緋弾のアリアー緋弾を守るもの   作:草薙

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第12弾緊急事態

ふあ

欠伸をしながら俺は時計を確認する。

時刻は午前5時だ。

2段ベッドを降りながら向かいの2段ベットにアリアがいないのを見てトレーニング用の服に着替えてキンジの部屋を出る。

30分ほど、ランニングしてからアサルトの訓練場に行く。

 

うーん相変わらずひとがいないな。

 

俺は普段人に見せない訓練をしてだがこいつは空間認識力を高める訓練だ。

ワイヤ―の戦術はワイヤーの使い方を謝るわけにはいかない。

俺の場合、切り札はあるがこのワイヤーの戦術が基本なのは変わらないのだ。

よし、今日は別の手段を・・・

それがいけなかった。

俺はこの日、ワイヤーの操作をミスり両手にぶつけのだ。

おかげで痛みで両手がずきずき痛む。

 

家に帰りシャワーを浴びてからソファーで仮眠しているとキンジが起きてきた。

俺は両手に手袋をつけており

 

「ん?なんだそれは優」

 

「気分だよ。 気にすんな」

 

と俺がいうとキンジは納得したらしい。

ふぅヒステリアならばれてたな確実に・・・

 

寝ぼけまなこに今何時だと聞くと時間はまだまだ、余裕だった。

なら寝るかと仮眠したのだが・・・

 

なぜなんだ・・・

7時58分のこの時間バスは混む。

しかも、今日は雨だ。

さっき振りだしやがったんだよ。

予測はできたはずなにのに・・・

 

「やった! 乗れた! やった!やった! よう、キンジ、優おはよう」

 

く、くそう、武藤のやろう万歳してやがる。

 

「の、乗せてくれ武藤!時間が!」

 

俺とキンジが必死に言うが奴は残酷だった。

 

「そうしたいところだが無理だ! 満員! お前ら自転車で来いよ」

 

駄目だ! 俺たちの自転車は爆発しちまったんだよ!

 

「無理なもんは無理だ! 大人しく遅刻するんだな」

 

「くそ! 悪魔め!てめえなんか呪われろ!」

 

ちくしょう! 武藤!てめえ呪いが降りかかるぞ!くそったれえええ!

俺の悲鳴むなしく扉が閉まってしまった。

もうだめだ・・・おしまいだ

 

 

 

 

結局バスにはのれず、俺とキンジはとぼとぼと道を歩いていた。

 

「なぁ、キンジ最悪だなこれは・・・」

 

「いうな、分かってる」

 

学校に行ったら救護科に行こうと思ってたんだが

いっそのこと1時間目はふけてゲーセンでもいくかと思った瞬間、キンジの携帯がなった。

 

「もしもし」

 

キンジがレオポンの携帯をストラップを引っ張り出る。

 

「キンジ今どこ?  優はいる?」

 

ん?アリアか?

 

「アサルトのすぐそばだ。 優も隣にいるぞ」

 

ん? 時刻は完全に1時間目だぞ? なんかあったか?

キンジは携帯をスピーカーモードにしていった。

 

「丁度いいわ! すぐそこでC装備に武装して女子寮の屋上に来なさいすぐに!」

 

「なんだよアサルトの授業は5時間目だろ?」

 

「授業じゃないわ事件よ! あたしが来ると言ったらすぐ来なさい!」

 

おいおいまじかよ。

C装備ってのはヘルメットや防弾ベストなどのいわゆる強襲用の装備だ。

俺の奴はワイヤーも仕込むからわずかに形が違う。

優希専用C装備ってやつだな。

 

事件か・・・

アリアの言い方からしてろくな事件じゃねえぜキンジ

俺はにやりとしてキンジと屋上に出ると通信機を怒鳴りつけるアリアそして、階段の廂の下に知った顔を見つける。

 

「ようレキお前もアリアに呼ばれたのか?」

 

「・・・」

 

置物のように微動だにしない。

無視しないでレキさん!

レキの肩をとんとんと叩くとようやくレキはヘッドホンを外してこちらを見上げてきた。

 

「飯食った以来だな。 アリアに呼ばれたんだろ?」

 

「はい」

 

抑揚のないレキの声。

 

「いつも何の音楽聴いてんだ? 一回聞いてみたかったんだ」

 

「音楽ではありません」

 

「じゃあなんなんだ?」

 

キンジも興味があるのか聞いてくる。

 

「風の音です」

 

分からねえ

レキがドラグノフ狙撃銃を肩にかけ直した。

 

「時間切れね」

 

通信を終えたアリアが俺たちの方を見る。

 

「もう1人ぐらいSランクが欲しかったとこだけど他の事件で出払ってるみたい」

 

アリアの中では俺ら全員Sランクなんだな・・・って

なんだ?両手がずきずき痛むぞ

 

アリア達に見えないように手袋をそっとめくると赤くはれ上がっている。

ヤバいな、ひびでも入ってなきゃいいんだが・・・

グーパーしてみたがなんとか動くが長時間戦えるか?

 

「・・・」

 

うわ!

思わず心の中で悲鳴をあげてしまった。

レキが俺の手をじっと見つめていたのだ。

黙ってろよと指信号でレキに伝えるとレキはこくりと頷いた。

まあ、こいつならあえて言わないだろう。

手袋をつけ直して振り返る。

さて、何の事件なんだろうな・・・

やっぱり軽いのがいいけどアリアがSランク扱いする4人のチームの事件なんだから楽じゃないだろうな・・・はぁ

 


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