ここで分けているので短いでしょうがどうか見て下さい。
キラ達がドラゴンを撃退してからやく四日、この日はマーメイドフェスタと呼ばれる年に一度ノーマの休日である。
その日のアルゼナルは全員水着姿でマーメイドフェスタを楽しんでおり、キラとアスランは皆の水着姿に少々目を逸らすばかりであった。
「マーメイドフェスタって…ほとんど水着なんだね」
「皆女性ばかりだからな、目のやりように困る」
キラとアスランはサングラスを掛けてあまり人目につかない場所に居た。
無論女性の水着姿を見ない為、あまり見て行くと失礼だとおもったからだ。
「それにしても…」
「どうしたの?アスラン」
「今日のアンジュの様子、お前変だと思った事は無かったか?」
「変…そう言えばアンジュ、今日の朝から様子が変だったよね?」
キラとアスランは今朝からアンジュの様子がおかしい事に気が付いていた、アンジュは何やら思いつめた表情をしていて、それを二人が問いかけても全く返事をしなかったのだ。
その事に二人は少々思いつめる。
「おーい!キラ!アスラン!」
声を掛けられた二人は振り向くと、ヴィヴィアンとエルシャが何やら売店で買った物を持ってやって来た。
「こんな所に居た、探してたんだよ?」
「うん…、皆の水着を見ないようにって思って…」
「あらあら、流石に男の子だがら目のあたり所がきついのね」
「そうだ。分かってくれて助かるよ…」
アスランはそう言い、エルシャは思わずクス笑いする。
そしてヴィヴィアンが売店で買った食べ物を取り出す。
「ほい!これキラ達の分! ここに置いておくね?」
「ありがとうヴィヴィアン」
「それじゃあね」
そう言ってヴィヴィアンとエルシャは去って行き、キラとアスランは貰った売店の食べ物を取り出す。
たこ焼きに焼きそば、フランクフルトにイカ焼き、どれも海に合う物ばかりであった。
「凄いね」
「まさに海水浴に相応しいものばかりだな。まあここは海に囲まれた場所だからな」
そう言ってキラとアスランは再び海を見るのであった。
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キラ達がのんびりして、すぐに夕日になった。
時間が過ぎるのが早く、キラ達は一度アルゼナル内部に戻る。
「もう夕日か…、早いものだね」
「俺達は昼寝をしていたからな、当然だろう」
そう言いつつキラ達はアルゼナル内に戻ると、何やら施設内は静かだった。
外は皆でわいわい騒いでいると言うのに、内部では静かすぎるからだ。
キラとアスランはその事に何やら不自然を感じていた。
「アスラン…」
「ああ、外から楽しみが聞こえるが中からは全くの静か…返って怪し過ぎる」
二人は顔を見合って頷き、銃を取り出して少しづつ通路を進んで行く。
そして二人はパラメイルのカタパルトデッキ付近にたどり着くと丁度飛行機のエンジンが鳴り響く。
キラとアスランはそれを聞いてすぐさま走り出して行く。
カタパルトデッキにたどり着くとそこには飛行機が飛び立とうとしていて、その中にアンジュと仲の悪いヒルダが乗っていたのだ。
「アンジュ!!」
「ヒルダ!?お前たち何をやっている!!」
アンジュがキラ達の声が聞こえると振り向き、申し訳なさそうな表情をして機内に入って行く。
そしてキラ達は慌てて追いかけるもアンジュ達を乗せた飛行機はそのまま飛び去って行き、キラとアスランは止まって棒立ちになる。
「アンジュ…」
「あいつ…」
「お前たち」
キラ達が振り向くとジルたちがやって来る。
「先ほどローゼンブルム王国の王女であるミスティ王女がアンジュに連れ去れたとの報告を受けた、あいつは何処だ?」
ジルがキラ達に問うと、キラ達は目線の先の方を見る。
それにジルは舌打ちをする。
「チッ、あいつめ…」
「簡単に買収されやがって、何のための番犬だ!」
ジャスミンは番犬であるバルカンに叱りつけ、その事にバルカンは落ち込む。
バルカンは先ほどアンジュ達に簡単に買収されて、その時に武器を大量に持ちこまれて行ったのだ。
キラ達が考えてる中でジルがキラ達に話しかける。
「お前たち、少しばかり頼みがある」
その事にキラ達は表情を鋭くする。
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キラ達は執務室に集まり、ジルがキラとアスランに言う。
「お前たちは今からアルゼナルを出てミスルギ皇国へと向かってくれ」
「ミスルギ皇国?そこって…」
「ああ、アンジュの故郷だ、恐らくアンジュはミスルギ皇国に向かったに違いない。探し出して連れ戻せ」
その事にキラとアスランは黙った頷くしかなかった。
キラ達が出発する前にアンジュの部屋へと向かう、彼女が何か手がかりを残したか確かめる為だ。
するとキラはベットにある封筒を見つける。
「キラ何か見つけたか?」
「うん。これ」
キラは封筒を開けて、中に入っている手紙を読む。
『これを見ていると言う事は、私はもうアルゼナルから居なくなって大慌てになっていると思うわ。まず最初にキラとアスランに謝らなければならないわ。
私はこれまであなた達に支えられて来たわ、でも私…行かなきゃ行けない所があるの。妹…シルヴィアが祖国で助けを待っているの。
裏切ったと思ってしまうかも知れないけれど…私は行くわ、モモカと一緒に、私はあなた達の恩を忘れないわ…。それと指輪を置いて行くわ、それで思い出してね』
それを読み終えたキラ達は封筒に中に入っている指輪を取り出す。
キラ達はそれに少々思いつめた表情になる。
「キラ…」
「うん…、アンジュの行動…まるでカガリにそっくりだよ」
キラはアスランに指輪を渡し、アスランは指輪を見る。
そして指輪を握りしめてキラと目を合わせる。
キラもそれに頷き、フリーダムとジャスティスの元に向かう。
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キラ達がパイロットスーツに着替え、フリーダムとジャスティスに乗り込むと。
「あの!」
後ろから尋ねられて、キラ達は振り向くとそこにはナオミが居た。
「君は…ナオミ」
「はい、あの…アンジュの事ですが」
「心配しなくてもいい、あいつは必ず連れ戻してくる」
アスランがナオミにそう言い、ナオミはそれにしばらく黙り込んでそして頷く。
キラ達がフリーダムとジャスティスに乗り込み、アルゼナルを離脱して行く。
「アスラン、ミスルギ皇国は何処に?」
「さっきジャスミンが俺達にミスルギ皇国へ行く地図を貰くれた、これをたどればミスルギ皇国に付く筈だ」
キラはアスランの言葉に頷き、アンジュが向かったミスルギ皇国へと向かった。
そしてそこでキラとアスランにとってとんでもない事実を知る事となる。