緋弾のアリアー緋弾を守るもの   作:草薙

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第198弾 優希vs覇王 極光の光

まったく、俺ってこの数ヶ月戦ってばかりだな。

ルパン、ジャンヌ、ローズマリー、ブラド、シャーロック・・・

それで今度は項羽かよ。

「簡単には死んでくれるなよ? 緋弾とよく似たその力見せて見ろ小僧」

「言ってろ!」

地面を蹴り、正面から切りかかる。

普段の7倍の脚力で項羽に迫る。

当然速度も7倍だ。

だが

「はっ!」

ギイインと方天画戟と紫電が激突する。

筋力も7倍以上だというのに項羽はその力と拮抗している。

ギチギチと紫電と方天画戟は押し合うが俺は後退した。

本当の化け物か・・・この状態の俺の力と完全に拮抗してやがる。

「次は俺の攻めだな」

項羽が攻める。

方天画戟をまるで紙の様にかるがると、しかし巨大な破壊力を持ってすさまじい速度で振るう。

紫電で捌くが打合うたびに手がしびれる。

これが、覇王・・・世界最強クラスの武人の力か・・・

「ぬん!」

項羽は大きく槍を横殴りに振るった。かろうじてしゃがんでかわすと同時に背後かバキバキと木をなぎ倒す音が聞こえてきた。

槍の長さから音速を超えた攻撃風凪と同じ効力を持つ技をただ、腕を振るっただけでやりやがった。

「飛流一式!風切り!」

居合いから相手に切り込む技。

だが・・・

「遅いわ!」

方天画戟がそれを阻む。

俺は牽制にワイヤーを投げてから更にワイヤーで跳躍する。

最大の破壊力で粉砕してやる。

「ぬっ!」

項羽が見上げる。

闇の中からの攻撃だ。

「飛流一式!雷落とし!」

7倍の筋力からの重力を加えた一撃だ。

 

項羽は方天画戟を横に持つと俺に向かい横殴りに振るった。

ガアアアアンと一瞬、紫電と方天画戟が拮抗するが飛ばされたのは俺の方だった。

雷落としでも奴の体には届かない。

なら、新撰組直伝の滅壊で・・・

ズグン

「う・・・」

激痛が左目を襲い俺は思わず左目を抑えた。

左目が焼けるように熱い。

どうなってやがる。

「なるほど、雑魚ではないな。馬の骨ぐらいの力はあったか」

項羽が動いた。

再び方天画戟の連撃を紫電で受け流す。

防御するだけでやっとだった。

くそ、緋刀を力を使えてるのに・・・

受け流しながら考えるんだ。

こいつに勝つにはあれしかない。

ローズマリーに使ったあの光を

ギイインと紫電とぶつかると俺は後退して紫電を両手で構える。

「ん?」

何かを感じたのだろう。

項羽は追撃をやめる。

「・・・」

俺は項羽を睨みながら思う。

思い出せ。

あの光は意識を極限まで集中しないと出来ないはずだ。

目を閉じて全神経集中させる。

「大技か?いいだろうそれを砕いて俺はかつ」

項羽は追撃してこない。

好都合

俺の体にある緋弾さんよ。頼む俺はレキを・・・仲間を守りたいんだ。

もう、2度とあいつを泣かしたくない。

だから、力を・・・

「・・・」

体の隅々が熱い。

その熱は徐々に紫電に俺の手を通じて紫電に集まっていることが感じられた。

目を開けるとぽぅと紫電が緋色の光を放っている。

これはあの時の現象だ。

撃てると俺は思った。

そして、俺はこの状態のときに使う技を飛流とは違う流派で呼ぶことに決めていたのだ。

「決着だ。項羽」

「こい、絶望しろ椎名」

腕を振りかぶる。

これで駄目なら・・・

「緋流!『極光』!」

世界を染めるようなすさまじい緋色の光が紫電から放たれる。

前に秋葉のあるアニメで見た騎士が放った光の様な規模のものが項羽を襲う。

「ぬっ!」

項羽の声が聞こえた気がしたが光は情け容赦なく項羽のいた場所を飲み込んだ。

             †

「はぁはぁ・・・」

地面がえぐられ直線状に何もなくなった森を見ながら俺は膝をついた。

やったか・・・

これで2人目・・・ローズマリーに続いて人殺しをしてしまった。

「水・・・」

敵になっても・・・俺はあいつを殺したくなかった。

結局俺は人を殺さないと誰も守れないのかもな・・・

紫電を鞘に収めてよろよろと立ち上がる。

足もふらふらだ・・・意識も保つのがやっとだ。

この緋刀の力は極限まで体力を奪う。

あの極光はもう撃てないだろう。

まだ、髪の色は緋色だがまもなく戻るだろうな・・・

正面から背を向けて歩き出そうとしたその時

「それが、緋刀。時空を操る能力か。なるほど、すさまじい」

「!?」

振り返れば奴がいた方天画戟を持つ覇王

「あれ食らって生きてるとか化け物かよお前」

「そういうな小僧。直撃を受ければおそらく俺も消し飛んでいただろう。だが、避ければどうということはない」

「くそ・・・」

本当にやばいぞ・・・

傷はなくても体の状態は極限状態だ。

「今のが切り札か?なら諦めることだ。 その技に免じて言ってやろう。俺の下に来い」

「断る!」

「ハハハ、はっきりというな。なら死ね!」

項羽が接近してくる。

くそ、体が・・・

激痛が肩に来る。

方天画戟が肩に食い込んでいる。

「うぐ・・・」

なんとかワイヤーで後退する。

肩の傷はふさがり始めているが急所にもらえば治らない・・・

「再生能力か。厄介なものだ。なら、首か心臓を潰して終わらせてやろう」

項羽が動く。

ちくしょう。体が、動かねえ・・・

方天画戟がスローに見える。

ああ、そうか死ぬ瞬間というのはこういうものなんだ。

いやにゆっくりと見えてくる。

俺は負けたんだ・・・

死ぬたくない。

俺はまだ・・・やることがあるんだ・・・

だから死にたくない・・・

「いいぜ。少しだが力を貸してやるよ」

誰だ?

頭の中から聞こえてきたその声が聞こえた瞬間俺の意識は途絶えた。

 

 




以上が小説家になろうで投稿していた内容になります。
これから先は新たに書いていきますのでお待ちください!

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