緋弾のアリアー緋弾を守るもの   作:草薙

14 / 261
第13弾バスジャック事件

「バスジャックだって!」

 

ここは、ヘリの中、装備の確認をしながら俺達はアリアの説明を聞いていた

 

「武偵高の通学バスよあんた達の寮の前に7時58分に止まった奴」

 

ワハハ、まじかよ文字通り天罰だ武藤め! ってそれどこじゃねえか

 

「犯人は車内にいるのか?」

 

緊迫した状況だと理解したのかキンジが尋ねる。

 

「分からないけどたぶんいないでしょうね。 今回のバズジャックもたぶん同一犯。 あんたたちの自転車に爆弾を仕掛けた犯人と同じ犯人ね」

 

「ちょうどいいな。 俺もあの犯人は捕まえてやるって思ってたんだ。 どうやってこの情報を掴んだんだアリア? 東京武偵局も動いてるんだろ?」

 

東京武偵局と言えば当然のことながらSランクの武偵も保有する集団だ。

それより早く動けるアリアは一体・・・

 

「奴は毎回減速すると爆発する爆弾をしかけて自由を奪い。 遠隔操作でコントロールするの。 でも、その操作に使う電波にパターンがあって今回もあんた達を助けた時もその電波をキャッチしたのよ。 東京武偵局は動いてるわ。 でも、相手は動き回るバスよ? 準備が必要だわ」

 

「でも、武偵殺しは逮捕されたはずだぞ?」

 

「それは真犯人じゃないわ」

 

どうして断言できるんだアリア?

まあ、こうして事件は起こってるが模倣犯って線もまだ、ある。

どうして、そうやって・・・

犯人・・・犯人・・・えっとニュースで見たような・・・

か・・・か・・・かんざ・・・駄目だ思いだせねえ。

後、一文字だと思うんだが

 

「とにかく! 事件はもう、起きている! 作戦目的は車内にいる全員の救助」

 

「リーダーをやりたきゃやれ! でも状況をもっと・・・」

 

「武偵憲章1条仲間を信じ仲間を助けよ! 被害者は武偵高の仲間よ! それ以上に説明はいらないわ」

 

だから、諦めろキンジ。

この子は1度発射されたら止まらない砲弾見たいな子なんだよ。

 

「とにかく、救出すればいいんだろ? ハハハ、キンジご愁傷様大事件だ」

 

「キンジこれが約束の最初の事件になるのね」

 

キンジはがくりと肩を落としながら

 

「大事件だな。 俺はとことんついてないよ」

 

「約束は守りなさい。 あんた達が実力を見せてくれるの楽しみにしてるんだから」

 

でもなぁ・・・キンジのこの状況じゃなぁ・・・

一瞬アリアのスカートでもめくってキンジに見せてやろうかと考えたがC装備はスカートじゃないんだよな残念だが

俺はキンジを見るといいのかとアイコンタクトで訪ねるとキンジはいいんだよと無言で返してきた。

 

「見えました」

 

レキの声に俺達は防弾窓の下を見る。

台場の町が見えるがバスなんて見えない。

 

「どこだレキ!」

 

おれが怒鳴ると

 

「ホテル日光を右折しているバスです。 窓に武偵高の生徒達が見えています」

 

「よ、よくわかるわねあんた、視力いくつよ?」

 

「左右共に6.0です」

 

お前はアフリカの原住民かとと突っ込みながらアリアが作戦を説明する。

 

「パラシュートでバスの上に降りる。あたしはバスの外側をチェックするからあんたは周囲を警戒。 優は先行して車内の様子を調べてきて」

 

なるほどな、ワイヤーで3次元的な動きができる俺にうってつけの任務ってわけだ

にしても、この子強襲で全てかたをつける気か・・・

理子の言ってた情報も正しいわけだがお前が独奏曲(アリア)なのが分かったよ。

 

「先行する!」

 

俺はそういうとヘリから飛び降りパラシュートを開いた。

 

 

 

 

 

 

 

見る見るとバスが迫ってくる。

雨もあって操作を慎重にしてからパラシュートを外しワイヤーをバスの屋上に発射。

その瞬間、俺は激痛に右手をぶれさせた。

しまった!

 

ワイヤーはバスの横を抜けて地面に突き刺さる。

バスが行ってしまう。

俺は落下していく。

距離的に死にはしないがバスが追えない。

 

『何やってるのよ優!』

 

レキの報告を受けたらしいアリアが通信機越しに怒鳴りつけてくる。

大丈夫だ問題ない。

俺はとあるゲームのセリフを言いながらワイヤーを戻し空中から街灯に向けてワイヤーを発射しめり込ませて引き戻す。

ようは引っ張って上空に飛び、ワイヤーを外してどこぞのクモ男のように前進したわけだ。

バスを捉えた。

今度こそワイヤーを撃ちこみ、バスの屋上にドンと音を立てて着地した瞬間、雨で足を滑らせて転んだ。

 

「うわ!」

 

ワイヤーがめり込んでるのでひっくりかえっただけで済んだがカッコ悪いこと

空を見上げるとアリア達が降下してくる所だった。

俺は、伸縮棒のついたミラーで仲を確認してから右手のワイヤーをめり込ませたまま車内に侵入する。

バスの中は騒ぎになっていたが俺を見ると何か言い始めた。

聞きえねえよ。

 

「優!」

 

見ると見知った顔だったので俺は嫌みたっぷりに

 

「よう武藤、早い再会だったな!」

 

「あ、ああちくしょう。 俺はなんでこんなバスに乗っちまったんだ」

 

「友達見捨てた罰だ」

 

「優、この子だ」

 

武藤の指した女の子が泣きそうな顔で携帯を差し出してくる。

 

「し、椎名先輩助けて」

 

あん? なんだ?

差し出された携帯を耳に当てると

 

「速度を落としやがると爆発しやがります」

 

くそったれあいつだ。

機械的なその声は俺の自転車を吹き飛ばした武偵殺し。

やはり、真犯人は捕まってないのか?

 

「優! 状況を説明しなさい!」

 

アリアの声が通信越しに聞こえてくる。

 

「アリアの予想通りだ。 遠隔操作されてる! 爆弾は!」

 

「バスの下にプラッチック爆弾! このバスなんか簡単にけし飛ぶ量よ」

 

「アリア! 後方から!」

 

「え?」

 

キンジの警告とアリアの戸惑いの声が通信機からもれる。

 

見ると後方から1台のオープンカーが距離を取っている所だった。

追突してきたのか

しかも、無人かよ!

その座席には俺達を追いまわしたあの乗り物が・・・

やべえ!

 

「みんな伏せろ!」

 

みんなが伏せた瞬間機関銃が車内にぶち込まれる。

1発が俺の右腕のワイヤーの発射機構に当たる。

 

 

「ぐぅ!」

 

しゃれにならないぞこの激痛。

ひびでも入ってんのか?

 

「優!どうした!」

 

俺の声が聞こえたんだろう。

キンジの声が聞こえてくる。

 

「大丈夫だ・・・それよりアリ・・・」

 

ぐらっとバスが変な揺れ方をしたので慌てて運転席を見ると運転手がハンドルにもたれかかるように倒れていた。

運転で避けられなかったのかよくそ!

 

「武藤!運転変われ早く!」

 

ヘルメットを投げながら俺が言うと武藤は慌ててそれを頭につけて運転席に座る。

 

「俺この間改造車がばれて1点しかもう、違反できないんだぞ?」

 

「ハハハ、友達見捨てた罰だ。 速度違反で免停だな」

 

俺はワイヤーを戻しながら言うと後ろから武藤の怒声が響いてきた。

 

「落ちやがれ引いてやる!」

 

やだよ

 


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。