クロスアンジュ 蒼き自由と紅き騎士   作:ライダーGX

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第23話 和解 後編

サラマンディーネが焔龍號でオルガ達が乗って戦っているカラミティ達に苦戦していた。

言うまでもないがあまりにもサイズが違い過ぎていて、レイダーの機動力や、フォビドゥンの対ビーム防御システム『ゲシュマイディッヒ・パンツァー』にビームを曲げられてしまっているからだ。

 

「くっ!!」

 

サラマンディーネは苦しみながらも攻撃をし続け、それにオルガ達は容赦ない攻撃をし続けた。

 

「おらおらおらおらおらおらおらおらおら!!!」

 

「そりゃああああああああああ!!滅殺!!」

 

「うらあああああああ!!」

 

三機の同時攻撃により、サラマンディーネは徐々に苦しくなって行く。

っとそこに一発のビームが三機の間を通り、それに三人は驚く。

 

「ぬっ!」

 

「ふっ!」

 

「ぐっ!」

 

サラマンディーネも一発のビームを見て目を見開く。

 

「あれは…もしや!」

 

彼女は振り向くと、キラとアスランが乗るストライクフリーダムとインフィニットジャスティスがやって来て、すぐ飛んで行ったアンジュが先を越されながらもサラマンディーネに言う。

 

「何やってるのよ!サラマンドリル!」

 

「おいアンジュ…お前な『アスラン!!』ん? っ!!」

 

キラとアスランは目の前を見て驚きを隠せない、彼等の目の前に嘗て戦って撃破したあのカラミティガンダム、レイダーガンダム、フォビドゥンガンダムが目の前に居るのだから。

 

「アスラン!間違いないあの三機だよ!」

 

「ああ…! しかし何故あの三機が此処に!?」

 

驚きを隠しきれないキラとアスラン、それは乗っているオルガ達もそうだった。

 

「おいおいあれを見ろよ!」

 

「あの二機…!!形は違ってもあいつ等だ」

 

「あいつ…あいつあいつあいつ!!」

 

今にも怒りを爆発させようとするシャニ、そんな中でアンジュは皆の目に異変の空間が人々を飲み込んで行く様子を驚きながら見ていた。

 

「何なの!?」

 

アンジュがそれに言葉をこぼす中でサラマンディーネが言う。

 

「あれは恐らくエンブリヲです!」

 

「ええっ!?嘘でしょ!?」

 

「いいえ!あの様な力を持つ者は奴の他には居ません!」

 

その言葉を聞いたアンジュは唖然としていると、アンジュがヴィヴィアンとラミアの姿を見つけた。

映像にはラミアがエアリアのバイクに下敷きになっていた。

 

「ヴィヴィアン!!」

 

『アンジュ!サラマンディーネさん!君達はヴィヴィアンの所に!』

 

『あの三機は俺達に任せろ!!』

 

「えっ!キラ!アスラン!?」

 

突然の事にアンジュとサラマンディーネは少々慌て、キラとアスランはスラスター全開でカラミティ達に向かって行く。

勿論オルガ達も向かって来るフリーダム達を見て行動を開始する。

 

「来るぜ!!そらあああああ!!」

 

「はあああああ!!!」

 

「うらああああ!!」

 

三機も『125mm 2連装高エネルギー長射程ビーム砲 シュラーク』や『2連装52mm超高初速防盾砲』や『誘導プラズマ砲「フレスベルグ」』を撃ちながらストライクフリーダムとインフィニットジャスティスに向かって行った。

 

その様子を見てアンジュはサラマンディーネの方を向く。

 

「サラマング!こうなったらキラ達の言う通りにするしかないわ!」

 

「アンジュ…、分かりました!」

 

そう言って二人はヴィヴィアンの所に向かい、救助に向かった。

 

 

───────────────────────────────────────

 

 

ヴィヴィアンは自分を庇ってくれたラミアを心配していた。

 

「何でこんな危ない事をしたのさ! アタシだったら訓練を受けてるからへっちゃらだったのに!」

 

「子供を守るが…お母さんのお仕事だからよ」

 

その事にヴィヴィアンは目に涙を浮かばせてしまう。

 

「お母さんさん…」

 

「ヴィヴィアン!!」

 

ヴィヴィアンが後ろを向くと、アンジュとサラマンディーネがやって来て、ヴィルキスと焔龍號から降りる。

 

「大丈夫!?」

 

「アンジュ!」

 

サラマンディーネがラミアが下敷きになって居るがれきを退かそうとするがビクともしない。

 

「くっ!こうなれば!」

 

そう言ってサラマンディーネはすぐに焔龍號に戻る。

サラマンディーネはすぐに焔龍號を動かし、下敷きになっている瓦礫を退かす。

 

自由になったラミアはアンジュとヴィヴィアンに支えられて立ち上がろうとする。っがラミアは立ち上がろうとした瞬間足を痛める。

 

「うっ!!」

 

どうやら下敷きの際に足を怪我した様だ。

 

『大丈夫ですか!?』

 

サラマンディーネがスピーカーで問いかけ、それにラミアが言う。

 

「ええ…大丈夫です、ミィ!貴女は姫様達と共に逃げなさい!」

 

「行かない!!」

 

っとその事にラミアは唖然とする。

 

「えっ?」

 

「私!『お母さん』と一緒じゃなきゃ行かない!!」

 

ヴィヴィアンがラミアの事をお母さんと言った瞬間、ラミアは思わず嬉し涙を流す。

 

「ミィ…!」

 

「ヴィヴィアン」

 

アンジュはヴィヴィアンの表情を見ながら呟き、そして飛んで戦っているキラ達の方を見る。

するとヴィヴィアンがある事を言う。

 

「アンジュ!行って!」

 

「えっ?」

 

「私!お母さんと居るからこの騒動を何とかしに行って!」

 

「ヴィヴィアン…。…分かったわ!」

 

そう言ってアンジュはヴィルキスに乗り込み、上昇して焔龍號もその後に続く。

 

 

 

一方キラとアスランはカラミティ、レイダー、フォビドゥンの三機を相手に互角以上の戦いを繰り広げていた。

 

キラがビームライフルでフォビドゥンに先制攻撃し、シャニがゲシュマイディッヒ・パンツァーでビームを曲げて防御し、その時にキラがレール砲を放ってフォビドゥンを吹き飛ばす。

 

「ぐぅっ!!この!」

 

シャニはバックパック両側に設置されている可動式レールガン『88mmレールガン「エクツァーン」』を攻撃して、かわして行くキラ。

 

クロトのレイダーが『破砕球「ミョルニル」』を使ってアスランのインフィニットジャスティスに向けて攻撃をする。その際にアスランはファトゥム-01を分離して、MR-Q17Xグリフォン2ビームブレイドを展開させて向かわせる。

その隙にビームライフルを撃ち、それに交わした時にファトゥム-01が突進して来て、それをギリギリで回避する。

 

「ぐっ!!こいつ等前よりも強い!?」

 

カラミティがファトゥム-01に向けて125mm2連装高エネルギー長射程ビーム砲シュラークを使って撃ち、それを難なく回避して行くファトゥム-01。

 

「くっそ!相変わらずだぜおい! だがこんな所で終わらねぇぞ!!」

 

オルガはそう言って125mm2連装高エネルギー長射程ビーム砲シュラークと同時に『337mmプラズマサボット・バズーカ砲 トーデスブロック』『115mm 2連装衝角砲 ケーファー・ツヴァイ』を使ってインフィニットジャスティスに攻撃して行く。

三機の攻撃を回避して行くキラとアスラン、その際にキラがカラミティ達に通信を入れる。

 

「そこの三機聞こえるか!!」

 

「あっ?!」

 

「何だ!?」

 

「ウザい!!」

 

オルガ達は攻撃をし続け、攻撃を返しながらキラは疑問に思っている事を問う。

 

「君達はどうして此処に居るんだ!? なんで死んだ筈に君達が此処にいるんだ!?」

 

「答えろ!!何故お前たちはいるんだ!?」

 

「そんな事を聞いてどうするんだよ!! それに生き返らしてくれたのはラウ・ル・クルーゼだ!!!」

 

答えたクロトが『100mmエネルギー砲「ツォーン」』を撃ち、それをキラがビームシールドで防御しながら驚く。

 

「クルーゼが?!」

 

「そう言えば前に死んだ人間を蘇らせると言っていたな、まさかあの三人を蘇らせたと同時にあの三機も!?」

 

そう言いながらキラとアスランは攻撃をし続け、オルガ達も反撃と言わんばかりに攻撃をし続けた。

 

 

───────────────────────────────────────

 

 

キラ達が戦闘を続けてる中でアンジュとサラマンディーネが異変の空間と向かい合いながらも、どうすればいいか迷っていた。

 

「ちょっとどうするのよ!?」

 

「事態を何とかしようにも方法が分かりません!」

 

その事を考えようにも方法が思いつかない、その時アンジュの頭に何かがひらめいた。

 

「そうだわ!あれよ! アルゼナルをぶっ飛ばしたあれが! あれを使ってあの竜巻を消してしまえば!」

 

「…それは駄目です」

 

拒否をするサラマンディーネにアンジュは納得出来ず、すぐに問い返す。

 

「どうしてよ!?」

 

「収斂時空砲の破壊力では都はおろか、神殿事消滅してしまいます!」

 

「そんなの三割引きで撃てばいいじゃない!」

 

アンジュの無茶苦茶の要求にサラマンディーネはすぐに反論する。

 

「そんな都合よく調節出来ません!」

 

「そんな事を言ってる場合じゃないでしょう!!キラ達を見なさい!!」

 

アンジュは別の場所で戦っているキラとアスランを見て言い、サラマンディーネはキラ達の方を向く。

 

「アンタの国を護る為に必死に戦っているのよ! 少しは意地を見せなさいよ!」

 

「ですが!」

 

「もう~!はっ!そうよ!別に三割引きじゃなくても良いじゃない! 前にアルゼナルでやった時に様に貴女が撃って!私が撃ち消せば良いのよ!!」

 

「あれをですか?!しかし!」

 

それをやると都を消してしまいそうな考えになってしまうサラマンディーネは抵抗していまうが。それをアンジュが言い返す。

 

「いい加減にしなさいよ!サラマンルージュ!危機を止めて民を救う!それが人の上に立つ者の使命よ! それにキラやアスランをこれ以上戦いを任せ続けられるのも大変なのよ!!」

 

「っ!キラ殿……、分かりました…やりましょう!」

 

そう言って二人は歌を歌い出す。

 

 

「「♪~♪♪~♪」」

 

 

その歌はヴィヴィアン達だけじゃなく、オルガ達と戦っているキラ達にも聞こえた。

 

「この歌…?」

 

「まさか」

 

二人は振り向くと、アンジュとサラマンディーネが異変の空間に向かいながら歌い、アサルトモードに変形する。

 

 

「「♪~♪♪~♪」」

 

 

「アンジュ、サラマンディーネさん」

 

そして二人の機体が金色に変化して行き、それを見たオルガ達は…。

 

「あれを消す気だぜ!!」

 

「させないよ!!」

 

「ウザい!!」

 

「させるか!!!」

 

オルガ達が攻撃をしようとする際にキラ達が攻撃をして止め、オルガ達は舌打ちをしながら回避する。

 

そしてサラマンディーネの焔龍號が収斂時空砲を放ち、異変の空間に直撃する。

 

「アンジュ!!」

 

それにアンジュは頷き、撃とうとした際に機体が爆発してコックピットハッチが吹き飛んでしまい落ちて行く。

 

「アンジュ!落ちてますわよ!!」

 

「見れば分かるわよ!!」

 

「なら早く立ちなおしなさい!!」

 

「分かってるわよもう!!こんな時に!!あなた世界を破壊した兵器何でしょう!? 気合い入れないさよヴィルキス!!!!」

 

するとアンジュの指輪が反応し、ヴィルキスの負傷部が直って行き、更にコックピットハッチも直ってしまう。

そしてアンジュのヴィルキスが『ディスコード・フェザー』を放ち、収斂時空砲と共に直撃して、大爆発して行き、異変の空間は消滅した。

 

「やった!!」

 

「やりましたわ!!」

 

空間が消滅したのを見たオルガ達は歯を噛みしめる。

 

「くそっ!!やられちまった!!」

 

「撤退だね!!」

 

クロトがそう言ってレイダーをMA形態に変形させ、黒い空間を創り出して三機は穴に入って撤退して行った。

 

撤退して行った三機を見て、キラとアスランは武器を下ろす。

 

「キラ…」

 

「うん。まさかクルーゼが…」

 

「あの三人を蘇らせたと言う事はもしや…」

 

アスランは嫌な予感がしてならない事にキラも頷く。

 

「うん、僕も嫌な予感がする…。途轍もなく嫌な予感が…」

 

 

───────────────────────────────────────

 

 

そして事態が収まり、キラとアスランはアンジュとサラマンディーネの元に行き、アンジュとサラマンディーネはキラとアスランの元に行く。

 

「キラ!アスラン!!」

 

「お二人共無事ですか!」

 

「うん、何とかね」

 

「お前たちも無事か?」

 

それに二人は頷き、サラマンディーネはキラ達に礼を言う。

 

「あなた達のお蔭で、民は救われました。本当に感謝しますわ、キラ殿、アスラン殿、アンジュ」

 

「いえ、そんな…」

 

「私はヴィヴィアンを助けたかっただけよ」

 

そう意地を張るアンジュ、それにアスランは少しばかり呆れる。

 

その中でもサラマンディーネは自分でも少しばかり信じられない表情をする。

 

「それにしても、まさかあの歌に助けられるとは」

 

「えっ?」

 

「どう言う事?」

 

キラとアンジュはサラマンディーネが言った言葉の意味が分からなかった。

 

「貴女が歌ったのは、嘗てエンブリヲがこの星を滅ぼした歌…。貴女はあの歌を何処で…?」

 

「お母様が教えてくれたの、どんな時でも進むべき道を照らす様にって」

 

アンジュは自分の歌を教えてくれた母の事を言い、それにサラマンディーネは言う。

 

「なるほど、わたくし達と一緒ですね?」

 

「えっ?」

 

「【星の歌】…私達の歌もアウラが教えてくれた物ですから。…何て愚かだったのでしょう、貴女は私の所有物だなんて…」

 

「サラマンディーネさん」

 

キラはサラマンディーネの表情を見て呟き、サラマンディーネはアンジュの方を見て言う。

 

「アンジュ…私はあなたのお友達になりたい、共に学び…共に歩く友人に───」

 

「長いのよね~、サラマンデンデンって…」

 

「えっ?」

 

っとその事にキラ達はアンジュの方を振り向き、アンジュはサラマンディーネの方を向きながら言う。

 

「『サラ子』って呼んで良いなら構わないわよ」

 

「っ…」

 

「アンジュ、お前ふざけるのもいい加減にしろ」

 

「何よ!文句でもあるの!?」

 

アンジュは文句があるアスランを見て睨みつけ、呆れた様子で見るアスラン、サラマンディーネはそれに少々困り果てる様子になった。

っとその時にキラがある事を言う…。

 

「『サラ』ってのはどうかな?…」

 

「「「えっ?」」」

 

「ほら、アンジュのサラ子って言うのも可愛そうだし、それにサラの方が良い名前で呼びやすいと思わない?」

 

キラのいつも通りの能天気が出てそれにアスランは手を頭の手に置き、ため息をする。

 

しかしサラの方はキラの一言と優しさに思わず心を揺さぶられ、微笑みながらキラの手を掴む。

 

「ありがとうございます…キラ」

 

その言葉にキラは一瞬驚いてサラの方を見て、またラクスの面影が浮かび上がって来る。

 

「っ…ラクス」

 

「えっ?」

 

サラはキラの言葉に一瞬振り向き。それにキラ話慌てて訂正する。

 

「あっ!いや!何でもないよ!ごめん!本当に…!」

 

慌てて謝るキラにサラは思わずクスッと笑い、アスランは眉を顰め、アンジュはジド目の感じでキラを見るのであった。

 


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