緋弾のアリアー緋弾を守るもの   作:草薙

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第131弾 理子vs無限の人形使いドリス

タンタンと長い階段を降りながら次第に遠ざかっていく戦闘音を聞く。

レキ……ハイマキお前らなら大丈夫だよな……

戻る時間はない。

こうしている間にもアリアの身には危険が迫っているのだ。

「邪魔だ!」

 

階段に躍り出てきた木偶人形をデザートイーグルで破壊して蹴飛ばして進む。

 

「見えた!」

 

理子が次の入口地下2階のドアを発見する。

俺達は扉の両側につくと一気にドアを開け放ち部屋に飛び込んだ。

やはり、体育館クラスの広間が広がっている。

そこには、また一人の影があった。

 

「はっ、一階一階で敵とかゲームみてえだな」

 

戦闘狂の笑みで黒いローブの相手に言う。

 

「確かにねぇ」

 

ガシュとビーフジャーキーを噛み砕きながらその女性は言いながらローブを外した。

金髪に蒼い瞳。

 

「魔女連隊、極東遠征隊ドリス。一人か二人残りな。相手してやるよ」

 

思わず俺達は顔を見合わせた。

 

「キンジ、理子先に行け。ここは俺が」

 

デザートイーグルを相手に向けながら言うと理子がクフフと笑いながら

 

「はいはーい!理子が立候補しちゃいまーす」

 

「俺も残ろう。女の子一人を危険な場所に残して置くのは気が重いからね」

 

「ううん、キー君もユーユーも行って、時間はないんでしょ?」

 

 

「理子……」

 

心苦しいな……

レキもそうだが悪いなこんな命がけの場所に巻き込んで

 

「勘違いするな優、キンジ」

 

理子は男言葉で続ける。

 

「お前達には仮がある。それにオルメスとの決着はこんな形でつけたくない。だから、行け」

 

「戻ったらなんか奢ってやるよ」

 

「ええ?じゃあ、理子ユーユー女装してほしいなぁ」

 

なんでだよ!

 

「断る!」

 

「あ、ユーユー嘘つきだぁ。なんでも言うこと聞いてくれるんじゃないの?」

 

言ってないが……

 

「二人ともそろそろいいか?」

 

キンジの言葉にはっとすると理子と目を合わせて互いに頷くと俺とキンジは駆け出した。

ドリスの横を通るがドリスはニタリと笑いながらそれを見過ごした。

死ぬなよ理子

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Side 理子

 

「へー、あんたが残るとはねぇ」

 

ガシュとドリスがビーフジャーキを噛む

 

「そんなもの食べてるとおばさんくさいよ。お前」

 

ざわざわと髪が震え、ナイフを髪で2つ、ワルサーを両手に理子は構える。

 

「余計なお世話だ。イ・ウーから退学させられたんだろ理子?」

 

「どこかで会ったっけ?」

 

「カティ・グラッェがOBだからねぇ。話は聞いてんのさ」

 

「クフ、あんた達もしぶといねぇ。水無月希に組織を一度壊滅させられといてあっという間に立ち直るんだもん」

 

「あの女が潰したのはほんの一部だけだ。そう言えば、水無月希の弟は椎名の後継だったな。お前の男か?」

 

「さて?どうでしょうか?」

 

馬鹿にしたように理子はアドレナリンに狂ったような目でドリスを見る。

理子もまた、戦闘狂なのだ。

 

「その綺麗な顔。ズタズタにして椎名の後継の前に引きずり出してやろうかねぇ」

 

ニヤニヤしながらドリスは言った。

彼女の周囲の空間が歪んだ気がした。

木偶人形が部屋の隅から出てくる。

数は10体、阿修羅タイプはない。

 

「……」

 

理子は黙って襲いかかってきた木偶人形の迎撃を開始する。

接近前にワルサーでコアを破壊すると次々と木偶人形は崩れ落ちていく

 

「申し遅れたね。私は魔女連隊、無限の人形使ドリス」

 

「峰・理子・リュパン4世だ!」

 

互いに名乗り会い。

戦いが開始される。

(これは、時間かかるなぁ……ごめんねユーユー、キー君。援護には行けそうにないや)

 

次々と現れる木偶人形、さらに阿修羅タイプが1体出てくるのを見ながら理子は思った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アリア死亡まで1時間48分12秒


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