緋弾のアリアー緋弾を守るもの   作:草薙

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第147弾 幽霊を追え!

「では君は守り続けてくれるのかな?私の推理ではこれは確実に起こることだ」

 

その言葉に夢の中の俺は言い返す。

 

「それが現実だとしたらあの子は一人になり周りは敵になる!俺は命を救われた時からどんなことがあってもあの子を守ると決めたんだ」

 

夢の中の青年が微笑みながら言う。

 

「彼女に味方することにより君は君の知り合い達すらと戦うことになってもかい?」

 

「当たり前だ!あんたが依頼を破棄しても俺はアリアは死なせない!」

 

「やはり、君を選んで正解だった。スサノオの血と緋弾の血、これはある意味必然なのだから。では、見せてくれ緋弾を守るもの」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……く……」

 

ん?

 

「優君、そろそろ起きないと日がくれますよ」

 

「あれ?秋葉?」

 

上半身をベッドから起こしながらベッドの上に座りこちらを見ている秋葉

 

「あれ?」

 

周りを見回すがここは、俺達の部屋だ。

確か、昨日姉さんに気絶させられて……それからどうした?

まるで記憶になかった。

どうやら、気絶させられてベッドに寝かされたらしいな……

何がしたかったんだ姉さん?

教授がお前を待っていると言ってたが……

 

「優君?」

 

秋葉が首を傾げる。

 

「い、いやなんでもない」

 

そういえば寝室はM60でズタズタになったはずなのに……あれも夢だったのか?

時計を見ると午後6時夏場だから日は落ちてないが冬ならもう真っ暗な時間帯だ。

 

「そういや、お前昨日アリアと一緒にいなかったな。どっか言ってたの……か?」

 

そこで俺は初めて気付いたんだ。

 

「アリスさんに誘われて秋葉原に行ってきました」

 

秋葉だけにか?って

 

「なんだ、秋葉その格好は!」

 

「?」

 

可愛らしく首を傾げるな!

そう、秋葉はなんとバニーガールの服装をしていたのだ。

ロングのウェーブがかかったら髪に無表情顔、それにアリアよりは大きい……その胸が……

 

「カジノ警備の服を着てみました。どうですか優君」

 

何て言ってほしいんだよ!

 

「そ、その……似合うんじゃないか?」

 

「優君はスケベです」

 

なんでだよ!

秋葉はちょっと顔を赤くしながら

 

「近衛から妻や愛人になる人はいますけど、優君は私を愛人にしたいんですか?」

 

えええ!

 

「レキさんとデートしてお祭りに言って」

 

いやいや、待て待て!いきなり何いってるんだ秋葉!もしかして、祭りに連れてかなかったから怒ってるのかお前!

 

『秋葉はお前のこと女として好きだったぞ』

 

姉さんの言葉が脳に響いてくる。

あれは子供の時の話だからな。

それとは関係なく祭りに連れていかなかったのを怒ってるんだろう。うん

 

「何が望みなんだ?」

 

「なんの話ですか?」

 

とぼけるのかよ秋葉!

というかまさか、意識して言ってないのか?

 

「わかったよ。今度、祭りがあったら連れて行くから」

 

「……」

 

秋葉は俺をじーと見ていたがやがて

 

「約束ですよ」

 

と、僅かに微笑んで言った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから数時間後、俺と秋葉は東京駅の前に隼で着ていた(ガソリン代は秋葉が出した)。

 

「眠い……」

 

時刻は深夜2時を回る頃だがさすがは日本の首都の駅前、人々の往来は夜中でも途絶えない。

なぜ、俺達がこんなところにいるかといえば数時間前に遡る。

 

「それでは優君にプレゼントです」

 

「プレゼント?」

 

再び無表情に戻った秋葉を見つつ、渡された封筒を開ける。

こ、これクエストブートのやつだな。

 

「取ってきました」

 

「いや、俺達カジノ警備があるだろ?無理だって」

 

「1日で終わる依頼です」

 

「何?」

 

とりあえず、紙を出して読んでみると

 

依頼内容・東京各地に出没する首なしライダー確保

 

単位 0.5単位

 

報酬 11万円

 

参加資格

アサルト、ロジ SSR、スナイプ推奨なお、SSRは攻撃に特価した能力が望ましい。

300キロ以上出るバイク、または車を所持しているものに限る

補足

犯人確保に至らぬ場合は報酬単位なし

 

首なしライダーだぁ?

 

「参加登録はすませてます」

 

おい!秋葉勝手に!待てよ

 

「バイクか……ならレキをさそ……」

 

「私がやります」

 

「え?秋葉が?」

 

「私が!やります」

 

なぜなんだ……無表情なのに秋葉怒ってるのか?いや、クエスト持ってきたのは秋葉なんだから感謝してるけどな

 

「分かった。じゃあ、秋葉と組むか」

 

「はい」

 

ん?なんか犬のシッポと耳が秋葉から見えるような幻が……パタパタとシッポを降ってるその幻はおれが秋葉を忠犬として見てるからか?

 

「優君?」

 

「い、いやなんでもない。んじゃまず、この首なしライダーの出没場所の調査だな」

 

一言で東京と言っても広いからな

 

「もう、特定してます」

 

はや!

秋葉が東京の地図を俺に渡してきたので 見ると赤い点が数個あった。

バラバラだな……

 

「これだけじゃ特定は無理だな……ん?」

 

地図を見ると東京駅に赤い印が集中している。

今日もここに現れるかはわからないが……

 

「首なしライダーは真夜中に必ず東京駅の前を通りすぎます」

 

それを早く言え!

まったく、優秀なくせに抜けてるなお前は

 

「なるほどな……って夜中だと?」

 

「はい深夜2時頃です」

 

秋葉……お前最初からこれやらすつもりで起こさなかったのかよ。

いいけどな……

にしても……

 

「結構、赤い点が多いが武偵高の依頼にはこれまでなかったのか?」

 

 

「20組が挑戦してますがいずれも失敗しています。不知火さんと武藤さんも組んで当たりましたが失敗しています」

 

不知火と武藤がか?

俺は携帯を取り出すと不知火の番号を呼び出す

 

「もしもし椎名君?」

 

「悪い不知火、今いいか?」

 

「うん、どうかしたのかい?」

 

「最近、武藤と首なしライダーのクエスト受けただろ?俺も受けるんだけど」

 

「あれを椎名君が?」

 

まあ、秋葉もいるけどな

 

「隼で追撃できるし丁度……」

 

「椎名君、悪いことは言わないから止めた方がいいよ」

 

ん?

 

「どういうことだ?」

 

「あれは本物だから」

 

「本物?」

 

「そう」

 

不知火は声を落とすと思い出したように

 

「消えるんだ首なしライダーは」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

再び、東京駅に戻る。

 

「幽霊ねぇ」

 

あの不知火が言うんだ。

なんか少し不安になるぞ

バックアップ要員用意しとくべきだったか?

時計を見ると2時30分だ。

もうこないのかな……

念のため土方さんに聞いてみたが首なしライダーの話は公安0にまでまだ、回ってきてないらしい。

首がないバイクが走るからビックリして事故が起こる程度では公安0は動かない。

彼らも暇ではないからだ。

 

「あむ」

 

ん?

横を見ると秋葉が買ったらしいあんパン(こしあん)を食べている。

張り込みはあんパンが基本か?

 

「じゅー」

 

牛乳まで……

 

「……」

 

秋葉が俺を見る。

牛乳と俺を見比べて

 

「飲みたいんですか?」

 

と牛乳を差し出す。

いやいや!間接キスとか考えろ秋葉!

お前絶対に将来悪い男に騙される口だな。

付き合う男ができたら調べてやろう。うん

 

「それはいらんからそろそろ」

 

いい加減眠いので帰るかパトロールでもいかないかと言おうとした、瞬間

 

ブイイイイイイイン

俺の前を大型バイクが通りすぎた。

で、でやがった首なしライダーだ!

 

「秋葉!」

 

さっと、秋葉が隼の後ろに座り、腕を俺の腰に回してくる。

ブオオンと隼のエンジンが唸りを上げた瞬間、加速して首なしライダーが消えた方角に向ける。

夜中のバイクレースだな。

目を空けて戦闘狂モードを覚醒させて

 

「行くぜ秋葉!単位は頂だ」

 

「目的が情けないです優君」

 

後に考えたら受けるんじゃなかったよこのクエスト


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