クロスアンジュ 蒼き自由と紅き騎士   作:ライダーGX

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第18話 龍の世界 再び

エンブリヲの光学兵器から逃れたキラ達、アスランとアンジュ見知らぬはキラとは全くの別の場所に飛ばされていて、見知らぬ廃墟の場所に倒れていた。

インフィニットジャスティスはVPS装甲はキャンセルとなって灰色となっており、ヴィルキスは一部破損している部分があった。

 

コクピットに居るアンジュにある【舌】が伸びて来て、アンジュの頬を舐める。

 

それに目を覚ましたアンジュはその方を見ると、ドラゴンが見ていた。

 

「うわっ!?」

 

アンジュそれに驚くが、そのドラゴンは自分に指を指しながらジェスチャーする。

 

『アタシアタシ!』

 

「え? その声…ヴィヴィアン?」

 

『そうそう!』

 

再びドラゴン態へとなっているヴィヴィアンは「キュ~イ!」と吠えた、アンジュはヴィヴィアンを見ながら微笑む。

 

「貴女…またなったの」

 

そう言ってアンジュはヴィヴィアンの頭を抱きしめる。

 

「アンジュ、起きたか」

 

アンジュが振り向くと、パイロットスーツのファスナーを半分開けているアスランの姿が見え、ジャスティスの状態を見ていた。

 

「アスラン…、あれ?」

 

アンジュはコクピットから出てバイザーを外し、アンジュは辺りを見渡す。

 

「え? 此処…何処?!」

 

 

 

そしてキラの方は、山奥の山頂付近でストライクフリーダムは倒れており、キラはその中で気を失っていて、その付近に“何かが”やって来て、キラのフリーダムのコクピットを開き、キラの姿を覗く。

 

その者はキラを外に連れ出して、ヘルメットを外してキラの素顔を確認するのであった。

 

 

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そしてアスランとアンジュは通信機でアルゼナルに通信を入れていた。

 

「こちらアンジュ、アルゼナル応答せよ。…ヒルダ!モモカ!誰か返事しなさい!」

 

しかし何度も通信を試みるも誰も出ない。

 

「どうなってるのよ!」

 

通信が繋がらない事に腹を立てるアンジュに対し、アスランは冷静に通信チャンネルを繋ぎ、キラと通信を試みていた。

 

「…キラ、聞こえるか? キラ返事をしてくれ」

 

しかしアンジュと同じ先ほどから全く通信が繋がらず、おまけに何かの磁場によって通信が時々乱れる。

それにため息を付く。

 

「はぁ…。駄目だ…チャンネルが繋がらない。おまけに半径100mぐらい通信範囲が届かないか…、限界にしても結果は同じか…」

 

アスランはコクピットから出て、インフィニットジャスティスの手の上に座る。

その際にアンジュはアスランに問う。

 

「ねえ!貴方はこの場所を知ってる? これは私の推測だけど大昔の廃墟じゃないかしら? 人類がまだ戦争していた頃の」

 

「知らないなそんなの。それにここは俺やお前の知る場所とはかなり違っている」

 

そうアンジュに言うアスランは立ち上がり、落ちている鉄骨の柱の破片を拾う。

 

「それじゃあ、私達はまだ誰も知らない未知の世界に飛ばされたって事?」

 

アンジュの言葉にアスランは考え込み、そしてヴィルキスを見ながら呟く。

 

「お前の機体なら…可能性はあるな」

 

「えっ?!」

 

「あの時エンブリヲ…いや、ラウ・ル・クルーゼが放ったあの攻撃にアンジュのヴィルキスが青く変化してこの場に飛ばされてしまった。ヴィルキスは俺達の知らない何かを持っている、それが特別の意味も含めてもな」

 

アスランはヴィルキスの特殊機能の事を呟き、それにアンジュは目線をそらす。

 

「特別…、そうよね…どうせ私は特別なのよ」

 

っとアンジュが言った言葉にアスランは振り向く。

 

「どうした?」

 

「別に、直せそう?」

 

修理可能かと問いかけられたアスランはヴィルキスの損傷を確認し、それに頭を横に振る。

 

「無理だ。通信機ぐらいは直せるが、腕やその他の部分は整備班の者達に頼まなきゃ駄目だ」

 

「…そう、分かった」

 

そう言ってアンジュは何処かに行こうとする。

アスランはどこかに行こうとするアンジュに問う。

 

「待てアンジュ、何処に行く?」

 

「偵察よ、まだ敵がいるかもしれない」

 

「この近くに敵が居る気配は無い。少しは冷静になれ」

 

「なってるわよ!うっさいわね!」

 

注意された事に苛立つアンジュ、それにため息を付くアスラン。仕方なくアスランは持っているライフルをアンジュに渡す。

 

「分かった行け、ただしあまり遠くへは行くな」

 

「分かってるわよ」

 

そう言ってアンジュはライフルを持って行こうとする。

っとヴィヴィアンがアンジュに話しかける。

 

『アンジュ!アンジュ! アタシに乗って』

 

っとヴィヴィアンが後ろを向いてアンジュにそう言って、ドラゴン態のヴィヴィアンの言葉が分からないアンジュだが、何となく理解で来た。

 

「えっ…乗れって事?」

 

『そうそう!』

 

ヴィヴィアンはその事に頷き、アスランがアンジュとヴィヴィアンに言う。

 

「お前たち、気を付けろよ」

 

「ええ」

 

『ガッテン!』

 

そう言ってアンジュはヴィヴィアンに乗って上空を飛んで行った。

見送ったアスランはジャスティスの元に行き、推進剤の残量を確認する。

 

見た所飛べるのは約一時間足らずと見て、ため息を付くアスランはジャスティスから降りた時にある物を見つける。

 

アスランはそれを拾って見ると、日本語で書かれてた文字があって、アスランは目を細めるのであった。

 

 

───────────────────────────────────────

 

 

そしてアンジュが戻って来て、この場の事を話す。

 

「ミスルギ皇国…」

 

「ええ、宮殿も街も綺麗さっぱり無くたっていたけど。あれは暁ノ御柱だった、見間違えるはずがないわ」

 

アンジュは此処がミスルギだと言う証言にアスランは黙って聞いていた。

 

「でもおかしいの、暁ノ御柱も街もずっとずっと大昔の前に壊れたって感じだった」

 

そうアンジュは言うが、それをアスランはすぐさま訂正する。

 

「アンジュ、水を差す様にで悪いが…ここはミスルギ皇国じゃない」

 

「えっ?どう言う事よ!」

 

自分の言ってる事が間違ってると言う事にすぐさま反論するアンジュ、アスランは先ほど拾った小さい看板をアンジュに渡し、それをアンジュは見る。

しかしアンジュでは分からない文字、日本語で書かれている。

 

それをアスランはアンジュに言う。

 

「それはこの国の文字、日本語と言うものだ。俺達の世界にも存在する文字だ」

 

「え?てことは此処は…あなた達の世界?」

 

「いや…、文明レベルが余りにも低すぎる。もっと文明が発達していると思うんだが…」

 

アスランが考え込んでるとそこにある物が聞こえて来る。

二人はそれを聞いて隠れて武器を構える。

 

すると謎の小型ロボットがある放送を流しながら横を通り過ぎて行く。

 

『こちらは首都防衛機構です、生存者の方はいらっしゃいますか? 首都第3シェルターは今でも稼働中、避難民の方を収容───』

 

通り過ぎて行く小型ロボットを見て、アンジュはアスランの方を見る。

 

「アスラン」

 

「ああ、行こう」

 

アスランはそう言って、その小型ロボットが言った首都第3シェルターへと向かった。

 

 

 

一方キラの方では、キラが目を覚ますとまた見慣れた部屋で寝ていて、それにキラは思わず身体を起こす。

 

「此処は…宮殿?」

 

「はい。そうですよ」

 

キラは声がした方を見ると、そこにサラマンディーネとナーガにカナメが居て、サラマンディーネはキラの寝ていた布団の近くまで寄って座る。

 

「気分はどうですか? また派手に現れて落ちたとナーガやカナメから聞きました」

 

「落ちた…そうか、僕はまたここに…」

 

そう考えてると、頭の中であの時の出来事が思い出す。

 

 

エンブリヲ…。いや、ラウ・ル・クルーゼが生きて居た事を…。

 

 

すぐさまキラはこの事をサラマンディーネに問う掛ける。

 

「あの…、エンブリヲの正体…サラマンディーネは知っていたの?」

 

「え?いいえ、素性を全て知っている訳では…それがどうしたのですか?」

 

それにキラは少しばかり暗い表情をし、重たい口を開く。

 

「エンブリヲ……、あの人は嘗て僕が倒した筈の男…ラウ・ル・クルーゼだった」

 

「えっ…?」

 

サラマンディーネはキラが言った言葉に思わず時間が止まり、キラの様子を見て嘘じゃないと確信したのだった。

 

 

───────────────────────────────────────

 

 

そしてアスランとアンジュは第3シェルターでの出来事から終えて戻っていた。

しかしアンジュの表情は暗いものだった。

 

それはあの第3シェルター内である物を見たからだ。

 

 

アスランとアンジュはシェルターの中の人々達が白骨化した死体を見て、アンジュは思わず口を抑える。

すぐさまアスランは白骨化した死体に向かい、死亡時刻を確かめる。

 

「…死後300年か400年、いやそれ以上だ」

 

アスランの言葉を聞いたアンジュはすぐさまモニター画面に向かう。

 

「そこのあなた!居るんでしょ!! 出て来なさい!!」

 

アンジュの問いに答えるかの様に、画面上に女性が映し出される。

 

『管理コンピューターひまわりです。ご質問をどうぞ』

 

「やはりコンピューターか…」

 

アスランは向かい入れてくれた女性がコンピューターだった事に薄々気付いていたらしく、アンジュは怒鳴りながら問う。

 

「一体どうなってるの!?生きている者はいないの!? 一体何があったの!!?」

 

『ご質問を受け付けました、回答シークレンスに入ります』

 

すると辺りが暗くなり、何かの映像が映し出される。

それはあたりが戦争している映像だった。

 

「何…これ? 映画?」

 

『実際の記録映像です。統合経済連合と汎大陸同盟機構による大規模国家間戦争「第七次大戦」「ラグナレク」「D-War」などと呼ばれる戦争により地球の人口を11%まで減少』

 

それを聞いたアスランとアンジュは息を飲みながら映像を見続け、すると目の前にある機体が目に映る。

 

『その状態を打破すべく、連合側は絶対兵器『ラグナメイル』を投入』

 

それはアンジュが乗るヴィルキスと全く同じ機体が6機も映し出され、さらに全く別のラグナメイルも映し出される。

 

「あれは…黒いヴィルキス?!」

 

アンジュはそれに驚いた、更にラウ・ル・クルーゼが乗るプロヴィデンスガンダムも映し出され、それにアスランは目がくぎ付けとなる。

 

「プロヴィデンス!?」

 

そしてプロヴィデンスとラグナメイルと黒いヴィルキス達は光学兵器を発射し、暁ノ御柱を壊す映像が映し出される。

 

『こうして戦争は終結、しかしラグナメイルの次元共鳴兵器により地球上の全ドラグニウム反応炉が共鳴爆発。地球は全域に渡って生存困難な汚染環境となり全ての文明は崩壊しました。以上です、他にご質問は?』

 

「世界が…滅んだ? ふふふ…ふはははは! 何よそれ!バッカみたい!何時の事よ!?」

 

アンジュは目の前の映像に信じられない事に問いかけ、それにコンピューターは答える。

 

『538年前』

 

「えっ?」

 

『538年193日前です、世界各地2万976ヶ所のシェルターに、熱、動体、生命反応なし。現在地球上に生存する人間はあなた方2人だけです』

 

それを聞いたアンジュはただ呆然とし、アスランは映し出された映像を見て少しばかり考え込む様な表情をしていた。

 

 

そして今に時に戻り、アンジュは銃を磨きながら黙り込み、アスランは映し出された映像に違和感を感じていた。

 

「(あの映像…俺達の戦争には統合経済連合と汎大陸同盟機構という軍はなかった。あるのは地球軍やザフト軍にオーブ軍。この3つだが…)」

 

「ねえアスラン……、あんな紙芝居信じてる?」

 

っとアンジュは先ほどの事をアスランに問い、アスランは顔を上げて、その事を問い返す。

 

「何だ?お前は信じてるのか? さっきの映像を」

 

「っ!!信じられる訳ないでしょう!! 私はこの目で見た物しか信じない!!」

 

「ならそれでいいじゃないか、今は考えてもしょうがないだろう」

 

「それは…でも心配なのよ!!アルゼナルが!!モモカ達がどうなったか! あの女が本当に死んだのか…」

 

苛立ちを隠せないアンジュの様子を見たアスランは少々ため息を付きながらも再びこの世界の事を考える。

 

「(今のこいつは言ってもしょうがない、それよりもこの世界は…ん?)」

 

するとアスランはある事に気が付いた、この世界のパラメイル…前に襲って来たアルゼナルの三機と似ている事に。

 

「(まさか…あの機体はこの世界の?!)」

 

その時に二人の上空にある影が現れて、それに二人は上を見上げるとそこにはストライクフリーダムが飛んでいた。

 

「キラ!!」

 

「無事だったのね!!」

 

『アスラン!アンジュ!』

 

キラはすぐさま着陸し、アスランとアンジュの元に寄る。

 

「二人共無事?」

 

「キラ!お前無事か!」

 

「良かった…っ!?」

 

アンジュの目の先にある物が映る。それはガレオン級のドラゴンが降下して、こっちにやって来るのだった。

 

「アスラン!!」

 

「っ!行くぞ!『待ってアスラン!!』っ!?キラ?!」

 

キラに腕を掴まれたアスランは振り向いて驚き、そしてガレオン級が降りて来て、頭の上に乗っていた二人の女性…ナーガとカナメが言う。

 

「キラ殿、その者達か?」

 

「ええ」

 

その事にアスランとアンジュは驚きを隠せない。

 

「「だ!誰だ!?(誰!?)」」

 

その事に問い返さないナーガはアスランとアンジュに向かって言う。

 

「ようこそ、偽りの民達よ。我らの世界…『本当の地球』へ」

 


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