久しぶり(?)のおっぱい要素。
因みに大きさは小さいほうが好きです。
ネタ話なので、シリアス期待した方は残念でした。
その日の夜、俺の部屋に音無君と日向君は来ていた。
「なんだよ。用事って」
「まぁこのメンバーなんだ。察しはつくさ」
日向君はケラケラと笑いながらも、真面目な顔をしていた。
それを見て察したのか、音無君も真面目な表情をする。
俺も真面目な表情で、口を開いた。
「おっぱいって、良いよね」
「待て!」
日向君が唐突に驚いたような顔をして俺を見てきた。
そんな日向君を俺と音無君がぽかんと見つめる。
「このメンバーだぞ!? 前回まであんなにシリアスな雰囲気を醸し出していた俺達だぞ!? なんでいきなりおっぱいの話をし始めたんだよ!」
「自重できなくなったからだろ」
「そうだよー」
「クソッ! シリアスの扱いが軽すぎる!」
シリアスはどこかに飛んでった。
基本的に音無君は面白い方向に流されていく傾向があるので、まぁこういう話題を振ればすぐに反応することはわかっていた。
「話は聞かせてもらいましたよ」
「どっから現れた高松!」
実は最初からベッドの下に隠れていた高松君の登場に、日向君の表情が荒れる荒れる。
まさにバカの顔をしている日向君を音無君と一緒に笑いながら、本題に入ることにした。
「最近おっぱい要素が少ないじゃん?」
「なぁ、胸の話をして最近殺されたやつがいた気がするんだけど」
「乙π」
「あ、ダメだこれ聞いてねぇ」
日向君が音無君の説得を諦めて、仕方なくだけど議題に入ってきた。
と言うわけでおっぱい会議を今ここに始めようと思う。
因みに同室の彼はいなくなっていました。
「取り敢えず最初の議題だけど、最も重要な議題。おっぱいの大きさについて話し合おうと思う」
「戦争だな」
音無君が身を乗り出していった。
なんでこの子今日こんなにノリがいいんだろう……。
少なくとも音無君は記憶が戻ってからはっちゃけている気がする。
「まぁ最初は一人一人の意見を言おう。じゃあ音無君から」
「俺が押すのは勿論ちっぱいだ。これには勿論理由がある。俺は昔病弱な妹がいて、その妹に色々な漫画を渡してたんだ。雑誌なんだが、その雑誌を渡している間に、この雑誌に写っている子達はなんて元気なんだろうと思った。
そう、貧乳だったんだ」
ごめん。既に意味がわからない。
「全ての雑誌が、その小さな胸を精一杯に主張しながら笑顔を見せていた。妹もそうだ。その小さな胸を張って、生きていたんだ。だから俺はちっぱいを押す。何故ならちっぱいには、人を笑顔にする力があるからだ」
なんだろう……。
辛い過去を打ち明けられた様でいて、ただ自分がロリコンだったことを証明しているだけな気がする。
あぁ、だからタッチーと一緒にいるのかコイツ。
「じゃあ次は日向君」
「俺? 俺はまぁ普通に大きすぎず小さすぎないのが好きだぜ? 勿論ひさ子みたいな大きいのには夢を感じるし、顔を埋めてみたいとも思うけど、どの大きさが好きかって話ならまぁ普通の大きさが好きだ」
意外だった。
音無君、日向君は対象相手がB以下なので音無君みたいにちっぱいを押してくると思ったけど。
あ、そうか。日向君はゆりちゃんと一緒にいたのか。
「特別好きな大きさは無いの?」
「うーん、難しい質問だけど、Cくらいが好きかな。Dまでは許容範囲。Bより下は小さすぎる気がするし、Eまで行くとそれ牛じゃねって思う」
なんというか、健全な男子の普通の思考だった。
つまんね。
「じゃあ高松君」
「巨乳ですね。まぁその大きさじゃなきゃダメですとか、これ以下は人間じゃないとか言うつもりもありません。ただ夢がある。それだけです」
音無君の視線が鋭くなった気がするけど、あえて無視させていただいた。
まだ意見を言っている途中だ。
意見することは許されない。
それを理解しているからこそ、音無君はまだ何も言わないんだ。
「私も勿論巨乳だけが好きと言うわけではありません。ただ巨乳に夢を感じました。それだけで、十分でしょう?」
何かを悟ったように言った高松君。
あぁきっと彼は、世界の真理を見たのだろう。
だけど、だけどだ。
「じゃあ多々はどうなんだ?」
「俺は勿論しおりだよ! と言いたいんだけど、ひさ子ちゃんみたいなFカップも好みだよ。だって夢があるし」
おぉと高松君が声を出す一方で、音無君はなんというかこう……形容しがたい雰囲気を出している。
人を殺せそうな殺気だ。
「でも俺は貧乳も好き。と言うかガルデモのメンバー基本的にCかBだからね。一人Fカップがいるけど」
「そういえばそうだったな。最近Aも入ったし」
ゆいにゃんのことかー! とツッコミを入れつつ、幾分かマシになった音無君を見る。
「取り敢えず巨乳好きは死ねばいいんじゃないか?」
「音無……! 何がお前をそこまで変えちまったんだ……!」
記憶じゃないかなと言う当たり障りのない答えを飲み込みつつ、ベレッタを出して口笛を吹き始めた音無君に流石に恐怖を感じる。
一体何がそこまで彼を駆り立てると言うんだ。
あれか、シスコンかつロリコンの末路なのか?
「あんなものは脂肪の塊だとまでは言わない。何故ならそれに憧れる貧乳こそが、俺の追い求める貧乳だからだ」
そう。それも理解できる。
理解できるからこそ、高松君はそれを認められないのだろう。
「巨乳あってこその貧乳でしょう? その憧れは、巨乳なくして始まらない。だからこそ、巨乳は必要なのです」
ぶつかり合う二人。
それを真面目な表情で見る俺と、面倒臭そうに見ている日向君。
取り敢えず日向君に消しゴムをぶつけておいて、俺は二人を宥めた。
「諸君、私はおっぱいが好きだ」
静まり返る部屋の中で、俺の声だけが響く。
喧嘩に勃発しそうになっていた二人も、黙っていた。
日向君はえ、俺も黙らなきゃいけないのみたいな雰囲気を出していたけれど、二人にねじ伏せられた。
「諸君、私は胸が好きだ」
その言葉に、音無君も高松君も頷く。
日向君もそりゃまぁと言いながら頷いた。
「諸君、私はおっぱいが大好きだ」
然りと、二人は声を出す。
そう言う流れなのかと言いながら、やる気なく然りと告げた。
「胸部装甲が好きだ。
ブラジャーが好きだ。
水着が好きだ。
手ブラが好きだ。
大きいのが好きだ。
小さいのが好きだ。
中くらいのが好きだ。
牛の様なのが好きだ。
壁の様なのが好きだ」
頭の中で反芻する胸。
躍動するその心は、いつも俺達の心を掴んで離さない。
「学校で 一室で
浜辺で 海中で
運動で 暗闇で
街中で 公園で」
思い出されるのはシチュエーション。
こんなところでしおりと一緒にいられたらいいなという、場所。
まぁしおりの中でもおっぱいを集中してみているのだけれど。
「この世界で見ることができる、ありとあらゆるおっぱいが大好きだ」
しおりだけ、とは限らない。
ひさ子ちゃんであれば躍動するモノを見られるだろう。
まさみちゃんであれば汗が流れるモノを見られるだろう。
みゆきちちゃんであれば赤面を見られるだろう。
まぁしおりだったら全部見られるんだけど。
「胸が小さいもの達が、大きい者達を見ている時が好きだ。それに憧れを抱きそうなることを夢見ている少女など、心が躍る。
胸の大きいもの達が胸の小さいもの達にあまりいいものではないと説明しているときの、小さなもの達の恨めしそうな顔なんて胸がすくような微笑ましい気持ちだ。
身長順に並んでいるはずなのに、胸の大きさが順番になっていないのが好きだ。周りを見ながら少しでも大きくしようと胸を張っている姿には感動すら覚える。
運動をしているときに大きな胸が揺れる瞬間などはもうたまらない。二人三脚で一緒になったときに、横で上下に動く胸など最高だ。
しおりのベッドに隠れさせられたとき、髪の毛が当たりしおりの出した艶やかな声には危うく絶頂するところだった」
その言葉に日向君が俺を殴りに来ようとしたが、音無君のボディーブローと高松君のラリアットに撃沈した。
優秀な部下を持ったものである。
「気にしていないようでありながら、ひさ子ちゃんを見ながら胸に触れてため息を吐くまさみちゃんが好きだ。もう成長しないこの世界で、ひさ子ちゃんの胸に多くの女子達が蹂躙されていく姿はとてもとても悲しいものだ。
大きな胸の圧倒的な物量を押し付けられるのが好きだ。その後にしおりに追い掛け回されるせいで感触をずっと確かめられないのは屈辱の極みだ」
と言うか結局ひさ子ちゃんなんだよね。
全く気にしていないのはそれこそ……NPCくらい?
最近椎名ちゃんも自分の胸の大きさを見てたし。
なんか潜入には便利だとか言いながら震えてたし。可愛い。
「諸君、私はおっぱいを、全ての種類のおっぱいを望んでいる」
大きすぎたっていいじゃない。
小さすぎたっていいじゃない。
人間だもの。たを。
「諸君、私と共におっぱいを追い求める戦友諸君。君達は一体何を望んでいる?」
おっぱいを、俺達男子が最初にエロに目覚めたおっぱいを。
「更なる戦争を望むか?
情け容赦の無い貧乳巨乳戦争を望むか?
全てのおっぱいを理解し、三千世界の胸を好く、嵐のような思いを秘めるか?」
「「おっぱい! おっぱい! おっぱい!」」
「お、おっぱい」
「よろしい。ならばおっぱいだ」
日向君は波に乗れていなかったけれど、そんなことは気にしない。
乗るしかない。このビッグウェーブに!
「我々は満身の力を込めて今まさに胸を求めて走り出さんとする精鋭だ。
だがこの世界に来て様々なおっぱいに魅せられてきた我々は、一人のおっぱいでは最早足りない!!
おっぱいを! 戦線女子のおっぱいを!!
我らはわずかに四人。数十数百といる女子にとっては路上のゴミに過ぎない。
だが諸君は、一騎当千の強者だと俺は信仰している。
ならば我らは、諸君と私で総兵力4000の軍集団となる。
この世界に来て安息の日々を過ごし、おっぱいの魅力を忘れた男共を叩き起こそう。
髪の毛を引っ張ってでも連れてきてやる。
連中におっぱいの素晴らしさを思い出させてやる。
連中におっぱいを押した時のスイッチ音を聞かせてやる。
天に来てでも、忘れられない感触を思い出させてやる。
世界におっぱいの素晴らしさを」
俺はそう言うと、三人を見る。
若干一人引き気味になっているけれど、きっと音無君当たりに拉致されるだろう。
「おっぱい戦線隊長より、全隊員へ。第一次おっぱい作戦開始せよ」
敬礼をした音無君と高松君。
「征くぞ諸君」
「でもお前それやると、お前の彼女も標的にされるんじゃねぇの?」
日向君の言葉を聞いた俺は、うんと頷いた。
「だって俺、しおりの味方だし」
「せんせー。ここに裏切り者がいまーす」
音無君と高松君が走り出したのを見て、俺は一人頷く。
残った日向君はいいのかよこれでと言っていたが、俺は別に構わないよと告げた。
「だっておっぱいの感触自体知っている人がこの戦線にあんまりいないことぐらい知ってるし」
後におっぱいの乱と呼ばれることになるこのおっぱい戦争は、最終合計30人にも達し、女子寮への突撃を試みたものの天使に迎撃されて女子達は事なきを得た。
またこの戦いには裏切り者がいるとされているが、あまり詳しい詳細は分かっていない。
一人だけ侵入に成功したと言う噂も立っていたが、この戦争中に女子寮に入ったのは銀髪の少女一人だけである。
まぁつまり。
誰も気にしていないのだった。
この話は友達におっぱい要素最近無いよね。おっぱい好きなんだろ? だったら語れよ。と言われたので書きました。
これでも自重しました。
おっぱいが好きな方はお気に入り登録、評価の程をお願いします。
おっぱいは世界を救うのです。
久しぶりの次回予告!
「そりゃ負ける方に付いていたくないし」
「ゆいちょろい」
「正直戦線の仲を引っ掻き回しすぎた気がする」
「実は世界の秘密に関わってたりして」
「ないよ、ここ」
「貴方は誰?」
「色々聞きたいことはあるんですけど、取り敢えずタッ君をください」
「私の名前は雨野悠。親しみと敬愛を込めて悠おねーさんと呼びなさい」
第056話《Encounter》