謎の重力場によって穴に吸い込まれてしまったキラとアスラン、二人は穴を抜けてある島へと落ちてしまう。
その島は無人島で、だれも住んでいない島であった。
二人はその島に落ちるが、すぐにスラスターで空中を飛び、地面に叩き付けられることなく着地する。
「危なかった…、アスラン!」
「こっちは大丈夫だ!キラ」
お互いの無事を確認した二人は辺りを見渡すと、無人島である事をに気付き。
一度膝を付いてMSから降りる二人。
「此処は一体…」
「分からない、見た限りでは無人島の様だ」
キラとアスランはその様子を一度見た後に通信を試みようと再びMSに乗り込み、通信を開こうとする。
「こちらザフト軍ヤマト隊、キラ・ヤマト。アークエンジェル応答せよ」
「こちらオーブ軍アスラン・ザラ、誰か応答してくれ!」
二人は通信を行っても誰も通信が帰ってこらず。その様子に二人は今の状態に参る。
「どうなってるんだろう…」
「分からない。でも確かなのは此処は俺達とは全く知らない場所である事だけは確かだ」
そう二人は一度降りて海を見ながら考える。これからどうすればいいのか…アークエンジェルとの通信が繋がらない以上此処に留まって救助を待つのかと考える。
しかしそんな事に待っている二人ではない、キラとアスランは一度MSに乗り込みこのあたりの島を見渡す事にした。
スラスターを作動させて、空中を飛んで島の周りを見て確かめる。
彼等の目に写ったのは大きな島で、ゴンドワナ級約5隻分ほどの島であった。
二人は一度島に降りて、小銃と自動小銃を持って森の中を捜索する。
キラとアスランは一日中森の中を捜索すると、海の近くに大きな洞窟があって、そこに誰かが住んでいた形跡があった。
それを二人は一度調査して見ると、そこに日記がある事が分かり、それをキラとアスランはそれを調べて見る。
『今日モーガンが死んだ…最後の古の民は私一人となった…。しかしこの私も謎の病に侵されてしまい、残された命はあと数日程度だ。そこで生き残った古の民の仲間がこれを読んでいたのなら是非この隠れ家を使ってほしい。
寝所も食料もあるし、この近くにパラメイルも隠してある。これで『ノーマ』と共に『エンブリヲ』を倒し、この嘘塗れ…汚れた世界を解放して欲しい。我が命に代えて頼む…』
その日記を見たキラとアスランはそれに思わず顔を合わせる。
「古の民…パラメイル?」
「ノーマに…エンブリヲ? どうも俺達の知らない場所に来たみたいだ…」
アスランは日記に書かれてあるノーマとエンブリヲの意味に考え、キラは日記に書いてあるパラメイルの隠し場所へと向かう。アスランもキラの後を追いかける。
二人はパラメイルの隠し場所に到着し、その扉を開けると小さな機体、パラメイルが置かれてあった。
キラとアスランはそれを見て思わずつぶやいてしまう。
「凄い…小型化なのにこんなに綺麗な機体があるなんて」
「ああ、しかもこの形状は俺が乗っていたセイバーと少し似ている。よくこんな小さな機体を創り上げたものだな」
二人はパラメイルの感想を言った後に一度あの洞窟に戻り、銃を置いてストライクフリーダムとインフィニットジャスティスを洞窟近くに置く為に取りに戻り、洞窟の近くに置いた。
そして夜となり、キラとアスランはここで一晩過ごす事とする。
「今日はここで野宿だね」
「ああ、取り合えず明日はこの島を出て外がどんな様子なのか調べてみよう」
アスランの言葉にキラは頷き、二人は此処で夜を過ごした。
そして翌日、キラとアスランはここを出る準備を終え、MSに向かおうとしたその時二人の目にある物が映った。
それは白いパラメイルの機体で、頭に女神の像を乗せ、間接部が金色の特徴を持つ機体であった。
キラとアスランはそれに目を奪われる。
「キラ!」
「うん!」
二人はすぐに機体の元に行く、機体に着くと二人はコックピットを開ける場所を探していて、キラが胴体部にコックピットのボタンらしきスイッチを見つけて押すと、コックピットが開いて二人は中を見る。
機体の中には金髪の『美少女』が気を失っていて、更に身体が海水によって濡れている事に気付き、キラとアスランは頷いて、コックピットから美少女を出してすぐに洞窟へと連れて行った。
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キラとアスランが美少女と出会う前の少しばかり時間は遡る。
ある時…少女は思った。世界はどうしてこうも醜く、そして残酷なのだろうと。
海に浮かぶ島…『アルゼナル』である空域でこの世界にたびたびやって来るドラゴンが居る空域に向かう為にある部隊が出撃した。
その中に一人の少女、『アンジュ』が居た…。
アンジュはミスルギ皇国の第一皇女で本名『アンジュリーゼ・斑鳩・ミスルギ』、幼い頃からノーマである事を親が密かに隠して育てて来たが。彼女が16歳の誕生祭に彼女の兄である『ジュリオ・飛鳥・ミスルギ』にノーマの事を暴露されてしまい。
この軍事施設であるアルゼナルへと送られた。最初は現実を受け止めるのも否定続けていたが。ヴィルキスとドラゴン、そして自分の行いにより仲間の死と辛い現実を突きつけられてようやく自覚して。
アンジュはこの残酷な現実と向き合う事となる。
今いる彼女の第一中隊はドラゴンの元に行く為に現隊長である『サリア』が皆に言う。
「総員騎乗!」
サリアの掛け声に皆はパラメイルに乗る。
アンジュが自分の専用機であるヴィルキスに乗り込んだ際に尻に何か痛みを感じる。
「イッタっ!」
アンジュはすぐさま調べると、画鋲が置いてあって、それに舌打ちをする。
「チッ…!ゴミ虫が!」
画鋲を捨てるアンジュはすぐさま起動準備をし、そこのパラメイルの整備班である『メイ』がアンジュに問う。
「アンジュ!出撃前に最終確認を!」
「ああ~もう! 問題ありません!!」
イラつきながらもアンジュはすぐさま確認をしてクリアである事を言う。
しかしその時に気付いてなかった…。
ヴィルキスのファン部に“何かが”つまっているのを…。
各機の発進体制が整った。
「サリア隊、発進します!」
最初にサリアが発進して、その次に中隊の仲間である『ヒルダ』や『ヴィヴィアン』が発進する。
「サリア隊、アンジュ機発進します!」
アンジュのヴィルキスが発進してその後に他の仲間の『エルシャ』と『ロザリー』に『クリス』の機体が発進する。
そして『ココ』と『ミランダ』、そして『ナオミ』の機体も発進して、全機発進完了して目的地へと向かった。
戦闘空域に入って、空間に次元のゆがみは発生した。
「ドアが開くぞ!」
サリアの掛け声にアンジュ達は気を引き締める。
そして空から空間が割れて、そこからドラゴンの群れが大量発生する。
「ファイヤ!!!」
サリアが叫び、第一中隊は攻撃を開始する。
キャノン砲を装備しているエルシャ達が先に攻撃し、ドラゴン達の動きをかく乱していった。
するとアンジュが突如前に出て、突撃していく。
「アンジュ! 勝手に突っ込むな!」
サリアはアンジュ勝手な行動に怒鳴るも、アンジュはそれを無視して突っ込んで行く。
アンジュはドラゴンを次々と倒して行き、そして一体のドラゴンに集中する。
「はあああああああああ!!!」
っと突入した時にヴィルキスに異変が起き、煙が上がる。
「あ!アンジュが!!」
ヴィヴィアンが落ちて行くアンジュの異変に気付く。
『何をやってるの!早く立て直すしなさい!』
ヴィルキスの異常に気が付かないサリアはアンジュに命令する。
サリアの叫びにアンジュは五月蠅く思うも必死に体制を立て直そうとする、その時にだった…。
「助けてやろうか?」
アンジュの元にヒルダがやって来て助けを言いに来て、しかしアンジュはヒルダ達の事を嫌っていて。勿論ヒルダ達もアンジュの事を嫌っている。
「ッ…! 失せろゴキブリ!」
無論アンジュはヒルダの助けを拒否して、すぐさまアサルトモードに変形するも一体のドラゴンがアンジュに体当たりしていき、失速して海へと墜落して行った。
「ヴィルキス!!」
サリアは堕ちたヴィルキスに向かってコースを取る。
しかしその時にエルシャからの通信が来る。
『どこ行くのサリアちゃん!デカいのが出て来たわ!今は殲滅が最優先よ!』
っとその事にサリアは海で戦っているヴィルキスを見て悔やみ、そしてすぐさま前線に戻ろうとする。
それにナオミはその様子に思わず驚く。
「えっ!?サリア!? アンジュはどうするの!?」
『…今は殲滅が最優先だ!』
「そんな…!」
サリアの通信にナオミはそれにあまりにも決断に疑問を持つも、しばらく考えてアンジュの事を考えながらも最前線へと戻って行く。
海で戦っているヴィルキスはドラゴンと戦闘が続き、そのまま海へと沈んで行って、コックピットに海水が入り込んだ際にアンジュは覚悟を決めた…。
「(く!クソ…!!)」
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「う…」
アンジュは意識を取り戻して薄らと目を開ける、アンジュの目の先には天井が見えて、それにアンジュは気づいて起き上がる。
その中は洞窟であって、アンジュはベットで寝かされていて、ライダースーツを脱がされて裸にされていたのに気付く。
「キャア!!」
すぐさまアンジュは身体を隠して、状況を確認する。
「私…一体どうして…?」
アンジュは回りを見ると、机の上にライダースーツが置いてあって、アンジュはそれを取って着て、洞窟の外に出る。
すると外には二人の男が居て、一人の男がアンジュに気づいてもう一人の男に話しかける。
「ん? キラ」
「どうしたの…あっ」
キラとアスランはアンジュが起きたのを見て振り向き、アンジュはキラとアスランを見て唖然とするのであった。