クロスアンジュ 蒼き自由と紅き騎士   作:ライダーGX

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第7話 筆頭侍女

キラとアスランがノーマが居る軍事施設、アルゼナルに来てから約3日。

アンジュ達はシンギュラーと呼ばれるゲートからドラゴンが出現すると言う情報を得て、第一中隊は撃退する為出撃した。

 

その様子をキラとアスランは見届けていた。

 

「ドラゴン退治か…」

 

「ここに居る者達は、ドラゴンを倒してまで金を稼ごうとする…しかしそんな事で一体何の価値があると言うんだ」

 

アスランはアンジュ達の行動に考える様子をキラが見ていた。

 

「価値はあるよ」

 

っとメイが後ろから話しかけて来て、それにキラとアスランは振り向く。

 

「ドラゴンを倒して、その成果でここでの暮らしができるんだよ。それにあたし達もここでパラメイルの整備をして行けばいいし」

 

「それだけで…」

 

「うん」

 

メイの言葉にキラとアスランは少しばかり考え、メイはすぐに整備へと戻って行く。

 

そしてドラゴン狩りに出ている間に外部から補給物資が送られてきていた。

 

「食料良し、薬品類良し…」

 

エマが物資を確認している中、ジャスミンも同じようにコンテナを確認していた。

 

「下着用コンテナはウチの、下に回しておくれ」

 

そう言ってジャスミンは行ってる中である者がそこを通る。

 

そしてドラゴンを退治して、アンジュ達がアルゼナルへ戻って来る。

ヴィルキス達はハンガーへ固定され、メイによる掛け声で作業が開始される。

 

「さっさと作業始めるよ~!終わらせないと晩御飯抜きだよ!」

 

「「「イエス・マム!!」」」

 

それに作業員たちはすぐさま行動を開始する。

しかしその時、ある一人の少女が紛れ込んでいた事にメイ達はまだ気づいていない。

 

 

───────────────────────────────────────

 

 

アンジュ達がドラゴン狩りを終えて、更衣室に向かっている中でヒルダ達といるロザリーは嫌気がにじみ出ていた。

 

「クソ!またアイツだけ荒稼ぎしやがって!」

 

「あの男どものせいだよ…、生きて帰らせてくるから」

 

「どっちがゴキブリなんだか…」

 

アンジュの荒稼ぎに不満を持っている三人、ロザリーは胸からネジを取り出しアンジュの頭部目がけて投げ突けようとする。

 

「アイツの頭にネジ穴開けてやる!」

 

「だ!駄目だよ…司令に怒られる」

 

叱りを怖がるクリスの言葉にロザリーはちょっとやばいと表情をするが、それをヒルダが言う。

 

「バレなきゃいいじゃない」

 

「…それもそうだね」

 

ヒルダがそう言った事にクリスも悪乗りする。

 

「そういうこと、これでも喰らいな害虫女!」

 

ロザリーが投げようとした時、ロザリーの腕を誰かが掴む。

それをロザリーは振り向くと、アスランがネジを投げるのを止めていて、それにロザリーは驚く。

 

「うわあああ!!お前!?」

 

「感心しないぞ、そんな事をするなんてな」

 

「お!お前には関係ないだろう!!?」

 

アスランが掴んでいる腕を強引に離したロザリーがネジを投げようとした瞬間、基地中に警報が鳴り響いてロザリーは慌てる。

 

「ひえっ!?違います違います!私何もしてませんよ!?…ん?」

 

『総員に告ぐ!アルゼナル内に侵入者有!対象は上部甲板を逃走中!直ちに付近の者は侵入者確保に協力せよ!』

 

「侵入者!?」

 

それに驚くエルシャ、アスランもその警報を聞いて振り向き、キラがその場にやって来る。

 

「アスラン!」

 

「キラ! どう言う事だ!?」

 

「分からない。でも行ってみよう!」

 

キラの言葉にアスランも頷き、その場から走り出して行く。

 

「あっ!ちょっと私も!」

 

アンジュもキラとアスランの後を追いかけて行き、サリア達もその後を追いかけて行った。

 

そして上部甲板で一人の少女が警備員から逃げていた。

 

「いたぞ!!」

 

「この!!」

 

一人の警備員が警棒を振り下ろすも、その少女は『マナ』を使って弾く。

上部甲板に到着したキラ達、特にアンジュがその光を見て驚く。

 

「マナの光!?」

 

追い込まれた少女はその場にしゃがみ込んで叫ぶ。

 

「やめて下さい!!わたくしは!…わたくしはただ! アンジュリーゼ様にお会いしに来ただけなのです!!」

 

その少女の顔が明かりで照らされた事に、アンジュはそれを見て思わず…。

 

「モモカ!!?」

 

「え?」

 

その少女――モモカはアンジュの方を見てしばらく唖然とする。

 

「もしかして…アンジュリーゼ様?」

 

すっかり変わり果てたアンジュの姿にモモカは目に涙を溢れさせ、そのままアンジュの元に駆け寄る。

 

「アンジュリーゼ様ー!!!」

 

モモカはアンジュに抱き付いて泣きつき、それに戸惑いを隠せないアンジュ。

 

「ちょ、ちょっと…」

 

「アンジュ、知り合いなの?」

 

「……ええ、後で話すわ」

 

アンジュはその事を言っただけで、あとは何も喋らず。それにキラとアスラン互いの顔を見合うのだった。

 

 

───────────────────────────────────────

 

 

モモカがやって来たことに司令部では…。

 

「モモカ・荻野目、元皇女アンジュリーゼの筆頭侍女です、はい…元皇女に世話を…えっ!? …はい…では」

 

エマは受話器で上司と話し合ってる中でとんでもない命令に渋々了解して受話器を置く。

隣で聞いていたジルは煙草を吸いながら問う。

 

「委員会はなんと? ふぅ~…予想通り…ですか?」

 

「…あの娘を国に戻せば、ドラゴンの存在にそれと戦うノーマ。最高機密が世界に漏れる可能性があると…何とかならないのですか? 彼女は“ただ”ここに来ただけなのに」

 

「ただ来ただけ…ね、っまノーマである私には人の作ったルールを変えられる力などありませんから、せめて一緒にいさせてあげようじゃないですか、今だけは…」

 

ジルはそう言って煙草を灰皿に消し、エマはそれにため息を付きながら背もたれにもたれるのだった。

 

そしてキラとアスランはアンジュの元にやって来たモモカの事をに付いて話し合っていた。

 

「モモカ・荻野目…、アンジュから聞いた話では彼女はアンジュの元筆頭侍女だって」

 

「筆頭侍女? どうしてその侍女が此処に?」

 

「分からない。でも理由は一つ、アンジュに会いたくて此処に来たみたいだよ」

 

「それだけか?俺にはどうも他にあるみたいだが…」

 

アスランはその事に少しばかり考え、キラもその事に考えるのであった。

 


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