緋弾のアリアー緋弾を守るもの   作:草薙

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第142弾 レキ様ファンクラブ会長村上の決断

まずい……アリアを泣かせちまった……

この子は命の恩人で必ず守ると決めた護衛対象だ。

だけど、俺にとっては友人で……

 

「……」

 

アリアはくるりと反転するととぼとぼと歩き出してしまう。

走る気力もないのだろうがやばいぞこれは!

 

「アリ……」

 

「まあ、待て弟」

 

ぐえ!襟首をつかむな姉さん!い、息が

そうこうしてる間にアリアは行ってしまう。

解放されると俺は姉さんを睨み付けた。

 

「何すんだよ!アリアの誤解を解かないと!」

 

姉さんはへぇと笑いながら

 

「やはり、本命はアリアか?」

 

「違うって!いい加減怒るぞ!」

 

状況を考えて実家や土方さんには言ってないが状況しだいでは言ってやると俺は思っていた。

 

「そういうことならお姉ちゃんが誤解を解いてやろう」

 

はい?

俺が思った瞬間、姉さんはいきなり、消えた。

瞬間移動……便利なステルスだなぁ……俺も欲しいよ

しかし、姉さん誤解を解くって……まあ、いいか……解いてくれるならそれに越したことはないか……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Side アリア

 

馬鹿キンジ……馬鹿優……これからどうしよう……

あたしはやけ食いをしようとしてももまんを大量に買って自分の部屋に戻る道を歩いていた。

今日はもう、寝よう……

 

「見つけたぞ神崎・H・アリア!」

 

聞き覚えのある声に振り向いてあたしは気分が悪くなった。

優をパートナーにするといった水無月希を名乗るあの女が立っていたからだ。

 

「何の用よあんた」

 

ガバメントで追い払うか悩みながらあたしは聞いた。

 

「そんな怖い顔するなよホームズ家の娘」

 

「優から聞いたのね?最低、あいつ……」

 

こんな女にべらべら話したんだろうか優は……口が軽い

 

「誤解するなよ?私はホームズ家の人間には知り合いがいるから知ってるだけだ」

 

私の家族と?

 

「誰よ」

 

「悪いが言わん。知りたきゃ自分で調べろ」

 

「喧嘩売ってるの?風穴あけるわよ?」

 

「やめといた方がいいぞ?今のお前じゃ私に傷一つつけられん」

 

いっそ、本当に戦うかとガバメントを手にとるが相手にはまるで隙がなかった。

腕を組んでいるだけなのに撃ち込んでも避けられる。

対峙してはじめてわかる。

この人は化け物だ。

やはり……

 

「本物の水無月希?」

 

「そう言ってるだろ?」

 

不適に水無月希は笑う

じゃあなんで……

 

「なんで、優をパートナーになんて……」

 

裏切られたと思った。

悲しい過去を知り、あたし達は更に、絆を深めたと思っていたのに……

優は……

 

 

「心配するな。優希はお前を大切に思ってる。私のパートナーなんて冗談で言っただけだ」

 

あたしを大切に?優が?

 

「だから、頼むホームズ家の娘、優希と仲直りしてやってくれないか?」

 

 

「ご、誤解なのは分かったけどなんで、水無月希が生きてるの?あんた優のお姉様なんじゃ……」

 

 

水無月希はふっと笑った。

 

「悪いが言えない。くだらない理由だからな」

 

「くだらない理由?」

 

世界最強と言われ、正義の味方だった水無月希が死んだことにした理由……一体なんなんだろう……

 

「言えんと言ったろ?じゃあ、優希と仲良くしろよ?アリア」

 

なんの前触れもなく水無月希は消えた。

瞬間移動のステルス……

やはり、水無月希には謎が多い。

いずれ調べないといけないだろう……

だが、その前に優と仲直りしないと……

 

「うう……」

 

目の前で泣いてしまった。

どんな顔で会えばいいのだろう

 

「馬鹿優……」

 

呟いてみたが解決策は見えなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Side 優希

 

あれから、3日過ぎた。

とりあえず、姉さんが言うには誤解は解けたらしいがアリアは俺の顔を見るたびに気まずそうに逃げてしまう。

教室で話しかけようとしても駄目だ。

キンジに対しては話しかけるなオーラ全開でとりつく間もなかった。

さて、どうしたもんかと考えていた裏でことは進んでいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Side 村上

 

「な、なんだと!今、言ったことは誠なのか会員No.85」

 

「はい、確かに椎名優希はレキ様をデートに誘いました」

 

「むぅ……」

 

眼鏡を直しながらレキ様ファンクラブ会長村上は唸った。

 

「会長!断固阻止するべきです!椎名優希を血祭りにあげてやるのです」

 

デブの男が言った。

ここはレキ様ファンクラブ会合の場である。

とは言っても空き教室を使ってるだけだが40人集まって会議してるのは端からみたら不気味だ

 

「そうだな。やはり、椎名は……」

 

「お待ちください会長!」

 

村上が椎名優希を血祭りにしようと言おうとした瞬間、手をあげるものがあった。

 

「なんだ会員No2」

 

そう、彼こそ、レキ様ファンクラブを立ち上げた初期メンバーの一人だ。

 

「椎名優希を倒すのは当日まで、待つべきです」

 

「貴様!裏切る気か!」

 

「いえ、当日まで待つのは最大の理由があります」

 

「というと?」

 

デブの男が言う

 

「レキ様の浴衣姿が見られるのです」

 

ピシャアアンと雷がなるように辺りが静かになる。

 

「れ、レキ様の浴衣姿……だと」

 

ざわざわと騒がしくなる

 

「そうです。普段、ほとんど私服姿がないレキ様です!浴衣姿をシャッターに収めるチャンスなのです」

 

 

「し、しかし椎名優希とレキ様のデートを容認するなど……」

 

デブの男が唸る。

 

「むぅ……」

 

村上は難しい決断に迫られていた。

レキ様の浴衣姿を見るために椎名優希を泳がせるべきかあるいは徹底的に妨害しるか……

 

「多数決をとろう。それがレキ様ファンクラブの総意だ」

 

 

多数決は割れるにわれた。

レキ様の浴衣姿を見たいもの129、椎名優希抹殺すべし129参加しないものもいたが大荒れになった。

 

「貴様!レキ様は一人だからこそ美しいのだ!椎名優希にレキ様が汚されていいのか!」

 

「貴様こそレキ様の浴衣姿だぞ!こんなチャンスは二度とない!椎名優希は祭りで抹殺すべきだ」

 

「何を言う!レキ様にもしものことがあっては遅い!」

 

「もしものことなどない!我々がいる限り!」

 

「むうう……意見は割れたか……」

 

皆が村上を見る

 

「……」

 

村上はまだ、意見を保留していた。

 

「会長!」

 

「村上会長!」

 

運命は村上に委ねられた。

 

「私は……」

 

次の言葉でレキ様ファンクラブはまとまった


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