クロスアンジュ 蒼き自由と紅き騎士   作:ライダーGX

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第28話 帰投 後編

オーブ軍付近のホテルで、ルナマリアがアンジュ達にこの世界の服を着させていた。

 

「よし! これでいいわ。案外似合ってるわよ?」

 

「そお?」

 

アンジュは着せられた服は黒の肩だしトップスに白のミニスカート、更にヒールを履いた服装、ヴィヴィアンの方は青と白のストライプのシャツにショートパンツ、そして赤のハイカットスニーカーを履いている。

そしてサラの方はピンクの着物を着て、更に頭の髪を整えた和服に着替えていた。

 

その様子を見てルナマリアは。

 

「う~ん…、あなた達って意外に合ってる物って多いわよね? 軍服もそうだけど、他の服も来て意外だし」

 

「およ?そうかいな? でもこれ結構いい!皆にも自慢したい!」

 

ヴィヴィアンは嬉しながら飛び跳ねて、周りを動き回り、アンジュは服装を見て思った。

 

「(これ…アスラン見たらどう思うんだろう…可愛いかな…って!何考えてるのよ私!!)」

 

っと頭をカリカリするアンジュにルナマリアはそれを見て頭を傾げる。

 

サラは手鏡を取り出して、今の自分の髪を見て確かめる。

 

「問題ないですわね、では行きましょうかルナマリアさん、どちらに向かわれるのでしょうか?」

 

「え?あ~、街に言ってショッピングって所、さあ行きましょう」

 

そう言ってルナマリアはアンジュ達を連れて街へと連れて行った、そして車で街へと向かった様子をマリューとムウが外で見ていた。

 

「良いのか?あいつ等を外に出して」

 

「良いのよムウ。彼女達だって何時までも艦内やホテル内で居らせる訳にも行かないもの、此処におらせるよりはマシよ」

 

「そうか、しかしまああの子も大胆な服を着るな? ピンクの髪のお姫様と似た物を」

 

「ええ、あれを見ると何だかラクスさんを思い出してくるわ…」

 

そう言いつつマリューは街へと向かって行くアンジュ達の様子を見るのだった。

 

 

───────────────────────────────────────

 

 

アークエンジェルのMS格納庫ではマードックがアンジュとサラのヴィルキスと焔龍號の修理に取り掛かっていた。

 

モビルスーツとパラメイルの設計が全く違う為、マードックがイラつきが溜まって来ていた。

 

「だああああ!!どうなってんだよこれはよ! 組み込みも全く違うし、間接部分も小さなもんで出来てるし、どうやって動かしてんだよこれは!!」

 

「落ち着いてくださいよ!班長!」

 

整備班のスタッフがマードックを落ち着かせようとしているが、イライラが増すマードックの耳には入って来ない。

 

「たくっ!!あの小娘共め!こんなちっこいメカをどうやって操ってんだ!」

 

「彼女達、これを乗るのは訓練をしているから慣れているんですよ」

 

っとマードックが振り向くと、アスランが説明しながらやって来て、マードックが耳を指でほじくりながら言う。

 

「訓練で慣れてる? こんなちっせいを使って何すんだよ?」

 

「あちらの世界で色々です、色々とね」

 

そう言うアスランの言葉にマードックはため息を付きながら渋々と修理に取り掛かるのであった。

シートを取るとある物を見つける。

 

「んあ?何だこりゃあ?」

 

マードックがヴィルキスのシートの裏側である本を見つけた。

それをめくるとパラメイルの設計図やヴィルキスの図をみつけた。

 

「こりゃあ~…この機体の設計図じゃねえか! 丁度良かったぜ!これならこいつ等の修理が出来るぜ!」

 

っとそう言うマードックであった。

 

 

───────────────────────────────────────

 

 

そしてアンジュ達は街で色んな物を見て回っていた。

 

特にヴィヴィアンは街の風景に圧巻されながらも大はしゃぎしていた。

 

「うおおおおおお!すげぇええ!ねえアンジュ!あっちの方を見て見ようよ!」

 

「ちょっとヴィヴィアン!」

 

っとアンジュの腕を掴んで連れて行くヴィヴィアン。

その様子にサラとルナマリアは見る。

 

「ヴィヴィアンはすっかりこの世界に慣れましたね」

 

「あの子って意外に親しみやすいって感じなのかな? 色んな物に興味深々出し」

 

ルナマリアはヴィヴィアンの様子を見ていい、それにサラは微笑みながら言う。

 

「ええ、でもここに来るのでしたらキラもお誘いしておけば良かったですね」

 

「えっ?キラさんを?」

 

「はい、彼と回ったらどんなに楽しい事やら」

 

サラは少しばかり頬を赤くして嬉しながら周り、それに呆れるルナマリア。

 

「あのね…、キラさんも忙しい事あって…あら?」

 

ルナマリアの目にある者が映る。

それはキラが花屋から出て来て、近くに止めてある車に乗って何処かに向かって行く様子が映った。

 

それにアンジュ達もキラの姿を見る。

 

「あれってキラよね?」

 

「およ?何でキラ花屋から出てくんの?」

 

「う~ん、これはもしかして…」

 

ルナマリアが何かを感じ取ってると、サラがアンジュとヴィヴィアンに話しかける。

 

「アンジュ、ヴィヴィアン。追いかけましょう」

 

「はぁ?」

 

「えっ何で?」

 

「キラの様子が気になります。行きましょう!」

 

そう言ってサラは向かい、アンジュとヴィヴィアンもその後を追いかける。

ルナマリアがそれに気付き、慌ててしまう。

 

「ちょっと!相手は車よ! こっちに戻って来なさい!」

 

 

 

 

そして車でキラの後を追うアンジュ達、運転するルナマリアは呆れるばかりであった。

 

「もう…どうしてこうも追跡する様な事ばかりするのかしら…」

 

「まあまあ良いじゃん、それよりもさ、キラ何処に行くのかな?」

 

キラの車を付いて行っている時にヴィヴィアンが言い、それにアンジュも頷く様に言う。

 

「そうね、キラ一体何処に向かうのかしら」

 

「(はぁ…キラさんに何て言い訳をしたらいいか)」

 

ルナマリアがため息を付く中で、キラの乗った車が止まり、それにサラが言う。

 

「止めて下さい!」

 

「えっ!」

 

その事に慌てて急ブレーキを掛けるルナマリア、車から降りるキラに付いて行くように車から降りるアンジュ達、三人が出て行くのを慌てて追いかけるルナマリア。

 

そしてキラは花束を持ってある浜辺の海岸に来ていた。

その様子をアンジュ達がこっそり見ていて。ルナマリアはその場所に見覚えがあった。

 

「此処って…もしかして」

 

「ご存知ですの?」

 

サラの言っている事に頷くルナマリア、アンジュとヴィヴィアンもそれに振り向いていると、キラがある場所に到着してヴィヴィアンが気づく。

 

「おっ!キラなんか墓地みたいなとこに着いたみたいぞ?」

 

「えっ?」

 

アンジュはそれに振り向き、サラもキラの方を向くとある人の墓の前に立っていた。

 

ルナマリアがその墓地を見て思い出す。

 

「あっ!思い出した!此処はラクス様のお墓だ!」

 

「えっ?ラクスさんの?」

 

サラの言葉にルナマリアは頷く。

そしてキラはラクスの墓に花束を置き、しばらくラクスの墓を見つめる。

 

その時肩に止まっているトリィが反応して飛び立つ。

 

『トリィ!』

 

「あっ!トリィ!」

 

キラが振り向いてトリィを追いかけようとしたら、トリィが木の影で隠れているアンジュ達の方に行き、トリィはサラの肩に止まる。

それにキラは驚く表情をする。

 

「皆…」

 

「す、すいませんキラさん。勝手な事をしてしまって…」

 

「ちょっと、これ勝手なことなの?別に勝手なことじゃないじゃないの」

 

「十分勝手なことよ!」

 

アンジュの言葉にルナマリアは怒鳴る風に言い、キラはそれに少しだけ苦笑いをしてしまうが、すぐにラクスの墓を見る。

それにサラはキラの近くまで寄って、ラクスの墓を見ながら言う。

 

「キラ、これが貴方が言っていた」

 

「うん、ラクスの墓だよ」

 

サラは墓に書かれてある『ラクス・クライン、此処に眠る』の文字を見て、それにサラは彼女の墓の前にしゃがんで手を合わせる。

それにアンジュは見つめていて、ヴィヴィアンも同じように見つめていた。

 

するとそこに。

 

「やはりここに居たかキラ」

 

っと声がしてキラ達は振り向くと、アスランやカガリ、シンとメイリンが来ていた。

 

「アスラン、カガリにシン達も」

 

「今日はラクスの命日、絶対にお前が来ない訳じゃないからな」

 

そうカガリが言い、キラは頭に手を置いてかき、サラが立ち上がって思っている事を問う。

 

「キラ、貴方から見てラクスさんはどんな方でしたか?」

 

「ラクスの事? 優しくて、綺麗で、そして…」

 

キラはラクスのあの歌声を思い出す。

 

とても美しい歌声で、まるで天使の様な女性だった…。

 

「彼女の歌、それが僕にとって癒される歌だった」

 

そう感じるキラ、キラの様子を見るアンジュ達はただ見つめるだけであった。

そして夕日が沈んで行く中で、カガリがある事を言い出す。

 

「キラ、アスラン。実はまだお前たちに話して無い事があったんだ…」

 

「えっ?」

 

「離して無い事?何だそれは」

 

カガリ言葉にキラとアスランは頭を傾げながら見るのだった。

 

 

───────────────────────────────────────

 

 

そしてエンブリヲがサリア達を呼び出していて、サリアが前に出て言う。

 

「エンブリヲ様、一体何の御用で?」

 

「これを君達に此処に向かわせようと思ってね」

 

っとエンブリヲはある端末を操作して、壁のモニターにある映像を映し出す。

それはオーブの映像が映し出されていて、それにサリアは問う。

 

「エンブリヲ様、あれは…」

 

「あれはオーブ、別世界にある国でね。そこにアンジュが居る」

 

エンブリヲの言った言葉にサリア達は振り向き、エンブリヲは笑みを浮かばせながら振り向く。

 

「君達はそこに向かい、アンジュを連れてきてほしい、勿論邪魔も入ると思うが、失敗した時は戻って来ても構わん」

 

「分かりました、アンジュを必ず連れて参ります」

 

そう言ってサリア達はその場を去って行き、サリア達が部屋を出た後、笑みを浮かばせながら呟く。

 

「ふふふ…、アンジュ、君にはどうしても話がしたくてね。そしてキラ君。君だけはどうして…潰しておきたくてね」

 

っとエンブリヲは持っているグラスを握り割り、手から血が流れるのであった。

 


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