緋弾のアリアー緋弾を守るもの   作:草薙

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感想を燃料に頑張ります


第238弾 婚約者がやってきた

信冬と初めて会ったのはまだ、父さんや秋葉の母親が生きていたころだった。

 

「それでは優希様。私はここで失礼します」

 

山梨県のとある山奥。

巨大な門の前で秋葉の母親、葉月が頭を下げる。

ここまで護衛とお供としてやってきた。

 

「本当に僕一人で行かないといけないの?」

 

不安そうな当時の俺。

椎名と武田。

日本の二大裏武家は裏の世界で日本の闇と戦ってきた。

当時・・・今もだが両家は互いに同盟関係にありこの度、椎名の長男と結婚していない武田の次女をくっつけようと画策していた。

名家では結婚するまで顔も知らなかったという結婚は珍しくもない。

政略結婚というのは現代社会においては名家では普通に行われている。

当時の椎名の当主の俺の父さんと信冬の親父さんはそれでは酷であろうと顔合わせの機会を設けた。

それは一カ月から数カ月の間、武田の家に椎名の長男を預けるというものだった。

目的は婚約する優希と信冬の顔合わせである。

 

「はい、信冬様もお待ちです。優希様の将来の奥様でございますよ」

 

葉月が微笑みながら言う。

 

「奥さんって・・・僕まだ子供なんだけど・・・」

 

当時というか今もだが結婚なんて遠い未来の話しだと思っていた。

家が家だけに自由が効かないこともあるのは承知していたがまさか、結婚相手も決められるとは・・・

 

「せめて、秋葉連れてこれなかったの葉月?あいついれば気も楽なんだけど」

 

当時のというか今の近衛の山洞秋葉は信冬の実家には連れて行ってもらえなかった。

葉月は首を横に振り

 

「あの子も大変残念そうにしていました。よろしければ末永く目をかけてもらえると幸いです」

 

「うん、分かった」

 

「ありがとうございます」

 

今にして思えばこの葉月さんの言葉にも重みが出てくる。

この数年後俺は彼女を殺したのだから・・・

 

 

 

 

 

 

葉月に送り出され門を潜り奥に案内され城のような場所を歩かされ中庭みたいな場所で俺はあいつに・・・信冬と会ったんだ・・・

その時の信冬は・・・

 

 

 

 

 

 

 

「なんだったかな?」

 

ぱちりと目が覚めたので体を起こして時計を見ると午後4時55分。

丁度鍛練5分前だ。

 

「ふあ」

 

あくびして目覚ましを解除してトレーニング用の服を着こむ。

リビングに出るとちょっとびっくりした。

道着に身を包んだ信冬が正座して黙とうしていたからだ。

その髪は淡い金色に包まれている。

信冬のステルス能力風林火山だ。

 

「おはよう、信冬早いんだな」

 

「おはようございます。優希、あと少しで終わりますので待ってもらえませんか?」

 

「え?うん」

 

それから1分後、5時になると信冬の髪が元の黒い髪に戻る。

目を開けて俺を見るとにこりと微笑んだ。

 

「お待たせしました。早いんですね優希」

 

「今のは風林火山の?」

 

武田家血を引くものだけが使用することができる風林火山のという能力はステルスの中でも扱いにくいが使い方次第では姉さんとさえ戦う事が出来る恐ろしい能力だ。

信冬自信、能力に頼り切らず努力してるんだな・・・

 

「はい、毎朝少しだけ能力を使用して活性化させています」

 

「活性化?」

 

「はい、ステルスは色々なものがありますが私の場合1日の始めに能力を集中して使用することによりその日、能力を発動する時間を僅かですが短縮させることができます。それに、風林火山の持続時間向上の修行の一環でもあるんですよ」

 

「へぇ」

 

俺も緋刀を毎朝1回使うべきなのかな?

 

「優希はこれから鍛練ですか?」

 

「ああ、外に走りに言って軽く刀の鍛練だよ。信冬も来るか?」

 

「ぜひといいたいのですが朝ごはんを作って待ってますね」

 

「分かった」

 

護衛を依頼してきたのに離れていいのかと疑問は残るが昨日の話しでは問題ないという事だ。

確かに信冬自信の力を警戒してるのもあるだろうが・・・

まあ、深くは考えないでおこう。

 

いつも通りジョギングしながらイメージトレーニングして体を温めてから看板裏で刀の稽古しようと裏に入ると・・・

 

「・・・」

 

ジト目の秋葉さんがいらっしゃいました・・・

鍛錬しながら待ってたのか横には槍。

服装は短パンとトレーニングウェアだ。

秋葉とは時々、一緒にトレーニングしてるから行動はばればれというわけ

 

「お、おう秋葉おはよう」

 

「おはようございます」

 

なぜに棒読み!お、怒ってるのか?昨日信冬が電話切ったこと

 

「き、昨日は悪かったな。信冬がいきなり家にいてな」

 

「大丈夫ですよ優様。私は、電話を無理矢理切られたことなんてぜんぜん怒ってませんから」

 

怒ってるじゃねえか!つうか最近気付いたんだが秋葉の奴、俺に怒ると問題ない場所でも優君から優様の近衛仕様の呼び名に戻してるし。

これはご機嫌をとらないとまずそうだぞ

 

「ごめんって!怒るなよ秋葉」

 

「怒ってません優様」

 

「今度チョコレート買ってやるから!」

 

「子供じゃありません優様」

 

せめてこっち向いて!

秋葉の奴明後日の方角を見ながら無表情モードだ。

ツーンとまるで猫みたいな印象・・・わんこみたいなモードの時もあれば猫みたいときたか・・・

 

「俺が全面的に悪いって!どうしたら許してくれるんだ?」

 

こうなったら土下座でもなんでもしてやるぞと決めて言うと秋葉はようやく俺の方を見て

 

「じゃあ、今日の放課後、都内で買い物に付き合ってくださいそれで許します」

 

「そんな事でいいのか?いいとも!」

 

「それとこれを」

 

槍にくくりつけられていた袋。

 

「先に渡しておきます。この先渡せないかもしれないので」

 

ちょっとだけ表情が柔らかくなって渡してきたのは・・・

秋葉お手製のお弁当だ。

前の金欠の時から休みの日以外、ずっと作ってもらってるんだがそろそろ悪い気がするな

 

「秋葉弁当なんだが無理に作らなくていいぞ。大変だろ?もう、俺もパン代位は確保できてるしさ」

 

秋葉の顔がちょっと曇った!まずいこと言ったか!

 

「そうですよね。信冬様なら頼めば作ってもらえますよねお弁当」

 

「ちが!そういう意味じゃない!」

 

「じゃあ、どう言う意味です?」

 

お前の体を気遣ってだなと言おうと思ったがこうなったら褒め殺し作戦でいくぞ!

 

「秋葉の弁当食えなくなるのは残念だよ。めちゃくちゃうまいからな。できたらずっと作って欲しいと思うくらい」

 

「え?」

 

秋葉はちょっと目を丸くしてなんだ?顔が少し赤いぞ

 

「ずっと・・・私のお弁当を食べたいんですか?」

 

よ、よし食いついてきたぞ!ここは攻めるべきだ

 

「そうそう。お弁当と言わず3食全部秋葉のご飯でいいぐらい」

 

「そ、そうですか。優君が作って欲しいなら別に・・・」

 

「いやいや、3食全部だとありがたみが薄れちゃうからな。今は弁当だけで十分幸せだよ」

 

なんか頼めば3食全部作ってくれそうな流れになりそうだったので慌てて弁当だけで大丈夫だと訂正を入れておく。

 

「じゃ、じゃあ明日からも作りますね」

 

「ああ!頼むな!」

 

「はい!」

 

なぜなんだか分からないが秋葉の機嫌が良くなったぞ!

フフフ、どうだ俺の秋葉機嫌直しトークは見事に不機嫌を解消したぞ!

だてに最近女難に合ってないってことだな。

成長したぞ俺

 

「ところで秋葉、信冬のことなんだが・・・」

 

護衛なら秋葉の力も借りておこうと思ったので

 

「なんかさ、信冬武田を家出して転校してきたみたいなんだ」

 

「家出ですか?」

 

少し目を丸くして秋葉が言う。

名家で近衛なんてやってれば嫌でも裏の社会の常識なんか分かってくる。

それで秋葉も驚いているんだろうが・・・

 

「そうだ。で、武田の刺客に狙われるかもしれないから俺に護衛を依頼してきた」

 

「私も護衛に協力すればいいんですね。武田家の刺客となると最低でもAランク・・・風林火山陰雷は若い林を除けばSランクかそれ以上と聞いています。

それ以外にもおそらくですが私達椎名の近衛と同じように極東戦役に参戦できるレベルの戦士もいるでしょう、全員が一斉に攻めてきたら私と優君だけじゃ守るのは不可能と思いますが・・・」

 

「流石にそれはないと思いたい・・・」

 

総力戦を挑まれれば確かに危ういが個人的に武田側は大戦力を一気に送り込んでくる可能性は低いと考えている。

理由はあるがそれは後だな。

 

「でだな。秋葉、俺は信冬の護衛をバスカービルとして受け持とうと思ってる」

 

「キンジ君やアリアさん達に協力してもらうんですね」

 

「ああ、一応雪羽さんや土方さんにも話は通しておく」

 

向こうがどんな化け物を送り込んでくるか分からないので人脈を最大に使って防衛体制を整えるつもりだ。

とはいえ、公安0は完全な味方はしてくれないはずなのであくまで、中立からの支援をもらいたいだけ。

最悪中の最悪なのは武田が日本政府に手を回して公安0が敵になる事態。

そうなったら、姉さんに土下座するしかもう、俺に出来ることはない。

実家はこの件に関しては難しいと思う・・・

支援するという事は武田家と戦争を意味するからだ。

信冬が家出してる以上実家の力は借りられない。

土方さんというよりは、今回は雪羽さんや鈴さんの力を借りることにしよう。

何より雪羽さんは信冬の実の姉だ。

間違いなく協力してくれるはずだ。

 

「希様は?」

 

秋葉が言う最強最大の戦力。

あの人協力してくれるかなぁ・・・

一応、携帯で連絡を入れて事情を話してみたところ

 

「気が向いたらなぁ」

 

と言って切られてしまった。

寝起きだったらしくすごい不機嫌な声だった・・・

タイミング最悪だなおい。

 

「駄目だった」

 

と秋葉に言って時計を見るともう、いい時間だったのでメールでバスカービル全員に昼休みに話があるから屋上に集合出来る奴は集合と送ってから秋葉と別れて寮に戻る。

ドアを開けるとうん、いいにおい。

 

「ただいま」

 

「お帰りなさい。優希、シャワー浴びて出てくる頃には出来てますよ」

 

「んじゃ、シャワーだな」

 

なんとなく料理するために後ろで髪を縛り赤いエプロン姿の信冬を見ると新婚さんって感じがしてしまう・・・

いやいや、そうじゃないだろ。

シャワーを浴びてリビングに出ると武偵高の制服に身を包んだ信冬。

そして、起きたばかりらしいキンジがリビングに現れるとこだった

 

「ようキンジ」

 

「おーう」

 

眠そうだな・・・

 

「どうぞ、優希、遠山さん。冷めないうちに」

 

目の前に並べられたのは味噌汁に白いご飯、それにベーコンを挟んだ卵焼き、それに納豆。

おお!焼き魚もあるぞ!

典型的な日本人の食卓って感じだ!流石信冬

 

「俺もいいのか?」

 

流石に悪いと思ったのか俺と信冬を見て言った。

 

「ええ、優希の部屋のルームメイトですし私もご迷惑をかけてることは承知しています。どうぞ遠慮なさらずに」

 

「そういう事なら甘えさせてもらおうかな。えっと・・・武田」

 

「どうぞ信冬とお呼び下さい。優希の親友でもありチームメイト、そして、ルームメイトなら名前で呼んでいただいて構いません」

 

「なら、俺もキンジでいい」

 

「はい、キンジさん」

 

さあ、ご飯だ!いただきますと手を合わせてご飯を食べ始める。

うまい!やっぱり、ちょっと西洋も入ってるが和食は箸が進む!

納豆をかきまぜてねぎを入れて食べると

 

「おかわり」

 

「はい、たくさんありますよ」

 

とご飯をよそってくれる。

いやぁ、最近は白雪もあまり、こないからキンジのついでの朝ごはんを食べれなかったんだよな。

食パン1枚だけの朝ごはんは寂しいもんだ・・・

なので信冬には感謝してご飯を食べながら

 

「ところで今日は信冬はどうする?うちに転校してくるんだろ?」

 

「はい、クラスはまだ分かりませんが学科はSSRです」

 

超能力捜査研究科かアサルトじゃないんだな・・・白雪と同じとこか。

順当と言えば順当。

ステルス使いの秋葉がアサルトなのはおかしいと言えばおかしいんだけど。

というかちょっと嫌な予感がしてきた・・・

 

その俺の嫌な予感は少し時間が過ぎて的中することになった。

 

「武田信冬です。みなさんよろしくお願いします」

 

わあああとクラスの男や女子が騒ぎだす。

お前ら毎回リアクション同じじゃねえか!秋葉の時も水の時も!ってかこのクラス転校生多すぎだろ!

頭を抱えて机に突っ伏す。

そう、信冬が転校してきたクラスは2-A、つまり俺やキンジ達と同じクラスなのだ。

 

「はい!質問!質問いいですか!」

 

「はい、私の答えられる事でよろしければ」

 

古風な儚げな日本美人な少女という感じの信冬に武藤が手を上げている。

ああ・・・白雪みたいなタイプ好きだもんな武藤・・・

 

「彼氏募集中とかじゃないですか!というか覚えてる?研修先で一緒の旅館だった武藤です!」

 

アサルトの女子がうわ引くわとか小声で言ってるのが聞こえてきた。

いきなり聞く質問じゃねえよな確かに・・・

 

「ねえ、優あの子」

 

アリアが小声で信冬を見て言うので

 

「ああ、理由は昼休みに・・・」

 

「彼氏は募集しておりません。私の婚約者は椎名優希ですので」

 

ビキと空間が凍りついた気がした。

 

武藤がギギギと錆びついたロボットのように首をこちらに向けて俺を指出す

その顔はまたてめえかと言ってる。

 

「これ?」

 

と半笑いで言った。

一瞬、失礼な奴だなと思うが俺も半笑いだよ!

だって、信冬微笑みながら

 

「はい、私の未来の夫です」

 

途端に男子達から猛烈を通り越した激烈な殺気が俺に飛んでくる。

逃げるんだ!

とっさに逃げようとしたが高天腹先生がみなさん、静かにしましょうねと凍りつくような声で言った瞬間、男子の殺気が和らぐ。

た、助かった・・・のか?

い、いや、背後からものすごいオーラーが・・・

振り返ると秋葉が恐ろしく不機嫌になってるし・・・

しょうがないだろおい!

 

「はい、質問は私が当てますので手を上げてくださいね」

 

するとぱらぱらと手を上げるクラスメイト。

勘弁して!

 

質問ばかりされてちょっと、延長されたHRが終わり授業に入る。

信冬は俺の隣の席になった。

婚約者なら当然横だよという女子の意見が通り隣になったわけだが・・・

当然教科書もまだない信冬のために俺の机とくっつけて授業となるわけだがいちゃつきやがってと理不尽な怒りの視線が・・・

心がすり減る・・・教室は地獄と化したな・・・

ハハハ・・・

 

そして、昼休みはクラスの連中から逃げ出しこっそり、戻ると信冬はクラスメイト達に囲まれいろいろと話をしているようだった。

 

「ねえねえ!武田ってさ優希といつ婚約したの?つうかあいつが告白とかしたの?」

 

なわけねえだろ!と出て行きたかったがこっそり隠れながら様子をうかがう。

どうやら、アサルトの朝霧を中心にした女子グループと話してるみたいだな

いかにもアサルトでだらしないって印象のクラスメイトだ。

 

「優希と婚約したのは幼少の頃です。家同士の取り決めのため詳しく決まったのは分かりませんが。告白はまだないですね」

 

「へー、優希の家って金持ちだったんだ。キスとかしたのもう?ていうかもう、それ以上にやっちゃったよね?婚約者なんておいしい状態なんだから」

 

 

 

「やっちゃう? よく意味が分かりませんが接吻、キスですね、あくまで優希と私は婚約者という間柄です。そういう事は正式に婚姻を結んでからになるでしょう」

 

「ええ!」

 

アサルトの女子が驚いた声で言った。

 

「まじでいってんのそれ!今時キス一つしない恋人なんてありえないって!ていうか普通にやるでしょ!優希へたれだね」

 

とんでもないこと言いやがって・・・ほっとけ

 

「そう・・・なのですか?」

 

不思議そうに首を傾げる信冬。

おいこら!信冬も本気にするな!

 

「そうだよ。武田って純情てか天然?」

 

「天然・・・初めて言われました」

 

「本当に?ぎゃははは」

 

そろそろ出ていくかと思ったが次の声に思いとどまる。

 

「朝霧さん。あんまり、の・・・武田さんに変な事を教えないでくれますか?」

 

思わず信冬様と言いかけた秋葉が訂正してるな。

うん、俺の時は俺から言わないと訂正しなかったのに成長したな秋葉。

 

「何よ。秋葉・・・ああ、そうだよね大好きな優希の婚約者だもんね」

 

「別に私は優君がす、好きなわけじゃありません」

 

「いやいや、あんた丸わかりだから」

 

「違います!」

 

力強く否定されると傷つくんだけど・・・

 

「それより、武田さんです!あんまり余計なことを・・・」

 

「私は構いませんよ。むしろ私の常識不足に驚いているところです」

 

「ですが・・・」

 

「余計なことを言ってるのはあなたですよ。山洞秋葉」

 

凍りつくような信冬の声。

あまり聞かない珍しい感じだな

 

「っ」

 

秋葉は秋葉なりに信冬を守ろうとしたんだろう。

なのにあの言い方は・・・

 

「でさ、さっきの続きなんだけど」

 

朝霧が余計なことをまたいいそうだな・・・

足を浮かしかけて再び

 

「その変にしときなさいよ朝霧」

 

アニメ声・・・アリアか

 

「何よアリア、あんたも変なこと教えるなって?優希がいない間にいろいろ教えてやってんのに」

 

「気づきなさいよ。そこに優いるわよ」

 

こちらに視線が集まるのを感じたのでドアの陰から姿を現す。

 

「別に隠れて聞いてたわけじゃないぞ。入るタイミング逃しただけだ」

 

弁明するが後の祭りだ。

朝霧はつまんねーのと言いながら席に戻っていくので俺も席に戻ると信冬が俺を見ながら

 

「優希。キス・・・接吻はやはり、結婚前からしないといけないんでしょうか?」

 

「いや、結婚してからだぞ朝霧の話は全部ウソだ」

 

「そうなのですか?ではやるというのは?」

 

ちょ!それ本気で言ってるの!ていうか俺が説明するの?

助けてとアリアを見たらアリアは会話を聞いてたのはばっと顔を赤くして明後日。

キンジを見るとキンジは机に突っ伏した。

お前ら・・・

秋葉は・・・駄目ださっきの信冬との会話を聞く限り振れない。

ならば・・・

 

「えっとだなやるってのは・・・さらに、親密になる行動をすることだ。た、例えば一緒の布団で眠ったりとかだな」

 

ぎりぎりだがこれ以上は言えん!グーグル先生にでも聞いてくれ!

 

「なるほど、それは夫婦なになるなら当然ですね」

 

なんとか逃げられた・・・

というか信冬と成長してから過ごす時間は今が一番長いわけだがとんでもない天然さんになってるし・・・

純粋培養のお嬢様だ。

世間知らずともいえるわけだがよく、これまで武田の当主でいられたな。

部下が優秀だったんだろう。

 

にしてももし、信冬がどこかで正式な知識を得たらと考えると怖い。

ただでさえ婚約者と言う立場なのに信冬に迫られる事態になったら本気で逃げられなくなる・・・

悪いんだが今のところ信冬と結婚する気は俺にはない。

というか覚悟はない。

 

「・・・」

 

何かを考えているらしい信冬の横顔を見ながら俺はため息をついた。

 

「はぁ・・・」

 

 




というわけで秋葉に焼きもち焼きまくられる優希w
レキや理子は次話ですw
トリプル婚約者ときましたら優大ピンチ?

こんな感じのドタバタがしばらく続いて戦闘挟みながら終章を目指していきます。

オリジナルはやっぱりしんどいけど書いたあとの達成感がいいですね!

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