俺としおりんちゃんと時々おっぱい。   作:Shalck

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 気がついたら評価が赤くなっていてビックリしました。
 ビックリマンチョコを買ってきたいくらいです。
 こんなセクハラにネタとシリアスを突っ込んだ作品を評価していただけるだけでも僕の心はピョンピョンしちゃいます。
 MARIEさん、パフェ配れさん、桔音さん、評価ありがとうございます。
 やる気が滅茶苦茶湧いてきました。
 これからも何とか頑張ります。


007 《Benignity》

 HEY! みんな!

 最近餓死した多々だよ!

 現在俺は、しおりんちゃんの部屋で正座をさせられているんだ!

「話聞いてんのか?」

「はい聞いております」

「聞いてないな」

「何故バレたし」

 ひさ子ちゃんのアイアンクローによって俺の頭がギチギチとなり始めている。

 出来れば俺の亀の方の頭をニギニギとして欲しいけど、その瞬間俺は男としての尊厳を失う気がするので言わない。

「お前があたし達に内緒で水も飲まずにライブについて頑張ってたことだよ! それてあんないいライブさせやがって!」

「怒られてるのか褒められてるのかよくわからない件について」

 まさかの怒りながら褒められたパターン?

 もしかしてひさ子ちゃんデレ期に入ったの?

「お前が勝手にそんなことして死んだから悪いんだよ」

「僕は死にましぇん!」

「ぶっ殺す」

 すみませんギブアップです。

 俺の頭がミシミシ言い始めています。

 あ、パキって言った。

「いや、すみませんねぇ。俺割りと頑張り始めると周りが見えないタイプで」

「それだけで3日間飲まず食わずでいる奴がいてたまるか。あたし達もいきなり死んで心配したんだぞ」

 む、心配をかけてたのか。

「そりゃごめんなさい。まさか心配しているとは思わなくて」

 と言うか心配されたのってかなり久しぶりな気がする。

 最終的にはアレに何を言ってもダメだみたいな感じで諦められてたし。

「心配するに決まってんだろ。お前はあたし達のマネージャなんだぞ」

「だからまだドラッカーのマネジメント読んでないんだって。もしドラ?」

 意識が途絶えた。

 そして目を開くと、血を拭いているひさ子ちゃんの姿があった。

 握力だけで殺されたらしい。

 ちょっと涙目になりながらひさ子ちゃんを怒っているみゆきちちゃんカワユス。

「まぁひさ子も怒ってるんだよ。私達に内緒にしてたことを」

「そう言うまさみちゃんは?」

「ん。怒ってる」

 ですよねー。

 さっきからグリグリ足で俺の右膝を踏んでますもんね。

 それをもうちょっと左側にして俺の息子を踏んでくれると感謝感激なんですが。

 あれ? もしかして俺Mに開発されてる?

「でも私も何も食べずにいて倒れたことあるから、人のことを言えないんだ」

 あらま。まさみちゃんも同じことをしたのか。

 でも死んでいなかったらしいので、俺よりはマシらしい。

 きっと音楽のことなんだろう。この音楽キチめ。

「久しぶりに夢中になれたんで良かったですよ。満足満足」

 とは言うけれど、消えはしない。

「お前、本当に何があったんだ? 普通なら消えてるレベルだぞ?」

「まぁそうだよね。でも、幸せになることと満足することは違うと思うんだ」

 ある意味これも真理だと思う。

 満足することが未練をなくすこととは限らない。

 満足することが幸せに繋がるとはわからない。

「だから俺は消えられない」

 結論を言ったらそうかな?

「もしかすると皆のおっぱい揉んだら消えられるかもしれない」

「「「「一生ここにいろ(てください)」」」」

 息の合った言葉だった。

「まぁそんなことはないから安心して。それと俺は和姦派だから無理矢理は嫌なのです」

 そんなこと知らないし聞いていないとばかりに蹴られた俺は、寮の壁に激突した。

 現在夜中の10時。どう考えても壁ドンである。

 壁殴り代行とかで稼げないかな?

 て、男子寮と女子寮で分かれてるんだからアーッ! な人かゆるゆりの人しかいないじゃん。

 不純異性交遊は禁止です。

 不純同性交遊は禁止ではないのです。

 偉い人にはそれがわからんのです。

 でもまぁそろそろお遊びもやめようかな。

「まずは最初にごめんなさい。皆に心配をかけてしまいました」

 真面目になってそう謝罪した。

 取り敢えず俺が土下座をするとふざけているように見えるので、土下座はしない。

「俺他人から心配されたこと殆ど無いんで、心配されるってところまで考えが至らなかった。そのせいでみんなに迷惑をかけたことも分かってる。だからごめん」

 真面目に謝ると、皆は笑っていてくれた。

「わかればいいさ。明日からもまた頼むよマネージャー」

 まさみちゃんが。

「まぁな。お前が頑張り屋だってことはわかった」

 ひさ子ちゃんが。

「私達の為にありがとうございます」

 みゆきちちゃんが。

「もう二度とこんなことしないでね! ホントにホントだよ?」

 しおりんちゃんが。

 みんながそう言って俺を置いてくれる。

 みんながそう思って俺を助けてくれる。

 それが嬉しくて嬉しくてたまらない。

 だけどその嬉しさがあるのに――俺の心はぴょんぴょんしない。

 影っている。

 曇っている。

 俺の心の中に輝くはずの太陽は、いつも曇りの空の向こう側。

 永遠にも近い時間があるというのに、その曇り空は晴れたことがない。

「皆ありがとう。やっぱり皆俺のハー――」

 最後まで言わせてもらえなかった。

 

 

 

「おーい多々」

 たまたま一人出歩いていたら、日向(ひなた)秀樹(ひでき)君に声をかけられた。

「お前いつもガルデモのメンバーと一緒にいるよな?」

「うん。まぁそうだね」

 だって俺マネージャーだし。

「ならちょっと付き合ってもらえねぇか?」

「えっ? ホモはちょっと……」

「ちげぇよ!」

 いきなり叫びだした日向君に俺はドン引きです。

 ドン引きですと言えばやっぱりゴッドイーターだよね。あれ好きだった。

「ま、ならいっか。何に付き合って欲しいの?」

「ちょっとな。付いて来てくれ」

 日向君の後を一緒に歩き始める。

 はっ。これはもしかして誘拐!?

 お嬢ちゃん飴あげるからこっちおいで的なあれではないのだろうか?

 だったらこのゆりちゃんから貰った護身用のFive-Sevenで金玉ぶち抜いてやる。

 一緒に歩いて行った場所は運動部の部室。

 中に入るとそこには、むさ苦しい男軍団がいた。

「――帰っていい?」

「待ってくれ多々。これはお前の為に集まったメンバーでもあるんだ」

「俺の為?」

 俺の為とはどういうことだろうか?

 はっ。まさか俺を同性愛の道に落とそうと画策して彼がホモ仲間を呼んだとか……?

 一応拳銃を抜いて日向君の股間にセッティングした。

「――待つんだ多々。俺の話を聞いてくださいお願いします」

「狙いは外さない」

 両手を挙げて降参をする日向君の股間から拳銃の狙いを外さない。

 何度股間を蹴り、握り潰してきたと思っているんだ。

 金的の技術ならば誰にも負けぬ。

「お前がガルデモのメンバーとばっかりいて男子と関わらないから、一緒に遊んで親睦深めようぜって分けでだな。お前の部屋に行ってもいつもいないから」

 そう言えば俺他の男子メンバーと関わってない。

 しかもいつも夜はしおりんちゃんの部屋にいるし、男子と関わってない。

 もしかして俺男子でぼっち?

「あー。そう言えば夜はいつも女子寮にいるからね」

 ガタンと椅子から全員が立ち上がって唖然とした顔で見ていた。

「お、お前いつも女子寮にいんのか?」

「確か藤巻君だよね? そだよ。だってNPCと同じ部屋にいるのも何か嫌だし、しおりんちゃん達と一緒にいた方が楽しいし」

「で、ですが女子寮は男子禁制では?」

「俺達戦線って、ルールを破る為にいるんじゃないの?」

 あと言う風に納得した顔をしたのは高松君。

「でも確かゆりっぺに止められるはずだろ? 何でお前は普通に出入りしてるんだ?」

「え? 止められるの?」

 俺が首を傾げると、日向君は不思議そうな顔をしていた。

 と言うかゆりちゃんは俺が女子寮にいつもいることを知っているのかな?

「取り敢えずだ。ここにいるのは俺、藤巻、高松、松下五段の四人だけだ。で、いつも女子寮で何してるんだ!?」

「それは勿論ナニを――嘘ごめん。嘘だからそんな血の涙を流さないで」

 本物の血の涙って言うのは初めて見た。

 と言うか四人全員が同時に血の涙を流し始めた瞬間引いた。

 きっとD×Dの松田と元浜はこんな感じなんだろう。

「普通にパジャマパーティしてるよ? お菓子食べて、美容の話をして、恋バナしたりとか?」

「悪いがお前は本当に男子なのか?」

 松下五段に失礼なことを言われた。

 と言うよりも高校生で柔道の五段って取れたっけ?

「失礼な。これでも立派な男子だよ!」

「バッグの中には?」

「シーブリーズと日焼け止め。あとは汗をすぐ拭けるようにタオルと飲料水のお茶かな? あ、この刺繍可愛くない? みゆきちちゃんに入れてもらったんだ」

 みゆきちちゃん可愛いウサギの刺繍してくれた。

 あの子やっぱり大天使だわ。

「――判決を決めたいと思います」

「「「「ギルティ」」」」

 全員に有罪判決を受けた。

 ひえぇ……。

「お前本当に男子なのかよくわかんねぇ」

「藤巻君は酷いなぁ。でもしおりんちゃんにも言われたんだよね。だからナニあるけど触ってみるって聞いたら殺されかけた」

「俺としてはそんなさらりとセクハラをするお前が何故嫌われていないのか激しく疑問だ」

 日向君。それは人の差と言うものなのだよ。

 俺は絶世のイケメンだからネ!

「お前好きなスポーツとかあるか?」

「あるよ。バスケとか大好物です。小学校はクラブチームでバスケしてました。中学校で野球しました。で、高校で女の子にモテたくて軽音部に入りました」

「わかるわ。軽音部ってモテそうだもんなぁ……」

 あの頃を想像して――モテるとかそれ以前の問題だったことを思い出して軽く欝になった。

 地雷多くて困る。

「野球やってたのか。俺も野球やってたんだぜ?」

「俺レギュラーじゃなかったれす」

 補欠も補欠。二軍の補欠でした。

 残念無念また来週! その頃には忘れておる。

「そっか。でもお前運動神経良さそうだけどな」

「金的の為に鍛えた。取り敢えず今なら男子軽く殺せる」

 ふっと右足を振り上げると、日向君達は内股になった。

 面白すぎワロス。

「女の子になりたかったらいつでも言ってね。ウィッグとか化粧品とか貰ってきたから」

「貴方は本当に男なんですか!?」

 さっきから高松君喋ってなかったと思ったらそれが言葉かい。

 そうかいそうかい。そんなに死んでみたいのかい。

 俺はその場から走り出すと、飛び蹴りで股間を打ち抜いた。

 あまりの激痛に立ったまま気絶した高松君を眺めながら、ふぅと息を吐く。

「俺は男の子☆」

「「「イエス」」」

 カタコトだけれど理解してくれて嬉しいよ。

 俺としてもみんなと仲良くしたいからね。嫌なことは言わないで欲しいんだ。

「なら今度野球でもするか。野球部辺りに練習相手になるとか伝えればやってくれるだろ。こんな郊外の学校と戦えない所なんだから」

「そだね。面白そうだね」

 野球部の股間にボールを当てたいです。

 え? どうしてそこまで股間にこだわるのかって?

 男を完全に尊厳も防御も無く一方的に倒せる所だからに決まってるからじゃないですかヤダー。

「んー、今日は男子寮にいよっかな? 日向君の部屋でパジャマパーティしよ?」

「男の場合はパジャマパーティじゃなくて宴会に近いと思うぜ?」

 女の子より怖いです。

 宴会って言い方は好きじゃないかも。

「それでもパジャマパーティ。俺の夢は夜中に皆で集まってずっと遊ぶことです」

「夜中に遊ぶのは楽しいもんな」

 ふと思いついたのだが、この世界に家は作れないのだろうか?

 開拓すると言うのも案なのかもしれない。

 ガルデモのメンバーもあんな狭い場所で時間も限られてるんじゃ、不完全燃焼だろうし。

 今度ゆりちゃんと話してみようかな。

「じゃあ今日は日向君の部屋に集合だね。NPCが相方かな?」

「いや。俺の相方は大山だ」

「じゃあNPCと大差ないね」

 ひでぇと言う声が聞こえたけれど、だってよく大山君ってNPCじゃないってわかったと思うよ?

 どう考えても大山君って見た目も中身もNPCじゃん。

「夜行くから準備よろしく。お菓子と飲み物は各自で持って来るってことで」

「他の奴らも誘っとくわ」

「うい」

 俺は日向君達にバイバイすると、ガルデモの練習へと向かった。

 あれ? 結局どうしてあの部屋に呼ばれたんだろう?

 ま、いっか。

 

 

 

SIDE:日向

「作戦は成功したって伝えといてくれ」

「まぁそうだろうな」

 藤巻の話に俺は頷いた。

 ゆりっぺも無茶なこと言ってくれるぜ。

 ――多々が自分のことをどうでもいい存在だと思っている可能性があるから、調査して欲しい。

 今回わかったが、あいつは相手の股間に執着し過ぎている。

 あいつが女っぽいって言うのもあるけれど、何か別の意味で男子に対して嫌悪感を抱いていた。

 それが何かはわからねぇけど、ロクでもない未練だってのはわかった。

「今日の夜に集まるメンバーは慎重に決めるとすっか」

 今回選ばれたのは、相手の意見を堂々と聞ける奴らだ。

 夜に集まるのは、相手を落ち着かせることが出来て話をすることができるメンバーだ。

「はぁ。男子の纏め役ってわけじゃないんだけどな」

 戦線のメンバーを見捨てることは出来ねぇし、俺としても多々のことは気になる。

 ……別にホモじゃねぇし。ホモじゃねぇし!

 




ひさ子のアイアンクロー
 こうかはばつぐんだ!
 握力だけで人を殺す。

亀の方の頭をにぎにぎ
 手○キと人は呼ぶ。

ドラッカーのマネジメント
 あっちゃんが出てた奴。アニメもあったね。

俺の息子を踏んでくれ!
 父親が言ったら最低のセリフ。
 ちなみに息子が言ったらただのドM。

壁殴り代行
 何か金稼げるらしい。

アーッ!
 ホモ。
 同部屋の相手がホモでした。
 尚小さい子が好きな為被害は無かった。
 そう言うある日のトラウマ。

ゆるゆり
 女の子同士の絡み合い。
 男同士は無理だけど女の子同士は大好物です。
 しおりんとみゆきち可愛いよ。

不純異性交遊
 男と女のえっちぃ奴。

不純同性交遊
 男と男、もしくは女と女のえっちぃ奴。

心がぴょんぴょんしない
 それほどまでに心に巣食うものは大きいのです。

日向君
 ホモたくん。

護身用の拳銃
 最初に多々君を見たゆりっぺが必要だと判断した。

ドン引きです
 ゴッドイーターは神作です。

金的
 多々君のトラウマらしい。

股間にセッティング
 真っ赤な花が咲き乱れるぜ。

松田と元浜
 D×Dの奴ら。血の涙を流す役割。

ゆりっぺの指令
 ゆりっぺが気がつかないはずが無いのです。
 これが関わるとちょっぴりシリアス。

 多々君の姿はNOTLIVESの天宮鏡花で検索してください。
 彼女を少し大きくしたら多々君になります。
 え? 男の娘?
 違いますよ。ただ女の子っぽい普通の男の子です。
 キリト君を男の娘とは呼ばないでしょう?
 ――こんな作品を評価していただきありがとうございます。


次回予告
「しおりんちゃんに渡された。新品だって」
「取り敢えず座れって。一応何人か呼んであるし、来る奴は来るだろ」
「お前って関根のこと好きなのか?」
「貴重なツッコミ役を発見しました。恐らくこれで勝つる」
「まぁ恋バナはするぜ? どの部位が好きとか、どんな体位とか、どんな服装とか?」
「ピッピカチュウ! ってみゆきちちゃんにやらせたら超可愛いと思う。和む」
「一人の人を好きでい続けると言うのはいいですね」

「――普通に答えられて何も反応できなかったじゃねぇか!」
第8話《Boys Pajamas Party》

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