クロスアンジュ 蒼き自由と紅き騎士   作:ライダーGX

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第30話 襲撃 因縁再び 後編

アンジュを連れて行こうとするサリア達をキラとアスラン、そしてシンの三人が迎え撃っていた。

 

キラはサリアに向かって容赦ない攻撃を仕掛け、それにサリアは攻撃をする暇もなく逃げ続けていた。

ストライクフリーダムのカリドゥス複相ビーム砲とクスィフィアス3レール砲を使って攻撃し続け、サリアは攻撃出来ない事にイラつきを覚える。

 

「少しはこっちも攻撃させなさいよ!」

 

「ゴメンね、戦闘は手加減出来ないから、それにこれは命を懸けた戦い、文句はなしだよ」

 

そう言いながらキラは攻撃をし続け、サリアはビームシールドを展開しながら歯を噛みしめる。

 

 

アスランはエルシャと戦い、ビームサーベルをアンビデクストラス・ハルバードにして斬り込んで行く。

それをエルシャはかわしてビームライフルを構えて撃つ。

 

無論アスランはビームをサーベルで切り落として行く。

 

「やるわねアスラン君。敵ながらお見事ね」

 

「褒められても何も出ないぞ、出るとしたらそれは撃ち落とされる事だ」

 

アスランは容赦なくビームライフルを構えて撃ち、エルシャはそれに驚きながらもかわして撃ち返して行く。

 

 

そしてシンはクリスと対決していて、クリスがラツィーエルで攻撃を仕掛ける。

シンはそれをアンチビームシールドで防御し、それに対してクリスが脅し掛けて来た。

 

「何よアンタ、それだけしか出来ないの?よっわ」

 

「へぇ~?言ってくれるじゃん。大した腕もないくせに」

 

「何を!!」

 

その事に怒りを覚えるクリスの隙を付くシンはアンチビームシールドで一気に押し返し、クリスは思わず飛ばされてしまう。

 

シンはデスティニーの背中に搭載している対艦刀『MMI-714 アロンダイト ビームソード』を構えて、ビームを展開させる。

 

「見せてやるよ!お前と俺の格の違いって奴さ!」

 

そう言ってシンは背部のウイングユニットを展開し、光の翼を使って高速移動を仕掛けて行く。

クリスはそれに驚いて舌打ちをかましながらビームライフルを構えて撃つ。

 

シンはそれを軽々とかわして行き、アロンダイトを一気に振り下ろして行く。

 

その際にクリスのビームライフルを切り裂かれてしまい、それにクリスは舌打ちをしながら後ろに下がる。

 

「くっ!!」

 

「ほら見ろよ!やっぱ大した腕持ってないじゃないか!」

 

「言わせておけば!」

 

クリスが声を上げた瞬間だった。

 

「おいおい!俺達の事忘れてねぇか!」

 

「「「っ!!」」」

 

後方に回り込んでいたオルガの言葉に振り向くキラ達、オルガがエネルギー砲を撃って来て、それをかわすキラ達。

その時にクロトのレイダーがMA形態となって突っ込んで行き、そのままシンの方に向かって行く。

 

「くっ!!」

 

シンはそれをギリギリでかわし、クロトは笑みを浮かばせる。

 

「へぇ~やるじゃん、この僕の攻撃をかわすなんてさ」

 

「(こいつ等はまさか!あの研究所の資料にあった!)」

 

そう思いながらシンはアロンダイトを構えてレイダーに向かって行き、アロンダイトを振り下ろし、クロトはビーム砲を盾にして防御する。

 

「シン!!『お前の相手は俺だよ』っ!」

 

アスランが前を向くと、海からフォビドゥンが出て来て、鎌を使って攻撃してくる。

 

それをアスランはビームシールドで防御し、それを近距離でハイパーフォルティス ビーム砲を放とうとする。

しかしシャニはそれを足で蹴り飛ばし、ゲシュマイディッヒ・パンツァーでビームの軌道をづらしてかわす。

 

「この!!」

 

すぐさまシャニはアスランに向かって攻撃を仕掛けて行く。

 

最後にキラはオルガとサリアの二人組と対決していて、オルガが武装全てを使って攻撃をしていたのをサリアが怒鳴る。

 

「ちょっとあなた!!こっちも攻撃しているのよ! こっちの事を考えなさい!!」

 

「うるせぇー!! お前邪魔なんだよ!!小さい奴はどっか行ってろ!!」

 

「何ですって!!」

 

戦闘中にも関わらずサリアとオルガが言い合いを初めてしまい、その様子をキラは見逃さなかった。

 

「今だ!!」

 

キラはすぐにドラグーンを展開して、オルガとサリアに向かって攻撃をする。

それをオルガとサリアは振り向いて、ドラグーンがビームを放ったのを見て、二人は回避して、サリアはドラグーンを見て驚きを隠せない。

 

「何これ!?キラの機体にこんな物が?!」

 

サリアだけではなく、エルシャとクリスもそうだった。

 

「キラ君の機体にあんなものが!?」

 

「嘘!?」

 

しかしその中で一番驚いていたのは戦闘中のシンと、様子をモニターで見ていたアークエンジェルクルー全員だった。

 

「ええっ!?」

 

「大気圏内でドラグーンを!?」

 

「あれは無重力空間のみしか出来ない筈…」

 

「あれは私が改造したのです」

 

っとサラの言葉にマリュー達は振り向き、サラはマリュー達の方を見ながら言う。

 

「キラとアスランの機体を少しばかり改造させて貰ったのです」

 

「少しばかりって…、これはもう少しばかりとは完全にかけ離れてる様な…」

 

マリューはサラの言っている事に唖然とするばかりではなく、呆れるばかりとなってしまう。

無論カガリもそれには手を頭においてため息を付いてしまう。

 

「おいおいすげぇなぁ…」

 

そうムウが言っていると。

 

 

キュイイイイイイイイン!!!

 

 

 

「っ!!?」

 

「ムウ? どうしたの?」

 

突如何かを感じたムウにマリューが問いかける。ムウはマリューの問いにも答えずに何かを感じていた。

 

「この感じ…まさか!」

 

そう言ってムウはブリッジから出て行き、それにアンジュ達は思わず目を追いかける。

 

「えっ? 何?」

 

「およよ? 一体何の騒ぎ?」

 

「あの方、何やら急いでいた様な気が…」

 

その事をアンジュ達は後分かる事となる。

 

 

───────────────────────────────────────

 

 

キラ達が何とか六機を相手に戦えているものの、小さいパラメイルはMSより一回り小さく少々狙いにくかった。

 

一度キラとアスランとシンは後方に下がり、オルガ達も後方に下がって行く。

キラはアスランとシンにある提案をする。

 

「アスラン、シン、こうなれば一か八かだけど、一気に終わらせるよ」

 

「速攻でやるのか? あまりにも強引だがやるしかないな」

 

「分かりました。では!」

 

シンがアロンダイトを構えた瞬間、シンギュラーから一発のビームが飛んで来て、アロンダイトに直撃して爆散する。

 

「っ!!」

 

それに驚くシンはアンチビームシールドを構えて爆風を凌ぎ、キラとアスランはそれに振り向く。

 

「今のは?!」

 

「まさか!」

 

キラとアスラン、そしてシンはシンギュラーの方を見ると、シンギュラーからプロヴィデンスが出て来て、オルガ達の前に止まる。

 

「やあキラ君、アスラン。元気にしていたかね」

 

「「ラウ・ル・クルーゼ!!」」

 

「「「エンブリヲ様!(さん!)(君!)」」」

 

「おっさん!」

 

「何しに来てるんだよおっさん」

 

「ていうか邪魔」

 

プロヴィデンスの登場にアークエンジェルで見ていたアンジュ達も驚きを隠せない。

 

「あいつ…!」

 

「エンブリヲ!!」

 

シンはプロヴィデンスに乗ったエンブリヲを見てただ唖然とする。

 

「アイツが…エンブリヲ、でもあの機体はクルーゼ隊の物だって聞いてるし」

 

エンブリヲは笑みを浮かばせながらキラとアスランを見ながら、近くにいるシンの方を見る。

 

「ほう?君がキラ君の部下か 随分と可愛い部下を持ってるじゃないか」

 

「貴方に褒められてもうれしくもありませんよ」

 

冗談でもない事にエンブリヲを睨むキラ、その事にエンブリヲは思わず笑いが出てしまう。

 

「あっはっはっはっはっは!全く面白いな君は、さて…お話はこれまでだキラ君、アスラン。大人しくアンジュと『ドラゴンの姫』をこちらに渡してくれるかね」

 

「っ!?サラを?!」

 

サラを差し出せと言う言葉に驚きを隠せないキラ、その事にアスランも驚きを隠せない。

 

「どう言う事だ!!」

 

「それは君達が知る必要はない」

 

エンブリヲが撃とうとしたその時だった。

 

 

 

キュイイイイイイイイン!!!

 

 

 

 

「ぬっ!?」

 

気配を感じたエンブリヲはとっさにかわすとビームが飛んで来て、それにキラ達だけじゃなくオルガ達やサリア達も驚く。

 

「エンブリヲ様!!?」

 

「これは…ふふふ…! まさかな!」

 

不気味な笑い声でビームが飛んできた方を見ると、『ORB-01 アカツキガンダム』が飛んで来てキラ達の前に止まり、アカツキに乗っているムウがエンブリヲを睨みながら叫ぶ。

 

「久しぶりだな…クルーゼ!!」

 

「ムウ…! まさか君が生きているとはね…」

 

「地獄が満員だったんでな、そのまま帰って来たんだよ!」

 

ムウがそう言うと、エンブリヲが不気味に笑い始めたのを聞いてムウは警戒する。

 

「ふふふ……ふはっはっはっはっはっは!! これは好都合だよ…ムウ。予想もしていなかったよ…まさかキラ君だけじゃなく、また貴様と戦えるとはな!!!」

 

そう言ってエンブリヲはビームライフルを構えて撃ち、アカツキはそのまま避けずにアカツキの対ビーム防御・反射システム「ヤタノカガミ」を利用して、エンブリヲが放ったビームを反射する。

 

「ほう!」

 

エンブリヲはそれをビームシールドで防御し、上空に上昇して行き、ムウもエンブリヲを追いかけるように上昇する。

 

「エンブリヲ様!!」

 

サリアが向かおうとするが、キラがビームライフルで攻撃し、それにサリアはかわし、オルガ達がそれを見て攻撃を再開する。

一方ビームの攻防をする中でムウとエンブリヲは互いに話し合っていた。

 

「そのモビルスーツ!なかなか面白い装甲を持っているじゃないか!」

 

「俺も驚いてるよ!この機体の装甲には!!!」

 

そう言い合う中で、ムウはビームサーベルと取り出して向かい、エンブリヲもビームサーベルを取り出して攻撃を仕掛け、互いに交差する様に斬りあいながら激しいスパークが飛び散り合う。

 

「嬉しいよムウ…! キラ君を倒しに来たはずが君をも倒す事が出来るとはね!」

 

「クルーゼ!お前何故キラを狙う! キラがお前を倒したからの仕返しか!」

 

「ふふふ…それも一理あるが、もっと別の事もある。それは君が知る必要はないがな!!」

 

そう言ってエンブリヲは一旦離れてビームライフルを撃ちながらドラグーンを展開させ、それにムウは避けずのヤタノカガミを利用してドラグーンが放ったビームを全て跳ね返して破壊する。

 

しかし破壊されたドラグーンがすぐさま回復して行き、それにムウは驚きを隠せない。

 

「何!?修復した?!」

 

「どうだねムウ!これが私の力の一部! まだまだこんな物じゃないぞ!!」

 

そう言ってエンブリヲはビームライフルを構えた瞬間、一発のビームが飛んで来て、プロヴィデンスのビームライフルを撃ちおとす。

 

「っ!?」

 

それにエンブリヲは驚き、ムウも突然の爆発に驚いた。

 

「何!?一体何処から!?」

 

ムウはあたりを見渡すと、エンブリヲが出て来たシンギュラーとは別のシンギュラーが現れ、そこから二体のMSが出て来て、その内の一体が『ZGMF-X666S レジェンドガンダム』であり、そしてもう一体はエターナルに格納されている筈の『ZGMF-X88S ガイアガンダム』であった。

それにオルガ達と戦っているキラ達も振り向いて驚きを隠せない。

 

「あれは!!」

 

「レジェンド!?」

 

「あれはガイア…!でもガイアはエターナルに! どうして?!」

 

一方エンブリヲはレジェンドの登場に少しばかり舌打ちをする。

 

「チッ、良い所で…。オルガ、サリア、引き上げるよ」

 

「えっ!?エンブリヲ様どうして!?」

 

「あぁ?!ここまで追い込んで何言ってんだてめぇ!!」

 

「厄介な者達がやって来た、あの者達が居るとこの私の“能力”が発動出来ん。引くぞ」

 

そう言ってエンブリヲはすぐさまバーニアを全開にして、シンギュラーに向かい撤退し、サリア達もそれに続いて行く。

オルガ達は舌打ちをして後を追いかけ、シンギュラーを通って行く。

 

エンブリヲ達が通るとそのシンギュラーは消えてしまい、それにキラ達は唖然としてしまうも、すぐさまレジェンドとガイアの方を見る。

 

レジェンドもガイアもキラ達の方を向き、レジェンドのパイロットから通信が入って来る。

 

『危ない所でしたね、キラ・ヤマト、アスラン。そして久しぶりだな…シン』

 

「レイ!?」

 

シンは通信して来た人物が、あのメサイアで死んだ筈の『レイ・ザ・バレル』であった事に驚きを隠せない。

無論この通信にはキラ達も驚いていた。

 

そしてガイアからも通信が入って来る。

 

『シン…』

 

「っ!!! この声…まさか!」

 

シンが画面を見ると、通信画面からは『ステラ・ルーシェ』が映し出され、それにシンは驚いていた。

 

「ス!ステラ!!」

 

『シン、また会えた…!』

 

レジェンドとガイアに乗っていたのはレイとステラの二人であった事に驚きを隠せないキラ達、そしてアークエンジェルの皆もその様子を見て驚きを隠せずにいて、アンジュ達は状況がどうなっているのは全く理解出来ずにいたのであった。

 


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