緋弾のアリアー緋弾を守るもの   作:草薙

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緋弾のアリアAA放送中は投稿ドーピングがかかってますw


第240弾 デート? 違います!

ここでいいだろう。

信冬を雪羽さんに預けてから秋葉を連れてその場を離脱。

秋葉の買いものに予定通り俺一人で付き合う事になる。

秋葉の機嫌は悪くなくなり俺も一息つけるというわけだ。

 

「で?どこに行くんだ?護衛の件もあるから遅くまでは無理だが大概の場所になら付き合うぞ」

 

「信冬様はいいんですか?」

 

「雪羽さんに任せてきたから大丈夫だよ。あの人俺より強いしなんせ土方さんの奥さんだからな」

 

鈴さんも今は東京にいるし、バックには姉さんもいる。

よほどの馬鹿じゃない限り襲撃はないはずだ。

 

「それに約束したらかな。買い物信冬付きじゃ許してくれないだろ?」

 

「はい、許しません」

 

よ、よかった雪羽さん来てくれて・・・

本気で秋葉を怒らせるところだった。

 

「よし、じゃあ行くか」

 

「はい」

 

っと、秋葉と手を繋ぎっぱなしだった。

ん?外れないぞ

 

「さあ、行きましょう優君」

 

「あ、おい!秋葉!手!手!」

 

くるりと秋葉がこちらを振り返り睨んできた。

睨むというよりは少し不安そうにも見えるが・・・

 

「スキンシップは大切だと思います」

 

「え?」

 

「それとも優君は私と手を繋ぎたくないんですか?」

 

いやまあ、繋ぎたいとかと言えばどっちでもいいんだが・・・

でもまあ、待てよ?フフフ、これまでの経験からもしかしたら、秋葉は俺の事が本当に今でも好きなのかもしれないぞ。

姉さんが昔、秋葉は俺の事好きだったとか行ってたしよーし!経験積んだ俺を舐めるなよ

 

「そんなことはないぞ。秋葉がいいなら手を繋いでいこう」

 

「え?」

 

秋葉の目が軽く見開かれた。

え?何?対応間違った?

なぜか秋葉はうつむき髪で顔の表情が少し分かりづらくなる。

心なしか顔が赤いような・・・

 

「じ、冗談です!手を繋いで町を歩くなんてこ、恋人みたいじゃないですか」

 

と言って振り払うように手を放してしまった。

うん、分かってた。俺の経験程度で女子の好き嫌いを判別するなんて1000年早いよな

 

「・・・」

 

なんか悲しくなって振り払われた手を見ているとなぜか、秋葉が慌てている。

 

「そ、その優君と恋人に見られるのが嫌というわけではなくてですね。婚約者のみなさんに申し訳が立たないというか、優君が嫌いではなくあくまで友達して・・・」

 

まあ、この秋葉を見ていると少なくても嫌われてはいないようだ。

それに・・・

 

「・・・ハハ」

 

「な、何を笑ってるんですか優君」

 

「いや、お前本当に、武偵校に来てから少しだけど感情表現が上手くなってきたな」

 

俺達はどちらかというわけでもなく歩き出しながら会話を続ける。

秋葉は少しむっとしたのか

 

「どう言う意味ですか?私が無表情女とでも言うんですか?」

 

「いやだって、お前、昔葉月さんの・・・」

 

はっとして口を閉じる。

しまった。絶対に出しちゃいけない名前だろ・・・

 

「ごめん・・・」

 

秋葉が口を開くより先に謝っておく。

秋葉の母親葉月さんは俺が殺した。

秋葉の目の前で・・・

覚えてないなんて言い訳はしない。

 

「行きましょう」

 

だが、秋葉は・・・葉月さんの名前に特に反応せずに歩き出した。

俺に背を向ける形で・・・

その背を見ながら思うんだ。

なあ・・・秋葉お前は俺を恨んでいるのか?

いつか殺してやると思ってるんじゃないのか?

もしそうなら・・・俺はお前になら殺されてもいい。

それだけのことをやったんだからな・・・

本心が聞ける日は来ないのかもしれない・・・

一生俺は秋葉の顔を見るたびに俺が犯した罪を思い出すんだ・・・

それが贖罪になるのかは分からないが少なくても俺はお前にだけは幸せになってほしいと思ってる。

母という変えることができない人を失いお前を不幸にしたのは俺なんだ・・・

だから・・・

 

「つきました」

 

秋葉が立ち止ったので俺も止まると秋葉がとある建物に入っていった。

俺も続けて入ると

 

「いらっしゃいませぇ!」

 

「どうも」

 

「ああ!秋葉さん!ご注文の品出来てますよ!今日は理子さんは一緒ではないので?」

 

背の低いごつい眼鏡をかけた女性店員と秋葉が何かを話している。

この店・・・何の店?なんか一杯服があるけど・・・

 

「理子さんは今日は用事で来れないそうです。私が代わりに」

 

「なりほど、そういう事ですか!あ!個人的な話ですがビッグサイトに行った時の秋葉さん達のコスプレのはな・・・むぐ!」

 

な、なんだ?秋葉が珍しく大慌てで店員さんの口を手でふさいだぞ

 

「それ以上、言うなら殺します」

 

こくこくと店員さんが頷いているがおいおい、秋葉・・・一般人に殺すって・・・

秋葉が手を話すと店員さんが息を吐いた。

 

「ふぅ、おや?そちらの方はお連れ様ですか?」

 

「はい、今日は私の買い物に付き合ってもらってます」

 

「ほほう」

 

きゅぴーんと眼鏡が光った気がする・・・

俺をまじまじと見てから

 

「なるほど、秋葉さんの彼氏ですね!」

 

「違います」

 

即答かよ!いや、間違ってないけどさ!なん悲しい・・・

 

「ではどういうご関係で?」

 

「友達です」

 

「ほーう」

 

じろじろと見られてるんだが・・・

 

「お、おい秋葉この店何なんだよ」

 

と秋葉に助けを求めてみると

 

「おお!これは申し遅れました!私この店のオーナー兼店長をさせていただいてますニャーと申します!ニャーさんとお呼び下さい」

 

「み、ミャーさん?日本人だよな?」

 

どう見ても黒い髪に肌の色も日本人ぽい。

海外生活があっから分かるんだが微妙に日本人、中国人、朝鮮人は違いがある。

目の前の変な店員は間違いなく日本人だ。

 

「ハハハ、ミャーさんとは仮の名前!本名は秘密でござる」

 

ござる!そんな方言初めて聞いた!

 

「ミャーさんはコス・・・衣装作りのプロです」

 

「衣装作り?デザイナーなのか?」

 

「ハハハ!そんな大したものではござらんよ。せいぜいアニメの服を再現できるぐらいで」

 

「1回放送されただけでも再現してくれます。半日あれば」

 

よくわからんがなんかすごい気がする・・・

 

「秋葉さんの彼氏のお名前は?」

 

「彼氏じゃありません!」

 

「椎名優希だよ」

 

秋葉の即答にへこみながら言うとミャーさんはほうほうと言いながら俺を更に見てきた。

 

「なるほど、あなたが? 秋葉さんと理子さんの会話に出てくるユーさんですね」

 

「ミャーさん!」

 

秋葉がミャーさんの前に立つと引換証と書かれた紙を突き出す。

 

「引き換え書です!早く完成品を出して下さい!」

 

「えー、もっとお二人のだ・・・」

 

その瞬間、2人の周りから音が消えた。

一瞬、何が起きたか分からなかったが秋葉がミャーさん自分の周りの空気を真空にしたらしい。

会話してるから多分空気は確保してるんだろう。

なにやら、秋葉が怒ってるようだが読唇されないためか秋葉が背になって会話は分からない。

2分ほどして真空状態が終わると紙袋を手にした秋葉が俺に方に来ると腕を掴むと外に連れ出す。

 

「行きますよ優君!」

 

「あ!おい!」

 

「まいどありー!ユー君今度単独で来ると言いニャー」

 

「こないでください!」

 

外に出た瞬間、秋葉が飛び上がる。

もちろん、俺ごと風を纏い空へ

 

「お、おい!」

 

上空300メートルぐらい飛び上がると秋葉は自由落下しながら

 

「行かないでくださいね優君」

 

と真顔で言って来た。

 

「え?」

 

「あの店に単独で行くならこのまま落ちます」

 

何それ!すごい脅し!というか落とすじゃなくて落ちますときたか!お前も死ぬ気かよ!

 

「行かねえ!行かねえから制御しろ!」

 

慌てて言うと秋葉はほっとしたように風を纏いゆっくりと地上に降り立った。

ふう、本気なんだか冗談なんだか時々分からなくなるな秋葉の奴・・・

 

「すみません」

 

と、今度は反省の言葉か・・・

本当に・・・昔と変わってきたよな秋葉・・・

武偵高に俺の専属近衛として派遣されてきたのがきっかけだが学校で友達が出来ていい刺激になってるのかもしれない。

バスカービルの連中とも上手くやれてるみたいだし最近は戦闘の連携も取れてきている。

俺はうれしいよ秋葉。

 

「謝ることねえよ。まあ、空で落とすとかは勘弁してくれよ今度は」

 

「・・・それは優君しだいです」

 

少しだが笑みを浮かべている秋葉。

な、なんか頭をなでたくなってくる感じなんだが流石にそれはまずいよな・・・

 

「優君?」

 

俺が固まっているからか秋葉が不思議そうに声をかけてくる。

ふと考えてみる。

女の子と出かけるってデートとかになるのか?

いや、友達同士ならそうはならないのか?

うーん・・・

 

「あのー、いい雰囲気の所申し訳ありませんが・・・」

 

「!?」

 

突然の声に俺達が慌てて振り返るとそこには、見覚えのある武偵高の制服を着た女子がいた。

山梨武偵高の制服か・・・

嫌な予感がするぜ

 

「申し訳ありません逢引の邪魔をするつもりはありません!どうぞ続けてください!終わりましたら再度声をおかけします」

 

「違います!」

 

うん、秋葉の力一杯の否定・・・

まあ、それはともかく

天雷に手を置きながら一歩下がる。

 

「山梨武偵高。武田の関係者か?」

 

この状況で考えられるのはそれしかない。

東京武偵高より少しだけ長いスカート。

色は純白の白。

白い制服。

女は黒い長い髪を髪留めで2つに止めており黒い瞳に優等生がかけてそうな丸メガネ。

一見気弱そうだが絶対に油断できない。

 

「こ、これは申し遅れました!武田家風林火山の『山』を務めさせていただいております高木文香と申します」

 

名乗られたら名乗るのが礼儀だがこいつは俺のことを知ってるっぽいな。

にしても、風林火山の一角が出てきたか・・・

雪村とジャンしか知らないがこいつは何の目的でやってきた?

 

「その武田の山が何のようだ?」

 

「あ、はい信冬様の件で1つ。椎名様が信冬様から離れられるこのチャンスを逃す手はないと思いまして。本当は店を出た時声をかけようとしたんですが空を飛んで行かれましたので追撃に苦労しました」

 

「で?返せというのか?武田に?信冬を」

 

「はい、とある理由から御隠居様に信冬様を連れ戻すように言われております」

 

やはりかよ・・・

秋葉に武偵信号で合図を送って戦闘態勢を整える。

 

「や!待って!待ってください!今日は戦うために来たのではないのです!」

 

俺達が殺気を高めたのを見て高木は慌てて手を振って戦闘の意思がないことをアピールする。

 

「ひとまず話しあいはいかがでしょう?」

 

さてどうするか・・・

少し思案してみる。

秋葉と2人がかりとはいえ未知数の相手に戦いを挑むべきか・・・

それは賢明とはいえない。

信冬が話していない情報を相手が話す可能性もある。

ならば・・・

 

「いいぜ。話しあいだ。納得するしないは別としてな」

 

武田の人間、高木はほっとしたように胸に手を当てる。

 

「ふう、よかったです」

 

当てた手で胸が揺れたぞ。

白雪並みの大きさのでかい胸だな・・・

 

「って!」

 

がんと頭に衝撃が走ったので秋葉を見ると秋葉がジト目でこちらを見ている。

 

「どこ見てるんですか?」

 

「ど、どこも見てねえよ!なんだその言いがかりは!」

 

「・・・」

 

ばれちゃってるよ・・・男の視線がそちらにいくのは勘弁してくれ・・・

俺だって思春期の男の子なんだから!

 

「あの~、痴話げんかはそれぐらいにしてくださいませんか?私が帰った後いくらでもラブラブしてもらっていいですから」

 

「違います!」

 

「そ、それより話だが場所を変えないか?ちょっと、人が集まってきた」

 

そう、ここは歩道の真ん中。

ただでさえ、空から降りてきたり不穏な空気の3人がいたら遠巻きに野次馬が集まってくる。

 

「分かりました。どこがいいでしょう?」

 

「そうだな・・・」

 

少し思案してみる。

こういう荒事に対して俺達の事情をよく知ってる人間がいる話しあいができそうな場所・・・

一人の後輩の顔が頭に浮かんだ。

あいつのバイト先にでいいか・・・

行き先を告げると高木はそれでいいですよと快諾してくれた。

時間短縮のため、秋葉の風で行くことを提案するが

 

「ああ、必要ありませんよ」

 

高木がそう言った瞬間、彼女の体が少し浮いた。

風のステルス?いや、でも風なんて今は吹いていない。

何のステルスだ?

 

「さあ、行きましょう」

 

笑顔で言う彼女に底知れぬものを感じる。

この瞬間、俺は確信した。

こいつは強い。

油断して戦えば負けるのは避けられないぐらいに・・・

ったく、紫電がない時ばかりステルスが敵になるとか勘弁してほしいぜ

秋葉の風で浮き上がりながら俺は内心ため息をついた。

 

 

 

 




というわけで秋葉との買い物もといデート? 違います!でした(笑)

ちなみに秋葉が店で貰ったのはリリカルなのはのフェイトのコスプレを仕立て直してもらったものですw


さて、ついに敵サイドが優に接触してきました。
何か強力なステルスを持ってることを匂わせる高木。
眼鏡っ子ってことで眼鏡がポイントですよw

本格的な激突はまだ、先ですが彼女のステルスが優達に立ち塞がるのは間違いない!
紫電なくして強力なステルスばかりで優涙目w

AAドーピング中ですが感想という起爆剤あってこそですので気が向いたらよろしくお願いします!

さて、次回は優の後輩アリスが出てきますよ


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