もう、強制連行に近い形で先ほどの墓の前に来る。
アリアにはガバメントを押し付けられてるから犯罪者の気分が少し分かるな……
「もう、逃げないから離せお前ら!」
目的地に着いたため、理子達が俺を解放する。
人形は跡形もなく燃え落ちていた。
多分、証拠隠滅の機能があるんだろうな……
「……」
墓の前に置いていたガバメントをホルスターに戻す。
「このお墓が優の師匠の?」
誰かに聞いたんだろうな……咲夜あたりか……
「そうだよ」
アリアの問いに答えてやる。
「水無月 希、世界最強と呼ばれた武偵だね」
「俺も名前くらいなら聞いたことはある」
「レキは?」
アリアの問いにレキはこくりと頷いた。
知ってるってことだろう
「中東のテロリストの根拠地を一人で壊滅させたり、誘拐されたどっかの国のお姫様を助けた返し刃にその誘拐グループを壊滅させたりとかいろいろ噂はあるよ」
「一人で壊滅って……いくらなんでもないんじゃないの?」
「ああ……いや、事実だ」
思い出しながら俺は苦笑した。
アリア達が目を丸くする。
まあ、例をあげるとさる有名なテロリスト集団を壊滅的な打撃を与えた理由が
「私の昼寝を邪魔したから」
などとは知られたくない……
いろいろと規格外の化け物だったからな……あの人は
昼寝を邪魔されたというのも寝不足でホテルに入ってようやく寝れると布団に飛び込んだ瞬間ホテルの隣が大爆発
切れた師匠は実行犯を見つけて血祭りに上げた後、上へ上へとテロリストの上司を見つけていき、最後は
「ちょっと、アフリカに言ってくる」
と俺を置き去りにして、アフリカに乗り込んで行ってしまい。
数日後、アフリカにあるとある有名なテロリスト集団がのきなみ逮捕されたと報道があった。
名前はなかったがあれは師匠がやったことだ。
もちろん、聞いてみたんだが熟睡して機嫌がよかった師匠は
「○○ぅ?ああ、楽しく血祭りにあげてやったな」
テロリスト集団を楽しく血祭りにあげるなと言ったのは別の話したが……
「「「「……」」」」
みんな絶句してるぞ……
いやまあ、分かるんだけどね……めちゃめちゃな人だったのは俺も知ってるから……
「そ、それが本当だとしても」
まだ、信じられないのかアリアが続ける
「なんで水無月希はここで亡くなったの?あんたの言うのが本当なら……」
ああ……
多分、俺は今悲しそうな顔をしてるんだろう……
「水無月希は俺が殺したんだ」
「「「「!?」」」」
ああ……ついに言っちまったな……
みんな固まってるしレキは無表情だが、こちらを見ている。
こんな時でも動揺とかしないんだな……
「まあ、これだけ言ってもわからねえだろう?」
俺は壁に背をつけながら
「もう、話してやるよ。あの日の出来事を……」
俺は静かにあの日のことを思い出しながら口を開いた。