緋弾のアリアー緋弾を守るもの   作:草薙

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第111弾レキの膝枕

旅行ということで理子はいろいろと遊ぶものを持ってきてはいたが騒いでいたのは最初の1時間だけ、みんな、眠気が勝ったらしく気づいたら眠っていた。

俺もみんなが寝息をたててるのを聞きながら携帯をいじっているとこてんと理子が俺の肩に頭をのせてきた。

 

「こら理子! 寄りかかってくるな!」

 

「んん・・・やーだ」

 

起きてるのか?

そう思った寝息が聞こえてくるので本当に寝ているようだ。

守れてよかった・・・

ブラドに勝つことができて・・・

自然と笑が溢れてきて携帯を閉じて窓の外を見ようと右を向く。

 

「・・・」

 

レキも目を閉じている。

いつもの格好ではなく、少し首を前に倒した眠り方だ。

 

「寝てるのかレキ?」

 

「いいえ」

 

レキが目を開いた。

高速道路の橙色の光の照らされながら見るレキはなんというか神秘的に見えるな。

 

「お前はなんで来たんだ?  いや、誤解するなよ? 嫌いだとかそういう理由じゃないからな」

 

「風に命じられました。 優さんとともに行けと」

 

また風か・・・

 

「風ねえ・・・」

 

秋葉は黙って運転している。

風と言えば秋葉なんだが、レキの言う風はどうも、ステルスとは違うらしい・・・

 

「っ・・・」

 

頭に殴られたような頭痛がした。

これは・・・また、過去の記憶か?

どこまでも、広がるその大地の先にその少女はいる。

風に髪をなびかせ・・・

 

「優さん?」

 

はっとして我に帰るとレキが無表情にこちらを見ていた。

同時に見えていた光景が霧散する。

ま、まさかな・・・理子に続いてレキとまで、俺、過去に会ってないよな?

そんなわけないと思いながら首を横に振る。

 

「なんでもねえよレキ。 そういって、俺は目を閉じた」

 

あれ・・・そういえば、レキって俺と初めてあった時から優さんだったよう・・・な

だが、その疑問をレキにぶつける前に俺に意識は闇に包まれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ん・・・寝ちまったか・・・

目を開けると奇妙な光景だった。

世界が横になってるぞ・・・

寝ぼけながら目をこする。

なんか、この枕あったかいな・・・

って!

慌てて、起き上がると理子が寄りかかっていたらしく理子はそのまま、窓に頭をゴンとぶつけたがそれどころじゃねえ!

どうやら、俺はレキの膝枕で寝ていたらしい。

レキを見るがレキは寝ているらしい

よ、よかった・・・

一番騒ぎそうなアリアはキンジの肩に頭をのせて寝てやがる。

今はいいなとか言わんぞキンジ・・・

時計を見るとすでに6時間経過していた。

ずっと、レキの膝枕で寝ていたのか俺は・・・

 

「起きましたか優君?」

 

「ぐるおん」

 

秋葉とハイマキが前から言ってくる。

ハイマキは多分、やっと起きたかまぬけといっているように聞こえるぞ

 

「あ、ああ・・・なあ、秋葉俺・・・」

 

「優君がレキさんの膝で寝ていた時間は5時間58分です」

 

ほとんど!最初からじゃねえか

 

「ちなみに、レキさんはさっきまで起きていました」

 

ぎゃあああああ!やべえ!後で、なんてレキにいえばいいんだ!

 

「お、起こせよ秋葉!」

 

「私は運転中です。 1度ハイマキさんが優君に飛びかかろうとしましたがレキさんに止められました」

 

「ぐるおおん」

 

運のいいやつ目かな?

ま、まあ不幸中の幸いはアリア達が寝ていたことか・・・

 

「今どこなんだ秋葉?」

 

「滋賀県です。 ごへいもち食べて行きますか?」

 

秋葉は滋賀県のサービスエリアーで売られている名物を言う。

 

「いや、遅くなってもしょうがねえからな・・・このまま行こう」

 

「はい」

 

それ以後、会話がなくなってしまう。

寝てしまうのは簡単だったがこいつとはもう少しだけ話しておこうかと考えてやめた。

後にして思えば・・・ここで、話しておればと悔やむ時間だったんだろうな・・・

何も生み出さないただの、惰眠のために俺は目を閉じた。

そして、俺たちはついに踏み入れる。

京都に入り、高速を降りる。

そう、俺の実家は京都にあるのだ。

ああ、ついに戻ってきちまったんだな・・・

京都の街を外れて向かう先にため息を付きながら俺は周りを見渡した。

みんな寝てるが俺の大切な仲間たち・・・出来たら、一緒に友だちとして卒業したいな・・・

そんな願いを思いながらため息を付くのだった。

 


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