D×D magico   作:鎌鼬

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つーいやーずあふたー

 

 

あれからそれなりに時間が経ってなんと二年、俺は一人で森の中を歩いていた。ん?二年で森の中を歩くな?うん、普通の二歳児の身体なら何やってるんだとドロップキックされるかもしれないが俺って普通じゃないんだ。

 

 

もっと言えば人間ですら……いや、どういったらいいのやら……

 

 

まぁとりあえず俺の身体についてだ。俺の身体に流れている血は今世の母親曰く龍が半分、堕天使と人間が四分の一ずつらしい……なんて言ったら良いのかわからないだろ?俺もだよ。どうやら母親が龍で父親が堕天使と人間のハーフだったとかで普通に考えるならこの位の割合になるんだとのこと。

 

 

そして気になるワードがあっただろ?そう、龍と堕天使だ。どうやらこの世界は龍やら堕天使やら、出会ったことは無いが天使や悪魔なんかも普通にいる世界なんだとさ。そしてこれを聞いたときに思ったね。

 

 

あ、ここハイスクールD×Dの世界かもしれない……と。

 

 

まさかネット小説の様に創作物の世界に飛ばされるとは思わなかった。そして俺はハイスクールD×Dの流れについて知らない。そういう物語があるということと大まかな設定を知っている程度なのだ。なので寝物語に母親に強請って悪魔天使堕天使について聞いたところ。

 

 

悪魔……純血が減っちゃったから他種族を悪魔に転生させよう!!

 

堕天使……神器神器神器!!神器を寄越せぇぇぇぇぇ!!!

 

天使……聖書の神を信じなさい。他の神を信じる?ならば死ぬが良い!!

 

 

誇張した言い方なのだが大体こうらしい……何それこわい(ガクブル)

 

 

だけど天使は天界からほどんど出ることは無く堕天使も同様に領地に引きこもり、悪魔はこの森がある冥界に住んでいるが森に来ても浅い所までしか来ないらしく奥にある俺たちの住んでいる洞窟までは来ないとのこと。ってかここ冥界なんだ……よく見たら空の色とか禍々しいし。

 

 

そして俺の身体なのだが……龍の血が入っているからなのか成長が早い。二歳なのに七歳位の身体に成長している。母親曰く、龍に限らず人になれる生物は成長が早く、人間の状態で成人してからはその状態が続いて死期が迫ると一気に老いるそうな。サイヤ人か何かかな?(すっとぼけ)

 

 

あと……母親に俺が転生者だってバレました。どうか俺を責めないでほしい。だって生後3ヶ月ぐらいでいきなり母親から「お前は転生者なのかな〜?」なんて聞かれたら驚くしか無い。観念してゲロッだがどうやらこの世界では転生者というのは数は少ないけど珍しくは無いそうだ。魔法使いなんかは魔法の研究の為に自分の子孫に転生したり、英雄として知られている人物の子孫も欠落はあるものの記憶を持って転生したりとかあるらしい。

 

 

だけど危惧されているのはこの二つに含まれていない俺の様な別世界からの転生者の存在だ。彼らは堕天使が発狂しながら集めている神器(セイグリッド・ギア)と呼ばれる聖書の神が作った物とは異なる異能を使うことで知られている。過去には自分の力を倍加させる赤龍帝と呼ばれる龍と他者の力を半減させて自分の力にする白龍皇と呼ばれる龍、通称二天龍がバトっている中に千人近い後者の転生者が乱入して天変地異では無いかと見間違う程の戦いになったとか……恐ろしいなぁ(白目)

 

 

まぁ、ひとまず現状で分かっていることを纏めると

 

・ここはハイスクールD×Dの世界

 

・転生者は珍しくは無い存在

 

・あいあむ人外……?

 

 

人外……なのか?四分の三は人じゃないし……でも四分の一は人間の血が入ってるし……人間、人間?……もう龍でいいや(なげやり)

 

 

「っと、いたいた」

 

 

若干目が危なくなりつつあった所に現れたのはデッカいバッタ。普通なら5センチ位なのだろうがこのバッタはなんと2メートル以上もあります。初めて見た時にはビビったね。今ではいい遊び相手だけどな!!

 

 

「昼飯ィィィィィィイ!!!!」

 

 

森の中で住んでると何でも食べれるようになるんだよ(遠い目)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

三分弱の死闘を繰り広げて俺はヒクヒクと動いているデッカいバッタを引きずりながら洞窟に向かう。これで今日の昼飯は安心だ。前にイノシシ取ってきた時は小ぶりだったからなのか物足りなかったからな……俺も母も龍だからかとても大食いだ。俺は成長期だからとでも言えるだろうが母はどうしてあんな細い身体であんなに入るんだろ……龍だからで納得しよう(諦め)

 

 

「ただいま〜」

 

「おぅ、お帰りヒサメ」

 

 

手に一杯のキノコを持って俺のことを迎えてくれたのは産まれた時に初めて見た青髪の女性。彼女こそが俺の母親ティアマットで、そして天魔の業龍(カオス・カルマ・ドラゴン)と呼ばれる龍でもある。そう言われた時には冗談かと思ったが龍の姿を見せられて信じた。そしてヒサメとは俺の名前、父と一緒に予め考えていたらしい。男だったらヒサメ、女だったらシグレにしようと……もし女で産まれていたら餓鬼道様と同じ名前になっていたのか(唖然)

 

 

「母さん、今日これ捕まえてきた」

 

「コウテイバッタだね、こいつは焼くとパリパリしてて美味いんだよな〜」

 

「母さん、よだれよだれ。それに母さんいつも焼くか煮るかしかしないじゃない」

 

「う、五月蝿い!!簡単だから良いじゃないか!!」

 

 

だけど目の前でいきなり顔だけ龍に変えて火を噴くのはやめて欲しい。ガチでトラウマになるから。

 

 

「そうだ、昼は少し遅くするぞ」

 

「良いけどどうしたの?」

 

「アタシの盟友が来るって言ってたから……っと、噂をしてたら来たな」

 

「遅くなったか?久しいな、ティアマット」

 

 

突然上から緑の髪をオールバックみたいに纏めた男性が降りてきた。背中には蝙蝠の羽根のような物が生えている。どうやらこの人が母さんの言っていた人らしい。

 

 

「いいや、いつも通りに約束の時間の五分前だ。相変わらず生真面目だね」

 

「遅れるよりはマシだろう……ん?そこの子供はもしかして……」

 

「あぁ、アタシの子供だ。ヒサメ、挨拶しな」

 

「どうも、ヒサメです」

 

「ふむ、幼いのにしっかりとしているな。私の名はアジュカ・ベルゼブブ、魔王なんてものをやっている悪魔だ」

 

 

悪魔、悪魔か……母さんの話で聞いていた悪魔のイメージと真反対の印象の人だな。それよりも気になるワードが出てきたんだけど……

 

 

「あの、魔王って本当ですか?」

 

「あぁ、本当だとも」

 

「世界の半分をやると言って勇者と交渉したり、ダギャーとか言ったり、近代兵器を連発するあの魔王ですか?」

 

「ちょっと待ってくれ、意味が分からん」

 

「アジュカ、こいつ転生者だから……」

 

「あぁ……前世の記憶があるのか……ヒサメ、この世界の魔王というのは悪魔を纏める役職だ。私以外にも三人魔王がいる。君がイメージしている魔王は人類の敵というものだろう?そこを間違えないでくれ」

 

「わかりました……チェッ」

 

「露骨に悔しそうにしているな……だけどどこかあいつに似ているな」

 

「あぁ……あの人も割と好き勝手やる人だったからね」

 

 

二人とも俺のことを……というよりも俺のことを通して誰かを見て懐かしんでいる様子だった。きっと俺の父のことを思い出しているのだろう。母さんが良く聞かせてくれるが堕天使と人間のハーフでお調子者で、平和主義だったとしか分からない。それ以外は……全部惚気話になるから、前世で彼女を作れなかった身としては聞きたくない。

 

 

「あの……」

 

「ん、あぁすまない、つい君の父親のことを思い出してしまってな。ティアマット、彼に神器のことは教えたか?」

 

「一通りは教えてあるぞ」

 

「なら話は早い……ヒサメ、今日私がここに来たのは君に宿っている神器を覚醒させるためだ」

 

「……え?」

 

 

話についていけない。

 

 

 





〜ヒサメ
今作の主人公。餓鬼道様に送られた結果龍が二分の一、堕天使と人間が四分の一ずつというごちゃ混ぜ感がハンパない種族として産まれてしまった。幼少期のイメージは青髪で毛先が黒いmagicoのシオン。

〜ヒサメの成長
動物は人間よりも成長が早いので龍の血を引いているヒサメも成長は普通の人間に比べると早い。今のペースで行くと十歳くらいで人間の二十歳になる。

〜コウテイバッタ
全長2メートルを超える巨大なバッタ。強靭な後ろ脚で蹴られると下級悪魔でも重傷になる。今日のお昼ご飯。

〜ティアマット
ヒサメの母親。原作だったらフリーだがこの小説だと既婚者。口調は多少荒いが肉親を亡くしていたヒサメにとっては何よりも代え難い存在である。

〜アジュセ・ベルゼブブ
ティアマットの盟友で魔王。

〜世界の半分をやると言って勇者と交渉する魔王
はいを選ぶとゲームオーバーになる。

〜ダギャーとか言ったりする魔王
キノコ

〜近代兵器を連発する魔王
人間賛歌を歌う人間大好きな魔王

〜ヒサメの父
堕天使と人間のハーフ。ティアマットからの情報によるとお調子者で平和主義だったらしい。イメージは黒髪を下ろしたトライガンのヴァッシュ・ザ・スタンピート。


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