D×D magico 作:鎌鼬
リトルボォォォォイ!!(あいさつ)
プロットで気がついたら匙君がヒャッハー中尉になってたよ!!
どうしてだぁぁぁぁぁぁぁ!?
こうなったらあの馬鹿を出して中和するか……(遠い目)
神器の覚醒ねぇ……
「然程必要性を感じない件について」
「私が気になる、だから覚醒させる」
「ちょっと強欲すぎやしませんかねぇ……」
確かにどんな神器があるのか気になるところではあるけど。
どうやら母さんは前から俺の中に神器が宿っていることに気がついていたらしく、盟友であるアジュカさんに頼んでいたとのこと。父親の繋がりで神器収集に熱中している堕天使に頼めば良かったのではないかと聞いたが、どうやら堕天使の纏め役である総督とやらが大層な神器マニアで下手をすれば帰ってこれなくなるかもしれないとのこと……堕天使は神器狂い、はっきりわかんだね。
「これで良い。ヒサメ、お前の中で一番強い存在を思い描け。それで神器は覚醒するはずだ」
「強い存在……それは力的な意味で?」
「無論精神的な意味でも良いがイメージしやすいのは力強いものだろうな」
「了解ですっと」
アジュカさんに返事をしつつ俺は描かれた陣の真ん中で座禅を組み、目を閉じる。
俺が強い存在と思い描いているのは実在すると教えられた覇道神たち。宇宙の法則を塗り潰す彼らの存在を知れば他の存在など比べ物にならない。
本当なら思い描くのは餓鬼道の理を流出していた時雨なんだろうけど……どうしてか俺は彼のことを強者とは思えなかった。彼は、きっと恐れて脅えているのだ。出来た大切な存在を失うことを。だから流出する程に強く願ったのだろう。
大切な存在を穢そうというのならば、そのことごとくを滅尽滅相しようと。
力的な意味で言えば強者であるが、俺はその理由からそう思えない。だからこそ、俺が思う強い存在を謳う。
「まず感じたのは『慈愛』――求めしものは触れ合い 」
天眼なんて大層な物は無いが、夜摩閻羅天の様に黄昏の想いを語る。
「触れば首を刎ねてしまう 愛し愛されることができない
ああ なんて罪深い罰当たり 」
その身に宿した斬首の呪いにより、誰にも触れる事が出来ずに断頭台に首を刎ねられた哀れな少女。永劫を司る水銀の蛇に見初められて彼女は閉じていた願いを変える。
「だから願う 来世の果てにある希望を それはきっと 遍く総てに降り注ぐべき光だから 」
触れられなかった、だからこそ抱き締めたい。清き聖人だろうが、吐き気を催す下衆だろうが、区別無く抱き締めて幸せになって欲しいという慈悲の祈り。今世で不幸であってもこの抱擁の中で来世の幸せを願う無垢なる願い。
「私がみんなを抱き締める 生まれていく命たちを
そしてこれは、黄昏の女神の罪。彼女に科せられた罪過の歌。
「
断頭台のリフレインを歌っている内に身体の奥底から何かが湧き上がってくるのを感じる。それは決して不快に感じるものでは無く、元々俺の中にあった力なのだと理解できる。それは目覚めの時を待っている。だったら俺に出来る事は、それを形作ることだ。
「
そして、湧き上がってきたそれは解き放たれた。弾ける様な感覚と風を切る音が聞こえる。目を開けば俺の身体からは三日月の形の刃物が生えていて、辺りにはその刃物が撒き散らされていた。母さんとアジュカさんは無傷で、足元に砕けた刃物が落ちていることから防いだろだろう。
「ふむ……変わった神器だな」
「恐らくは
母さんとアジュカさんは俺の神器を見て何やら言っているが……俺は身体から生えている刃物を見て違和感しか感じなかった。
これには、あるべき物が欠けているという確証も無い確信。
「……なら、潜るか」
再び目を閉じて精神を集中させ、神器の中に潜行する。BLEACHとかでやってるからやってみたのたがアッサリと出来てしまったことに驚きを隠せない。まぁ母さんから神器の中には龍や魔獣が封印されて作られた物があると言われていたから出来るだろうとは思っていたが。
そうして精神を潜行させていくと……黒い炎の燃え盛る世界に出た。一目見るだけでその炎の異常性がわかる。この炎は呪詛の塊、例え同種の存在だろうが正反対の存在だろうが、容赦無く犯して燃やす冷たい炎。
「ここじゃない」
だけど俺が求めているのは事ではない。燃え盛る黒炎に沈み、さらに底に向かって潜行する。その時に精神を黒炎に焼かれたのだが……呪詛の塊であるはずのそれに触れても俺の精神には何ら異常はきたさなかった。心当たりがあるとすれば……餓鬼道様の祝福だろう。それ以外にこれに対抗出来る手段なんて思いつかない。
さらに沈む。気分としては海に素潜りしていふ感覚か。神器の奥にへと進む度に息苦しさと何かの重圧が増してくる。
そして、漸く奥底にへと辿り着いた。
そこに居たのは一匹の龍。だが完全な形では残っておらず、バラバラに引き裂かれた状態で鎖に縛られている。なんというか……
「なんてハードなSMプレイ」
『第一声がそれか、新たな宿主よ』
思わず出てしまった言葉に目の前の龍が反応した。バラバラになっているというのに意識があるのか。でも龍なら重傷を負っても頭が無くならない限りは一月くらい生きられるって母さん言ってたんだよな。
「いやいや、だってバラバラに引き裂かれた状態で鎖に縛らるって正直に言ってドン引きするレベルだぜ?」
『ふん、これは聖書の神にやられたのだ。だが流石の奴でもこの我をそのままの状態で封印出来なかったらしくてな、バラバラにされて別々の神器に封印されたのだ』
「つまり聖書の神はSか……宗教に奉られている存在がサディストとか業が深い……」
『ところで、宿主の身体から何故他の龍の臭いがするのだ?飼われているのか?』
「いいや、俺龍だから、龍の母と堕天使と人間のハーフの父を持つごちゃ混ぜ龍だから。
『まさかティアマットの!?だとするならあやつの息子か!?』
む?この反応はもしかして俺の父親のことを知っているのか?
『知っているぞ。宿主の前の神器所有者がピース……宿主の父親だったのだ。あやつはお調子者で、そして誰よりも平和を望んでいた……最後は助けた天使に背後から襲われて殺されたのだが』
「……馬鹿だな、助けた奴に殺されるだなんて」
平和主義者だってのは褒められる美徳なのだろう。だけどもそれを貫いて、母さん残して死んだら何も意味が無いじゃないか。
『まだ話したいことはあるのだが……そろそろ時間の様だな』
龍に言われて俺の精神が外に引っ張られていることに気がつく。どうやら母さんとアジュカさんが神器に潜行していた俺を呼び戻そうとしているようだ。
「最後に名前教えてよ、長い付き合いになるんだからさ……あ、俺はヒサメね」
『ヒサメか、覚えておくぞ。我が名はヴリトラ、かつて
最後に互いの名前を交換したところで俺の意識は現実にへと戻る。目の前には心配そうな顔をしている母さんとアジュカさんがいた。
「ヒサメ!!大丈夫!?」
「んん……ん、問題無いよ」
「それにしてもいきなり神器に潜行するとは驚かせてくれる」
「なら、ついでにもう一つ驚かせましょうか」
半泣きの状態で抱き付いてくる母さんを離して洞窟の側にあった大岩を目標にする。
足りない欠片は埋めた、ならこの神器は本来の姿を取り戻している。そうでなければ道理が合わない。
「ーーー
大岩目掛けて腕を突き出すと刃物が射出される。だがその刃物は神器に潜行してあた時に見た黒炎を纏っていた。そして大岩が黒炎を纏った刃物によって両断される。
「これは……まさか……!!」
「あぁ……あぁ……!!」
これを見たアジュカさんは驚愕、母さんに至っては号泣しちゃっている。
……ここまで反応しちゃうかぁ……
〜ヒサメ的強者
第一は黄昏。黄昏の世界の統治が素晴らしかったことは語るまでもなく、本来なら共存しないはずの覇道神を共存させるその精神の強さに畏敬の念を抱いている。
〜ヒサメの餓鬼道評価
餓鬼道出身のヒサメは餓鬼道を批判はしないが最強だとは思っていない。理由としては餓鬼道の理が大切な存在を失いたく無いと脅えていると感じたから。ようやく得た大切な存在を失いたく無い。だからそれを奪おうと、穢そうとする存在を情け容赦無くことごとく滅尽滅相する。その考えは実際にあっているし、ヒサメも心の底から同意している。
〜ヴリトラ
二天龍を封印した聖書の神でもバラバラにした状態で無いと封印出来なかった龍。聖書の神はSってはっきりわかんだね。
〜
ヒサメの神器で、ヒサメの父親であるピースも持っていたこの小説のオリジナル神器。身体の至る所から三日月状の刃を生やして射出出来て、任意で呪詛を孕んだ黒炎を纏わせる事ができる。イメージとしてはディエズの蓮炭の形成とベイの形成を合わせた物。この小説では諸事情によりこの神器単体でヴリトラの意識が覚醒している。
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