緋弾のアリアー緋弾を守るもの   作:草薙

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第138弾 衝撃の掲示板

ピピピピピピピピ

 

ん?朝か……っ!

がばっと起き上がり辺りを見回す。

外は明るくなりかけていていつものトレーニングに行く朝の5時

昨日のことは夢だっのか……

喪失感と悲しみが胸に押し寄せた。

そうだよな……姉さんが生きてるわけない……

一応、横を見てみると向かいの二段ベッドでツインテールの片方をベッドから垂らしてアリアが寝息を立ていた。

夢の姉さんはアリアを殺すといいながらもそれを撤回している。

まあ、悪夢なんてそんなもんか……

キンジが下にいなかったのでリビングを覗くとパソコンの前で眠っていた。

そのパソコンはスクリーンセーバーがWindowsの文字をクルクル回転させている。うーん……とりあえず体を動かすか……

走り込みをしていつもの訓練メニューを終わらせて朝の7時に部屋に戻ると丁度、アリアとキンジが話しているところだった。

 

「昨日の夜?あんは、あらひが帰ってきたらパショコンのイフで寝てたわよ?」

 

今日から夏服のアリアは歯磨きをしながら喋る。

ちなみにこども歯磨きに味はイチゴ味だ。

次にアリアは冷蔵庫からミルクを出し、砂糖をどっさり入れて飲む。

虫歯になるぞお前……

どかっとアリアがハイキックで冷蔵庫を閉めた。

乱暴すぎだ!貴族だろお前……

 

「優お前、昨日のこと覚えてるか?」

 

キンジが聞いてきたがいた、確信がなぜか持てないので

 

「ベッドで寝落ちしてたみたいだな俺は」

 

「そうか……」

 

キンジはそう言いながらしばらく何かを考えてから

 

「……アリア」

 

「なに」

 

「学校一緒に行くぞ」

 

それは自動的に俺もだな……

にしてもキンジから誘うなんて珍しいな

 

「……なによぅ。いつもあたしと学校行くの迷惑そうにしてるくせに」

 

皮肉を言いながらもアリアはちょっと軽やかな手つきで自分の通学カバンを持つ。

キンジが嫌がるからアリアは大体俺の隼の後ろに乗るからな。

マリが押し掛けてきたりしたら自転車を使ってるみたいだが……

そのマリは緊急のクエストとかで東京にはいないらしい

 

「ちゃんと帯銃したか?」

 

キンジが訪ねるとアリアはキョトンとそのつり目気味のおめめを丸くしてネコっぽい犬歯を見せて笑い、スカートから白銀のガバメントを出し、クルクルと回して見せた

 

「へー、キンジにしては高い警戒心ね。武装確認はいい習慣よ」

 

しかし、隼には3人は乗れないぞ。

となると……

 

ピンポン

 

ん?

 

「誰かしら?」

 

 

アリアの言葉を確かめるように扉を開けると武偵高夏服の秋葉だった。

 

「おはようございます優君、アリアさんキンジ君」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

結局、俺はアリア達とは登校せず、秋葉と話したいことがあったので隼で登校することにした。

ちなみに、秋葉は風で空を飛べるので普段の登校は空を飛んでしている。

うらやましい能力だよ風のステルスって

 

「それで話というのはなんですか優君」

 

信号で隼を停止させつつ

 

「ちょっとな妙にリアルな夢を見たんだ」

 

「夢ですか?」

 

ギュッと腰に手を回している秋葉だが胸はアリアよりは大きいが残念サイズぎりぎりなのであまり、意識しない。

 

 

「姉さんがな……出てきてアリアを殺すと言ったんだ」

 

「アリアさんを……」

「まあ、夢の姉さんはすぐに撤回しておれをぼこぼこにしたんだがなんか、本当に夢だったのか確信が持てないんだ」

 

「分かりました。アリアさんの護衛ですね」

 

あたまの回転が早くて助かるよ秋葉

男の俺じゃ更衣室とか男子禁制の場所は入れないからな。

 

「断ってもいいぞ?命令じゃない」

 

「いえ、やります」

 

本当に助かるというか秋葉って昔から基本的にいいやつなんだよな……

 

隼を駐輪場に停めてから秋葉と話ながら教務科からの連絡掲示板の前に生徒が集まっていたので足をそちらに向ける。

見知った奴がいたからな

 

「よ、ジャンヌ」

 

 

「椎名か?丁度お前の名前を見つけたところだ」

 

ん?

 

「ん?椎名その女……」

 

「山洞秋葉です。ジャンヌさん」

 

「ジャンヌダルク30世だ。お前高Gのステルスだな?」

 

一発で見破ったか……

 

「はい、能力は……」

 

「風だろ?話には聞いていた。なぜかアサルトにステルスが入ったとな」

 

「はい、ところで優君の名前とは?」

 

「ああ……それは……」

 

「ジャンヌ、それより足どうしたんだ?」

 

見ると彼女は松葉杖をついていたのだ。

 

「虫が、な」

 

「虫?」

 

「道を歩いていたらコガネムシのような虫が膝に張り付いたのだ」

 

「うん」

 

「私は驚いてな。そのみちの側溝に足がはまった」

 

「ぶっ」

 

「貴様……笑ったな?」

 

「そ、それで?」

 

「そこをちょうど通りかかったバスに引かれたんだ」

 

えええ!

 

「お、おいよく足だけですんだな大丈夫か?」

 

「全治2週間だ」

 

それはまた……

 

「ところでさっきから言ってるがお前の名前が掲示板にあるぞ」

 

「ん?」

 

画ビョウ代わりにサバイバルナイフで止められた紙にキンジの名前を見つけたぞ

 

『2年A組 遠山金次 専門科目(インケスタ)1.9単位不足』

ハハハハハハ!キンジのやつやばいじゃないか

 

「優君優君」

 

ん?

秋葉が指差した方を見た俺

 

「げ!」

 

『2年A組 椎名優希 専門科目(アサルト)1.6単位不足』

 

馬鹿な!俺ちゃんとクエストこなしたよ!なんで……ああ!

考えてみればハイジャックから始まり神戸の奏ちゃん達のクエストといい、木偶人形と出くわした時といい、京都の実家の事件といい、ブラドとの戦いといい、全部問題起こして単位剥奪されたり、そもそも単位くれなかったりしてたんだった!

それに最近、かなえさんの件でちょっと公安0と話したりしてたからクエストも……

 

「優君留年するんですか?」

 

何気に優等生の秋葉が言ってくる。

まずい……どうすりゃいいんだ……至上最大の大ピンチだ。

アリアとキンジが向こうから歩いてきてジャンヌに話しかけているが耳に入らない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ど、どうしよう……


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