中々見れなかったから楽しかったです。
ちなみにキャラコメも見ました。
しおりんちゃんマジ可愛い。
こちら多々。目標に到達した。
俺は部屋の中に突撃すると、そこには驚いた様に俺を見ている日向君がいた。
「お前――多々か?」
「Yes!」
ふむ。彼には俺が俺だと理解できないらしい。
取り敢えず右足を半歩下げて視線を日向君の股間に向けると、日向君は俺だと理解したらしく両手を挙げた。
彼は両手を挙げるのが癖になっているのだろうか?
「いや。そのパジャマ女のもんじゃねぇの?」
「しおりんちゃんに渡された。新品だって」
某ゲームのピカ○ュウのパーカーを着ている俺を見て、日向君は驚いていた。
ふっふっふっ。昔はお姉ちゃんのお下がりしか着てなかったからね。
女物の方が着慣れているのです。
「なんつーかお前それ着てると本当に女みたいだな」
「よく言われます」
していることを女って言われるのは嫌だけれど、顔が女顔なのは自覚しているし服も女物だから女に間違えられても仕方ない。
昔いた彼女にも、どちらかというと友達の家に遊びに来ていると錯覚したと言われた。
……卒業、出来なかったなぁ……。
「初めまして。多々君だよね?」
「初めまして多々です。大山君であってるかな?」
NPCよりNPCっぽい大山君に驚きの連続です。
「取り敢えず座れって。一応何人か呼んであるし、来る奴は来るだろ」
なる程。自由参加って奴ですか。
「しおりんちゃんに今日は日向君の部屋で遊んでくるって言ったら驚かれた。日向君は背中に気をつけてね。きっとしおりんちゃんが後ろからグサッと」
ひっと声を出した日向君を見て面白いと思った。
ははは。そんなこと言ってくれたらどんなに嬉しかったことか。
普通に行ってらっしゃいって言われて終わった。普通だけど。
「もっと構って欲しかった!」
「お前って関根のこと好きなのか?」
「え? 逆に嫌いだと思うの?」
あんな美少女を嫌いになるわけないじゃない。
と言うよりもこの世界の美少女率の高さにマジで驚いてる。
美少女率100%だよ100%。俺もう天国って言おうかな。
「この世界って隕石放てば美少女に当たるってレベルで美少女多いじゃん?」
「おう。俺はどうやって隕石を放つのか聞きたいわ」
ツッコまれた。
今までツッコミ役と言えばしおりんちゃんだけだったし、みゆきちちゃんのツッコミは可愛くて和むけど可愛いだけでハスハスしちゃうだけなんだよなぁ。
ひさ子ちゃん? あれは暴力。
「貴重なツッコミ役を発見しました。恐らくこれで勝つる」
「いや、俺別にツッコミ役じゃねぇし。つか、ガルデモの奴らの苦労がわかったわ」
「ちなみにしおりんちゃんがいると悪ノリするので苦労が二倍になります。倍ドン!」
「今度ひさ子に何か奢ってやろ」
どうやら一番苦労しているのがひさ子ちゃんだとすぐに見破ったらしい。
彼女こそが暴力魔にして怪物にして天使以上のモンスターなのだ。
本日も二回程殺されかけました。最近一度死んだからって殺そうとすることが多くて怖すぐる。
「おっぱいが大きいから悪い」
「あいつFカップだからなぁ……」
否定はしているけれどあれはFカップ。異論は上方修正だけ認めてやろう。
「え、えっちなことは話しちゃダメだよ!」
「大山君は初心だなぁ。下ネタは男子高校生なら当然の話題だよ?」
俺はそう言って、持ってきたポッキーを食べる。
日向君もそれを見て俺の持っていたポッキーが食べたくなったのか見てきたので、一本あげた。
「男の子とあんまり話したことが無い。取り敢えず恋バナとかするの?」
「まぁ恋バナはするぜ? どの部位が好きとか、どんな体位とか、どんな服装とか?」
それはヤリバナと言う奴では無いだろうかと思いつつ考える。
どんな部位……、どんな体位……、どんな服装……。
ボンッと顔が赤くなってきた。
考えてないよ!? しおりんちゃんのことなんて考えてないんだからね!?
《タッ君……》
沈まれ煩悩! 俺の脳内に語りかけてくるんじゃない。
「うぉぉぉおおおおおお!?」
「ど、どうした多々!? 色々と真っ赤になってるけれどどうした!?」
「た、大変だよ日向君! 彼実は初心って奴だよ! いつも下ネタとか言ってるけれど大好きな人のことを考えてエロい想像をしたらすぐに真っ赤になっちゃう初心な人だよ!」
「めんどくせぇな!?」
しんどい。
やめてしおりんちゃん。俺妄想力高すぎるから。
私の妄想力は53万ですとか言っちゃう奴だから。
「はぁ、はぁ、はぁ。何とか収まった……」
「おい大丈夫――」
ガチャリと扉を開いて藤巻君と高松君と松下君が入ってきた。
妄想を振り払ったことで肩で息をしている俺。
その俺の両肩に両手を置く日向君。
そしてフードで半分位隠れているけれど女顔な俺。
「「「ひ、日向が女連れ込んでる!?」」」
「勘違いだ! 多々だ!」
俺も変な勘違いをされると迷惑なので、そちらを向いてやっほーと手を振った。
「やっぱりホモだったか」
「いきなり襲いかかってきたんですね」
「多々はこっちに避難しているといい」
入ってきた三人は俺を大山君の方のベッドの上に座らせてもらって、その梯子の前に藤巻君と高松君と松下君が立ち塞がってくれた。
ふはははは。これが我が家来なり!
「おいあいつ上で立ってドヤ顔してるんだが」
「日向君怖い」
「やっぱりお前が手を出したんじゃねぇか」
「女子にモテないからとは言え、男子に手を出すとはもってのほかです」
「しかも女子と呼ばれることを嫌っているやつに対してな」
彼らは俺の味方だ! どうだ日向君! ざまぁみろ!
まぁそんなことをしていてもつまらないので、事情を説明すると俺と藤巻君が上。
高松君と松下君が下のベッドに座って、日向君と大山君は自分達の椅子に座る形になった。
「じゃあパジャマパーティ……って言っても俺だけしかパジャマ着てないんだけどね」
「普通パジャマなんて着ねぇよ。どうやって手に入れたんだそれ」
「しおりんちゃんから貰った。しおりんちゃんは手芸部から貰ったんだって」
手芸部はこんなに手触りのいい製品を作ることができるのか。
と言うか中々この学園の部活ってハイスペックな気がする。
まぁ色々あるんだろうね。色々と。
「パジャマと言うよりもコスプレだな」
「ピッピカチュウ! ってみゆきちちゃんにやらせたら超可愛いと思う。和む」
「まぁわからなくもねぇ」
藤巻君は案外話がわかる人だった。
やっぱりみゆきちちゃんは大天使だよね。
「はいはいはい! 皆好きな人っている!?」
「うわっ。流石は多々クオリティ」
どうやら日向君は俺が女子っぽいと言われると怒るので、男子なのに女子っぽい=多々クオリティと言う風にしたらしい。
それいいなとか言ってるから藤巻君もそう言い始めるんだろう。
「藤巻はよくひさ子さんと一緒にいますがそこの所はどうなんですか?」
「うぉっ! いきなり俺かよ」
話を振られた藤巻君がどもった。
これはもしかしてもしかするのか!?
「別にあいつのことは好きとか嫌いとかはねぇよ。胸はでけーけど」
「麻雀しながらそこばっかり見てるから負けるんだ」
「うるせぇ松下五段!」
どうやら藤巻君はいつもひさ子ちゃんの胸ばっかり見ているらしい。
まぁ……揺れるんだろうな。
「日向君は誰? ゆりちゃん?」
「んなわけねーよ。あいつは腐れ縁だっての」
「かーらーのー?」
「なんもねぇって!」
強く否定するところがまた怪しいけれど、それを言ったら次は何か飛んできそうな気がするからやめた。
危機察知能力はずば抜けているのです。
「へー。他に好きな人は?」
「いねぇよ!? てか他にってまるで俺がゆりっぺのこと好きみたいじゃねぇか!」
「え? 違うの!?」
「いま否定したばっかりですよねぇ!?」
アハハハハ。日向君は面白いなぁ。
「じゃあ大山君は?」
「僕は好きな人はいないかな」
「そうだね。NPCだね」
「どこが!? 僕NPCじゃないよ!?」
「そうだね。NPCだね」
「だから僕はNPCじゃないって!?」
「そうだね。NPCだね」
諦めたのか一人でグスグス泣き始めたのを見て、ポッキーを食べ始める。
いやぁ大山君は面白いなぁ。
「じゃあ高松君は?」
「私は基本的に誰かを好きになることはありません」
「あ、ホモなの?」
「ホモじゃないです!」
素晴らしい返しだった。
と言うか知的キャラに見えるけど絶対にアホだよね。
「でも基本的になんでしょ? 衝撃的に好きになった人はいないの?」
「まぁ……気になる人はいますが」
ガタンと言う音と共に俺以外の全員が立ち上がった。
「お前……好きな人いたのかよ!?」
「誰だ!? 誰なんだよオイ!?」
「と言うか僕は高松君が女子に興味を持っていたことに驚きだよ!」
「高松お前……」
色々と酷いことになったなぁ。
でも高松君って誰が好きなんだろう?
「で、誰が好きなの?」
上から覗き込むと、目を逸らした。
「……遊佐さんです」
遊佐ちゃん……?
確かインカムくれた可愛い女の子だよね?
「お前遊佐が好きなのかよ!」
「予想外だったな……ん?」
気がついてみたら日向君と大山君が震えていた。
と言うよりも大山君は凄い怯えてるなぁ。
「い、いやぁ……。遊佐さんはやめておいた方がいいよ。と言うか絶対に敵わないからやめといた方がいい」
「あ、あぁ。あいつは……な」
どうやら過去に何かあったらしい。
だからこれ以上は聞かないけれど、誰も話せなくなってしまったから止まってしまった。
と言うかこのままだとマズイ。
「じゃあ次は松下君!」
「俺か……。俺は別にいないな。強いて言うならば生前にいたな」
「あ、いまそう言うしんみりする空気いいです。と言うかここでそのネタはダメだろう!?
何でこの空気どうにかしようとしたのに普通に過去のこと言い始めたの!?
てかどうしてこんなにしんみりとした空気続いちゃってるの!?
俺がツッコミしてんじゃん!
いつもボケている俺がツッコミしてんじゃん!」
全てを言い終えた俺ははぁはぁと息を荒らげながら、ため息を吐いた。
「なら多々は誰かいんのか?」
「ふぇ?」
唐突に日向君に聞かれて止まる。
好きな人……エロいこと……。
「しおりんちゃんかな」
俺は普通に答えた。
だって別に隠すことじゃないし、本気で好きな人だから。
「――普通に答えられて何も反応できなかったじゃねぇか!」
「お、おう」
日向君のツッコミに何も言えなかった。
「と言うかお前関根の事好きだったんだな。ガルデモ全員って答えると思ったぜ」
「酷いなぁ藤巻君。確かに俺はガルデモの皆がlikeで大好きだけど、loveで大好きなのはしおりんちゃんだけなんだよ?」
そうだ。俺が好きな人はしおりんちゃんだけだ。
他の人も好きだけれど、しおりんちゃん以上にはなれない。
「一人の人を好きでい続けると言うのはいいですね」
「えへへ。やっぱりしおりんちゃんは可愛いからね」
と言うかこの流れは俺が質問攻めされる流れじゃないのかな?
何で誰もツッコまないんだろう?
まぁわかってたけどね。
皆が俺の何かを探っていることぐらい。
「もっと別の話もしようぜ他の話!」
夜は更けていく。
楽しい夜って言うのは早く時間が過ぎていくものだと思う。
今回実は無かった。
ネタがすくねぇ……!