クロスアンジュ 蒼き自由と紅き騎士   作:ライダーGX

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第22話 和解 前編

アンジュの自由の為、サラマンディーネと勝負する事となったアンジュ、それを見守るキラとアスラン。

 

二人は最初に勝負をするテニスで、テニスコートの外でジッと見ていた。

 

「要するにその玉を打ち返して、枠の中に打ち込めばいいのね?」

 

「その通り、では始めましょう」

 

「サービス!サラマンディーネ様!」

 

試合が始まり、アンジュは構えるとサラマンディーネの強烈なサーブが一気に決まる。

それにアンジュは驚いてしまう。

 

「なっ!?」

 

強烈なサーブに思わず驚くアンジュ。

 

「15-0!サラマンディーネ様!」

 

「くっ!」

 

「あら? 速すぎました?手加減しましょう…か!!!」

 

サラマンディーネが再びサーブを放つ、っがそれをアンジュはレシーブをする。

 

「結構…よ!!!」

 

それにサラマンディーネは驚いてしまい、反応が遅れてしまう。それを見たナーガとカナメは驚く。

 

「なっ!!?」

 

「ふぃ!15-15!」

 

カナメが慌ててポイントを言い、アンジュとサラマンディーネはお互い睨み合いながらも笑みを浮かばせながらゲームを続ける。

 

そんな中でキラが黙ったまま見ているアスランに問う。

 

「どうしたのアスラン」

 

「どうもない、ただ呆れてるだけだ」

 

「どうして?」

 

っとのん気な事を言うキラにアスランは思わずこけそうになるが、呆れた様子で言う。

 

「どうしてって…お前な、これが普通に勝負だと思えるか?」

 

「まあ…違うって事だけは確かだけど」

 

そう言うキラもこの勝負は決闘じゃなく、完璧なスポーツ対決だと感じる。

 

「でもねアスラン、よく見ると二人楽しんでいるみたいだよ」

 

キラがアンジュとサラマンディーネの方を見てると、二人は火花を散らしながらもどこか楽しんでいる風に見える。

それにアスランは呆れながらもため息を付き、そのまま二人の勝負を見守るのであった。

 

 

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そしてテニスの後に野球、未来的なレース?的なマシン、ゴルフ、卓球、クレーンゲーム、そしてツイスターゲームまでやり続けていた。

勿論ツイスターゲームは水着を着ながらやっていた為、キラとアスランは少しばかり目線を反らす。

 

カナメがキラとアスランの様子に気付き問う。

 

「どうしたのですか? まだ勝負の真っ最中ですよ?」

 

「そうなんだけど…」

 

「少し…な」

 

二人は顔を少しだけ赤くしながら顔を逸らして、ナーガはその様子に気付いて言う。

 

「お前たちの言いたい事も分からんでもないが、今はこれに集中してもらいたい」

 

そう言ってナーガは勝負の方を向き、キラとアスランは困った表情をしながらもルーレットのボタンの前まで来る。

 

カナメがルーレットの色をと位置を教える。

 

「サラマンディーネ様、右手、緑」

 

カナメの指示にサラマンディーネは言う通りに手を指定の位置に置き、次にキラがルーレットを押す。

そして色と位置が表示されて言う。

 

「アンジュ、左手、赤」

 

アンジュも言われた通りに手を位置に置く。

苦しみながらサラマンディーネはアンジュに言う。

 

「予想以上ですわ…アンジュ」

 

「何が…?」

 

「少し…楽しみだったのです。今まで私と互角に渡り合える者などいませんでしたから」

 

そしてカナメが次のルーレットの色と位置を言う。

 

「サラマンディーネ様、左足、赤」

 

「ですから…すごく楽しいのです」

 

「あらそう…!」

 

っとアンジュがサラマンディーネを転倒させようとするが、サラマンディーネの尻尾がそれを抑える。

それに『反則よ!』と言ったアンジュは思わずサラマンディーネの尻尾を噛みつき、それに悲鳴を上げるサラマンディーネがアンジュを巻き込んで転倒し、それに皆は唖然とする。

 

「尻尾を噛むのは反則です!」

 

っと起き上がったアンジュが突如笑い出して、それにはサラマンディーネも見ていてしばらくすると笑い出す。

 

「姫様が…笑った?」

 

「姫様が笑う所、初めて見た…」

 

ナーガとカナメはサラマンディーネが笑い出した様子を初めて見て唖然とし、キラとアスランはその様子を見て笑みを浮かばせるのであった。

そしてこの時キラは一瞬サラマンディーネの姿がラクスの姿に重なり、それにキラは思わず目を疑う。

 

「えっ?」

 

「どうしたキラ?」

 

アスランがキラの方を向いて問いかけ、それにキラは少し戸惑いながらも頭を横に振る。

 

「い、いや…何でもないよ」

 

キラのその事にアスランはさっぱり訳が分からなかったのだった。

 

 

そしてアンジュとサラマンディーネは勝負でかいた汗を流し、サラがアンジュの方を向く。

 

「流石ですわねアンジュ、この私とまともにやり合えるとは」

 

「私、これでもエアリアで優勝してきたんだもん」

 

「成程…、では今度はそのエアリアと言うもので勝負しませんか?」

 

サラマンディーネがそれを聞くも、アンジュはそれを拒否する。

 

「無理よ、あれはマナが必要よ。私達…ノーマには出来ないから」

 

その事を聞いたサラマンディーネはそれに頭が下がってしまう。

 

「ノーマ、マナを持たぬ者として差別されるもの。何て侮辱なんでしょう。私達はどんな苦しい時もアウラと共に学び、互いに思う絆を結んできました…」

 

「……それ、キラ達も同じだと思うわ」

 

サラマンディーネはアンジュが言った言葉に振り向き、アンジュは思う事を言い続ける。

 

「キラ達の世界は…私達の世界よりもっと残酷よ、コーディネイターとナチュラルの戦い…戦争に虐殺を聞かされた。それを思うと私の世界よりもずっと酷いわ」

 

「…そうですか、キラ殿達の世界はそんなに…」

 

そう二人は重い空気に包まれながらシャワーを浴び続ける。

 

キラとアスランはナーガとカナメと共に外で待っていて、二人は先ほどの二人の様子を見て思う。

 

「良い雰囲気だったね、二人共…」

 

「…そうだな、アンジュのあの表情、今まで見た事がなかったな」

 

二人は先ほど笑ったアンジュの表情を思い出し、満足した様な気分をさせて貰ったサラマンディーネに感謝している。

っとアスランは先とは違う事をキラに問う。

 

「キラ、お前さっきサラマンディーネさんの方を見て何かあったか?」

 

「えっ?何で…?」

 

「お前、彼女を見て何かあると思ったんだ」

 

アスランの鋭い所にキラは苦笑いして、少々困り果てていた時だった。

 

その時突如地震が起きて、それを感じたキラ達は驚く。

 

「っ!?これは?!」

 

「何だ!?」

 

そしてシャワー室に入っているアンジュとサラマンディーネはそれに気付き、ナーガとカナメは入り込む。

 

「サラマンディーネ様!」

 

サラマンディーネはそれに頷き、アンジュと共に着替えてキラとアスランの元に向かう。

そしてキラ達は外に出るとアウラの塔から何やら異変が起きていた。

 

それはアウラの塔に竜巻が発生し、そこからある空間が変化して行く様子で、それにキラ達は目を奪われる。

 

「何だあれは…?」

 

「っ!アスラン!!」

 

キラが指を指す方にアスランは目を向けると、そこから数機のヴィンダムが現れて来る。

 

「モビルスーツ!!」

 

「まさか…ラウ・ル・クルーゼが?!」

 

そしてアンジュはその空間の様子にある光景が映し出される。それはアンジュがまだ学生だった時に試合した事がある試合会場であった。

 

「あれは…エアリアのスタジアム!?」

 

そして町にいるヴィヴィアンはラミアと共に逃げて行き、その光景を目にする。

異変の空間はその人々を飲み込み、街を崩し、がれきと共に生き埋めにさせて行く光景を…。

 

「うわっ!街が!皆が!!」

 

異変の空間を目にしたキラ達、そしてサラマンディーネはある物を呼ぶ。

 

「焔龍號!!」

 

すると額の宝玉が光り、空から焔龍號がやって来る。

サラマンディーネはすぐさま焔龍號に乗り込み、起動準備をさせる中で言う。

 

「カナメは大巫女様に報告! ナーガは皆さまを安全な場所に!」

 

「「はい!!」」

 

そう言ってサラマンディーネはアンジュに向かって言う。

 

「アンジュ、決着はまた今度で。キラ殿、アスラン殿」

 

二人はサラマンディーネの方を向くと、サラマンディーネは二人に向かって話す。

 

「もし出撃なさるのでしたらどうかお早く、お二人の機体は既に出撃可能です」

 

サラマンディーネはキラとアスランにそう話した後にコックピットを閉め、異変の空間へと向かって行く。

 

「サラマンディーネさん…」

 

「キラ」

 

キラはアスランの方を向き、キラはアスランの言いたい事を理解して頷き、アンジュ達と共に宮殿まで戻って行く。

 

 

───────────────────────────────────────

 

 

そしてヴィヴィアンはラミアと共に避難をしていたが、道がふさがれてしまって孤立してしまう。っと真上のがれきが二人と他の者達に目がけて落ちて来るが、そこにビームが飛んで来てがれきを破壊する。

 

皆が上を見るとサラマンディーネの焔龍號がやって来た。

 

「皆さん!すぐに宮殿に避難を!!」

 

それに皆はすぐに避難をし始めて、サラマンディーネは落ちて来るがれきを次々と破壊して行く。

 

「急いでください!…!?」

 

っとサラマンディーネは気配に気づく。迫っている異変の空間が止まり、彼女の目の前にある黒い空間が現れて、その黒い空間からある機体が『3機』現れた。

 

一機目は両肩にキャノン砲を背負い、右手にバズーカに砲口があるシールドを構えて、胸にエネルギー砲らしき物が付いていた。

 

二機目は鳥形の機体をしていて、腹当たりに鉄球らしき物体を搭載して、さらに顔にはエネルギー砲が備えられていた。

 

三機目は独特の形態をしていて、手には巨大鎌を手にしており、飛行しながら進んでいた。

 

「あの機体…!キラ殿達と同じ!?」

 

現れた三機をサラマンディーネが驚く中で、その三機の機体のコックピットに居る『ある三人』が話す。

 

「おいここだぜ」

 

「あのおっさんが言った通りだね、変な所」

 

「…ウザい」

 

っとその時ビームが飛んで来て、三機は回避する。

三機はビームが飛んできたその方向を見ると焔龍號がやって来る。

 

「何者かは知りませんが…都を滅ぼす訳には行きません!!」

 

そう言ってサラマンディーネは右腕にの収納ブレードを展開して向かって行く。

 

それを見た三機は思わず鼻で笑い飛ばす。

 

「おい見ろよ!ちっせぇ!」

 

「あんなので向かって来るなんて無防備すぎるね!」

 

「あ~ウザい…!」

 

その三人『オルガ・サブナック』『クロト・ブエル』『シャニ・アンドラス』が機体を動かして、彼等が乗る『カラミティガンダム』『レイダーガンダム』『フォビドゥンガンダム』がサラマンディーネの焔龍號に向かって行く。

 

そして宮殿に戻ったキラ達が都の人達がストライクフリーダムとインフィニットジャスティスを地上に出していてくれて、それに感謝する。

 

「どうぞお早く!」

 

「ありがとうございます!」

 

「助かります!」

 

キラとアスランはすぐにストライクフリーダムとインフィニットジャスティスに乗り込み、アンジュもヴィルキスに乗り込む。

それにナーガがアンジュに気付いて向かって叫ぶ。

 

「おい!何を!?」

 

「ヴィヴィアンを助けに行くのよ!」

 

そう言ってアンジュはキラ達より早くヴィルキスを出して飛び出し、それにナーガが慌てる。

 

「待て!!それはまだ修理が!!」

 

ヴィルキスが飛び出したのを見たキラとアスラン。それに思わず呆れる。

 

「えっ…」

 

「くっ!アイツ!」

 

アスランは舌打ちをしながら急いで機体を起動させて、VPS装甲を展開させて飛び出す。

そして二人はサラマンディーネが向かった場所に急いで向かうのであった。

 


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