緋弾のアリアー緋弾を守るもの   作:草薙

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第217弾 アルコールはほどほどに

大量の酒の袋を下げていたためドアを開けられないので足でどんどんしているとキンジが開けれくれたのでメイヤさんと一緒に部屋の中に入った。

ふぅ、重い重い

「おい、優それ酒か?」

キンジが大量すぎる酒を見ていった。

あまりの多さにはみ出して見えてるしな。

「全部メイヤさんのだからな誤解すんなよ」

飲んでる奴は高校でも飲んでるんだろうが俺は飲んでないからな!

「おじゃましますね遠山さん」

メイヤさんは柔らかく微笑んでリビングに向かうとソファーの傍らに座った。

アリアはソファーで寝たままか・・・

「タマモさん。アリアさんは?」

メイヤさんがアリアを見ながら酒の瓶を取り出し始めた。

「無事じゃ。じゃが、殻金が足りぬ。眷族の連中から取り戻さねばならんな」

「まぁまぁ」

メイヤさんは何かのカクテルみたいな酒をストレートで飲み干す。

よくわからんがああいうのって薄めるんじゃないのか?

「とはいえ、今の椎名や遠山にやらせるのは荷が重そうじゃ。儂らでなんとかしよう。メーヤ。迅速にカティ=グラッセを討ち1枚取り戻してこい。奴はドイツに戻るじゃろう」

「はい」

メーヤさんはそう言いながら次次新しい酒を取り出して瓶を空にしていく。

 

高カロリーの酒からアルコール度数が高いウィスキー、ウォッカ。

うええ見てるだけで気持ち悪くなりそうだ相変わらず。

普通なら匂いだけでもうっとなるのに水を飲むようにごくごくと飲んでいくのだ。メーヤさんは

「あ、あのそれ・・・」

キンジが何か言おうとしたがメーヤさんは白い手袋をつけた手で制止した。

「おっしゃりたいことは分かります。確かにシスターはお酒を飲んではいけません」

「い、いやそうじゃなくて」

「ステルスってのは使うと何かで補給する必要があるんだよ。秋葉もよく甘いもの能力使った後食べてるだろ?メーヤさんの場合はお酒というかアルコール」

と、俺が言うとキンジは思い出したように

「そう言えば、山洞もそうだったな」

「イタリアでは16歳から飲酒が認められてますし、一切酔わない体質ですので暴飲の罪。見苦しくてすみません。ああ、神よ赦し給え。ごくごく」

キンジはあきれた様子だがまあ、仕方ないからなこればかりは・・・

ってあれ?さっきいれたコーラーのコップどれだっけ?これかな?

黒いし間違いないだろ

「玉藻さん。あの魔女は必ず仕留めます。宣戦会議の和議にも失敗したし、このままでは宗教裁判で異端審問にかけられて、破門されて八裂きの刑になって十字架のない無縁墓地に打ち捨てられ、わ、私あの魔女どもと同じ地獄へ・・・」

メイヤさんはおつまみのあんぱんを開けながら

「せめて魔女狩りは完遂してみせます。カノッサの単位も足りてませんし」

どこの学生も単位単位なんだよなぁ・・・

ごくりとコーラーを飲み干してからなんだか気持いい感じになってきたにゃ

 

「まあ、やる気があるのはいいことじゃ。どうじゃ?カナは抱きこめそうか?」

買ったジュースってこれだっけ?なんか茶色いけどジンジャエールだよなこれ?

ごくごくと飲むとなんか瞼が重くなってきたぞ

「それは・・・わかりません。先輩は以前と少し変られてしましましたから」

「メーヤさん。あんたはカナを知ってるみたいだが・・・っておい優、顔真っ赤だぞ!これ酒か!?」

あ、何すんだよキンジコップとんな・・・自分で入れろよ

「かえ・・・せ」

後ろにかくんと首が倒れこみ俺の意識はそこで途絶えた。

               †

夢というのは本人が見たくないものでも強制的に見せてくる。

俺は昔、姉さんのせいで海を漂流した悪夢を見て最後は秋葉に手を握られたところで目が覚めたのだが・・・

「おはようございます優君」

無表情にこちらを見下ろしている少女は俺の幼馴染であり俺の近衛さらに、いえば友人である。

なぜ俺は秋葉にひざまくらされているんだ?

武偵高の制服みたいだから生足の上という状況で・・・

「っ・・・ここどこだ?」

 

起き上った瞬間、頭に頭痛を感じてたので思わず頭を押さえた。

「痛・・・」

「お酒の飲み過ぎですですよ」

「つまり、二日酔いだ。てめえは未成年だろうが逮捕されてえのか?」

秋葉の呆れた声に続き土方さんのこれもまた呆れた声

「土方さん?なんで?」

どうやら、ここは土方さんの車の中らしい、運転しながら土方さんは2ℓのミネラルウォーター2本とキャベジンを投げてきた。

「飲んどけ。二日酔いはアルコールを抜かないと治らねえがな」

ようは4リットル水を飲んで体からアルコールを押し流せってことか?

「ありがとうございます」

「ごめんなさい優希。私のお酒飲んじゃった見たいで」

メーヤさんが助手席から言った。

なるほどジュースと思って飲んだのはメーヤさんの酒か・・・つうかこれが本当の二日酔いなんだな・・・気持ち悪い・・・

薬と水飲んどこ

「ところで、俺この状況がよくわからないんですが・・・」

がばがばと水を飲みまくりながら聞いてみる。

秋葉もいて土方さんとメーヤさんがいる状況が分からん。しかも、運転しながら・・・

「私は月詠様に言われて優君の部屋に行ったんですが丁度メーヤさんが出てくるところでした」

「俺とこのシスターメイヤというかバチカンの方の上司と昔馴染みなんだよ。イタリアに戻るそうだから俺は送迎だ」

 

「土方さんの言うとおりです優希。私はあのゴミクズを討ちにイタリアに戻ります」

カツェのことだろうなゴミクズって・・・

「じゃあなんで俺がここに乗せられてるんですか?」

部屋にはキンジやアリアもいたはずだが・・・置いてきたのか?

そういや玉藻さんは?

「メーヤから聞いたがお前は肝心な所を聞いてねえんだよ。遠山にはもう、玉藻が伝えてある」

「肝心な所?」

首都高が薄暗い光に照らされている。

時間はまだ、明け方じゃねえか

「神埼のことだ。娘のほうだぞ」

アリアの?どういうことだ?

「優希。宣戦会議で私と玉藻さんがアリアさんに戻した光覚えてる?」

「はい、確か眷族にもその光が渡っていたみたいですが・・・」

「あれは殻金。緋緋神になるのを抑える蓋みたいなもんだ」

「緋緋神?」

「緋緋神ってのはな緋緋色金が人の心と混ざり融合した状態の事を言う。神埼の中にある緋緋色金が完全に神崎と融合すればそれは神埼の姿をした緋緋神だ」

は?待て待て一体何の話してるんだ?

「その、融合したらどうなるんです?」

 

「緋緋色金にとり憑かれた状態になる。それが、緋緋神なんだが。緋緋色金ってのは厄介でな闘争心と恋心。その2つの心を激しく荒ぶらす祟り神になっちまうんだ」

アリアがそんな存在になってしまうのか?

「緋緋神は戦を呼ぶ。もし、神崎が完全に緋緋神になった場合。公安0は最悪神崎を殺す」

俺の方を見ずにただ、運転しながら言う土方さん。その言葉は本気を意味している

「こ、殺すって何言ってんだよ土方さんアリアだぞ?ただの・・・じゃないけど高校生のあいつを・・・」

「優希。仮に公安0が動かなくても世界中の組織がアリアさんを殺そうと動くか確保しようとするはずです」

メーヤさんまで何言ってんだよ。

「椎名、武田もその時にならないと分かりませんがおそらくは・・・」

秋葉は事情を誰かに聞いていたらしく言った。

なんだよ俺だけが知らなかったみたいだ。

「みんなして何だよ・・・前例でもあるのかよ」

「ある。昔、日本に緋緋神になった奴が判明してるだけで2人いる。そいつは、昔の超人達が殺したが1回目は遠山、星伽、2回目は椎名、武田、北条だ。100%の記録が残ってるわけじゃないが神話の時代に1回の疑いもあるがこれを制圧した奴は不明だ」

「緋緋神は大きな争い。戦争を呼びますアリアさんが仮に日本で緋緋神になり放置されているとそうですね・・・日本が他国との戦争に巻き込まれることだってありえるわ」

嘘だろ1人の存在だけでそんなこと・・・

「そんなことさせる気はさらさらねえがな。まあ、そうなったらてめえのスーパー姉貴が出てくるだろ」

はっと苦笑しながら言いましたが皮肉ですか土方さん!確かに姉さんなら緋緋神が起こした戦争だろうが止めることはできる

 

だろうけど・・・

停戦しないならお前の国の中で暴れてやるぞと言えば・・・多分中国やアメリカでも悲鳴をあげて停戦に合意するだろうが・・・

いや、仮に止まらず殲滅戦になったりしたらそれはそれでまずいんだろうなぁ・・・

「ですが希様に頼りきりというのも・・・」

秋葉の言うとおりだ。完全な解決策にはなっていない。

ありえない話だが姉さんが死んだりいなくなったりしたら完全にお手上げという事態は避けなければならない。

「そのための殻金だ。神埼の中に戻した2つの上から眷族に奪われた分を上乗せすりゃ緋緋神になるのは防げる」

そういうことか・・・となると大変だな・・・宣戦会議でその殻金を奪っていった連中を倒して奪い取るか・・・

「もし、奪い返せず2枚だけならアリアは?」

「緩やかに緋緋神になっていくわ。だけど数年は持つと玉藻さんは言ってる」

「ちなみに新しく殻金を作るのはいろんな事情から無理だ」

俺が言うより先に言われてしまったか・・・

それにしても、数年・・・時間はあるようで短い・・・

同じチームではあるが卒業してからもこの問題を引きずるのはきついな・・・

卒業後の道が同じとは限らないわけだし。

とはいえ、ランパンや魔女連隊相手に攻め込んで奪い返すってのは・・・

くそ・・・姉さんが本格的に協力してくれりゃ1カ月かからんだろうに・・・

って、姉頼りというのも情けないか・・・まあ、これは多少の猶予もあるから時期を見極めてチャンスを待つのがベスト。

1人で先走っても組織相手じゃ返り討ちに会うだけだ。

「これも玉藻さんからですがアリアさんはこれから戦と恋についてあまり隠さずに言うようになるかもしれないの。それが最初の症状だから優希達は注意していて」

恋ね・・・頭と一緒に胸いてぇ・・・

そこはキンジ君の出番ってわけだ。

ま、俺もサポートはするが・・・

 

あれ?そういえば・・・

「俺の中にアリアの血が流れてますけど俺ももしかして、緋緋神になるんですか?」

俺の中には殻金なんてないわけだからまずいぞ・・・スサノオなんて変な人格まで現れてるし

「緋刀に関してはほとんど未解明だ。だが、それを少しでも抑える効果があるお守りお前信冬からもらってるだろ?」

信冬からの・・・あ、あれか確かに貰ったな・・・

財布の中にいつも入れてるんだがあれ、そんな効果があったのか?

だけど・・・

色が戻らなくなった片目、カラーコンタクトを入れてあるが多分、これは緋緋神化に向けた侵攻なのかもな・・・

アリス以外には話してないが・・・

でもまあ、緋緋神になんて体やる気はないけどな。

「それと土方さん、メーヤさん、秋葉これだけはいいますよ」

「ん?」

「アリアを緋緋神にする気なんてないですが仮にそれを許してアリアを殺そうとするなら俺はアリアの味方します」

「殺されるぞ?」

「そうなったら姉さんを仲間にします!」

俺は意地悪く言ってやった。

「はっ、そりゃ勝てねえな」

「あはは、優希はアリアさんが大好きなんですね」

メーヤ―さんが面白そうに笑った。

「優君らしい」

 

 

秋葉も呆れてるみたいだがそれでいいんだよ。

お前のことも忘れてるわけじゃない。

あの時のような後悔はもうしたくない。

俺は仲間が殺されそうになるなら絶対に見捨てない。

アリアだけじゃないんだ。

秋葉だってそうだし、レキも理子も、白雪もキンジだって殺されそうになってるなら助ける。

仮に武偵憲章9条を破ることになったとしても・・・必ず

それが俺の中では絶対だからな

 

 




すみません!もう忘れてる人もいるでしょうが4ヶ月ぶりに守るもの更新です!
原作の最新刊や読者の方々に温かい感想やメッセージをもらい私は帰ってきました!

次回は正月を目標にします。

さて、原作最新刊!読んでない人のために軽く書きますがキンジ大ピンチ!


かと思えばおいこら!という自体から再び史上最悪の大ピンチです。

まあ、緋弾のアリアのキンジはいつものことですからネタバレにはならんでしょう。

アリスベル読んでたら2倍おもしろくなりますよ?

で新キャラですがリサも殺人的に可愛いですが立ち絵はセーラですね。
能力的に優と相性最悪ですが原作追いついたらキンジと背中合わせで戦いたいなぁ

そして、おい!日本にもう強者出さないで!と言うような恐ろしい方が…

なんにせよ緋弾のアリアは面白い!まあ、今回の巻でAAの方は守るものの話を追い抜いちゃってます何気に(笑)
アニメ2期とAAアニメ化早く!
では!

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