クロスアンジュ 蒼き自由と紅き騎士   作:ライダーGX

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第17話 因縁

「ラウ・ル…」

 

「クルーゼ…?!」

 

アスランは嘗ての上官、そしてキラは嘗てフレイ・アルスターを目の前で殺したあのラウ・ル・クルーゼがエンブリヲと言う名で、別の人物となって現れた事に騒然としてしまう。

 

「ラウ・ル・クルーゼ…?」

 

アンジュはエンブリヲが自らラウ・ル・クルーゼだと言う事に頭を傾げ、頭を振りながら言う。

 

「何よそれ!!訳分かんない!『どうして…』キラ?」

 

言葉を開くキラにアンジュは振り向き、キラは同情を隠しきれないまま叫びながらエンブリヲに問う掛ける。

 

「どうして貴方が!! 貴方は僕が!!」

 

「殺した筈…っと言いたいのだろう?キラ君」

 

っとエンブリヲが言った言葉にアンジュは驚きを隠せない。

 

「殺した?!キラが!?」

 

「そうだともアンジュ、それよりもキラ君…驚くのも無理はないだろうな…」

 

「どうして!!どうして貴方が此処に居るんですか!?」

 

キラがエンブリヲ…ラウ・ル・クルーゼがこの場に存在している事に信じられずにいて、エンブリヲは理由を語り出す。

 

「良いだろう…教えてやろう。私が君に倒されジェネシスの爆破に巻き込まれた時だ。私はその時あの爆風で一度死んだはずだった…、だが私の魂はその時謎の時空跳躍により別の空間へと飛ばされてしまったのだ。

丁度その魂には私の記憶は意識が備えれていて、誰かの身体に移りたいばかり願っていた。丁度その時にこの体…エンブリヲが現れてその身体に乗り移り、エンブリヲとなったのだよ!」

 

「そんな…!そんな事がありえる訳!」

 

「ないだろうな…普通はな、だが私は出来た!この身体で思い通りの事が出来たのだ!死体を蘇らせ、在る物を呼び出し、機械を自在に作り出す。そしてさらに相手の身体の機能さえも操る事が出来るようになったのだ!!」

 

「何…!?そんな事が出来る訳が!」

 

アスランはエンブリヲの放つ言葉に同情を隠しきれないまま唖然とし、エンブリヲは不気味な笑みを浮かばせながら言う。

 

「言った筈だぞアスラン、今の私には出来ない物がないのだ! さて…お喋りは此処までにしよう…。キラ君、アスラン。少しばかり遊ぼうじゃないか」

 

そう言ってエンブリヲはプロヴィデンスに乗り込み、プラットフォームにマウントしているビームライフルを取り出して構える。

 

その様子を見たキラはアスランに叫ぶ。

 

「アスラン!!」

 

「ああ!! アンジュ!お前はヴィヴィアンを連れて下がってろ!!」

 

アスランはヴィヴィアンをアンジュに渡し、アンジュは受け取って二人を見る。

 

「キラ…アスラン」

 

その様子を見たエンブリヲは微笑みを浮かばせる。

 

「さあ…キラ君、アスラン。君達の更なる実力を見せてくれたまえ!!」

 

するとエンブリヲはプラットフォームのドラグーンを展開させながらビームライフルを撃ち、キラとアスランはそれをかわしてビームライフルを撃つ。

 

「ふええええええいいっ!!!」

 

「はあああああああああああ!!!」

 

キラとアスランはビームライフルを撃ちまくり、それをエンブリヲは分かっていたかの様にかわし、そしてドラグーンを操作する。

 

ドラグーンはさまざまな動きをして動き回り、キラ達の回ってビームを撃ちこむ。

 

「くっ!」

 

「しつこい!!」

 

回避を続けながらビームライフルやビーム砲を撃ち込み、ドラグーンを落として行くキラとアスラン。

しかし撃ちおとされたドラグーンはすぐさま回復して、再び突撃して行く。

 

キラとアスランはドラグーンの回復したのを見て驚く。

 

「そんな!?」

 

「どう言う事だ!?」

 

「どうだねキラ君!アスラン! これが私の力だ!もはや君達では私を倒すなどと不可能なのだよ!ふはははは!!」

 

エンブリヲは笑いながらドラグーンを攻撃しつつけ、キラとアスランはそれに歯を噛みしめながらドラグーンをかわしていく。

 

「不味いぞキラ!いくら撃ちおとしてもこれではきりがない! それに推進剤がもうそこを付き始めている!」

 

「くっそおお!」

 

その様子を見ていたアンジュはとうとうしびれを切らす。

 

「もう見ていられないわ!!」

 

アンジュはヴィルキスを動かし、キラとアスランを攻撃しているエンブリヲに向かって行く。

それをエンブリヲは察知する。

 

「ん?」

 

「食らいなさい!!!」

 

アンジュはアサルトライフルをプロヴィデンスに向かって撃ち込む、しかしプロヴィデンスはそれを避けようとせず、堂々と受け止めていた。

しかも傷跡一つも付かないままで。

 

「ええっ?!何で!?」

 

「フッ、実体弾でこの【トランスヴァリアブルフェイズシフト(TVPS)装甲】を打ち破れるなどあり得んのだよアンジュ。さて…折角だ。先ほどとは違う物を味わうがよい…歌は好きではないのだがな」

 

エンブリヲは先ほどジュリオを消し去った光学兵器を起動させる為、永遠語りを歌い出す。

 

「♪~♪~」

 

それを聞いたキラ達は振り向く。

 

「あれは!?」

 

「不味い!!」

 

「はっ!キラ!アスラーン!!」

 

っとアンジュが慌てて飛んで行き、エンブリヲは歌を歌い終えて、光学兵器であるデスペラード・フェザーがキラ達へと向けられる。

 

「「っ!!?」」

 

「だ!だめええええええ!!」

 

その時アンジュが必死に向かう際に叫んだ時、アンジュの指輪が反応する。

するとヴィルキスが青くなり、キラとアスランのストライクフリーダムとインフィニットジャスティスの前に出ると消えていき、光学兵器は通り過ぎて行く。

 

「ほう?」

 

光学兵器はそのまま海へと直撃して、そのまま海に大きな渦が出来た。

 

「つまらない筋書だが…悪くないな? しかしキラ君…君への贈り物はまだまだたくさんあるのだよ」

 

そう呟くエンブリヲはその場から飛んで去り、崩壊したアルゼナルを後にするのだった。

 

 


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