緋弾のアリアー緋弾を守るもの   作:草薙

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第09弾 キンジ陥落

「あんたならあたしの奴隷にできるかのしれないの! アサルトに戻ってあたしから逃げた実力をもう一度見せてみなさい」

 

「あれは・・・あの時は偶然うまく言っただけだ。 俺はEランクの大したことない男なんだよ」

 

「嘘よ、あんたは入学試験の成績Sランクだった」

 

おいおい、部屋に戻るなりなんだこれは?

リビングの方からキンジとアリアの怒鳴り合いが聞こえるぞ。

キンジの入学試験時か・・・俺もあいつと戦ったが正直、少し本気を出したんだが負けたんだよな。 ワイヤーの戦闘もその時、キンジにばれた。

全ての切り札を出したんじゃいんだが切り札1だけじゃヒステリアのキンジには勝てん。

その時、受験生を始め、まぎれていた教官も全て俺とキンジが倒したため、入試当時俺とキンジはSランクだった。

ワイヤーを封印したから俺は1年の時Aに下がったけどな。

アサルトのSランクって言うのは特殊部隊一個中隊に匹敵する戦闘力と言う意味だから仕方ないのだが・・・

 

「つまり、あれは偶然じゃなかったってことよ! あたしの直感に狂いはないわ!」

 

「と、とにかく・・・あ、優」

 

キンジが俺に気付いたらしい。

 

「遅い! どこ行ってたのよ優」

 

「ああ、いやレキと晩飯食ってた」

 

「よくレキが承諾したな」

 

キンジは話題を変えるチャンスだと思ったのか話に乗ってくる。

 

「まあ、しょうだ・・・」

 

「キンジ! あたしの話は終わってないわよ!」

 

駄目だ、狙われたら逃げることは難しいぞキンジ

 

「と、とにかく今は無理だ! 出てけ!」

 

ああ、キンジ自爆だぞその言葉

 

「今は? ってことは条件でもあるの? 行ってみさいよ協力してあげるから」

 

うーん、その協力ってアリア分かってないから言えるんだよな。

ヒステリアモードを発現させるならキンジを性的に興奮させる必要があるからな。

例えばキスするとか胸を触らせるとか下着を見せるとかまあ、この子が進んでできるとは思えんことばかりだぞ。

ほら、キンジも想像したから顔赤くなってやがる。

 

「教えなさい! その方法! ドレイに上げる賄い代わりに手伝ってあげるわ」

 

ずずいとアリアがキンジに迫る。

やばいな、ヒステリアになったら・・・

いや、むしろあのモードの方が陥落させやすいかもしれんがな。

あの状態では女の子の頼み事はほとんど断らないからな。

ま、潮時だぜキンジお前が選びなヒステリアになって承諾するか素のまま承諾するかだな

 

「キンジ、お前の負けだ」

 

俺が言うとキンジは裏切り者と言う目で見たが状況判断で妥協したらしい。

 

「1回だけだぞ」

 

「1回だけ?」

 

ちっ、無条件降伏しやがらねえか。

これを気にアサルトに戻ってきてくれるんじゃないかと思ったんだがな

 

「戻ってやるよアサルトに ただし組んでやるのは1回だけだ。 戻ってから最初に起きた事件をお前と一緒に解決してやる。 それが条件だ」

 

「・・・」

 

「だから、転科じゃない自由履修としてアサルトの授業を取る。 それでもいいんだろ?」

 

キンジ、お前の考えは分かる。

組んでもいいかなと思いながらも切り札を隠す俺と違い。

お前は組みたくないからヒステリアモードではない通常モードでアリアを失望させる気だな?

通常モードなら俺より弱いからなお前。

 

「いいわ。 この部屋から出て行ってあげる」

 

アリアもついに妥協したか

 

「あたしも時間がないしその一件であなたの実力を見極めることにする。 もちろん、優あなたももう1度だけ見極めさせてもらうわ。 優も入学試験はSだったんだから」

 

仕方ねえな・・・なんかこの子に絶望されるのは激しく嫌なんだ。

護衛の件もあるがやってやるかな。

 

「どんな事件でも1件だぞ」

 

「OKよ。 その代りどんな大きな事件でも1件よ」

 

「分かった」

 

「ただし、手抜きしたら風穴あけるわよ。 優も!」

 

「ああ、約束する全力でやってやるよ」

 

「はいはい」

 

キンジと俺が言うのだった。

でも、久しぶりにキンジと組めるんだな。

俺は事件の神様がいるならどうか大きな事件が来ますようにと願うのだった。

だって、どうせなら暴れ回りたいだろ?

 


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