クロスアンジュ 蒼き自由と紅き騎士   作:ライダーGX

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第16話 奇襲 後編

アルゼナルに突如流されるノーマへの救援放送、その放送を聞いていたモモカは嬉しながらアンジュに言う。

 

「アンジュリーゼ様!助けです! 助けが来ましたよ!」

 

それにアンジュは嬉しくなさそうな表情をし、聞いていたキラとアスランは何やら違和感を感じていた。

 

「アスラン…」

 

「ああ、何か嫌な予感がするな」

 

「えっ?どう言う事」

 

アスランの言葉にアンジュは振り向き、キラとアスランはアンジュの方を向いて言う。

 

「アンジュ、君は体験したはずだよ。ミスルギ皇国で君が受けたあの仕打ち…残忍な裁きを」

 

「それにノーマと言う存在を否定し続けていた者がいきなり助けに来るのはおかしい、これはきっと罠だ」

 

っと二人の言葉にアンジュだけじゃなく、モモカやヒルダ達が思わず息を飲み、放送されている映像を見て。ジャスミンはキラとアスランの推理を聞いて感心する。

 

「ほぉ~、なかなかいい推理じゃないか」

 

「考えれば分かる事ですよ。アスラン」

 

「ああ、アンジュ。お前たちは中に戻れ! もうじき此処は本格的な戦闘になるぞ!」

 

そう言ってキラとアスランはその場から走って行き、格納庫へ向かう。

 

「ちょっとキラ!アスラン!」

 

アンジュは二人の後ろ姿をただ見つめるだけであった。

 

 

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そして臨時司令部でパメラ達がその放送を見ていた。

 

「耳を貸すなよ、たわ言だ」

 

っとパメラ達が振り返るとそこにジルがやって来て命令を言う。

 

「対空防御態勢!今すぐだ!」

 

「「「イエス・マム!」」」

 

ジルの命令と同時にアルゼナルは対空防御態勢へと入る。

アルゼナルの動きを知ったミスルギ艦隊、その事を兵士はジュリオに報告する。

 

「アルゼナル、対空兵器を起動しました!」

 

「やれやれ、平和的に事を進めたかったが…」

 

ジュリオは呆れると言わんばかりにマイクを取り、全艦艇に流す。

 

「旗艦エンペラージュリオ一世より全艦艇へ、たった今ノーマはこちらの救援を拒絶した。

これは我々…いや全人類に対する明白は反逆である、断じて見過ごすわけには行かない、全艦攻撃開始!そして“あれ”を出せ!!」

 

命令と同時に全艦隊からミサイルが発射されて、後方に控えていた大型艦からハッチが開く。

その中からフリーダム達と同じサイズ…MSの『ウィンダム』と『ディン』が数十機現れて、ウィンダムは『ジョットストライカーパック』を装備していて、それを使い空中に飛び立ち、ディンもその後を追い飛んで行く。

 

それにいち早く察知したバルカンが吠え、ジャスミンが皆に言う。

 

「小娘共!来るよ!」

 

「え?」

 

ジャスミンが逃げて行くのをモモカは何が来るか分からず、アンジュはモモカの手を引っ張って行く。

アルゼナルにミサイルが降り注ぎ、それに対空兵器が撃ち落とすも、一部は防ぎきれずにアルゼナルに直撃する。アンジュ達は何とか爆風に巻き込まれずにアルゼナル内部へと退避した。

 

そしてストライクフリーダムとインフィニットジャスティスを発進させたキラとアスランはすぐさま迎撃に入る。

 

キラはマルチロックシステムを使い、ビームライフル二丁とレール砲二門と複相ビーム砲を使って連射し、次々襲い掛かって来るミサイルを撃ち落として行く。

アスランも同じ様にビームライフルとファトゥム-01のビーム砲を使って撃ちおとして行った。

 

すると一発のビームが襲い掛かって来て、それにキラとアスランはかわして撃って来た方を見ると、ウィンダムとディンの連隊がやって来るのをキラとアスランは驚く。

 

「MS部隊!?」

 

「あの時プロヴィデンスが出て来たと考えれば、この世界にMSが存在して間違いないと思っていた。やはりここには俺達以外にも誰か来ている!」

 

そう言いつつキラとアスランはMS部隊を迎撃する為、武器を構えるのであった。

 

 

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基地内に避難したアンジュ達はアルゼナルを攻撃してくる艦隊にロザリーはその事に驚く。

 

「本当に攻撃して来やがった!」

 

「救助なんて嘘だったんだ…」

 

クリスは予想通りの事に思わず言葉を漏らす。っとそこにジルの放送が流れる。

 

『諸君…これが人間だ。人間は我々を助ける気などさらさらない上に完全に使い尽くして切り捨てるのが本心だ、よって我らは人間の監視下を離れ、反攻作戦を実行する。作戦名『リベルタス』』

 

っと聞いたサリア、メイ、マギー、ジャスミンの四人はそれに表情を硬め、それにアンジュは嫌みが出て来る。

 

『共に来るものは、アルゼナルの最下層に集結せよ』

 

放送を終え、ジルは最下層へと続くエレベーターでパメラ達に向いて問う。

 

「お前たちはどうする」

 

「私達も参加します!」

 

それに二人は頷き、着いた先に何やらブリッジらしき場所に着く。

 

「いつの間にこんな…?」

 

「パメラは操縦席だ、ヒカリはレーダー席、オリビエは通信席へと座れ」

 

ジルはそう三人に命令し、ジルはすぐにサリアに通信を入れる。

 

「サリア、何がなんでもアンジュを連れて来い」

 

『ええ、分かってるわジル』

 

そう耳にインカムで小さな声で話すサリアはアンジュを見てジルに言った。

 

そんな中でロザリーが問い掛けて来る。

 

「反攻ってどう言う事だよ!?」

 

「指令に従って死ぬか、人間共に殺されるか選べって事でしょう? こちらヒルダ了解、指揮下に入ります」

 

「「えっ?!」」

 

ロザリーとクリスはヒルダの言葉に驚き、ヒルダは笑みを浮かばせて言う。

 

「人間達には恨みにも憎しみもある、反旗を覆すには良い機会さ」

 

『ヒルダ、現在あの二人が外で攻撃を食い止めている。合流して迎撃しろ』

 

そうジルが通信をして来て終わらせ、その時にエルシャが来る。

 

「私も行くわヒルダちゃん、守らなくちゃね、大切な物を…」

 

それに対しクリスが反抗する。

 

「人間に歯向かって、生きて行ける訳ないでしょ!?」

 

「やってみないと分からないさ、なあアンジュ…?」

 

ヒルダがアンジュの方を見ると、アンジュの姿がどこにも居なかった。

 

 

 

一方アルゼナル外の方では、キラとアスランがウィンダムとディンの手足と頭をを撃ちおとし、アルゼナルに近づけないようにさせていた。

 

「数が多い!」

 

「一体どれほどのMS部隊がいるんだ?!」

 

そう言っているとヴィンダム一機がキラとアスランの横を通り過ぎ、それにアスランは振り向く。

 

「不味い!一機向かった!」

 

「アスランは行って!!ここは僕が何とかするから!!」

 

「分かった!!」

 

アスランはキラの言葉に甘えてアルゼナルに向かい、キラは迎撃を続ける。

すると下から攻撃をうけ、キラは見ると大破したはずのウィンダムとディンが攻撃をしていて、それにキラは引っかかっていた。

 

「大破したはずなの…どうして? …まさか!」

 

キラはすぐに熱センサーでコクピットを確認する。するとコクピットの内部に熱反応がなかった。

 

「やっぱり!無人機!? いつの間にこんな物を!?」

 

敵のMSが無人機だと知ったキラはすぐさまアスランに連絡を取る。

 

「アスラン!敵のMSは無人機だよ!」

 

『何だって!?俺達の所でもそんな物は開発されていない!』

 

「恐らくこの世界で創り上げたんだと思う! 直接破壊するしかない!」

 

『分かった!無理はするな!』

 

そう言って通信を切り、キラはすぐにビームライフルを構えて撃ち、ウィンダムの腹部とディンの胴体を撃って爆破させる。

 

 

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外で戦闘が繰り広げられてる中で格納庫ではパラメイルの移送が進められていた。

 

「ヴィルキスが最優先!弾薬の装填は後回し!非常用エレベーターに載せるんだ!!」

 

メイが整備班を最優先に動かし、ヴィルキスを最下層に送らせようとしていた。

そこにヒルダがやって来る。

 

「メイ、発進準備は?」

 

「うん!いつでも行けるよ!」

 

っと電力が突如落ちて、それに驚く皆。

 

「何だ?!」

 

そして最下層にある船の中に居るジルはすぐさま聞く。

 

「砲撃による損傷か?」

 

「侵入者による攻撃です!」

 

マナの特殊部隊にアルゼナルの電力を落とされた事に、放送が流れる。

 

『アルゼナル内に侵入者があり、敵の目的は不明!総員退避!!』

 

それを聞いたエルシャはその場から離れる。

ヒルダはエルシャの行動を見て問う。

 

「おいエルシャ!」

 

「ゴメン!!すぐ戻るから!!」

 

そう言ってその場を離れて行く。その時にジルから放送が来る。

 

『デッキ上の各員に告ぐ、敵の狙いはヴィルキスだ、デッキ上の下層へと運搬を最優先事項とする!』

 

聞いたメイはすぐさま整備班達に言う。

 

「整備班集合!ヴィルキスは手動で下ろす!」

 

「「「イエス・マム!!」」」

 

整備班の一人が手動で動かそうとした時に頭を撃たれてしまう、それにヒルダ達が振り向くとマナの特殊部隊が現れて攻撃を仕掛けて来た。

 

 

同時に医務室の方でも特殊部隊がやって来て、マギーが応戦していた。

 

「重傷者の搬送が最優先だ!ちょっとぐらい内蔵出ても我慢しろ!」

 

マギーが指示を出していると隠れていたエマが出て来る。

 

「助けて!私ノーマじゃな『馬鹿!!』うわっ!!」

 

マギーがエマを押し倒し、エマの帽子が撃たれて穴が開く。

 

「殺されたいのか!? チッ、此処はもう駄目か。撤退する、ヴィヴィアン!」

 

ヴィヴィアンを運ぼうとマギーが部屋に入ると、既に特殊部隊が中にいて、端末を開いて確認していた。

 

「該当アリ、メイルライダーです」

 

「その子、どうする気だ!」

 

マギーが銃を向けた瞬間、特殊部隊がすぐさま撃って来て、マギーはすぐさま出る。

 

「ヴィヴィアン!!」

 

マギーが返事をしても、今のヴィヴィアンは気を失っていて返事がなかった。

 

 

そしてアンジュはサリアに連れられて最下層へと向かわされていた。

アンジュの他にジャスミンも居て、モモカを担いで向かっていた。

 

「良いの?この基地が大変なんでしょ?」

 

「言ったでしょ、貴方には大事な使命があるって」

 

「関係ないわそんな事…、それにあんた達の使命なんて分かりたくもないわ」

 

リベルタスには協力する気はないアンジュ、それを言い聞かせようとするサリアも何とかするも駄目だった。

 

「では息を止めて下さい、アンジュリーゼ様!」

 

するとモモカがこしょうを振りまき、それに辺り一面こしょうまみれとなり、息が出来なくなった。

 

「アンジュ!何処なの!くしゅん!!」

 

その隙にアンジュとモモカは何とか逃げ出した。

モモカのとっさの行動にアンジュは感心した。

 

「随分大胆な事をするようになったわねくしゅ!」

 

「アンジュリーゼ様の影響でくしゅ!」

 

鼻をかみながらもその場から何とか逃げるアンジュとモモカ。

 

そしてジルがサリアに連絡を取っていた。

 

「アンジュは?」

 

『逃げれたくしゅ!』

 

「連れ戻せ…!!」

 

サリアの報告を聞いたジルは歯を噛みしめ、アンジュの捕獲の命令を与えるのであった。

 

 

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そして食堂に付いたアンジュとモモカ、モモカはマナの光で灯りを照らしていた。

 

「こちらですアンジュリーゼ様、ここから行けそうです」

 

灯りを前に向けた途端二人は息を飲む、そこには焼け焦げた人が沢山いた。それにアンジュはまたしても嘔吐し、それにモモカは駆け寄る。

 

「アンジュリーゼ様! み!水!!」

 

すぐさま食堂のキッチンに向かったモモカ、アンジュはあたりを見渡していると。

 

「大切な物は失ってから気づく、何時の時代も変わらない心理だ。全く酷い事をするのだな、私はこんな事を許した覚えはないんだが」

 

そこに謎の男が居て、それにアンジュは振り向いてみる。

 

その男こそエンブリヲだった。

 

「君のお兄さんだよ、この虐殺を命じたのは」

 

「えっ?!」

 

その事にアンジュは驚き、エンブリヲは言い続ける。

 

「北北東14キロの場所に彼は来ている、君を八つ裂きにする為にね。この娘たちはその巻き添えを食ったようなものだ」

 

バン!!

 

「きゃあああああああ!!」

 

その瞬間キッチンから銃声がし、モモカの悲鳴が聞こえてアンジュはすぐに向かう。

 

向かうと二人の特殊部隊がモモカを狙っていて、モモカは左肩を撃たれていたが、動ける右手でマナの光を出して防御をしていた。

アンジュは銃を取り出し、一人を撃ち殺して、もう一人は両肩を撃ち抜く。

 

「あなた達がやったの? お兄様の命令で?」

 

「貴様…アンジュリーゼ!」

 

すぐに銃を構えるも、アンジュに手を撃たれてしまう。

 

「う、撃たないでくれ…我々は…隊長とジュリオ陛下の命令で『バン!!』

 

問いにアンジュは撃ちまくり、弾切れになっても引き続けていて、それを見たモモカは慌ててアンジュを止めた。

 

「大丈夫です!モモカはここに居ます!!」

 

アンジュはすぐに後ろを見る、あの場所に居たエンブリヲの姿は無く、それにアンジュは決心する。

 

「行かなきゃ…!」

 

「えっ?」

 

モモカはその事に意味が分からずだった。

 

 

そしてアスランはアルゼナル上部に降り立ったMSを撃破していた。

ウィンダムとディンを撃破しても次々と出て来る。

 

「クソ!どれだけ出て来るんだ! ん?」

 

アスランが下を見ると、ヴィヴィアンを連れて行く特殊部隊が見えて、特殊部隊の一人がジャスティスがこちらを見ているのに気が付く。

 

「て!敵襲!!!」

 

すぐさまアスランはヴィヴィアンを捕まえている敵を排除した後、ヴィヴィアンを手に乗せ、残りの特殊部隊の者達を機銃で倒す。

そしてすぐにヴィヴィアンをアスランはコクピットに居れる。

 

 

そしてパラメイル格納庫ではマナの特殊部隊との銃撃戦が続いていた、すると敵が投げたグレネードがエレベーターシャフトに直撃して、シャフトが崩れる。

 

「エレベーターシャフトが!」

 

「これではパラメイルを下ろせません!」

 

部下の言葉にメイは歯を噛みしめ、不味い状況になって来る事にロザリーが問いかける。

 

「どうするんだよ!ヒルダ!?」

 

「くっそ~…!」

 

ヒルダが舌打ちをした時、特殊部隊の一人が頭を撃たれて死に、その方向を見るとアンジュとモモカがやって来ていた。

 

「アンジュ!!」

 

「何処に行ってたんだ!このバカ!!」

 

「モモカをお願い!」

 

アンジュがモモカをヒルダに任せたと言ってそのままヴィルキスに乗り込む。

ヴィルキスを起動して飛び立つも目の前の通路がふさがれていた。

 

「おい!滑走路は使えねえぞ!!」

 

「だったら…」

 

アンジュはヴィルキスのアサルトライフルに搭載しているグレネードランチャーを起動させて撃ち、滑走路を塞いでいる瓦礫を撤去する。

 

「進路クリア!」

 

そう言ってアンジュはヴィルキスを発進させる。

そして後からやって来たサリアが辺りを見て、外の方を見てヴィルキスが出た事に表情を歪ませる。

 

「行かせない…!」

 

 

───────────────────────────────────────

 

 

一方外のMSの大半を片付けたキラ、そこにアスランが合流してくる。

 

「キラ!」

 

「アスラン、大丈夫…ってあれ?」

 

キラはアスランのコクピットの中にヴィヴィアンが居る事に気付く。

 

「どうしてヴィヴィアンがそこに?」

 

「さっき特殊部隊の連中がヴィヴィアンを連れ去ろうとして、俺が救出した」

 

それを聞いたキラは納得する。

っとそこに。

 

『キラ!アスラン!』

 

キラとアスランは呼ばれた方を見ると、アンジュがヴィルキスに乗ってやって来たのを見えた。

 

「アンジュ!」

 

「二人共!少し来てほしいの!お願い!!」

 

そう言ってアンジュはそのまま進み、それにキラとアスランは一歩遅れる。

 

「えっ?!」

 

「おい!何処に行くんだ!!」

 

二人が問いかけようとした時に二人の横を何かが通った。

キラとアスランは通ったのを見ると、サリアのアーキバスがアンジュの後を追いかけていた。

 

「戻りなさいアンジュ!!戻って使命を果たして!!」

 

それを聞いたキラとアスランは顔を見合う。

 

「使命?」

 

「あいつ…一体何を言って──」

 

っとその時に二人に残りのウィンダムとディンがやって来て、それに二人は見合う。

 

「アスラン!」

 

「ああ!」

 

二人は残りのウィンダムとディンを撃ちおとす為迎撃に向かう。

 

そしてサリアはアンジュに銃口を向け停止させる。

 

「何が不満なのよ!貴方は選ばれたのよ!アレクトラに! 私の居場所も全部奪ったんだからそのくらい──」

 

『好きだった』

 

っとアンジュの言葉を聞いたサリアは思わず動きを止める。

 

「私…ここが好きだった。最低で最悪で劣悪で何食べてもクソ不味かった。好きだった…此処の暮らしが」「

 

するとアンジュの指輪がうっすらと光始める、

 

「なのに壊された…あいつに!」

 

そしてサリアのアーキバスの両腕と推進器を切り落とす。

 

「邪魔をするなら…殺すわ!」

 

っとその事に答えるかの様に指輪が光、端末も光を放つとヴィルキスは赤色に変化する。

落とされたサリアはアンジュを睨みつける。

 

「許さない…勝ち逃げなんて許さないんだから! アンジュの下半身デブーーーーーーーー!!!」

 

そのまま落ちて行くサリアは叫びながら海へと落ちて行く。

 

アンジュは敵艦隊を攻撃して行く中で一発の砲弾がアンジュに突き刺さろうとする、っがアンジュのヴィルキスに光の障壁がある事に気が付く。

 

「光の障壁? これなら!!」

 

アンジュはその障壁を利用して敵艦隊へと突っ込んで行き、その障壁で次々の敵艦隊を撃破して行く。

その光景をウィンダムとディンを撃破したキラとアスランは思わず目を奪われる。

 

「アスラン…!」

 

「あれは…?!」

 

その様子をエンペラージュリオ一世に居る兵士たちはジュリオに報告する。

 

「ヴ!ヴィルキス!! こちらに突っ込んできます!!」

 

「何をしている!相手はたったの一機だぞ!」

 

っとそう言った途端にブリッジの半分が割れて、ジュリオの前にヴィルキスに乗ったアンジュが現れる。

その隙にリィザはその場から離れて行く。

 

「あ!アンジュリーゼ!」

 

バン!!

 

ジュリオの足に銃弾を撃ち込むアンジュ、それにジュリオはもがく。

 

「今すぐ虐殺をやめさせなさい!! 死にたくなければ!!」

 

それにジュリオはすぐにマナの通信で部下達に虐殺をやめるように指示を出す。

命令を言ったジュリオはすぐにアンジュに言う。

 

「辞めさせたぞ!!早く医者を!」

 

するとアンジュはヴィルキスに乗り込み、サーベルを上に構える。

 

「ま!待ってくれ!! ど!どうか!!どうか命だけは!!!」

 

「生きる価値のないクズが! くたばれーーーーーーー!!!!!」

 

アンジュがサーベルを振りかぶろうとした、その時彼女の目の前にプロヴィデンスが現れて、左腕のビームシールドを展開しアンジュのサーベルを防御する。

それにアンジュは目の前のプロヴィデンスが出た事に驚く。

 

「あれはこの前の?!」

 

そしてプロヴィデンスの胸部のコクピットが開いて、そこからエンブリヲが現れる。

 

「貴方…さっきの?」

 

「エンブリヲ様!! そいつを!アンジュリーゼをぶっ殺してください!! 今すぐ!!!」

 

「エン…ブリヲ?」

 

アンジュはその男がエンブリヲだと知って呟く。

 

「アンジュ、君は美しい…“もう一人の者”と同じ。君の怒りは純粋で白く何よりも厚い。理不尽や不条理に立ち向かい…焼き尽くす炎の様に、気高く美しい物。つまらない物を燃やして、その炎を燃やしてはいけない」

 

アンジュはエンブリヲが何を言いたいのか意味が分からず、ただ唖然としていた。

 

「だから…私がやろう」

 

「え?」

 

「この者は…私が裁く」

 

するとエンブリヲはプロヴィデンスに乗り込み上昇させて、エンブリヲは何かを歌いだす。

 

「♪~♪」

 

その歌にアンジュとジュリオは聞き覚えがあった、その歌は『永遠語り』だった。

 

「あれは…!?」

 

「永遠語り!?」

 

キラとアスランもその歌が聞こえ、振り向くと上空にプロヴィデンスが居た。

 

「アスラン!あれ!!」

 

「プロヴィデンス!?」

 

同時の外に出ているリィザは【謎の翼】を出して飛んでエンブリヲを睨む。

 

「エンブリヲ…」

 

そしてエンブリヲが操るプロヴィデンスのプラットフォームにあるドラグーンが飛び立ち、プラットフォームが露出展開されて、ヴィルキスと同じものが出て来る。

 

「ヴィルキスと同じ武器…!?」

 

アンジュが驚いてる中でプロヴィデンスは光学兵器『デスペラード・フェザー』を発射し、ジュリオが乗っている旗艦へと直撃する。

 

「う!!うう!!うわあああああああああああああああ!!!!!!」

 

アンジュが目の前の光景に驚きを隠せず、ただ跡形もなく消え去った旗艦を見て唖然する。

その光景はキラとアスランも見ていた。

 

「っ…!キラ!!」

 

「うん!!」

 

すぐにキラとアスランはストライクフリーダムとインフィニットジャスティスの推力を全開にしてアンジュの元に飛ぶ。

そしてアンジュがコクピットハッチを開き、エンブリヲも出て来て、アンジュがエンブリヲに問う。

 

「何なの!貴方!? その歌は何!?」

 

「フッ…、ん?」

 

エンブリヲはある方を見ると、キラとアスランがやって来るの見る。

 

「アンジュ!!」

 

「キラ!アスラン!」

 

キラとアスランはアンジュの横に付き、キラとアスランはエンブリヲの姿を見て唖然とするも、すぐさまコクピットを出る。

 

「貴方は一体何者ですか!!?」

 

「フフフ…、君達はもう知って居る筈だよ…キラ君、アスラン」

 

っとキラとアスランの名を知っている事にキラ達は驚き、エンブリヲは思い出しかの様に手を頭に載せる。

 

「そうか…“この姿”での私と会うのは初めてだったね…」

 

「その姿…?」

 

キラはエンブリヲの言っている事が分からず、エンブリヲは髪をなぞりながら己の正体を明かす。

 

 

「私の名はエンブリヲ…、そしてまたの名…いや、前世の名は…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

        「ラウ・ル・クルーゼ」

 

 

 

 




エンブリヲの正体が判明!!

何とキラがかつて倒したあのラウ・ル・クルーゼであった!!

この事にキラとアスランはどう対等するかをお楽しみを!


そして感想を待っています!

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