クロスアンジュ 蒼き自由と紅き騎士   作:ライダーGX

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第37話 動き出すクルーゼ

ミスルギ皇国で捕らえられ身となったアンジュとサラ、二人はオルガ達に連行されてながらある部屋へと着く。

オルガ達が中に入り、中にはエンブリヲが居た。

 

「おいおっさん、連れて来たぞ」

 

その言葉にエンブリヲは振り向き。それにアンジュとサラは睨みつけながらエンブリヲを見る。

 

「ご苦労、下がっていいぞ」

 

そう言ってオルガ達はその場から立ち去る。

残されたアンジュとサラはエンブリヲを睨みつけ、その様子をエンブリヲは鼻で笑う。

 

「フッ、そんな目で私が怯むとでも思っているのか?」

 

「思わないわよ!!」

 

「あなたをここで倒して、アウラを取り戻したい…何がなんでも!」

 

アンジュとサラの度胸を聞いたエンブリヲは思わず笑いが出て、それにアンジュとサラは更にエンブリヲを睨みつける。

 

「何が可笑しいのよ!?」

 

「いやいや、この私を倒そうなどと言う言葉に思わず笑いが出てしまったよ。君達では私を倒す事などで出来んよ」

 

「やって見ないと分からないわ!そんなの!!」

 

「いや、分かるさ。君達には分からないだろうがこの身体は特別な身体でね。エンブリヲが面白い物を入れてくれたのだよ…」

 

その言葉にアンジュとサラは何か引っかかりを感じつつその事を聞いて見る。

 

「何なのよそれ…」

 

「それは教える事は出来ないな、これはキラ君をこの手で完全に消し去る時にな」

 

「キラを? どうしてそこまでキラを殺そうとするの? 貴方はなんのために?」

 

アンジュはそれをエンブリヲに聞くも、エンブリヲはそれをスルーするかのように流す。

それにアンジュはイラっと来る。

 

「ちょっと!!答えなさいよ!!」

 

「すまないがこれも答える事は出来ない。キラ君が来るまでは答える気はないのでね、さあ…付いて来たまえ、良い物を見せよう…」

 

っとそう言ってエンブリヲは歩き出して、それにアンジュとサラは目で見合いながら頷き、今はエンブリヲの指示に従うしかなかった。

 

 

 

───────────────────────────────────────────

 

 

 

アークエンジェルでレイがレジェンドガンダムに乗り込み、嘗てステラと自分が隠れていた隠れ家に向かう為、すぐにブリッジにいるマリュー達に通信を入れる。

 

「では行ってまいります艦長」

 

『ええ、気をつけてね』

 

「はい、レイ・ザ・バレル レジェンド発進する!」

 

レイが乗るレジェンドガンダムがリニアカタパルトから発進して、隠れ家に向かった。

その様子をマリュー達はブリッジで見送り、マリューとムウは一度顔を見合って再び飛び去っていくレジェンドガンダムを見るのであった。

 

そして医務室の方ではキラがすぐに起き上がり、軍服を着て、ブーツを履く。

まだ頭の包帯は残っているが、そんなことをキラは気にもしていない。

 

そこにアスラン達がやって来て、キラが軍服を着込んでいるのを見て、思わず驚く。

 

「おいキラ。お前もう少し休んでいろ」

 

「まだ完治していないのに、そんな無茶して…」

 

「アスラン、シン。どうしても無茶しなきゃいけないんだ、僕はなんとしてもサラやアンジュを助けたいから」

 

その言葉にアスランは少し言葉を詰まらせそうになる。

 

「キラ…、気持ちはわからなくもないが、お前はクルーゼにやられて、おまけにフリーダムは…」

 

「それはレイがあるものを持ってくるって言ってたよね? それを信じてみようと思うんだ。ダメかな…」

 

その事にアスラン達は言葉を詰まらせ、ルナマリアとメイリンは顔を見合いながら少し心配そうになる。

丁度そこにヴィヴィアンとナオミがやって来る。

 

「ねえ皆、格納庫でマードックおじちゃんが呼んでるよ」

 

「え?マードックさんが?」

 

「うん、見せたいものがあるって」

 

ヴィヴィアンの言葉にキラ達は頭を傾げ、キラ達はすぐに格納庫へと向かった。

 

 

そして格納庫に着き、マードックがキラ達が来た事に振り向く。

 

「おう坊主、わざわざ来てくれてすまないな、大丈夫か?」

 

「はい、それと貴方が僕達を呼んだ理由は?」

 

「おう、これなんだが…」

 

マードックが見上げる先をキラ達が見ると、そこには完全に大破したストライクフリーダムだった。

その様子にキラは少しばかり重苦しい目で見て、マードックがその状態の事を話し始める。

 

「この機体の状態を見た結果、動力炉の方は問題が少々問題が浮き出て来てな、出力が上がらず全く動かず状態になっている。おまけに各部の部品の損傷が酷く、修理するのも不可能だ。完全に直すのは無理だ

あのレイの坊主が機体を持って来る他ないだろうな」

 

「そうですか…」

 

キラはその事を聞いて黙り込んでしまう。

 

前に聞かれた事に分かってはいたが、修復は不可能と言われてた事に更に落ち込んでしまう。

 

「キラ、今は無理をしてもしょうがない、今は──」

 

「アスラン、さっきも言ったけど僕はジッとしておくなんて出来ないよ」

 

っと先に言われてアスランはそれに黙り込んでしまう。

キラの意思は相当強いらしく、ため息を付く。

 

「はぁ…、分かった、好きにしろキラ」

 

「アスラン!」

 

「ルナマリア、キラがここまで言い出したら聞かない。諦めよう」

 

その言葉を聞いて、ルナマリアはその事に黙り込むしかなかった。

 

「じゃあレイがキラさんの機体を持って来るのを待っているんですか?」

 

「いやシン、レイが戻るの待ってられないよ。今からアンジュ達の救出任務をマリューさん達に頼んでみる」

 

「ああ分かった。こっちはある程度の準備はしておく、あまり無理するなよ」

 

「うん、勿論だよ」

 

そう言ってキラはその場からブリッジに向かい、アスランは銃器保管室へと向かった。

 

その様子をシン達とヴィヴィアン達は見合うのだった。

 

 

 

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そしてその頃、アンジュとサラはエンブリヲに連れられて暁ノ御柱に連れられていた。

 

エンブリヲと共にエレベーターで最下層に降りて、アンジュとサラの目にある光景は映る。

 

「アウラ…!」

 

「アウラ!!」

 

アンジュとサラの目の前にアウラがドラグニウム発生器らしき物を付けられて幽閉されていた。

その様子を見たエンブリヲは笑みを浮かばせながら言う。

 

「どうだねアンジュ、龍の姫よ。あれがドラグニウムだ。この世界の源であるマナは此処から発せられている、エンブリヲはこれでこの世界を全て色々な事を楽しんでたんだよ」

 

「なんてことを!!我が神聖なるアウラをこのような事に!!!」

 

「貴方…!アウラを発電機扱いにしてるのね!?」

 

サラはかつてない怒りが込みあがり、アンジュはエンブリヲ睨みながらアウラを発電機扱いしている事に怒鳴る。

だがエンブリヲはその事に全く動じない。

 

「ふふふ…、恨むのならばこの身体エンブリヲを恨むがいい。私はこの世界のエネルギーなど全く興味はない。だが少々手を加えるのもちょっと面白くてね」

 

その事にアンジュとサラは歯を噛みしめ、エレベーターは止まってエンブリヲは歩き出す。

 

「リィザの情報のお蔭でドラゴン達の待ち伏せは成功し、大量のドラグニウムが手に入った」

 

「リィザ? リザーディアの事ですか!? 彼女は今どこにいるんですか!?」

 

「彼女かい?彼女なら今は別の場所で拘束されているよ。さあ…もうじきだ、キラ君を殺す為の大舞台を作る為の大舞台を」

 

っとその時、アンジュが自力で手錠を解除して、エンブリヲの腰に隠している銃を見つけ、アンジュはエンブリヲの銃を奪い、頭に銃を突きつける。

 

カチャ!

 

「アウラを解放しなさい、今すぐ!」

 

「アンジュ!」

 

銃を構えているアンジュに対しても余裕をかましているエンブリヲ。

 

「おやおや、そんな物で私を殺せるとでも思っているのかい?」

 

「やって見ないと分からないでしょ? 貴方は何時までもその余裕が続くと思っているのかしら?」

 

アンジュの言葉を聞いてそれに鼻で笑うエンブリヲ。

 

「フッ、やって見るがいい。直截な」

 

「ええ、お言葉に甘えて」

 

バッーーーン!!!!

 

アンジュが持つ銃がエンブリヲの頭部を撃ち抜き、エンブリヲは血を流しながらそのまま倒れる。

 

そしてアンジュは銃を下ろすが、それをサラが言う。

 

「アンジュ!まだ下ろしてはいけません!!」

 

「えっ?」

 

「その姫の言う通りだ」

 

っとその事に驚いて振り向くアンジュ、そこに撃たれた筈のエンブリヲが居て、アンジュは倒れた方を見るとエンブリヲの死体が無く、それにアンジュはエンブリヲを睨みつけて再びエンブリヲの頭を狙い、エンブリヲの頭を撃つ。

それに抵抗せずにエンブリヲは頭部を撃たれて倒れる。しかしまた別の場所からエンブリヲが現れる。

 

「どうだいアンジュ、これで分かっただろう」

 

「あ…貴方、一体…?!」

 

「この身体ね、この世界では死なないようにされているのだよ。エンブリヲがある事で不老不死の能力を得て、それを私が今使っているのだよ」

 

「な!何なのよそれ…!?」

 

その事実を知ったアンジュは驚きを隠せず、サラはエンブリヲを睨みつける。

 

「エンブリヲ!アウラを今後どうするおつもりですか!」

 

「どうするって? どうもしないさ、あると言うならばもっと面白い事を使うまで…」

 

「アウラを開放しなさい!!エンブリヲ!!」

 

「違うな」

 

っとその事にアンジュとサラは目を開き、エンブリヲは顔の右半分が焼け跡の様なアザが現れて、エンブリヲは自分の名を言い出す。

 

「我が名はラウ・ル・クルーゼ! 世界を破壊し、全てを破壊する者。よく覚えて置きたまえ…!」

 

自らの名を名乗りあげるエンブリヲ事クルーゼ、その名を聞いたアンジュとサラは少しばかり恐怖を覚える。

 

そしてその様子を見て聞いていたサリアが唖然とするのであった。

 

「エンブリヲ様…」

 

 

遂に自らの名を語り出したクルーゼ、アンジュとサラの危機が迫りゆく。キラ達はどうやって二人を助け出すのだろうか。

 


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