緋弾のアリアー緋弾を守るもの   作:草薙

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第149弾 賭け

隼の修理等で、借金が1300万になった7月24日、昼。俺は台場にやってきた。

公営カジノ警備の仕事をするためだがなんとか、警察に事情聴取されることはなかった。

 

にしても、学生には楽しい夏休み……なんでこんなとこいるんだろうね俺……

まあ、今日が終われば普通の夏休みな訳だが実家に帰る気もないし、トレーニングに加えて誰かと遊びまくろう。

理子辺りと遊ぶのは楽しそうだ。

 

今の俺は……いや、私は月島 優に再びなりきっている。

気づいたことだが名前を意識して変えて、女装したら結構なりきれるもんなのだ。

胸は偽装のシリコン入りの胸を入れてスーツを着込む。

男装が好きなジュエリーショップ女社長らしいが、男装なら男でいいじゃないかと長い鬘の髪を揺らしながら都営カジノ・『ピラミディオン台場』に入っていく

日本でカジノが合法化されて2年、法整備直後に公営カジノ1号として作られたのがこのカジノでピラミッド型の形で全面がガラス張りだ。

なんか数年前にどこかの国から日本に漂着した巨大ピラミッド型の投棄物に都知事が影響を受けてデザインさせたらしい。

ちなみに、今は仲間は回りにいない。

アリア、キンジ、レキ、白雪、秋葉は別々に行動している。

一応は内緒なわけだからな。

 

 

「両替をお願い、今日は勝利の女神が微笑んでるわ」

 

チェンジカウンターで合言葉を言って、作り物の札束1千万をチップに変えてもらう。

フフフ、実はカジノは初めてじゃないんだ。

昔、姉さんにラスベガスに連れていってもらったことあるしな。

さて、回りを見とくか

 

一階は海辺のカジノと言う特色を出そうとしたらしく、ホールを囲むように海に繋がるプールがある。

なるほどなバニーガールのウェイトレスさんが電動式の水上バイクで素早く行き来するためのものか……

 

「ドリンクいかがですかー」「カクテル、ウィスキー、コーヒー、全て無料でお配りしております」「ご注文の方はお近くのウェイトレスを及びくださーい」

 

お、アリアとキンジだ。

何か言い争ってるがハハハ、バニー姿似合うぞアリア

 

「お客様、カクテルはいかがですか?」

 

「いえ、別に……秋葉?」

 

小声で銀の瞳をぱちくりとまばたききながらオレンジ色のカクテルを持っている秋葉、色に違いがあるのか水着のようなバニーガールの服は 黒だ

 

「お似合いですよ優様」

 

「ありがとう」

 

演技とは言えにこりと微笑む。

うう、女装なんていやだ……

 

 

「うまく仕事できてるバニーさん」

 

「気持悪いです優様」

 

悪かったな

 

「あら、口の悪いウサギさんね」

 

「……」

 

すみませんと別のお客に呼ばれて秋葉は言ってしまった。

誰だ女装強制させたのは!

 

「な、なんてはずかしやがりやさんなんだ……すげえカワイイ」

「来たかいあったな、見とれて大枚すっちゃたけど」「あ、胸元隠さないでこっち向いて!」

 

ん?

なんか騒がしいのでそちらを見るとああ、白雪か……

バニーガールというのは巨乳だと凄まじく似合うさらに、顔がかわいければ文句はない。

白雪は文句なしに可愛い部類だからな。

群がる男達を見ながらまあ、M60をぶっぱなすヤンデレさんだけどな。

とトラウマになりそうなあれを思い出しながら白雪から離れる。

あっちはキンジに任せよう。

 

さて、レキはどこにいるんだろう?

折角だから見かけてない最後の仲間を探すため2階にの特等ルーレット・フロアに向かう

この特等フロアの掛け金は100万だ

会員パスを持つ金持ちだけが賭けに参加でき見物にも金がかかる。

ん?あの人垣は……

近づいてみると大きなルーレット台にいた金ボタンのチョッキを着た小柄なディーラーは

 

「……」

 

おお、レキ

みんなバニーガールなのにお前だけズボンかよ……

 

「では、プレイヤーは次の掛け金をどうぞ」

 

ああ、これはプレイヤーが金を賭けて、次にディーラーがルーレットに玉を放り込む手順で行われるやつだ。

玉が放り込まれたら変更は一切効かない

 

「は、はは……こんなに強くて……可憐なディーラーは初めてだよ。この僕が一時間もたたない内に3000万も負けるなんてね」

 

ふーん、一人でかけしてるのか……

姉さんはラスベガスでは豪運で荒稼ぎしてたな……

姉さんには弱点がないし

 

「君は本当に運を司る女神かもしれないな」

 

何言ってんだよこいつ……

なぜか、凄い腹が立つぞ見たことあるなこいつ……テレビでたが……

 

「……残りの手持ちは4000万ある。これを全部、黒に賭けよう

かけにでたわけか……見させてもらうか

 

「黒ですね。では、この手球が黒に落ちれば配当は2倍です。よろしいですか?」

 

白いピンポン球を手に取ったレキが言う

 

「ああ、だが、配当金は要らない。勝ったらキミをもらう」

 

周囲がどよめく

 

「僕は強運な女性をものにすることで強運を得てきたんでね」

 

は?こいつ何言ってるんだ?レキをもらうだと?

 

「その勝負待ちなさい」

 

あ、あれ?

気がついたら声をあげていた。

しかも、女装の戦闘狂モードだ

 

「誰だ君は?」

 

「ひとつ賭けをしませんか?私は赤7に全財産をかけますわ」

 

ざわと周囲がざわめく

こら!戦闘狂!それ、借金含めてるぞ!

 

「女!僕は負けない」

 

負けろ!代々レキをとって何するんだよ!こいつはロボットレキだぞ!

面白いやつだけど……

 

「……それでは時間です」

 

レキはテーブルを撫でるようにして参加締め切りを示してからルーレットを回して球を入れた。

やってから後悔するが仮に相手に球が入ったらやばいぞ!

球が動きを鈍らせた

 

カツン、カラカラ

 

「7。赤二人目のプレイヤーの勝ちです」

 

まじかい!

がくりとテーブルにあいては突っ伏した。

え?まじ

 

「はいどうぞ配当は40倍です」

 

嘘だろおい!レキお前、わざと7にいれたのかよ!

レキならありえる

 

「ははは……7千万円の負けか。さすがに痛いよ。でも、こんなに金を落としてやったんだ。可憐なディーラさんせめて君の携帯番号だけでも教えてくれないか?」

 

しつこいなお前!レキは……あれ?なんで俺こんなに腹たててるんだろう?

 

「お引き取り下さい。今日はもう、帰った方がいいですよ」

 

「いや、そこをなんとか……じゃあメアドだけでも」

 

「お集まりの皆さんもお帰りください」

 

レキは無視して回りの客に言った瞬間、気付いた。

 

「良くない風が吹き込んでいます」

 

レキと目があい俺はうなずく

 

「せめて、キミの名前だけでも」

 

ばんとレキの背後に並べられた動物の剥製の間から疾風のようにハイマキが飛び出す

フロア隅から走ってきた人にガバメントを叩き込むと同時にハイマキがもう一体に飛びかかる。

 

なるほどな、首なしライダーの時と同じかよ

全身に黒いペンキを塗ったかのようなそいうは上半身裸で腰に茶色の短い布を巻いているだけの姿

異様なのは頭部でジャッカルという動物の頭に体は人間という姿だった。

手には半月型の斧がある。

カジノ警備って楽なんじゃないの?

俺は苦笑しながら服の下のガバメントを抜きな放った。

 

 


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