緋弾のアリアー緋弾を守るもの   作:草薙

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第208弾 最後の銃弾

こ、これはちょっとまずいぞ。

体はもう、ぼろぼろだし狙撃銃の距離で狙撃の名手がM700で俺の頭を狙っている。

拳銃は届かない距離だし姉さんはどっかいっちゃった・・・

ビリヤード撃ち・・・いや、駄目だ銃を取り出すより撃たれる方が早い。

「レキ動くの駄目ね!」

その証拠にレキが持ち上げようとしたドラグノフを制止させられる。

アリアもなんかココ達に足だけでしがみつかれてるしキンジの位置からじゃ反撃は難しい。

「・・・」

秋葉と目が合ってアイコンタクトで何とかなるかと聞いてみたがここににくるまで相当風のステルスを使用したようで俺と同じく満身創痍に近い状態らしく返事は難しいという返答。

となると、第3者の援軍だが土方さん達か警察でも来てくれれば・・・

だが、封鎖されてる駅の中では時間が・・・

一か八か突っ込むか?

最後の手段だがやるしかないなら・・・

「風、レキをよくしつけた。人間の心、失わせている。この戦いと観察でよーく分かったヨ。お前使えない女ね。だからもう、お前、いらない」

「・・・」

「レキお前。まだ弾を持ってるはずね。それで、死ね。今ここで」

M700はボルトアクション式で連射ができない。

俺を撃ってもレキを残せば次弾装填前に撃たれる。

「てめえ!」

「動くな!椎名の後継!」

ココはトリガーに指をかけながら鋭く叫んだ。

 

「お前死ねば。椎名の後継や他は殺さないネ。使える駒、緋刀は緋弾と並び興味アルネ」

「ココ。あなたが言うとおり私は後1発銃弾を持っています。私が自分を撃てば優さんは殺さないのですか?」

お前は・・・何言ってるんだ!

そういえば、星伽神社で雪羽さん達が言っていた気がする。

ウルス族は追い詰められたり仲間の足手まといになりそうな時かつての日本の侍のように自決する。

最後の銃弾と呼ばれるものがあると

「やめろレキ!」

「椎名の後継しゃべるな!レキ!今の話はココの名に懸けて・・・」

「うるせえぞ!てめえこそ覚悟しろよ!俺や仲間を殺した瞬間椎名の家。姉さんたちがお前らを潰す!世界最強が激怒してな!」

悪いが今回はみんなの名を完全に頼らせてもらう。

ランパンだって姉さんの伝説を知ってるはずなのだ。

本気で激怒した姉さんを絶対に敵にしたいわけがない。

そして、日本の裏の世界を完全に敵にな

「だから引け! 今回は追撃はしない!約束してやる引き分けでこの戦いは終わりだ!そこのココ達も連れて行け!」

これが最大限の譲歩だ。

飲んでくれ

だが、ココはにやりと笑う。

「それ交渉にならないヨ。椎名の後継」

「何!?」

「タロットの騎士達こっちの味方。恐れる必要がナイネ」

「タロットの騎士達? 何言ってやがる?」だが、この瞬間分かった。

姉さん達をこいつは恐れていない。

少なくてもランパン・・・

「こ、ココやめな。今回は私たちの負けだよ」

首を少し動かすと姉さんに殴られた腹を右手で押さえながら水が苦しそうに言った。

「す、水!」

「引き分けで逃げらられるならそれに越したことはない。今回は私たちの負けだよ」

お、お前。

ココはレキが死ぬことの方を優先しているように見える。

それをお前は俺達が望む形で収束させてくれようと・・・

一瞬だけ水と目が合うがその目は言っていた。

負けたからねと・・・

「・・・」

ココは一瞬、黙り俺達を見ていたがやがて

「覇王、お前には失望したネ。お前はここで切り捨てる」

「っ・・・」

俺以上にズタズタの水は睨みつけるようにココを見るが反撃の手段がないらしく苦しそうな息を吐きながが片膝ついた。

「ごめんね優希・・・」

あきらめんじゃねえよと言ってやりたいがこの状況だ。

完全に積んでる状態じゃねえか

「公安0が来ては厄介ネ。時間たつのココには不利ネ。レキ今すぐ自分を撃て。待たされたらココ、椎名の後継撃つ。レキ、その後ココを撃てばいいネ。他に渡すぐらいならココは相討ちを選ぶネ」

 

 

「ココ、ランパンの姫」

そう言うとレキはドラグノフを置いた。

「ウルスの姫、蕾姫が問います。今の誓い。優さんを殺さないことを守れますか?」

「馬鹿にするのはよくないネ。ココは誇り高き魏の姫ヨ」

「誓いを破ればウルスの46女が全員であなたを滅ぼす。かつて世界を席巻した総身をもってあなたを滅ぼす。分かりましたね」

背を伸ばしたレキが自分の顎に銃口を突き付ける。

「レキ吹き飛ばすのは心臓ネ。そういう約束」

約束?意味のわからねえことを・・・

レキは指示を聞いて防弾制服をまくりあげると心臓にドラグノフを押し付ける。

「やめろレキ!」

誰でもいい!誰でもいい!誰かこの状況をなんとかしてくれ!土方さん!姉さん!

「優さん。ウルスの女は銃弾に等しい。しかし、私は失敗作の不発弾だったようです。不発弾は無意味な鉄くずなのです」

「やめなさい!レキあんただまされてるわよ!」

アリアが金切り声をあげる。

「優さん。私はあなたを守るために私自身の撃ちます。ですがこれは造反ではありません。なぜなら・・・」

「やめろレキ!お前は!」

「私は一発の銃弾・・・」

 

レキが靴を失った足をドラグノフの引き金にかける。

「銃弾じゃねえ!死ぬなレキぃいいいい!」

レキは顔色一つ変えず足の指の引き金を引いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

タアアアアアアアン

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その銃声は確かに・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

レキの心臓を破壊した




ちなみに原作では不発の弾丸。
次回更新は来週の金曜までにあげる予定です

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