな」

 

「悪と善の基準って人の立場にとって代わるよ。テロリストは一般人からみたら悪だけどテロリスト側からみたら善なんだよ」

 

「武偵から見たら悪か?善か?」

 

 

アズ真里はそれには答えない。

 

「とにかく、武田信春と戦うのだけはやめた方がいいよ。もし、戦うなら彼女を倒せる切り札がない限り戦っちゃ駄目」

 

切り札・・・アズマリアの言葉を聞く限り紫電のステルス無効化能力は切り札にはならない・・・

ということは信冬のばあちゃんの力はステルスじゃない?

 

「アズマリア。武田信春の能力はステルスか?それとも武器を使ったものか?」

 

「風林火山陰雷。それが信春ちゃんの能力だよ。ステルスだけどあれは、もう魔女の使う魔法の部類に相当する。紫電の無効化能力じゃ裁き切れないと思う」

 

ステルスを無効化する紫電でも対処できない・・・なら緋刀は?

 

「唯一信春ちゃんに通用するのは緋光剣だけだろうね」

 

ローズマリーを消し飛ばしたあれか・・・確かに、俺が持つ最大の技だが

 

「だから私の組織に入ろうよ優希君。今なら私のキスつきだよ」

 

西洋人形のような少女は妖艶に笑みを浮かべると右の指を唇にあてる。

その姿は見るものを虜にするような魅力がある。

だが・・・

 

「そりゃ、魅力的だな。卒業後の就職先の候補にはしとくよ」

 

敵対も協力も今は選ばない。

曖昧な言葉で乗り切る選択が今は必要だ。

 

「むぅ、まあ今はそれでいいか・・・」

 

アズマリアは少し、不満そうに少し頬を膨らませると手を空に掲げるとその手から光が広がる。

瞬きして目を開けるといつ移動したのか空き地島だった。

目の前にアズマリア・・・あの金髪ウェーブの少女の姿はない。

だが、風に乗って声が聞こえてくる。

 

「死なないでね優希君。見てて飽きない君が好きだよ」

 

それっきり、アズマリアの気配が感じられなくなる。

手に持った紫電。

こいつが帰ってきたはいいがまた、厄介な奴に目をつけられたか?

西洋人形のようなあの少女は災悪の魔女と呼ばれている。

だが、どうしても俺には敵だと思う事ができなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




と言い訳で作中最強クラスの1人アズマリアが優に接触です。

ローズマリーもそうですが優って敵サイドの化け物にも気に入られるたらし野朗(笑)

表立っての支援が無理ならダークサイドの支援って選択肢が優にはできました!
ただ、それを選ぶと厄介なことになるので簡単には選べませんが…
信春もいつかは優に立ちふさがりますがさて、どうやって倒すか…
このオリジナル章の決着はもう考えてますが執筆時間が中々とれないです!


で、信冬の衣装はリリカルなのはですね。
秋葉とコンビですが大丈夫か?

それでは!

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